JPS6344043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は羽毛によりホルマリンガスの臭気成分
を除去するようにしたホルマリン脱臭器に関す
る。

〔従来技術〕

従来より例えば治療用器具を滅菌する場合、一
般にはホルマリンが用いられる。このホルマリン
滅菌は、ホルムアルデヒド水溶液であるホルマリ
ンを気化させて行うため、これを滅菌庫で行つて
も、庫内からのガス洩れ或は滅菌庫の扉の開閉等
より、室内にホルマリンガスを充満する。また、
病室そのものをホルマリンで消毒することがあ
り、この場合には勿論病室内はホルマリンガスで
満たされる。

ところでホルマリンガスは非常に強い刺激臭を
発し、眼、鼻、気管支、皮膚など人体に障害を与
える虞れがあるため、ホルマリンガスが充満して
いる室内に人が入ることは甚だ危険である。

そこで、ホルマリン脱臭装置により空気中から
フオルマリンガスを脱臭除去するようにしている
が、従来の脱臭装置は活性炭を用いたり、或は空
気を水中に通してホルマリンガスを水に溶かすよ
うにしたり、ホルマリンガスが熱に弱いところか
ら空気をヒータにより加熱したりしているが、脱
臭性が余り良くなく、装置も大形化し移動性に劣
るものであつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、
その目的は、脱臭性に優れ、しかも小形に構成で
きるホルマリン脱臭器を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案のホルマリン脱臭器は、吸気口と吐気口
とを有した器体内に、羽毛を充填した脱臭室を前
記吸気口に連通して設けると共に、この脱臭室と
前記吐気口との間にフイルタを設けたことを特徴
とするものである。

〔実施例〕

以下本考案を実施例により具体的に説明する。

まず第１実施例を第１図に基づき説明する。１
はキヤスタ２付きの四角箱形の器体であり、一側
面に吸気口３を形成すると共に、上面に吐気口４
を形成している。この器体１内には図示しないモ
ータにより駆動されるフアン５を内設したフアン
ケーシング６を配設し、このフアンケーシング６
の吸入側を吸気口３に連結している。また、器体
１内に互いに連通する脱臭室７とフイルタ室８と
を有するケース９を配設し、脱臭室７をフアンケ
ーシング６の吐気側に連結すると共に、フイルタ
室８を吐気口８に連結している。そして、脱臭室
７内に羽毛１０を充填し、フイルタ室８内に高性
能エアフイルタ１１を装設している。

次に上記構成の作用を説明する。まず器体１を
ホルマリン滅菌庫が設置されている室或いはホル
マリン消毒する室に据付けておく。そして空気中
のホルマリンガスを除去するには、フアン５をモ
ータにより駆動する。すると、室内の空気がフア
ン５により吸気口３からフアンケーシング６内に
吸引され且つ脱臭室７へと送られる。この空気は
脱臭室７内に充填されている毛１０に接触し、こ
のとき空気中のホルマリンガスが羽毛１０によつ
て吸収除去される。そして、脱臭室７からフイル
タ室８内に流入した空気は、高性能フイルタ１１
により塵埃或は脱臭室７を通過する過程で混入し
た微細な羽毛が除去されて浄化された後、吐気口
４から室内へ吐出されるものである。

上記構成によれば、ホルマリン脱臭を司る羽毛
１０は無数の微細孔と大きな表面積をもつため、
ホルマリンガスを有効に吸着除去するものであ
り、従つて羽毛に比べ脱臭性に劣る活性炭を用い
たり或はホルマリンガスを水に溶かし込んだり、
ヒータにより加熱したりする従来とは異なり、全
体を小形且つ軽量に構成でき、脱臭の要ある室に
簡単に移動できるものである。

次に第２実施例を第２図に基づき説明する。本
実施例は防臭フードに適用したもので、図中、２
１は使用者の頭をすつぽりと覆うように被せられ
る器体たるフードで、下部にその開放口部を絞つ
て使用者の首に縛り付けるための紐２２を取付け
ている。またフード２１には上面部に吸気口２３
を形成すると共に、使用者の口に対応する部分に
吐気口２４を形成し、更に使用者の目に対応する
部分にガラス或はプラスチツク製の透明板２５を
装着している。そして、吐気口２４には、空気が
フード２１内から外に向つて流れるときに開く第
１の逆止弁２６を設けている。２７はフード２１
の内上部に設けたケースで、これには吸気口２３
に連なる脱臭室２８と通気口２９を介してフード
２１内に連通するフイルタ室３０とを形成し、脱
臭室２８内に羽毛３１を充填すると共に、フイル
タ室３０内に高性能エアフイルタ３２を装設して
いる。そして、通気口２９に空気がフイルタ室３
０からフード２１内に流れるときに開く第２の逆
止弁３３を設けている。

次に上記構成の作用を説明する。フード２１を
頭に被せて紐２２によりフード２１の下部を絞
り、この状態でホルマリンガスが充満している室
に入る。すると、使用者の吸収に応じて第１及び
第２の逆止弁２６及び３３が開閉し、空気が矢印
Ａで示すようにフード２１内に吸入され、また矢
印Ｂで示すようにフード２１から吐出される。即
ち、使用者の吸気時は、フード２１内の圧力が下
がるため、第１の逆止弁２６が閉じると共に第２
の逆止弁３３が開き、室内の空気が吸気口２３か
ら脱臭室２８、フイルタ室３０及び通気口２９を
順に通つてフード２１内に吸入され、脱縮室２８
を通過する過程で羽毛３１によりホルマリンガス
が除去され且つフイルタ室３０を通過する過程で
フイルタ３２により塵埃或は脱臭室７を通る際に
混入した微細な羽毛等が除去される。また使用者
の呼気時は、フード２１内の圧力が上がるため、
第２の逆止弁３３が閉じると共に第１の逆止弁２
６が開き、フード２１内の空気が吐気口２４から
吐出される。

従つて、使用者はホルマリンガス、塵埃或は羽
毛が除去された清浄な空気を吸うこととなるた
め、体に障害を受けることは全ない。ちなみに実
際にフード２１を被つてホルマリンガスが充満し
ている室に入つたところ、刺激臭を覚えることも
なくまた眼や気管支、顔等に何らの異常も認めら
れなかつた。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案のホルマリン脱臭器
は、脱臭室に羽毛を充填してあるから、多数の微
細孔と大きな表面積をもつ羽毛によりホルマリン
ガスを有効に吸着除去でき、しかも脱臭室を通つ
た空気は次にフイルタ室を通るので、羽毛により
ホルマリン脱臭を行うものでありながらも、その
羽毛から出る塵埃や微細な羽毛を除去でき、総じ
て人体に障害を与える虞れが全くないものであ
る。また、脱臭性の良い羽毛を用いているので、
全体を小形且つ軽量に構成でき、従つて移動し易
く使いたい場所へ自由に設置できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す縦断面図、
第２図は本考案の第２実施例を示す縦断面図であ
る。 図中、１は器体、３は吸気口、４は吐気口、７
は脱臭室、１０は羽毛、１１は高性能エアフイル
タ、２１はフード（器体）、２３は吸気口、２４
は吐気口、２８は脱臭室、３１は羽毛、３２は高
性能エアフイルタである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気口と吐気口とを有した器体内に、羽毛を充
   填した脱臭室を前記吸気口に連通して設けると共
   に、この脱臭室と前記吐気口との間にフイルタを
   設けたことを特徴とするホルマリン脱臭器。