JPS6344334Y2 -

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【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は感熱ラベルを用いたラベル貼付装置に
関するものである。

〈従来の技術〉熱を加えることにより溶解する接着剤を塗布し
たラベルに、容器に貼り付ける直前に熱を与えて
行うラベル貼付装置が存在する。

〈本考案が解決しようとする問題点〉従来のラベルを加熱して貼付する装置には次の
ような欠点が存在する。

(イ) ヒーターを使用してラベルを加熱する装置で
は加熱部分に高温の赤熱体が存在し、一方紙製
のラベルがその周辺につまつたりひつかかつた
りしやすい構成となつている。

従つて発火する危険性が高い。

(ロ) 発火事故を完全に防止した安全な装置とする
ためには各種の防災機構が必要となる。

例えば一定以上温度上昇があると、発熱体周
囲にシヤツターが下りたり、発熱体がラベルの
通路から後退するような構造のラベル貼付装置
が市販されている。

こうした複雑で高価な装置が市販されている
ことからも火災発生を防止するために多大の努
力を必要としていることがわかる。

(ハ) 熱風を吹き付けるタイプの装置においても、
高温の熱風は実際は火災を吹き出しているに等
しく危険なことはヒータータイプの装置と同様
である。

(ニ) 回転するドラムにヒーターを組み込むため
に、回転軸からヒーターへの電気的な接続が必
要となる。

そのため構造が複雑になると共に製造に手数
と部品を要し、故障しやすい。

〈本考案の目的〉本考案は上記の点を改善するためになされたも
ので、簡単な構造でかつ安全で火災発生の可能性
のない感熱ラベルの貼付装置を提供することを目
的とする。

〈本考案の構成〉次に本考案の一実施例について説明する。

(イ) 吸引ドラム１はラベル吸引ドラムであり多数の吸引孔１１
を開設し、負圧によつてラベル２を周囲に吸引し
て容器３に押し付ける公知の構造である。

このラベル吸引ドラム１へラベル２を引きわた
す工程、及びそれ以前の工程も公知である。

従つてテープ状の感熱ラベルを引き出して切断
するタイプの装置、既に切断してある感熱ラベル
をラベルホルダーから引き抜くタイプ、あるいは
プレスによつて変形ラベルを打ち抜いて供給する
タイプなど広く利用できる。

この吸引ドラム１を特に鋼や銅などの電磁誘導
の発生する、磁性体の金属材料で製作することが
本考案のドラム１の唯一の条件である。

(ロ) 磁力線発生装置金属性のラベル吸引ドラム１の周囲には板状そ
の他の形状の磁力線発生装置４を接近して位置せ
しめる。

この磁力線発生装置４は公知の高周波誘導加熱
装置の板体を利用できる。

この磁力線発生装置４はドラム１の側面に設け
ることも、ドラム１の上部に位置させることも、
あるいは側面と上面に位置させることも可能であ
る。

この磁力線発生装置４の原理は次の通りであ
る。

磁力線発生板４の内部のコイルに電流を流すと
磁力線が発生する。

この磁力線の中に鉄などの磁性体で作つたドラ
ム１を位置させるとドラム内に無数のうず電流が
流れる。

この時ドラム１自体に電気抵抗があるため、う
ず電流によつて発熱し、ドラム１に吸引されたラ
ベルが加熱されて接着剤が溶解する。

〈作用〉次に本考案の装置の作用について説明する。

感熱ラベル２が公知の方法でラベル吸引ドラム
１に１枚ずつ送られて来る。

吸引ドラム１には磁力線発生装置４が接近して
位置しており、既に磁気を発生させているからド
ラム１自体が所定の温度で発熱している。

従つて感熱ラベル２の感熱接着剤はドラム１に
吸引されると同時に全体を加熱されて溶解を始め
る。

そしてそのまま容器３に押し付けられてラベル
の貼り付けが完了する。

〈本考案の効果〉本考案は上記したようになるから次のような効
果を期待できる。

(イ) ヒーターのような赤熱して発熱する部分が存
在しない。

そして電磁誘導加熱の場合には始期に与えた
磁力線発生条件以上の温度上昇が不可能であ
る。

従つて紙製のラベルが周囲に散乱しやすいラ
ベル貼り付け装置においても火災の心配はまつ
たくなく、特別な防火機構を設ける必要がな
い。

(ロ) ヒーターはいつたん電気抵抗によつてニクロ
ム線を赤熱して温度を得る方法である。

一方本考案の装置は磁力線が直接加熱すべき
物体に作用して抵抗によい熱を発生するもので
ある。

従つて熱効果率がきわめて良好であり電気消
費量も大幅に低下させることができる。

(ハ) 回転するドラム内にヒーターを組み込むよう
な複雑な構造を採用する必要がない。

従つて製造が簡単で故障の発生も少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案の一実施例の要部説明図、第２
図：他の実施例の要部説明図。１：ラベル吸引ドラム、２：ラベル、３：容
器、４：磁力線発生装置。

【実用新案登録請求の範囲】吸引ドラムで感熱ラベルを吸引して容器に貼付
する装置において、吸引ドラムを磁性体の金属で製造し、吸引ドラムの近くには磁力線を発生させる装置
を位置させた、感熱ラベル貼付装置。