JPS6346279B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はモータ室の上部に、そのモータ軸を支
持するラジアル軸受を設けたインターナルポンプ
の軸受装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のインターナルポンプは第１図に示すよう
に、主インペラ部Ａとモータ部Ｂとからなり、前
者の主インペラ部Ａは、ポンプ軸３ａに取付けら
れた主インペラ１および案内羽根２により構成さ
れている。後者のモータ部Ｂは、ポンプ軸３ａの
下部にはめ込んで一体に結合したモータ軸３ｂに
取付けられた回転子４と、モータケーシング６の
内側に取付けられた固定子５と、前記モータ軸３
ｂの下端に一体に形成された冷却水循環用の補助
インペラ兼スラストデイスク７とにより構成され
ている。

上記補助インペラ兼スラストデイスク７は上、
下部スラスト軸受８ａ，８ｂにより回転自在に支
持されると共に、そのスラストデイスク７には上
向方向の通路７ａが複数個設けられている。また
前記モータ軸３ｂの上、下部は内モータケーシン
グ６ａの上、下部内側にそれぞれ取付けられた
上、下部ラジアル軸受９ａ，９ｂにより回転自在
に支持されている。

上記のように構成された従来のインターナルポ
ンプでは、ポンプ軸３ａの回転に伴つて補助イン
ペラ７が回転すると、モータ室底部１０ｂ内のモ
ータ冷却水はスラストデイスク７の通路７ａを上
昇し、上部スラスト軸受８ａおよび下部ラジアル
軸受９ｂを流通した後にモータ回転子４およびモ
ータ固定子５の間を流通し、ついで上部ラジアル
軸受９ａを流通してモータ室上部１０ａ内に流入
する。この室上部１０ａに流入した冷却水はさら
に配管１１ａ、熱交換教１２および配管１１ｂを
経てモータ室底部１０ｂに圧入され、以降は前記
と同様に循環してモータ室内を冷却する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のように冷却水をモータ室底部１０ｂより
揚水し、モータ室上部１０ａの方向へ流して循環
させる方法では、モータ軸３ｂおよびポンプ軸３
ａを支持する上部ラジアル軸受９ａは静圧軸受の
機能を発揮しない欠点がある。またインターナル
ポンプは軸系振動の加振力となる主インペラ部Ａ
を上部に設置する構造であるため、上部ラジアル
軸受９ａに作用する荷重が大であるから、その軸
受９ａが著しく摩耗するばかりでなく、インター
ナルポンプ軸系の固有振動数も低下する欠点があ
る。

本発明は上記にかんがみモータ室上部に設けた
上部ラジアル軸受に静圧軸受の機能を持たせ、そ
の上部ラジアル軸受の摩耗を防止すると共に、イ
ンターナルポンプ軸系の固有振動数を高度に維持
することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、モータ室
の上部に、ポンプ軸と一体に結合されたモータ軸
の上部を回転自在に支持する上部ラジアル軸受を
設け、そのモータ軸の下端に設けた冷却水循環用
の補助インペラ兼スラストデイスクをモータ室底
部に設けてなるインターナルポンプにおいて、前
記補助インペラ兼用スラストデイスクに下向き方
向の冷却水通路を設け、その補助インペラ兼スラ
ストデイスクにより冷却水を前記冷却水通路およ
び外部の熱交換器を経てモータ室上部に導くと共
に、前記上部ラジアル軸受の中間部には環状の静
圧室を設け、該静圧室に前記モータ室上部に導か
れた冷却水を圧入したものである。

〔作用〕

上記構成とすることにより、補助インペラ兼ス
ラストデイスクにより昇圧された冷却水を上部ラ
ジアル軸受の軸受面に供給でき、これによつて上
部ラジアル軸受に静圧軸受の機能をもたせること
ができる。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を図面について説明す
る。第２図ないし第４図に示す符号のうち、第１
図の符号と同一のものは同一または該当する部分
を示すものとする。

第２図において、６ａ，６ｂは内モータケーシ
ングおよび外モータケーシング、７はポンプ軸３
ａにはめ込まれて一体に結合されたモータ軸３ｂ
の下端に一体に形成された冷却水循環用補助イン
ペラ兼スラストデイスクで、このスラストデイス
ク７には、第４図に示すように下向き方向の通路
７ａが複数個設けられている。９ａはモータ軸３
ｂの上部を回転自在に支持する上部ラジアル軸受
で、この軸受９ａは内モータケーシング６ａの上
端に一体に形成された軸受ブラケツト６a₁に取付
けられている。

