JPS6340772B2 - - Google Patents

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JPS6340772B2
JPS6340772B2 JP59055589A JP5558984A JPS6340772B2 JP S6340772 B2 JPS6340772 B2 JP S6340772B2 JP 59055589 A JP59055589 A JP 59055589A JP 5558984 A JP5558984 A JP 5558984A JP S6340772 B2 JPS6340772 B2 JP S6340772B2
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JP
Japan
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desorption
activated carbon
gas
section
trichloroethane
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Application number
JP59055589A
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English (en)
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JPS60199839A (ja
Inventor
Tsuneo Okamoto
Hiroki Ono
Toshio Mizuno
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
Application filed by Kureha Corp filed Critical Kureha Corp
Priority to JP59055589A priority Critical patent/JPS60199839A/ja
Publication of JPS60199839A publication Critical patent/JPS60199839A/ja
Publication of JPS6340772B2 publication Critical patent/JPS6340772B2/ja
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、排ガス中に含まれる1,1,1−ト
リクロロエタンを回収し、再利用するための方法
およびその装置に係り、より詳細には、1,1,
1−トリクロロエタンを洗浄溶剤として用いる電
気部品や機械部品などの脱脂洗浄工程等で発生す
る1,1,1−トリクロロエタンを含む排ガス中
から該溶剤を回収し再利用する方法およびその装
置に関する。 近年、安定剤が添加された1,1,1−トリク
ロロエタンは、不燃性であることの他、従来の同
種金属洗浄用溶剤に比して、毒性が少ないことや
沸点が低く低温での蒸気洗浄ができることなどの
理由で自動車部品、電気部品あるいはプリント基
板などの電子部品等々の各部品に付着した油を除
去する工程で脱脂用溶剤として好んで使用される
ようになつている。 一方、1,1,1−トリクロロエタンは沸点が
低く揮散損失する量が多く、しかも洗浄工程から
の排出ガス中の濃度が稀薄である。故に、工程で
発生する排ガス中から該溶剤を回収するための方
法としては深冷により回収する方法が提案されて
いる。この方法では深冷温度に限度があるばかり
でなく、冷凍設備などに多額の費用を要し経済的
でない。これに対し、種々の活性炭を用いその優
れた選択吸着性能を利用したガス処理方法および
装置は、回収性能が良いことと運転経費が安価で
あることから一般に用いられている。従来、活性
炭を用いて廃ガス中の有機溶剤を回収する方法に
はヤシ殻活性炭などの不定形又はペレツト状に成
形した活性炭粒子あるいは炭素繊維を賦活した繊
維状活性炭などを充填した固定床やフイルターを
複数個用いて、それらを切り換えながら半連続的
に吸着および脱着操作するガス吸・脱着装置が知
られている。これらの装置は廃ガス中の有機溶剤
を吸着した活性炭(吸着済活性炭)に直接水蒸気
を吹き込むことによつて有機溶剤などの吸着物質
を脱着し、冷凍機を要しない通常の温度の温度範
囲で、たとえば水を冷媒とする凝縮器で脱着ガス
を凝縮し、ひきつづき該凝縮液を水層と溶剤層と
