JPS6344741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、両端境界壁として上方に高く立ち上
がる側壁を有する秤り皿を秤り筐体に一体的に形
成した乳児用体重計に係わる。

［従来の技術］ 従来の乳児用体重計は、目盛表示部を有する体
重計本体の上に、乳児を載せるための上向きに開
放した弯曲状の秤り皿を支軸を介して連結した構
造となつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来の乳児用体重計は、重量のある体重計
本体の上に軽量の秤り皿が可動式に取付けられた
構造となつているので、運搬の際は体重計本体の
底部に手を入れて持つ必要があるが、秤り皿が体
重計本体の上方で大きく張出しているので、持ち
難く、非常に不安定な状態で運搬しているのが現
状である。

また、従来の乳児用体重計の秤り皿は単に凹面
となつているだけであるので、体重測定される乳
児は自らの姿勢を保つための手段がなく、精神的
にも不安定となり、体重測定に支障をきたす問題
もあつた。

そこで、本考案は上記問題点を解消し、運搬に
便利であると共に、乳児自身が姿勢を安定に保ち
得る乳児用体重計を提供することを目的としてい
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の乳児用体重計は、体重計の長手方向に
沿う両側縁に上方に立ち上がる側壁を有する秤り
皿を体重計筐体と一体に形成し、前記両側壁の長
手方向中間部の外面に側壁の内方に窪んだ凹みと
しての切欠きを設け、この切欠きと、前記側壁の
上縁部で構成される把持突縁とで把持部を形成す
ると共に、一方の前記切欠きの下側内周縁に体重
表示部を設けたことを特徴とする。

切欠きの横幅は、秤り皿の全長の約1/3の長さ
を具えることが好ましい。これだけの長さがあれ
ば、乳児は、坐つた状態または横にされた状態で
横木状の把持部を握ることができる。また、切欠
きを中間部に形成したのは、乳児が秤り皿のほぼ
中央に身を置くことを配慮したからである。

好ましい実施態様では、秤り皿の側部突縁を形
成する側壁が、特にその全長の中間部分に、それ
ぞれに切欠きの形成された高く上方に突出した部
分を具備する。このようにすれば、特に乳児を秤
り皿の中央部に身を置くように強制した場合、一
段と把持が容易となる。

側壁の上縁近傍または突出した壁部分に側壁ま
たは突出部分の予め堀り込んだ凹みとして切欠き
を設けているので、壁または壁部分は塞がれたま
まであり、このことは体重計を清潔に保つ上で好
ましい。

切欠きが高く突出した部分の上部垂直縁近傍の
縁部分を含むことが好ましい。即ち、このように
構成すれば、特に乳児が横たわつている場合、乳
児にとつて高く突出した壁部分の垂直縁もまた把
持部を形成するからである。

切欠きが側壁または高く突出した部分の外向き
に開いた凹みの形状であり、切欠きの高さが側壁
の高さの大部分を占めることが好ましい。このよ
うに構成すれば、秤り皿の壁面はすべて平滑とな
るから清潔を保つ上で一層有利であり、しかも外
側から指を掛けることができるから乳児のための
把持部形成の上でも極めて好ましい。凹みの高さ
を秤り皿の深さよりも大きくすれば、この凹みを
運搬用把持部として利用するのに便利である。切
欠きの上縁は、把持突縁を形成する壁または突出
した壁部分の縁から側壁または突出した壁部分の
上縁の横断方向幅にほぼ相当する距離だけ離れて
位置するように構成するのが好ましい。この構成
は、強度上有利である。

［実施例］ 以下、添付図面に示す２つの好ましい実施例を
参照しながら本考案を詳述する。

第１図及び第２図に示す乳児用体重計の筐体１
は、体重の測定機構を有する体重計内部機構に上
下動可能に取付けられており、この筐体１は秤り
皿の役割を果すと共に、その側部が体重計内部機
構の基部２付近まで下方に延びて体重計全体の筐
体として形成されている。筐体１は秤り皿３を具
え、この秤り皿３は、上部の一対の把持突縁６，
７を形成する側壁４，５によつて両側を限定され
ている。乳児は、この把持突縁６，７に掴まつて
身体を支えることができる。外側には、それぞれ
外向きに開口する切欠き８，９を形成してあり、
その深さは、側壁４，５の幅の1/2以上であり、
一方の切欠き９は、その下側内周縁に体重表示部
１０を具備する。切欠き８，９における凹みの上
縁１１，１２を把持突縁６，７を形成する側壁
４，５の上縁の近傍に設けたから、切欠き８，９
の上部に横木状の把持部１３，１４が形成され
る。

