JPS6341956B2 - - Google Patents

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JPS6341956B2
JPS6341956B2 JP58193938A JP19393883A JPS6341956B2 JP S6341956 B2 JPS6341956 B2 JP S6341956B2 JP 58193938 A JP58193938 A JP 58193938A JP 19393883 A JP19393883 A JP 19393883A JP S6341956 B2 JPS6341956 B2 JP S6341956B2
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JP
Japan
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heat storage
heat
polyolefin
fusion
polyethylene
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Application number
JP58193938A
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English (en)
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JPS6086189A (ja
Inventor
Hiroshi Taota
Kyoshi Hayakawa
Kaoru Kawase
Mineo Kosaka
Tadashi Asahina
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Priority to JP58193938A priority Critical patent/JPS6086189A/ja
Publication of JPS6086189A publication Critical patent/JPS6086189A/ja
Publication of JPS6341956B2 publication Critical patent/JPS6341956B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、結晶性ポリオレフインを用いた溶融
潜熱利用型の蓄熱体に関する。 「蓄熱」は太陽熱や工場廃熱など、その発生量
と発生時間が不安定な熱エネルギーを、一時的に
貯蔵することによつて、任意の時間に任意の量を
消費できるようにするための技術であり、近年の
エネルギー事情を背景としてますます重要視され
ている。現在までに知られている蓄熱の原理は次
のように大別される。 (1) 物質の顕熱を利用する方法 (2) 物質の相変化潜熱を利用する方法 (3) 物質の化学反応熱を利用する方法 このような蓄熱の目的に利用できる物質が、所
謂蓄熱材料であり、例えば(1)では水や岩石のよう
に単位体積当りの熱容量が大きな物質が、また(3)
では水酸化カルシウムのように容易に温度により
下記のような可逆反応を起しかつ反応熱の大なる
物質がそれぞれ蓄熱材料として検討されてきた。 Ca(OH)2CaO+H2O 一方(2)の相変化潜熱を利用するタイプの蓄熱体
としては、芒硝(Na2SO4・10H2O)やハイポ
(Na2S2O3・5H2O)のように溶融/凝固の際の溶
融潜熱を利用した所謂溶融潜熱利用型の蓄熱体が
検討されてきた。 しかし、芒硝やハイポなどの無機水和化合物は
その大部分が過冷却や相分離現象を起すため、蓄
熱体として長期間安定な動作を行わせることが困
難である。また金属材料を腐食するという欠点が
ある。 そこで、本発明者等はこれ等の欠点のない溶融
潜熱利用型の蓄熱材料について種々検討の結果、
結晶性のポリオレフインが過冷却や相分離が全く
なく、安定な蓄熱動作を保証しうる、基本的には
無害で、金属材料に対する腐食性を有しない、工
業有機材料のうち比較的安価である等の理由によ
り最適の蓄熱材料となり得るとの結論に至つた。 しかし、ポリオレフインを蓄熱体としてそのま