に分離して溶剤を回収した後、回収溶剤中の溶解
水分や溶剤の分解などによつて生ずる塩酸や有機
酸のような酸性成分を脱水剤などを用いて脱水と
共に脱酸をするなどの精製処理を経て後に再利用
する方法である(特開昭57−24318号公報等参
照)。しかし乍ら、固定床切換方式には種々の問
題点があり、溶剤回収は可能であるが、その利益
は極めて少ないものと思料されるものであつた。
すなわち、 1 1,1,1−トリクロロエタン溶剤中には、
熱分解や酸化による変質を防止するために数重
量%の安定剤が含まれており、水蒸気を直接吹
込む水蒸気脱着方法では、凝縮器で凝縮される
多量の水に1,1,1−トリクロロエタンに加
えて安定剤も含有される。したがつて、1,
1,1−トリクロロエタンおよび安定剤の欠損
量が多く、回収有機溶剤を洗浄工程等に再利用
する際には不足分の安定剤を新たに補給してや
る必要がある。 2 1,1,1−トリクロロエタンは、他の金属
洗浄用塩素系有機溶剤であるパークロロエチレ
ン、トリクロロエチレン、塩化メチレンなどに
比べて不安定で分解しやすく、水分があると脱
塩化水素反応をおこして塩化水素を放出するた
めに装置の腐蝕が激しい。したがつて、装置材
料の選択が厳しくなると共に設備費が高くな
る。 3 回収した溶剤中に含まれている酸成分を除去
するために、脱水と共に脱酸するための脱酸剤
が従来用いられているが、従来使用されている
脱酸剤では溶剤の分解が派生して不純物である
塩化ビニリデンが生成するとともに酸も生成す
る。このため、回収溶剤を再利用する場合、洗
浄能力および装置の腐蝕等に対する信頼性が劣
るため、改善が要望されている。 一方、本発明の出願人は、上記問題点を解決す
るための方法および/または装置を特公昭53−
4071号公報および特公昭53−8664号公報等で開示
している。この方式においては、吸着剤として特
定の球状活性炭を用い、吸着部が流動方式で脱着
部が移動層方式であり、間接的に加熱し且つ非凝
縮ガスを導入することにより脱着をおこなうこと
により排ガス中に含まれる有機溶剤を連続的に回
収することが可能である。この方式によれば、従
来の固定床切換方式の問題点の中で最も根本的な
解決課題である直接水蒸気吹込み方式による活性
炭の脱着・再生工程が無くなり、溶剤および安定
剤の損失を大幅に減らすことが出来るという格段
の改善が達成された。しかし乍ら、有機溶剤でも
特に不安定な1,1,1−クロロエタンに対して
は、回収溶剤の脱酸工程、安定剤の回収あるいは
装置の小型化等の改善すべき課題が残されてい
た。 本発明者らは、従来の連続排ガス処理方法およ
びその装置を1,1,1−トリクロロエタンに適
用した場合に派生する種々の問題点を改善するこ
とにより、1,1,1−トリクロロエタン及び安
定剤の回収率が優れ、回収溶剤の精製処理におい
て脱酸処理に伴う不純物である塩化ビニリデンの
生成が少なく且つ安定剤の回収割合が良好であ
り、設備費を低減するとともに装置を小型化し得
る方法及び装置を提供することを目的として鋭意
研究した結果、本発明に到達したものである。 本発明は、安定剤および1,1,1−トリクロ
ロエタン等を含む排ガスを多段流動層吸着部にお
いて球状活性炭と接触させ、浄化して後に浄化ガ
スとして排出する工程と、吸着部を通過した後の
活性炭を間接加熱により脱着再生する工程と、脱
着再生済活性炭を循環使用する工程と、脱着部か
ら排出される脱着ガスを凝縮する工程とからなる
方法において、凝縮工程を通過した脱着ガスを吸
着工程を通過後の活性炭と向流接触させることに
より凝縮工程通過後のガス中に残存する1,1,
1−トリクロロエタンを再吸着する工程と、凝縮
工程で回収される凝縮溶剤成分を非水溶液用陰イ
オン交換樹脂を用いて脱酸処理する工程とを有す
ることを特徴とする1,1,1−トリクロロエタ
ンの回収法に関し、さらに 安定剤および1,1,1−トリクロロエタン等
を含む排ガスを球状活性炭と接触させて後に浄化
ガスとして排出するための多段流動層吸着部と、
吸着部を通過した活性炭を間接加熱により再生す
るための脱着再生部と、脱着再生済活性炭を循環
するための循環移送手段と、脱着部から排出され
る脱着ガスを凝縮するための凝縮部とからなる溶
剤回収装置において、凝縮部を通過後の脱着ガス
を吸着部通過後の活性炭と向流接触させることに
より凝縮部通過後のガス中に残存する1,1,1
−トリクロロエタンを再吸着するための再吸着手
段と、凝縮部で回収される凝縮溶剤成分を非水溶
液用陰イオン交換樹脂で処理するための脱酸手段
