JPS6344406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水上スポーツ或いは船舶作業等に着用
する主として耐寒救命衣に関する。

従来、船舶作業中、水中に転落した場合、冬季
や寒冷地においては溺死よりも心臓麻痺或いは凍
死が多い。斯る水死事故防止に鑑み、頭部を含む
全身を覆う形態の救命衣が提案されている。この
救命衣は、浮力および断熱効果に対処して救命衣
の全体を断熱シート材にて構成し、前面中央に
は、両脚部の分岐部からフードの顔面窓孔まで達
する防水フアスナー付き開閉部を設けて、身体へ
の着脱を考慮している。しかし、開閉部の端部が
フードの顔面窓孔に位置すると、該部に被服内部
に連通する隙間が生じ、そこより水が浸入する。
これに替え、救命衣背面の両肩部間に亘つて開閉
部を設け、開閉部の端部に生じる隙間問題を解消
した救命衣がある。しかし、かかる救命衣は、頭
部フードを取外すことができないため、船上作業
等において、フードのみを外すことができず、か
りに、顔面窓孔を利用してこれより頭部を出した
場合、窓孔の周辺が首部を締め付ける等の不都合
がある。

本考案は極めて簡単な構成により、従来の水の
浸入問題を解消し且つフードのみを頭部から外し
得、着用上の便利さを図つた新規な救命衣を提供
するものである。

以下図面に示す実施例に基づき本考案を具体的
に説明する。

図示例において、救命衣本体１は、例えばクロ
ロプレンゴム発泡材等の断熱シート材にて全身を
包被し得る形態に構成され、該救命衣本体１の上
部にはフード連設部２を介して顔面窓孔３１を有
す頭部フード３が連設され、両袖４，４には袖口
に連通してゴム手袋４１がまた、脚部５にはゴム
製作業靴５１を一連に取付けている。上記救命衣
本体１の前面に本考案の特徴をなす開閉部６を設
けている。該開閉部６は、本体前面に稍傾斜して
下端が一方の脚部５に達し上端がフード連設部２
にて屈曲し該連設部２を少なくとも半周以上周回
した長尺開口部６１を設け、防水フアスナー６２
を取付けて開閉自在となしたものである。尚、救
命衣本体１の構成素材は、スポーツ用、作業用、
耐寒用等の用途に応じて断熱性、浮力等を設定す
ることは勿論である。

然して、本案救命衣を着る場合、フアスナー６
２を引き下げて本体１の前面を開放し、左右の足
を挿入して身体に装着し、次いで左右の腕を挿入
し、頭部にフード３を被せた後、フアスナー６２
を上方へ引上げ且つフード連設部２に沿つて移行
させることにより、長尺開口部６１は閉成し、こ
のとき、フード３の顔面窓孔３１は、フアスナー
が位置しないため、窓孔３１の全周縁が顔面に密
着し、内部への水の侵入が防止される。また、船
上作業等において、フード３のみを頭部から外す
場合、フアスナー６２をフード連設部２の部分の
み開放することにより（第２図）、実現でき、こ
のとき、フード３は連設部２の一部２１にて本体
１に連設しており、粉失しない。

本考案は上記の如く、頭部フード３が連設され
た救命衣本体１の前面へ、下端が一方の脚部、上
端がフード連設部２の少なくとも半周以上を周回
した位置に達する防水フアスナー付き開閉部６を
設けたから、開閉部６の両端は完全に密閉されて
内部への浸水が防止される。しかも、フード連設
部２における開閉部６を開放することにより、フ
ード３を頭部から外すことができ、船上作業等に
便利である等、構成簡易にして考案目的を達成し
た効果を有す。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面図、第２図は作用を示す斜視図で
ある。 １……救命衣本体、２……フード連設部、３…
…頭部フード、３１……顔面窓孔、６……開閉
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全身を包被する救命衣本体１にフード連設部２
   を介して顔面窓孔３１を有す頭部フード３が一体
   に連設され、救命衣本体１の前面には、下端が一
   方の脚部、上端がフード連設部２の少なくとも半
   周以上を周回した位置に達する防水フアスナー付
   き開閉部６を配設したことを特徴とする主として
   耐寒救命衣。