JPS6344181B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、加えられた歪に対応して変化する固
有振動数変化から上記歪を検出する水晶歪ゲージ
を利用して圧力を測定する圧力計に関する。

第１図は、このような圧力計の従来例の構成説
明図であり、図中、１は支持体、２は被測定圧の
導入口、３は導入された圧力に応じて伸縮するベ
ロー、４は中央部に所定の凹部を有し例えば板バ
ネでなる起歪体、５は該起歪体の略中央部に接着
された水晶歪ゲージ、６，６′は起歪体５の両端
を夫々支持体１およびベロー３へ締結させる例え
ばネジでなる締結体、７，７′は水晶歪ゲージ５
を起歪体４に接着させる接着体である。また、第
２図および第３図は、上記水晶歪ゲージ５周辺の
拡大図であり、夫々水晶歪ゲージ５に歪が作用し
ていない状態と作用している状態を示している。
第２図および第３図において、第１図と同一記号
は同一意味をもたせて使用しここでの説明は省略
する。また、５ａ，５ｂは水晶歪ゲージ５の中心
軸に対して対称的に設けられ長尺状に形成されて
いる振動部、５ｃ，５ｄは該振動部５ａ，５ｂの
両端を夫々結合させている結合部であり、該結合
部５ｃ，５ｄと上記振動部５ａ，５ｂがロの字形
に結合されて水晶歪ゲージ５を構成している。

上記構成からなる従来の実施例において、導入
口２から被測定圧が導入されていない場合、ベロ
ー３は収縮状態になつており、起歪体４はほぼ水
平状態を保ち水晶歪ゲージ５の周辺は第２図のよ
うになつている。また、導入口２から被測定圧が
導入されると、ベロー３は該被測定圧の圧力に応
じて伸張し、起歪体４へ歪を与える。起歪体４の
歪は、接着体７，７′を介して水晶歪ゲージ５へ
伝達され、該水晶歪ゲージを第２図の状態から第
３図の状態に変移せしめる。第３図において、水
晶歪ゲージ５の起歪体４への固定端部には、振動
部５ａ，５ｂと結合部５ｃ，５ｄとの接続点にお
いて発生する反力Ｒ、モーメントＭが互いに逆方
向に等しい大きさで作用するため、水晶歪ゲージ
５と起歪体４の結合が理想的でない場合でも、水
晶歪ゲージ５から外部へエネルーが消費されて出
るようなことはない。而して、起歪体４から水晶
歪ゲージ５へ伝達された歪量は、水晶歪ゲージ５
によつて正確に検出され、該歪量から所定の演算
処理（図示せず）を経て前記被測定圧が測定され
る。

然し乍ら、上記従来例においては、水晶歪ゲー
ジ５が接着体７，７′によつて起歪体４へ接着さ
れており、ベロー３へ導入された被測定圧が起歪
体４を介して水晶歪ゲージ５で間接的に検出され
る構成であるために、水晶歪ゲージ５と起歪体４
との熱膨脹係数の差が原因となつて零点が温度特
性を示して変動したり、水晶歪ゲージ５の水晶自
身がもつ周波数温度特性が上記温度特性に重畳し
たりする欠点があつた。

本発明は、かかる欠点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は上記欠点が除去され零点の温度
特性が改善された水晶歪ゲージを用いた圧力計を
提供するにある。

本発明の特徴は、水晶歪ゲージを利用して被測
定圧を測定する圧力計において、被測定圧が導入
され該被測定圧の圧力に対応して伸張する第１の
ベローと、基準圧が導入され該導入された圧力に
対応して伸張する第２のベローと、１枚の板状バ
ネ部材から切り抜かれ均一なバネ剛性をもつ略Ｓ
字形の板バネでなり前記第１ベローが一端に接続
されると共に前記第２ベローが他端に接続され該
第１および第２のベローの伸張具合に対応した歪
を生ずる起歪体と、該起歪体の中央部分が締結体
で締結され該起歪体を固定して支持する支持体
と、前記起歪体上において前記中央部分に対して
互いにほぼ対称的な位置に配置され該起歪体から
受ける歪に対応して固有振動数が変化する第１お
よび第２の水晶歪ゲージとを設け、該第１および
第２の水晶歪ゲージにおける固有振動数の変化量
の差から前記被測定圧を求めることにある。