とを有することを特徴とする1,1,1−トリク
ロロエタンを回収するための装置に関する。 本発明の方法および装置は、従来の連続排ガス
吸着・脱着方法および装置に改良を加えてより簡
便な構造を有する吸着・脱着方式を有するもので
あり、さらに凝縮液の精製処理工程に脱酸剤とし
て非水溶性液用の陰イオン交換樹脂を使用するこ
とにより溶剤および安定剤の変性を抑制し得るも
のである。 本発明を添付図面第1図および第2図を参照し
ながらより詳細に説明する。第1図は、吸着部と
脱着部が一体に設けられている装置を模式的に示
している。第2図は、吸着部と脱着部が分離して
設けられており、球形活性炭およびガス流が所定
の装置部所に連続的に流動または循環するための
導管を有している装置を模式的に示している。
尚、本発明装置は、第1図および第2図に示され
る装置のみに限定されるものではない。 第1図において、被処理ガスブロワー1によつ
て送入される1,1,1−トリクロロエタンを使
用する工程から排出する安定剤および1,1,1
−トリクロロエタンなどを含むガス32は、導入
管17から導入され、上向流として吸着部2の最
下段の多孔板4より下方の部位から導入される。
該被処理ガスは多孔板4の各段上に、球形活性炭
粒子の流動層を形成させながら上昇する間に溶剤
成分などを吸着除去され、浄化ガス27となり塔
頂に設けた排出口18から排出される。本発明に
用いられる球形活性炭は本出願人の所有する特公
昭51−76号公報によつて得られる平均粒径0.5〜
1.3mmの比較的小さな真球状活性炭が、流動性が
良く移動層の充填状態が比較的稠密充填に近くな
り、ガスシールの効果を高めるのに好ましく且つ
機械的強度に優れているので破砕が少ないことか
ら最も好ましい。 一方球形活性炭は分離器3の導管20から多孔
板4の最上段上に供給され、被処理ガスの上向流
によつて流動化され比較的薄層の流動層を形成し
つつ適宜該板に設けるダウンカマーから順次下段
に流下し、各段に流動層を形成しつつ被処理ガス
中の溶剤成分などを吸着して最下段を流下して案
内板5に付設された該粒子の重力による抜出しを
可能とする鉛直管路30に導入される。この鉛直
管路30内では、コンデンサー6で凝縮しきれな
かつた残余の溶剤成分を含む脱着用に用いられた
空気(以下脱着用空気と記す)が上昇し、前記の
重力で落下する球形活性炭と向流接触しながら溶
剤成分などが除去された後被処理ガスと混合さ
れ、吸着部塔頂から浄化ガス27として排出され
る。この鉛直管路30は上昇する脱着用空気によ
つて流下する吸着剤粒子の流動が妨げられない十
分な断面積を持ち、脱着用空気中に残留する溶剤
成分が吸着除去されるのに十分な接触時間を保持
できる寸法形状が選択される。数多くの試行の結
果、この方法は球形活性炭粒子の管路内平均流下
速度が2〜10cm/minとなるような断面積で、管
路内平均滞留時間が30秒以上となるような長さを
有すれば良いことが判明した。なお鉛直管路30
内で流下する球形活性炭が脱着用空気中の溶剤成
分を吸着できるようにするために、吸着部に供給
する球形活性炭の量は、被処理ガス中の溶剤を吸
着した後も球形活性炭がさらに吸着能を発現でき
るように適宜設定される。 一方、球形活性炭粒子は管路30を通過した後
に、活性炭のマテリアルシールによるガスシール
路を形成する鉛直管路31をもつ案内板7の上に
流下し、脱着部8に導入される。脱着部8に導入
される脱着用空気が該ガスのコンデンサー排出ガ
スの処理のための管路30を含む案内板5および
案内板7で区切られた画室の圧力よりも高い圧力
を持つものであるから、その脱着部8から該画室
への短絡を妨げるためにこの鉛直管路31は比較
的細く長い管路を有し、十分にガスシール効果を
発現するものでなければならない。シール部7を
通つて、脱着部8に導入された球形活性炭粒子
は、鉛直管路23内を移動層をなして流下しつつ
上部の2種の吸着部を通過してくる間に吸着した
溶剤成分を脱着する温度にまで、鉛直管23を加
熱管とする套管型熱交換器である脱着部8の套側
に加熱水蒸気等の加熱源を供給することにより間
接的に加熱される。脱着部8における活性炭の脱
着条件は、滞留時間が60分以下、脱着温度が140
℃以下、好ましくは100〜130℃である。 このような間接加熱方式を採用することによつ
て、従来の固定床切換方式で最も問題とされてい
た水蒸気直接吹込方式による凝縮水と共に損失す
る溶剤および安定剤の損失は大巾に低減される。 さらに脱着部で加熱されて脱着離脱した溶剤成
