JPS6346666Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、燃料として例えばL.P.Gとガソリ
ンというふうに異種燃料を選択的に切換えて使用
する機関に用いられるアイドルコンペンセータに
関する。

従来のアイドルコンペンセータは、例えば第１
図に示すように、気化器１をバイパスしてエアー
クリーナ２と吸気路３を連通するバイパス通路４
と、このバイパス通路４のエアークリーナ２側開
口部５に設けられた温調弁６からなる。

この温調弁６は、機関温度を感知して、燃焼温
度が上昇し燃料の粘性が低下するなどして燃料供
給が過濃となつてアイドル回転速度が低下し始め
ると、開弁してバイパス通路４を開き、オリフイ
ス７によつて調節される量のバイパス空気を導入
して、適度の混合比にしてアイドル回転数をあ
げ、機関の回転が不安定になるのを防止する。

なお、本例においては、この通路４は途中で分
岐して分岐通路８が設けられ、自動温調式エアー
クリーナーの負圧取出通路もかねている。

自動温調式エアークリーナは、エアークリーナ
２の吸気ダクト９の途中に連通する暖気吸入ダク
ト１０と、連通部に設けられたバタフライ型の切
換弁１１からなり、この切換弁１１はダイヤフラ
ム装置１２によつて開閉制御される。

そして、上記ダイヤフラム装置１２の負圧室１
３には、負圧通路１４が連通し、この負圧通路１
４は温調弁１５を介して前記分岐通路８と接続し
ている。

したがつて、温調弁１５の開弁時には、バイパ
ス通路４から分岐通路８および負圧通路１４を経
て、吸入負圧が伝わり、ダイヤフラム装置１２を
作動させて、切換弁１１を図のように引き上げ、
暖気ダクト１０を開いて排気マニホールドカバー
１６で区画された空間から暖気をエアークリーナ
２に吸入する。

温調弁１５はバイメタル１７に連結され、吸気
温度が所定値未満の時に開弁し、所定値以上にな
ると分岐通路８と負圧通路１４の連通を断つ。し
たがつて、低温時には切換弁１１を開いて暖気を
導入するが、温度の上昇に伴つて切換弁１１を閉
じて吸気ダクト９から直接外気を導入し、常に良
好な機関燃焼状態を確保するのである。

ところで、前述したようなアイドルコンペンセ
ータ（本例においては、上記のように自動温調エ
アクリーナの負圧取出通路の一部をかねている）
を、燃料としてガソリンとL.P.Gを選択的に切り
換えて使用する機関に取り付けると、異種燃料の
いずれを使用して機関を運転している時でも温度
を感知して作動する。このため、ペーパライザ等
で常に最適な混合比に制御されるL.P.G運転時に
アイドルコンペンセータが働らくと、とくにガソ
リンのように供給燃料が増えないにもかかわらず
不必要にバイパス空気が導入されて混合比が薄く
なりかえつて、アイドル時のエンジン運転が不安
定になるという問題があつた。

この考案はこのような従来の問題に着目してな
されたもので、吸気路に連通するバイパス通路の
途中に燃料切換スイツチと連動する電磁弁を設
け、L.P.G燃料運転時には電磁弁を介して通路を
閉じて、コンペンセータが作動しないようにし
て、L.P.G燃料においてもガソリン燃料において
も常に安定したアイドル回転を得るようにしたア
イドルコンペンセータを提供することを目的とす
る。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２図は、この考案の一実施例を示すもので、
図中第１図と実質的に同一部材には同一符号を付
し、説明は省略する。

アイドルコンペンセータを構成するバイパス通
路４の分岐通路８との分岐点に燃料切換スイツチ
２１と連動する電磁弁２０を介装する。

電磁弁２０のケース２２は、前後のバイパス通
路４を中継し、かつ分岐通路８と気密に連通す
る。ケース２２に差し入れられたバイパス通路４
の、前後二つの開口部２３，２４の間には、可動
弁２５が設けられ、スプリング２６の押圧力と、
コイル２７が励磁したときに作用する磁力との相
互作用により、図中、左右に作動して、開口部２
３，２４を相反的に開閉する。

後方（エアクリーナ側）の開口部２４近傍に
は、開口部２４が閉じたときに、所定の負圧を伝
達する（所定量の空気を流す）小孔２８が設けら
れる。

従つて、L.P.G運転時に燃料切換スイツチ２１
が○ロ側に投入されると、第３−ａ図に示すよう
に、コイル２７が励磁して、スプリング２６の押
圧力に抗して可動弁２５を図示左方に引き付け、
吸気路側の開口部２３を閉鎖する。これにより、
それ以後の負圧の伝達を完全にカツトする。

一方、ガソリン運転時に燃料切換スイツチ２１
が○イ側に投入されると、第３−ｂ図に示すよう
に、コイル２７は消磁して、スプリング２６の押
圧力で図示右方に移動する。これにより、後方の
開口部２４は閉鎖されるが、開口部２３より伝達
される負圧は小孔２８を通つて、バイパス通路４
全体に伝達される。

このように構成したので、ガソリン燃料運転時
には、スイツチ２１により電磁弁２０がバイパス
通路４を連通し、機関温度が高くなると温調弁６
の働らきにより所定のバイパス空気が吸気路３に
吸引される。従つて、機関温度が上昇したときに
も、従来と同様に温調弁６の作動により安定した
アイドル回転数が得られる。

一方、L.P.G燃料運転時にはスイツチ２１によ
り電磁弁２０がバイパス通路４の開口部２３を閉
じ、それ以降の負圧の伝達をカツトするため、バ
イパス空気は温調弁６の開閉にかかわらず、吸気
路３に導入されることはない。従つて、L.P.G燃
料運転の高温時に不必要なバイパス空気により混
合比が薄められることがなく、安定したアイドル
回転が得られるのである。

第４図には他の実施例を示す。

この実施例は、２ウエイ式電磁弁３０を用いて
前例の電磁弁２０の簡略化を計つたもので、バイ
パス通路４の分岐する手前の所定位置に、燃料切
換スイツチ２１と連動する２ウエイ式電磁弁３０
を設ければ、第５−ａ図、第５−ｂ図に示すよう
に、L.P.G運転時にはバイパス通路４を遮断し、
ガソリン運転時にはバイパス通路４を連通し、前
例と同様の作用を簡素な機構で実現することがで
きる。

以上説明したように、この考案によれば、燃料
切換えスイツチと連動する電磁弁をバイパス通路
の途中に設け、バイパス空気の必要のないL.P.G
運転時にはアイドルコンペンセータを作動させな
いようにしたため、L.P.G燃料運転時にも安定し
てアイドル回転を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の吸気系の断面図、第２図はこの
考案の一実施例の断面図、第３−ａ図、第３−ｂ
図はその作動説明図、第４図は他の実施例の断面
図、第５−ａ図、第５−ｂ図はその作動説明図で
ある。 １…気化器、２…エアークリーナ、３…吸気
路、４…バイパス通路、６…温調弁、２０，３０
…電磁弁、２１…燃料切換スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 異種の燃料を燃料切換スイツチによつて選択的
   に切換えて使用する異種燃料使用機関に、気化器
   をバイパスしてエアークリーナから吸気路に空気
   を導入するバイパス通路を形成し、このバイパス
   通路に機関温度の高温時に開く温調弁を設けると
   ともに、この温調弁と直列にバイパス空気の不必
   要な燃料での運転時には上記燃料切換スイツチを
   介して閉じる電磁弁を設けたことを特徴とする異
   種燃料使用機関のアイドルコンペンセータ。