以下、本発明について図を用いて詳細に説明す
る。第４図は、本発明実施例の一部裁断図であ
り、図中、１１は薄肉材料でなる筐体、１２，１
３は基準圧若しくは被測定圧が導入され該導入さ
れた圧力に対応して伸縮するベロー、１４は例え
ば己の字形のような所定形状の板バネ等でなる起
歪体、１５，１６は夫々接着体１７，１７′によ
つて起歪体１４の所定箇所に接着される水晶歪ゲ
ージ、１８は支持体、１９，１９′は起歪体１４
の両端部を夫々ベロー１２，１３へ締結させる例
えばネジでなる締結体、２０，２０′は起歪体１
４の中央部の所定箇所（例えば支持体１８の両端
に相当する部分）を支持体１８へ締結させる例え
ばネジでなる締結体である。

上記構成からなる本発明実施例の動作について
以下説明する。第４図において、ベロー１２，１
３には夫々基準圧（例えば大気圧）および被測定
圧が導かれており、ベロー１３へ導かれている被
測定圧がベロー１２内の基準圧と等しい場合、起
歪体１４はほぼ水平状態を保ち水晶歪ゲージ１
５，１６の周辺は例えば第２図のようになつてい
る。また、ベロー１３へ導かれている被測定圧が
ベロー１２内の基準圧と異なる場合、導かれた圧
力に対応して伸張するベロー１３，１４の伸張具
合が異なるために起歪体１４に歪が生ずる。該歪
は、接着体１７，１７′を介して水晶歪ゲージ１
５，１６へ伝達され、該水晶歪ゲージを例えば第
２図の状態から第３図の状態に変移せしめる。而
して、前記従来例の場合と同様にして、水晶歪ゲ
ージ１５，１６の固有振動数が変化し、該変化が
検出され（検出機構は、周波数発振回路等を用い
る公知術であるため図示せず）てのち水晶歪ゲー
ジ１５，１６における検出量の偏差をとる所定の
演算処理が施され、前記被測定圧が測定される。

以上詳しく説明したような本発明によれば、１
枚の板状バネ部材から切り抜かれ均一なバネ剛性
をもつ略Ｓ字形の板バネで起歪体１４が構成され
ている。このため、起歪体１４自体が有している
温度特性や形状特性などに起因する測定誤差要因
が互いにキヤンセルされ、第１ベロー１２と第２
ベロー１３の伸張具合の差に正確に対応した値が
起歪体１４を介して水晶歪ゲージ１５，１６の固
有振動数変化量の差として得られるようになり、
究極的に被測定圧が正確に測定できる利点があ
る。更にまた、水晶歪ゲージ１５，１６における
検出量の差即ちベロー１３へ導かれた被測定圧と
ベロー１２へ導びかれている基準圧との差に応じ
た信号を出力として取り出すような構成であるた
めに、前記従来例の場合と異なり、水晶歪ゲージ
１５，１６自体の有する周波数温度特性や、水晶
歪ゲージ１５，１６と起歪体１４の熱膨脹係数の
差に起因する周波数温度特性の影響、および周囲
ふんい気による影響を受けにくいという利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は圧力計の従来例の構成説明図、第２図
および第３図は、水晶歪ゲージ周辺の拡大図、第
４図は本発明実施例の一部裁断図である。 １，１８…支持体、２…導入口、３，１２，１
３…ベロー、４，１４…起歪体、５，１５，１６
…水晶歪ゲージ、５ａ，５ｂ…振動部、５ｃ，５
ｄ…結合部、６，６′，１９，１９′，２０，２
０′…締結体、７，７′，１７，１７′…接着体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被測定圧が導入され該被測定圧の圧力に対応
   して伸張する第１のベローと、基準圧が導入され
   該導入された圧力に対応して伸張する第２のベロ
   ーと、１枚の板状バネ部材から切り抜かれ均一な
   バネ剛性をもつ略Ｓ字形の板バネでなり前記第１
   ベローが一端に接続されると共に前記第２ベロー
   が他端に接続され該第１および第２のベローの伸
   張具合に対応した歪を生ずる起歪体と、該起歪体
   の中央部分が締結体で締結され該起歪体を固定し
   て支持する支持体と、前記起歪体上において前記
   中央部分に対して互いにほぼ対称的な位置に配置
   され該起歪体から受ける歪に対応して固有振動数
   が変化する第１および第２の水晶歪ゲージとを具
   備し、該第１および第２の水晶歪ゲージにおける
   固有振動数の変化量の差から前記被測定圧を求め
   ることを特徴とする圧力計。