ま使用すると、(イ)加熱・溶融時において粘い融液
となり、これが互いに融着して団塊化するので、
熱媒体の流路を塞いだり、熱媒体との熱交換を悪
化させる。(ロ)また、溶融時の体積膨張が大である
ため、蓄熱器に大きな応力を発生させる。;など
の不都合がある。 これ等の不都合を回避するために、以上の蓄熱
材料を適当な強度と所定の形状を有する小容器に
充填、密封することにより熱交換及び取扱いに便
利な蓄熱体を構成するとともに、以上のように構
成された蓄熱体を多数個集積して蓄熱器を形成し
て熱媒体(空気、水、オイルなどの流体)との間
で熱交換を行わせて蓄熱の目的を達するようにし
ていた。芒硝、ハイポ等の蓄熱材料は熱媒体とし
ての水に可溶であり、この点からも小容器の使用
が不可避であつた。 しかし、この場合一基の蓄熱器には非常に多数
の、時として数万個の、蓄熱体が使用されるた
め、以上のように蓄熱材料を小容器に充填、密封
する方法では小容器の製作と蓄熱材料の充填、密
封の工程に要する経費が莫大となり、時として蓄
熱材料そのものの経費よりも小容器の製作、加工
費の方が高額となることもあつた。 これが溶融潜熱利用型蓄熱器のコストを増大さ
せ、その広範な実用化を阻害する大きな要因とな
つていた。 本発明は、上記実情に鑑み前述のように溶融潜
熱型蓄熱体として優れた性質を有する結晶性ポリ
オレフインを、高価な小容器に密封することな
く、しかも流動床として用いても固着・団塊化を
起こさず、さらに長期的に使用可能な耐久性を持
つた経済性の高い蓄熱体を提供することを目的と
するもので、その要旨は所定形状の結晶性ポリオ
レフインあるいはその共重合体の分子間を架橋す
るとともにそれにフエノール化合物あるいはアミ
ンを加え、その表面を金属被覆するようにしたも
のである。 即ち、本発明は以上のように構成することによ
り、結晶性ポリエチレンは加熱により溶融しても
ゲル状になつて流動せず、且つ適度の強度を有
し、しかも溶融状態で粘着性を示さなくなり、さ
らに熱劣化を受けにくくなる。そこで、蓄熱体と
するのに高価な小容器を必要とせず、また、流動
床として用いる場合にも固着・団塊化を起こさ
ず、さらに長期使用可能な耐久性を持ち、本発明
の所期の目的を達成することができたのである。 更に、本発明によればポリオレフインの溶融時
の体積膨張率が減少するため、これを収容する蓄
熱器に加熱時に大きな応力を発生させることもな
い。 ここで、(1)結晶性ポリオレフインあるいはその
共重合体の分子間の架橋、(2)フエノール化合物あ
るいはアミンの添加、(3)金属被覆の三つの処理の
うち、もし、(1)の処理が欠けた場合には蓄熱体は
加熱・融解時に相互に固着・団塊化し、(2)の処理
が欠けた場合には長期間使用すると熱劣化により
溶融潜熱量が減少し、最後には熱を蓄えることが
できなくなる。また、(3)の処理が欠けた場合に
は、流動床として用いる際に高温で溶融した状態
の蓄熱体表面がいくらか粘着性を示すため、蓄熱
体同志が固着・団塊化を起こして再度使用できな
くなるという不都合を生ずる。したがつて、以上
三つの処理は本発明の目的のために必要不可欠で
ある。これら三つの処理は任意の順番で行うこと
ができる。 本発明では蓄熱材料として結晶性ポリエチレン
や結晶性ポリプロピレンなどの結晶性ポリオレフ
インあるいはその共重合体、特に高結晶性ポリオ
レフインあるいはその共重合体を球状、棒状体、
板状体、円管状体などの所定形状に成形したもの
を使用する。なお、これら成形体はその直径(ま
たは厚み)を2〜8mmにとることにより、満足す
べき熱応答性を持つ蓄熱器を一般に構成すること
ができる。 また、本発明において結晶性ポリオレフインあ
るいはその共重合体の分子間を架橋させる方法と
して、放射線法、水架橋法、イオン架橋法、過酸
化物法、加硫法などが挙げられる。 このうち、放射線法において使用される電離性
放射線としてはコバルト60のガンマ線が好適であ
るが、これに限定されず電子線や短波長X線な
ど、所謂電離性放射線は全て使用できる。 電離性放射線の照射線量は、105〜108ラドであ
り、それ以下であると融着や団塊化が起こり、そ
れ以上であるとポリオレフインの溶融熱が減少
し、蓄熱密度が小さくなるので、好ましくない。 また電離性放射線を照射するときの雰囲気は真
