JPS6348401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、タイヤを保持するリムと車両のハブ
に取付けられるデイスクからなるホイールの中央
部を被覆するホイールキヤツプ、すなわち、外周
がホイールのリムにまで至らない小型のホイール
キヤツプを支承するのに適したホイールキヤツプ
保持金具に関する。

この種のホイールキヤツプ保持金具は、外周が
ホイールのリムにまで至らない小型のホイールキ
ヤツプを支承するために用いられるものであるた
め、ホイールにおけるリムを利用して取付けると
当該保持金具のほゞ全体が外部に露呈して、外観
を著しく損なう。したがつて、当該保持金具はホ
イールにおけるデイスクに取付けなければならな
い。

〔従来技術とその問題点〕

ところで、従来のこの種ホイールキヤツプ保持
金具は、ホイールのデイスクに溶接される環状の
取付基部に、ホイールキヤツプの外周縁部に軸方
向への移動を規制して半径方向内方へ弾撥的に係
合する係合部を複数個一体的に設けた一体物であ
つて重く、しかもデイスクへの取付が溶接である
ためコスト的にも高価なものであつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、かかる実状に鑑みなされたものであ
り、ホイールにおけるデイスクに略同一円周上に
て略等間隔に複数固設けた各取付貫通穴に対応し
て同デイスクの外側に装着されて同デイスクの外
側に取付けられるホイールキヤツプを弾撥的な係
合により脱着可能に支承する機能を有して弾性の
ある板材によつて形成されたホイールキヤツプ保
持金具であつて、前記取付貫通穴のデイスク外周
側に位置する前記デイスクの外側面に当接して配
置される取付基部と、同取付基部の一端から連続
して延び前記デイスクの外側面から所要量離れる
とともに前記取付貫通穴に入る基端部分とこの基
端部分から連続して延び前記取付貫通穴を通して
前記デイスクの内側に至りかつ前記取付貫通穴を
通して前記デイスクの外側に至る中央部分とこの
中央部分から連続して延び前記取付貫通穴のデイ
スク内周側に位置する前記デイスクの外側面に弾
撥的に当接する自由端部分と前記中央部分の前記
基端部分側に設けられて前記デイスクの内側面に
弾撥的に係合する爪を備えて当該ホイールキヤツ
プ保持金具を前記デイスクに取付けるＵ字状の湾
曲部と、前記取付基部の他端から連続して延びて
前記ホイールキヤツプの外周縁部に向かい同ホイ
ールキヤツプの外周縁部を構成するリングに設け
た外周に向けて開口する環状段部に半径方向内方
へ弾撥的に係合して前記ホイールキヤツプを支承
する係合部とを備えたホイールキヤツプ保持金具
にその要旨がある。

〔考案の作用効果〕

かかるホイールキヤツプ保持金具においては、
その湾曲部の中央部分をデイスクの外側面から取
付貫通穴内に差し込んで湾曲部を内側に向けて押
圧すると、湾曲部における自由端部分が取付貫通
穴のデイスク内周側に位置するデイスクの外側面
に弾撥的に当接するとともに、基端部分がデイス
クの外側面に向けて弾性変形し、この基端部分の
反撥作用により爪がデイスクの内側面に弾撥的に
係合する作用が得られる。したがつて、当該保持
金具はデイスクの外側にワンタツチにて装着する
ことができ、組付作業性は極めて良く、安価に実
施することができる。また、当該保持金具は、
個々に係合部を備えたコンパクトなものであり、
デイスクに設けた各取付貫通穴を利用して個々に
ワンタツチ装置されるため、周方向に複数個設け
るにも拘わらず、従来の保持金具に比して重量を
軽減することができる。

〔実施例〕

以下に、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図は自動車用ホイールのデイスク１０に本
考案に係る保持金具２０を用いて外周が図示しな
いリムにまで至らない小型のホイールキヤツプ３
０を取付けた状態を示していて、デイスク１０に
は第２図にて示したように矩形の取付貫通穴１１
が設けられている。取付貫通穴１１はハブ穴１２
の中間部位に形成した膨出部１３にそれぞれ設け
られており、同一円周Ａ上にてて略等間隔に５個
設けられている（図には２個のみ示されている）。

保持金具２０は、弾性のある板材によつて形成
されているものであつて、各取付貫通穴１１に対
応してデイスク１０の外側にそれぞれ装着されて
おり、第１図及び第３図にて示したように、各取
付貫通穴１１のデイスク外周側に位置するデイス
ク１０の外側面１０ａに当接して配置される取付
基部２１と、この取付基部２１の一端に一体的に
形成されて当該保持金具２０をデイスク１０に取
付けるためのＵ字状の湾曲部２２及び一対の脚部
２３と、前記取付基部２１の他端に一体的に形成
されてホイールキヤツプ３０を支承する係合部２
４によつて構成されている。

