JPS6344738Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁流量計の発信器に関し、その磁束
漏洩を防止し得るよう改良したものである。

従来技術に係る電磁流量計の発信器は絶縁体で
ライニングされた管路の外側にコイル、コアの磁
界発生手段を設け、その外側をハウジングで保護
している。口径が比較的大きく、発信器の面間／
口径の比が小さくなつてくると、発信器内部の磁
束が発信器の外側に漏洩し、この漏洩磁束の分布
が取合配管の材質によつて変化するという問題が
ある。この漏洩磁束の変化は電極から遠い位置に
起るけれども、僅かではあるが起電力の変化をも
たらし誤差の原因となる。第１図は従来技術に係
る発信器の縦断面における磁界分布の様子を示
す。同図中、１は管路、２はライニング、３はコ
イル、４はコア、５はハウジング、６は電極、７
は取合配管である。同図に示すように、取合配管
７のフランジ部７ａの近くでは軸線方向Ｚに大き
な成分をもつ漏洩磁束B_zがかなり存在する。こ
の漏洩磁束B_zは取合配管７を帰還磁路とするの
で、取合配管７が磁性体のときには帰還磁路が多
く非磁性体のときには帰還磁路が少なくなる。漏
洩磁束B_zが軸方向Ｚ成分のみをもつ場合論理上
漏洩磁束B_zは起電力の発生に寄与しないのであ
るが、漏洩磁束B_zの変化により起電力の発生に
寄与する軸方向Ｚと直角な磁界成分B_xが変化す
ることになりこれに伴ない流量測定時の誤差を生
起する。

本考案は、上記従来技術に鑑み、漏洩磁束に起
因する測定誤差を除去し得る電磁流量計の発信器
を提供することを目的とする。かかる目的を達成
する本考案は、発信器に補助コイルを設けること
により取合部付近の漏洩磁束を打消するようにし
た点をその技術思想の基礎とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。なお、従来技術と同一部分には同一番号を
付し重複する説明は省略する。第２図に示すよう
に、補助コイル８は主コイル３を囲繞するよう管
路１に装着されており主コイル３とは反対方向の
電流を流すようになつている。かくて主コイル３
によるフランジ部１ａ近傍の漏洩磁束B_zは補助
コイル８による磁束φによりキヤンセルされる。
即ち、本実施例における管路１の横断面上におけ
る磁束分布は、第４図に示すように、殆んど電極
６及び軸方向に直角な成分のみとなる。第３図は
従来技術に係る同様の磁束分布を示す図である。
同図に示すように、この場合には漏洩磁束B_xが
存在する。

補助コイル８の目的は、主コイル３による取合
部近傍の漏洩磁束B_zをキヤンセルするためであ
るから、その巻数は主コイル３に較べ非常に少な
くて良い。また、そうでないと起電力を得る有効
磁界を減少させることになる。主コイル３及び補
助コイル８の接続は一例として全てを直列に接続
して同一電流を流しても良いし、補助コイル８は
別電源から電圧を調整して流すこともできる。

以上実施例とともに具体的に説明したように、
本考案によれば漏洩磁束をキヤンセルすることが
できるので、取合配管の材質に関係なく精確な流
量信号を得ることができる。また、補助コイルの
電流は電極の近傍を主コイルの電流と反対方向に
流れるので電極近傍の磁界は弱くなる。電磁流量
計の理論によると電極近傍の磁束の信号への寄与
率は最も大きい。したがつてこの付近の磁界強度
を相対的に下げることは流速分布の変化に対して
影響を受けにくいことを意味し、この効果も大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に係る電磁流量計の発信器を
その磁束分布とともに示す説明図、第２図は本考
案に係る電磁流量計の発信器を示す説明図、第３
図は従来技術に係る発信器の横断面における磁束
分布を示す説明図、第４図は前記実施例に係る発
信器における同様の磁束分布を示す説明図であ
る。 図面中、１は管路、２はライニング、３は主コ
イル、６は電極、８は補助コイルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管路の軸方向と直角方向の磁界を生起する主コ
   イルを有する電磁流量計の発信器において、前記
   主コイルを囲繞するとともに電流の向きが主コイ
   ルに対し反対となる補助コイルを設けたことを特
   徴とする電磁流量計の発信器。