空或は不活性ガス中で行うのが好ましい。 本発明に用いられるフエノール化合物あるいは
アミンとしては、フエノール、クレゾール、ヒド
ロキノン、カテコール、アニソール、キシレノー
ル、N−ニトロソアニリン、N−ニトロソアミ
ン、フエニレンジアミン、エチレンジアミン及び
それらの物質の誘導体などが挙げられる。これら
の物質は単独で用いてもよいし、2種以上混合し
て用いてもよい。 これらの物質は例えば次のような処理によつて
ポリオレフインあるいはその共重合体に添加され
る。まず、ポリオレフインあるいはその共重合体
をその融点上10〜20℃に加熱して融解し、その融
液にこれらの物質あるいはその粉末を加え、機械
的に撹拌を行つて混合する。あるいは、加熱して
柔らかくなつたポリオレフインあるいはその共重
合体にこれらの物質あるいはその微粉末を混和
し、機械的撹拌を行つて表面に付着させる。ま
た、これらの物質の溶液にポリオレフインあるい
はその共重合体を浸漬し、しばらく放置した後、
乾燥して溶媒を除去するなどの方法もある。 フエノール化合物あるいはアミンのポリオレフ
インあるいはその共重合体に対する添加量は通
常、数重量%で良いが、蓄熱体の使用期間によ
り、それが長い場合は添加量を増やすなど、適宜
増減することができる。 更に本発明において用いられる金属被覆の方法
としては、無電解メツキ法や真空蒸着法などが挙
げられるが、特に前者による金属被覆がこの場合
に好適である。 金属被覆層の厚みは30〜60μmもあれば、固
着・団塊化を防止する目的には十分である。 この場合も、分子間架橋しないものは溶融時の
体積膨張が過大のため、昇温時に金属被覆層が破
損されたが、本発明では分子間架橋されているた
め、以上のような破損は防止される。 こうして得られた蓄熱体は、蓄熱密度が大き
く、過冷や相分離を起こさず、溶融時において融
着・団塊化を起こさない。しかも、溶融時におけ
る体積膨張率が大幅に低下し、長期間の使用に際
しても蓄熱能力が低下しないので、安定な蓄熱動
作が可能である。 本発明による蓄熱体は以上のように安価・経済
的な方法で融着・団塊化及び熱劣化を防止したも
ので、太陽エネルギーや工場廃熱などの低温熱エ
ネルギーの回収・利用に好適なものである。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 第1図のような蓄熱試験装置を製作し、その中
に充填すべき、蓄熱体1について、後述するよう
な種々の方法で団塊化及び熱劣化防止のための処
理を行つた。第1図において、2は断熱材層、3
は鋼板製容器、4は多孔板、5は電気ヒータ、6
は空気ポンプである。6から送入される空気を5
で加熱し、その温度を熱電対7および温度メータ
8で監視しつつ、蓄熱体1の層に吹込んでこれを
昇温させる。このとき、吹込み空気の温度をポリ
オレフインの融点上15〜25℃となるように一定と
すると、ポリオレフインは溶融を起し、その融解
熱に相当するエネルギーをポリオレフイン内部に
蓄積することになる。 次に、電気ヒータ5の出力を調節して、吹込み
空気の温度を、ポリオレフインの融点より15〜25
℃下方になるようにすると、ポリオレフインはそ
の融解熱を放出しつつ凝固を起し、この間、その
融点に相当する一定温度の空気が第1図の試験装
置の出口9に得られることになる。このとき用い
られたポリオレフインは商品名Sholex F
6050C、直径約3mmのポリエチレンペレツトであ
る。このような蓄熱体が溶融・凝固の繰り返しに
より、団塊化を起すと、蓄熱体の層の中の空気流
路がせばめられ、効率的な蓄熱体/空気間の熱交
換が不可能となるため、非常な不都合を生ずる。 そこで、団塊化防止及び熱劣化防止を目的に、
次に述べるような処理を行つて試料を準備した。 (1) ポリエチレンに107ラドのコバルト60ガンマ
線を照射した後、その表面を熱王水で処理し、
無電解メツキ法でニツケルを被覆処理した。メ
ツキ厚は約40μmであつた。これを2,6ジ−
t−ブチルクレゾールの10重量%のベンゼン溶
液中に2昼夜浸漬した後、ベンゼンで軽く洗浄
し、空気中で乾燥した。 (2) ポリエチレンを水架橋した後、(1)と同様にし
て銅を被覆処理した。これをN−フエニル−