第２図から明らかなように、切欠き８，９は、
筐体の全長の約1/3を占め、筐体全長の中間部分
に配置されている。

第１図乃至第５図に示す実施例では、筐体及び
側壁に関して共通の参照番号を使用する。

秤り皿１５は、その平坦な底が筐体の全長に亘
つて広がる点で秤り皿３と異なる。特に中間部に
横木状の把持部１８，１９を形成する切欠き１
６，１７を側壁４，５の外側に設けた場合、この
ような秤り皿１５を採用できる。この実施例で
は、横木状の把持部１８，１９の存在が特に顕著
である。なぜなら、高く突出した側壁部分２０，
２１が側壁４，５の中央に位置し、上部突縁の構
成により乳児の姿勢を安定させるからである。切
欠き１６，１７は、下方へ向かつてその深さが次
第に増大するから、体重計をずらしたり運搬する
際の把持に好適である。

体重表示部２２は、一方の切欠き１６の下側内
周縁に配置される。

切欠き１６，１７は、体重計の長手方向広がり
と平行な方向に長さを有するから、高く突出した
部分２０，２１のほぼ垂直な縁２３，２４にも把
持部１８，１９が形成される。

［考案の効果］ 以上述べた通り、本考案の乳児用体重計は、秤
り皿と体重計筐体とを一体に形成し、両側壁に内
方に窪んだ凹みとしての切欠きを設け、この切欠
きと、側壁の上縁部で構成される把持突縁とで把
持部を形成すると共に前記切欠きの下側内周縁に
体重表示部を設けたので、大きな秤り皿を必要と
する乳児用体重計において、従来の上下分離型形
状とは大きく異なるきわめてシンプルな全体形状
となすことができ、構造が堅牢となり、乳児が秤
り皿の上で暴れても秤り皿及びその支持部が破損
されるおそれがない。しかも、秤り皿と体重計筐
体との間が従来品の如くに分離されていないの
で、このくびれ部分に衣服を引つかけるおそれも
なく、外観上も使用者に安定感、安心感を与える
ものである。また、一体に形成された筐体の把持
部に手をかけるだけで体重計全体を持ち運ぶこと
ができると共に、乳児自身がこれを把持して姿勢
を安定させるのに用いることができる。さらに、
本考案においては内方に窪んだ凹みとして切欠き
を形成し、この切欠き内に体重表示部を設けてい
るので、外部光線の反射による影響が少なく、見
やすい表示部とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は乳児用体重計の一実施例を示す正面
図、第２図は第１図と対応する側面図、第３図は
乳児用体重計の他の実施例を示す正面図、第４図
は第３図と対応する側面図、第５図はその平面図
である。 １……筐体、２……基部、３，１５……秤り
皿、４，５……側壁、６，７……把持突縁、８，
９，１６，１７……切欠き、１０，２２……体重
表示部、１１，１２……上縁、１３，１４，１
８，１９……把持部、２０，２１……側壁突出部
分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 体重計の長手方向に沿う両側縁に上方に立ち
   上がる側壁４，５を有する秤り皿３，１５を体
   重計筐体１と一体に形成し、前記両側壁４，５
   の長手方向中間部の外面に側壁４，５の内方に
   窪んだ凹みとしての切欠き８，９，１６，１７
   を設け、この切欠き８，９，１６，１７と、前
   記側壁４，５の上縁部で構成される把持突縁
   ６，７とで把持部１３，１４，１８，１９を形
   成すると共に、一方の前記切欠きの下側内周縁
   に体重表示部１０，２２を設けたことを特徴と
   する乳児用体重計。 (2) 前記切欠き８，９，１６，１７が、秤り皿
   ３，１５の長さの約1/3に相当する長手方向寸
   法を有する実用新案登録請求の範囲第(1)項に記
   載の乳児用体重計。 (3) 前記側壁４，５が、全長の中間域に上方に突
   出した部分２０，２１を具備し、これら両突出
   部分２０，２１に切欠き１６，１７が形成され
   ている実用新案登録請求の範囲第(1)項または第
   (2)項に記載の乳児用体重計。 (4) 前記切欠き１６，１７が、側壁突出部分２
   ０，２１の上部に立ち上がる垂直縁２３，２４
   に沿つた縁部を有する実用新案登録請求の範囲
   第(3)項に記載の乳児用体重計。 (5) 前記切欠き８，９，１６，１７の凹みの高さ
   が側壁４，５の高さの大部分を占める実用新案
   登録請求の範囲第(1)項乃至第(4)項のいずれかに
   記載の乳児用体重計。 (6) 前記切欠き８，９，１６，１７の上縁が、把
   持突縁を形成する側壁４，５または側壁突出部
   分２０，２１の縁から側壁４，５または側壁突
   出部分２０，２１の上縁の横断方向幅にほぼ相
   当する距離だけ離れている実用新案登録請求の
   範囲第(3)項乃至第(5)項のいずれかに記載の乳児
   用体重計。