軸受ブラケツト６a₁には第３図に示すように、
パツキン１４が埋設されると共に、外モータケー
シング６ｂの上部に設けた冷却水通路１３に連通
する冷却水路１５が設けられている。１６は前記
軸受ブラケツト６a₁の内周部と上部ラジアル軸受
９ａとにより形成された静圧室、１７は前記軸受
ブラケツト６a₁に、軸方向に、かつ前記冷却水通
路１５と交差しないように任意数設けられた冷却
水通路である。その他の構造は第１図に示す従来
例と同一であるから説明を省略する。

次に上記のような構造からなる本実施例の作用
について説明する。

ポンプ（主インペラ１）が稼動しているとき、
ポンプ軸３ｂの下端に取付けられた補助インペラ
兼スラストデイスク７も回転するため、冷却水は
スラストデイスク７に設けられた冷却水通路７ａ
を流通し、かつ昇圧されてモータ室底部１０ｂに
流入する。この昇圧された冷却水はさらに配管１
１ｂ、熱交換器１２、配管１１ａ、外モータケー
シング６ｂの冷却水通路１３および軸受ブラケツ
ト６a₁の冷却水通路１５を経てラジアル軸受９ａ
の静圧室１６に圧入される。

上記静圧室１６内に圧入された冷却水は、モー
タ軸３ｂに沿つて上、下方向に分流し、この下方
向に分流された冷却水は、モータ回転子４とモー
タ固定子５を冷却した後に、下部ラジアル軸受９
ｂおよびスラストデイスク７の通路７ａを流通し
てモータ室底部１０ｂに戻され、以降は前記と同
様に循環作用を繰返す。一方、前記モータ軸３ｂ
に沿つて上方向に分流された冷却水は、軸受ブラ
ケツト６a₁に設けた通路１７を流通して下降し、
前記の下方向に分流された冷却水と合流する。

前記熱交換器１２の流路抵抗は、その他の冷却
水循環の流路抵抗に比べてはるかに小さいため、
静圧室１６で発生する静圧は十分であるので、ラ
ジアル軸受９ａが摩耗するのを防止することがで
きる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、補助イン
ペラ兼スラストデイスクにより昇圧された冷却水
により、モータ室上部に設けた上部ラジアル軸受
に静圧軸受の機能を持たせることができるので、
前記上部ラジアル軸受の摩耗を防止して寿命を延
長させるばかりでなく、インターナルポンプ軸系
の固有振動数を高度に維持して信頼性を向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインターナルポンプの縦断面
図、第２図は本発明の一実施例を適用したインタ
ーナルポンプの縦断面図、第３図および第４図は
それぞれ第２図のＣ，Ｄ部の拡大詳細図である。 ３ａ……ポンプ軸、３ｂ……モータ軸、６ａ，
６ｂ……内、外モータケーシング、６a₁……軸受
ブラケツト、７……補助インペラ兼スラストデイ
スク、７ａ，１３，１５……冷却水通路、９ａ…
…上部ラジアル軸受、１０ａ……モータ室上部、
１０ｂ……モータ室底部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モータ室の上部に、ポンプ軸と一体に結合さ
   れたモータ軸の上部を回転自在に支持する上部ラ
   ジアル軸受を設け、そのモータ軸の下端に設けた
   冷却水循環用の補助インペラ兼スラストデイスク
   をモータ室底部に設けてなるインターナルポンプ
   において、前記補助インペラ兼スラストデイスク
   に下向き方向の冷却水通路を設け、その補助イン
   ペラ兼スラストデイスクにより冷却水を前記冷却
   水通路および熱交換器を経てモータ室上部に導く
   と共に、前記上部ラジアル軸受の中間部には環状
   の静圧室を設け、該静圧室に前記モータ室上部に
   導かれた冷却水を圧入することを特徴とするイン
   ターナルポンプの軸受装置。 ２ 上記ラジアル軸受を内モータケーシングの上
   部に設けた軸受ブラケツトに取付け、前記上部ラ
   ジアル軸受に設けた静圧室を前記軸受ブラケツト
   および外モータケーシングにそれぞれ設けた冷却
   水通路および熱交換器を介してモータ室底部に連
   通させたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載のインターナルポンプの軸受装置。