N′−シクロヘキシル−p−フエニレンジアミ
ンの15重量%のベンゼン溶液で(1)と同様に処理
した。 (3) ポリエチレンを加熱して融解し、その中に5
重量%の2,2′−メチレン−ビス(4−メチル
−6−t−ブチルフエノール)を加えて撹拌
し、溶解させた。これを直径3mmの球状に成形
し、室温まで放冷した後、3×107ラドのコバ
ルト60のガンマ線を照射した。この表面を熱王
水で処理した後、無電解メツキ法でニツケルを
被覆処理した。 以上のごとき種々の処理を行つた蓄熱体ペレツ
トを第1図に示した試験装置内に装入し、既に説
明を加えたような加熱と冷却を行つて、ポリエチ
レンの溶融と凝固を1日1回ずつ、6カ月にわた
つて繰り返したのち、これを外部に取り出して、
その団塊化の状況を観察し、溶融潜熱量を測定し
た。その結果、これら(1)〜(3)の試料はほとんど固
着を起こしておらず、容易に個々のペレツト粒子
が分離してばらばらになり、溶融潜熱量もほとん
ど変化しなかつた。 比較例 次のような処理を行つた試料を用いて第1図に
示した試験装置によつて実施例と同様にして6カ
月間の試験を行つた。 (1) ポリエチレンに107ラドのコバルト60ガンマ
線を照射した。 (2) (1)の処理を行つたポリエチレンの表面を熱王
水で処理した後、無電解メツキ法でニツケルを
被覆処理した。 (3) (1)の処理を行つたポリエチレンを2,6ジ−
t−ブチルクレゾールの10重量%のベンゼン溶
液中に2昼夜浸漬した後、ベンゼンで軽く洗浄
し、空気中で乾燥した。 (4) ポリエチレンの表面を熱王水で処理し、無電
解メツキ法でニツケルを被覆処理した。これを
2,6ジ−t−ブチルクレゾールの10重量%の
ベンゼン溶液中に2昼夜浸漬した後、ベンゼン
で軽く洗浄し、空気中で乾燥した。 この結果をまとめると次表のようであつた。
【表】 以上のように、(1)分子間架橋、(2)フエノール化
合物あるいはアミンの添加、(3)金属被覆の三つの
処理のうち、一つでも欠けると固着、団塊化ある
いは熱劣化により、長期間の使用が不可能であつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である蓄熱器の断面
図である。 図中、1は蓄熱体、2は断熱材、3は鋼板製容
器、4は多孔板、5は電気ヒータ、6は空気ポン
プ、7は熱電対、8は温度メータ、9は出口、で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 所定形状の結晶性ポリオレフインあるいはそ
    の共重合体の分子間を架橋するとともに、それに
    フエノール化合物あるいはアミンを加え、その表
    面を金属被覆するようにしたことを特徴とする蓄
    熱体。
JP58193938A 1983-10-17 1983-10-17 金属被覆層を有するポリオレフイン蓄熱体 Granted JPS6086189A (ja)

Priority Applications (1)

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JP58193938A JPS6086189A (ja) 1983-10-17 1983-10-17 金属被覆層を有するポリオレフイン蓄熱体

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JP58193938A JPS6086189A (ja) 1983-10-17 1983-10-17 金属被覆層を有するポリオレフイン蓄熱体

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JPS6086189A JPS6086189A (ja) 1985-05-15
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62217590A (ja) * 1986-03-19 1987-09-25 松下電器産業株式会社 加熱装置
JPS62237691A (ja) * 1986-04-09 1987-10-17 松下電器産業株式会社 加熱装置

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