湾曲部２２は、基端部分２２ａ、中央部分２２
ｂ、自由端部分２２ｃと爪２２ｄによつて構成さ
れていて、基端部分２２ａは取付基部２１の一端
から連続して延びデイスク１０の外側面１０ａか
ら所要量離れるとともに取付貫通穴１１に入るよ
うに湾曲形成され、中央部分２２ｂは基端部分２
２ａから連続して延び取付貫通穴１１を通してデ
イスク１０の内側に至りかつ取付貫通穴１１を通
してデイスク１０の外側に至るように湾曲形成さ
れ、自由端部２２ｃは中央部分２２ｂから連続し
て延び取付貫通穴１１のデイスク内周側に位置す
るデイスク１０の外側面１０ａに弾撥的に当接す
るように屈曲形成されている。また、爪２２ｄ
は、中央部分２２ｂの基端部分２２ａ側に一対突
設されていて、デイスク１０の内側面１０ｂに弾
撥的に係合する（食い込む）ように形成されてい
る。

係合部２４は、ホイールキヤツプ３０の外周縁
部に向けて延びていて、ホイールキヤツプ３０の
外周縁部を構成するリング３１に設けた外周に向
けて開口する環状段部３１ａに軸方向（第１図上
下方向）への移動を規制して半径方向内方へ弾撥
的に係合している。

この保持金具２０においては、第１図のように
装着された状態にて湾曲部２２の基端部分２２
ａ、中央部分２２ｂ、自遊端部分２２ｃによつて
得られる取付貫通穴１１内壁面に向かうとともに
デイスク１０の外側に向かう弾撥作用により、爪
２２ｄとデイスク１０の内側面１０ｂとの係合が
維持されるとともに、爪２２ｄと取付基部２１間
にてデイスク１０が板厚方向に挾持される。これ
により、デイスク１０と保持金具２０の組付強度
が高められており、保持金具２０の脱落防止が図
られている。なお、保持金具２０の脚部２３は、
それ自体の湾曲を規制する補強フランジ２３ａを
有していて、湾曲部２２の上記した弾撥作用を増
強するために設けられているものであり、必ずし
も必要なものではない。

ところで、上述した保持金具２０においては、
その湾曲部２２の中央部分２２ｂをデイスク１０
の外側面１０ａから取付貫通穴１１内に差し込ん
で湾曲部２２を内側に向けて押圧すると、湾曲部
２２における自由端部分２２ｃが取付貫通穴１１
のデイスク内周側に位置するデイスク１０の外側
面１０ａに弾撥的に当接するとともに、基端部分
２２ａがデイスク１０の外側面１０ａに向けて弾
性変形し、この基端部分２２ａの反撥作用により
爪２２ｄがデイスク１０の内側面１０ｂに弾撥的
に係合する作用が得られる。したがつて、当該保
持金具２０はデイスク１０の外側にワンタツチに
て装着することができ、組付作業性は極めて良
く、安価に実施することができる。また、当該保
持金具２０は、個々に係合部２４を備えたコンパ
クトなものであり、デイスク１０に設けた各取付
貫通穴１１を利用して個々にワンタツチ装着され
るため、周方向に複数個設けるにも拘わらず、従
来の保持金具に比して重量を軽減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る保持金具を用いてホイー
ルのデイスクにホイールキヤツプを取付けた状態
の部分断面図、第２図は第１図に示したデイスク
の部分外側面図、第３図は第１図に示した保持金
具の拡大斜視図である。 符号の説明、１０……ホイールにおけるデイス
ク、１０ａ……デイスクの外側面、１０ｂ……デ
イスクの内側面、１１……取付貫通穴、２０……
保持金具、２１……取付基部、２２……湾曲部、
２２ａ……湾曲部の基端部分、２２ｂ……湾曲部
の中央部分、２２ｃ……湾曲部の自由端部分、２
２ｄ……湾曲部に設けた爪、２４……係合部、３
０……ホイールキヤツプ、３１……リング、３１
ａ……リングに設けた環状段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイールにおけるデイスクに略同一円周上にて
   略等間隔に複数個設けた各取付貫通穴に対応して
   同デイスクの外側に装着されて同デイスクの外側
   に取付けられるホイールキヤツプを弾撥的な係合
   により脱着可能に支承する機能を有して弾性のあ
   る板材によつて形成されたホイールキヤツプ保持
   金具であつて、前記取付貫通穴のデイスク外周側
   に位置する前記デイスクの外側面に当接して配置
   される取付基部と、同取付基部の一端から連続し
   て延び前記デイスクの外側面から所要量離れると
   ともに前記取付貫通穴に入る基端部分とこの基端
   部分から連続して延び前記取付貫通穴を通して前
   記デイスクの内側に至りかつ前記取付貫通穴を通
   して前記デイスクの外側に至る中央部分とこの中
   央部分から連続して延び前記取付貫通穴のデイス
   ク内周側に位置する前記デイスクの外側面に弾撥
   的に当接する自由端部分と前記中央部分の前記基
   端部分側に設けられて前記デイスクの内側面に弾
   撥的に係合する爪を備えて当該ホイールキヤツプ
   保持金具を前記デイスクに取付けるＵ字状の湾曲
   部と、前記取付基部の他端から連続して延びて前
   記ホイールキヤツプの外周縁部に向かい同ホイー
   ルキヤツプの外周縁部を構成するリングに設けた
   外周に向けて開口する環状段部に半径方向内方へ
   弾撥的に係合して前記ホイールキヤツプを支承す
   る係合部とを備えたホイールキヤツプ保持金具。