分などは、直ちに活性炭表面から除去されるよう
に脱着促進の目的で、導入口22から空気が導入
される。1,1,1−トリクロロエタンが難燃性
であることから一般の有機溶剤の回収には安全上
窒素、炭酸ガスなどの非支燃性不凝縮ガスを使用
しなければならなかつたのに対して、本発明にお
いては、極めて安直に使用できる空気を使用する
ことができる。脱着用空気は空気ブロワー21に
よつて脱着部底部の導入口22から脱着部8に導
入され、鉛直導管23内を重力で流下移動する球
形活性炭と向流接触する。溶剤成分などを同伴し
た脱着用空気は排出口16から冷水を冷媒とする
コンデンサー6に送られ、ガス中の凝縮成分が凝
縮回収される。凝縮成分は1,1,1−トリクロ
ロエタン、安定剤および酸などがある。コンデン
サー6で凝縮された該凝縮液は、シールタンク1
1へ流下し、収集される。 一方、コンデンサー6を通過した脱着用空気
は、凝縮温度に相当する溶剤成分の飽和蒸気圧に
近い量の溶剤を含んでいるので、これをさらに回
収除去するため前記したようにノズル15を径て
装置本体に導入し、鉛直導管30において吸着能
を保持する球形活性炭と向流接触させる。このこ
とは従来の有機溶剤の回収で、不凝縮ガス中に残
留する溶剤成分を回収するために、別個に第2の
脱着ガス用吸着部を設けねばならなかつたことと
不凝縮ガス循環送風フアンを必要としたこととに
比すれば、付属されていた装置の省略による設備
費の低減を可能にするものである。尚、コンデン
サー6を通過後の脱着空気を鉛直管路30へ導び
くためにシールタンク11を設けて、脱着空気を
外部へ漏さないように液シールがおこなわれる。
他方、脱着部8で再生された球状活性炭は、脱着
部底部にある導管9を経て気流搬送器10へ流入
し、空気流により搬送され分離器3で搬送空気を
分離して後、再び吸着部の最上段の多孔板4に循
環供給される。 また、シールタンク11に収集され、回収され
た1,1,1−トリクロロエタンを主成分とする
溶剤中には安定剤の熱分解等で生成した有機酸や
塩化水素が微量ではあるが含有されているために
PHが低下し、装置や洗浄物を汚染する原因となる
おそれがある。これら有機酸や塩化水素を除去
し、1,1,1−トリクロロエタンを精製するた
めに、非水溶液用の陰イオン交換樹脂を充填した
固定層精製装置13を通して酸分を除去する。脱
酸剤として使用する陰イオン交換樹脂は非水溶液
中の陰イオンを除去する特長を有し、塩素イオン
によつて変質を起さないものが選択される。本発
明者らは市販のイオン交換樹脂による1,1,1
−トリクロロエタンの回収液の精製処理を検討し
た結果、マクロレテイキユラー型の陰イオン交換
樹脂が優れた精製効果を示すと共に長寿命であ
り、再生もできるなどの長所を有するばかりでな
く、後述の実施例からも明らかなように不純物で
ある塩化ビニリデンの生成も少なく、回収液中の
各種安定剤の含有割合が精製処理前後で実質的に
変化がないという好ましい効果も知見された。ま
た、従来使用されていた脱酸剤と比較して本発明
で使用されるアニオン交換樹脂からなる脱酸剤
は、塩化ビニリデンの副生が少ない。 さらに、従来の水蒸気による脱着方式の場合の
ように多量の水分が回収溶剤中に懸濁して含まれ
ることがないため、本発明では回収溶剤の脱水を
実用上考慮する必要がないので、精製処理装置の
容量を1/3以下にすることが可能である。 第2図は本発明の他の実施態様を示す図面であ
り、被処理ガス吸着部2と吸着済球形活性炭の脱
着部8とが分離しており、第1図の一体的な構成
とは別の態様の排ガス処理装置を例示した図であ
る。吸着部2で1,1,1−トリクロロエタンな
どの溶剤成分を吸着した球形活性炭は、導管33
を重力で流下し、気流搬送装置34により脱着部
8の上部に設けられた分離器25に導かれ、搬送
空気と分離される。搬送空気は溶剤成分を含有す
るので、鉛直導管30で球形活性炭と向流接触し
ながら分離器25を上昇してくる脱着用空気と併
せて導管26により吸着部下部に導かれ、吸着部
2で溶剤成分が除去されて浄化ガスとなり吐出管
18から大気に放出される。 以下、実施例および比較例を参照しながら本発
明をより詳細に説明する。 実施例 第1図に示される構成を有し、下記寸法を有す
るテスト装置を用い、排出ガスの代りに蒸発器を
通して蒸発させた市販の金属洗浄用1,1,1−
トリクロロエタンを約1200ppm含有する空気を平
均粒径0.72mmの球形活性炭(呉羽化学(株)製、品番
