JPS6341480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 例えば実開昭55−162656号公報（実願昭54−
61255号）には、防護室の出入口部に防護前室を
備えて防護内室を形成し、防護前室には戸外出入
用の防護外扉及び防護内室に対する出入用の防護
内扉を備えた防護室が示されている。

このように防護前室を設けることにより、防護
内室は外来侵入物などに対し、直接戸外の影響を
受けないですむ。

本考案の目的は、この従来の防護室に改良を加
え、戸外と防護内室間の生物の出入に際して、外
界の汚染された悪質、高圧あるいは高温の流体の
影響を防護前室で遮断し、常時防護内室内を清浄
に保つことのできる防護室を提供することにあ
る。

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

防護室を防護内室１と防護前室２の２区分に区
画する。このうち、防護内室１は、非常時の際人
員その他を収容し、防護するための部屋であり、
防護前室２は防護内室１と戸外との間の出入用の
部屋である。

防護内室１はその周囲を堅固な外壁３で囲つて
あり、防護前室２は気密の境壁４及び天井５並び
に出入用の防護内扉６により前記防護内室１と区
画され、防護前室２と戸外間は外壁３と防護外扉
７により区画される。さらに、この防護外扉７の
戸外側の周囲を囲うようにして突出壁８及び天井
９を外壁３より戸外側へ突出させて形成する。

これら防護内扉６及び防護外扉７は、それぞれ
境壁４及び外壁３に蝶番１０により取付けられる
が、その周囲にパツキング１１を配設し、また境
壁４及び外壁３の戸当たりにもパツキング１１を
装着して閉じられたときに気密性を確保できるよ
うにした。

放射能検出装置１２、温度計１３、圧力計１４
を収納容器１５内に納めた測定設備を、前記境壁
４の防護前室２側の壁面と防護外扉７の戸外側の
扉面とに取付け、さらにこれら各計器の目盛ゲー
ジ１６，１７，１８を収納した各収納容器１９を
それぞれ境壁４の防護内室１側及び防護外扉７の
防護前室２側に顕出させた。

次に、使用法について説明する。

防護前室２は外壁３及び境壁４の壁体、天井
５、床及び装着してある防護内扉６及び防護外扉
７の２枚の扉により、堅固にして完全気密の部屋
になつており、出入りしない時、常時両扉は閉鎖
してあり、防護内室１と戸外とを完全に遮断して
おく。

爆撃等の非常事態が発生するおそれがあれば直
ちに防護内室１に入り、両扉を完全閉鎖する。

例えば、放射能を伴う爆撃を受けて避難するの
に、防護内室１まで入る時間がなかつた場合に
は、防護前室２へ入つた段階で直ちに防護外扉７
を閉鎖する。

そして、防護外扉７に取付けた測定設備により
戸外の放射能の濃度、温度、気圧等を測定すると
ともに、境壁４に取付けた測定設備により防護内
室１側より防護前室２内を測定してもらい、それ
らを総合判断して、安全性を確かめて防護内扉６
を開け、防護内室１に入る。

このようにして、防護内室１が各種汚染された
外気の直接の影響を避けることができ、防護内室
１を完全に平常時と同じ危険のない状態に保つこ
とができる。

また、全員が防護内室１に退避しており、非常
事態が発生した時、堅固な完全気密の防護前室２
を設けてあることによつて、戸外からの影響、作
用はまず、この防護前室２が受けることになり、
防護内室１は完全に防護される。

さらに非常事態が終了後、戸外へ出る場合、ま
ず防護内室１にて測定設備で防護前室２内の放射
能の濃度、温度、気圧等を測定し、その安全性を
確かめてから防護前室２に入り、ここでさらに測
定設備で戸外の前記諸要素を測定し、その安全性
を確かめて後戸外へ出る。

なお、防護外扉７を囲うように戸外側へ突出さ
せた突出壁８及び天井９は爆風に対し防護外扉７
及び測定設備を防護する作用をさせるためのもの
で、更にこの防護作用を完全にするには防護外扉
７の前面に防護壁等の防護構造物を設置すること
も考えられる。

以上述べたように本考案の防護室は、測定設備
を１個所だけでなく、防護前室の防護外扉と、防
護内室と防護前室との境壁との２個所に設け、２
重のチエツクを行えるようにできるので、例え
ば、放射能を伴う爆撃があつた場合、一瞬逃げお
くれて防護前室に入つた時は、直ちに防護外扉を
閉鎖し、防護外扉に取付けた諸測定装置により外
部の放射能度、温度、気圧等を測定するととも
に、防護前室に取付けた測定設備を防護内室側よ
り測定してもらい、それらを総合判断して、安全
性を確かめて防護内扉を開け、防護内室に入り、
その結果、防護内室が各種汚染された外気の直接
の影響を受けることを避けることができ、防護内
室を完全に平常状態に保つことができるものであ
る。

一方、非常事態が終了後、外部へ出る場合に
も、まず防護内室にて防護前室内の放射能度、温
度、気圧等を測定し、その安全性を確かめ、防護
前室に入り、ここでさらに外部の前記諸要素を測
定し、その安全性を確かめて後、外部へ出ること
により２重に安全性をチエツクして取返しのつか
ない被害事態をおこさないように万全の措置を取
ることができる。

また、防護外扉の戸外側を囲うように外方へ突
出させた突出壁及び天井は、爆風に対し防護外扉
を防護するとともにこの防護外扉に設けた測定設
備も保護でき、その結果、正確な測定が確保で
き、より安全性を高めることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による防護室の１実施例を示す
平面図、第２図は同上防護前室部分の横断平面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ矢視図、第４図は同
上Ｂ−Ｂ矢視図である。 １……防護内室、２……防護前室、３……外
壁、４……境壁、５，９……天井、６……防護内
扉、７……防護外扉、８……突出壁、１０……蝶
番、１１……パツキン、１２……放射能検出装
置、１３……温度計、１４……圧力計、１５……
収納容器、１６，１７，１８……目盛ゲージ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 防護室内を防護内室と防護前室とに区画し、防
   護内室と防護前室間に防護内扉を、防護前室と戸
   外間に気密な防護外扉を設け、さらにこの防護外
   扉の戸外側周囲を囲うようにして突出壁及び天井
   を外壁から戸外側へ突出させて形成し、防護内室
   と防護前室との境壁及び防護外扉にそれぞれ放射
   能検出装置、温度計及び圧力計による測定設備を
   設置し、これら各計器の目盛ゲージを防護内室側
   及び防護前室側にそれぞれ顕出させたことを特徴
   とする防護室。