G−70R)を用いて回収した。 装置寸法 吸着部:直径360mm、多孔板トレイ6段 脱着部:直径200mm 脱着空気吸着鉛直導管:管内径65mm、長さ70
mm、3本使用 回収溶剤精製装置:槽径40mm、樹脂充填層高
200mm 吸着部への被処理空気量は300Nm3/H(標準状
態換算ガス流量)であり、球形活性炭の循環量は
13Kg/Hであり、脱着用空気は4Nm3/Hであつ
た。また間接加熱水蒸気量は1.5Kg/Hであつた。
脱着温度は120℃、コンデンサー(凝縮器)出口
の凝縮液温度は5〜6℃であり、吸着部塔頂から
排出された浄化ガス中の1,1,1−トリクロロ
エタン濃度は80〜120ppmであり回収率は90%以
上であつた。 回収溶剤成分の脱酸精製に使用した陰イオン交
換樹脂は、オルガノ(株)製の平均粒径約0.5mmの非
水溶液用樹脂である品番アンバーリストA−21
である。 シールタンク11に収集された溶剤の分析値を
表中のa欄に示し、回収溶剤精製槽13から流出
する溶剤の分析値を表中のb欄に示す。 比較例 1 前記実施例で使用した装置を使用し、脱着部8
に直接水蒸気を導入口22から吹込み、球形活性
炭を循環しながら脱着をおこない、1,1,1−
トリクロロエタンを回収した。尚、套管部には保
温の為0.2Kg/cm2・Gの水蒸気を保持した。また、
活性炭は13Kg/Hで循環使用し、脱着温度は105
〜110℃であり、水蒸気の使用量は6.5Kg/Hであ
つた。シールタンク11(デカンターとして使
用)出の回収溶剤の分析値を表中のc欄に示す。 参考例 次に、本出願人の既出の出願に係る、第2の吸
着部を別個にガス処理装置内に設けて、コンデン
サーから排出される不凝縮ガス中に残留する溶剤
成分を回収する装置(特公昭53−8664号公報参
照)に対して、前記実施例で使用した装置ではこ
の第2吸着部を省略して鉛直導管30を設けて装
置の簡略化を図つたが、この実施例の装置の簡略
化がガス処理効果にどのように影響するかを明ら
かにするため、第2吸着部の構造を有するガス処
理装置を用い脱着用ガスとして窒素を循環使用
し、1,1,1−トリクロロエタンを回収した。 使用装置は吸着部内径150mm、脱着部内径150mm
であり、第2吸着部として内径100mm、長さ150mm
の気固向流接触移動層を有し、脱着部では水蒸気
による活性炭の間接加熱を行つた。操作条件は被
処理ガス量50Nm3/H、球状活性炭循環量は2.3
Kg/H、循環窒素量は0.7Nm3/Hであり装置能
力から前記実施例の約1/6の条件とした。脱着温
度は120℃であり、使用活性炭は実施例のものと
同一である。このような条件で1,1,1−トリ
クロロエタン1200ppmを含む被処理ガスを処理し
た。出口ガス濃度は約100ppmであつた。実施例
と同一の陰イオン交換樹脂により精製した回収溶
剤の分析値を表中のe欄に示す。本参考例(表中
e欄)と本発明の実施例(表中b欄)の結果から
明らかな如く、回収精製溶剤の液性状には大差な
く、本発明実施例の装置は単純化されているにも
かかわらず先行の装置のガス処理効果に劣つてい
ないことを示している。 下記表に示される分析結果から明らかな如く、
本発明の実施例で得られた回収溶剤中の安定剤の
含有濃度は、比較例(水蒸気脱着法)で得られた
回収溶剤よりも極めて高い。即ち、市販1,1,
1−トリクロロエタンに含有されている安定剤の
81%が本発明の実施例(表中a欄)では回収され
るのに対し、比較例(表中c欄)においては19%
のみしか回収されていない。 また、本発明の実施例においては、回収溶剤1
Kg当り水蒸気約0.8Kg、冷却水約50Kgを必要とし
ているが、これらの数値は従来の水蒸気脱着方式
と対比した場合、それぞれ約1/10,1/20であり、
運転維持費が安価である。 さらに、本発明の実施例において、陰イオン交
換樹脂による精製処理によつて得られる再利用
1,1,1−トリクロロエタンでは、精製処理前
の回収溶剤(表中a欄)中の安定剤は殆んどその
侭精製処理後の再利用用溶剤に残留し、しかも酸
分、PHともに対照の市販1,1,1−トリクロロ
エタン原液の性状に近いものとなつている。 比較例 2 次に、本発明に使用する陰イオン交換樹脂の安
定剤残留機能を従来一般に使用されていた市販の
脱水・脱酸剤セカードK−3(白川白煉瓦社製)
と比較する目的で、実施例の空気脱着によつて得
られた回収溶剤(表中a欄シールタンク出回収溶
剤)を、実施例の陰イオン交換樹脂の代りに回収
溶剤精製槽13に本実施例と同じようにセカード
K−3を充填して脱水・脱酸処理をした。回収溶
剤精製槽から流出する溶剤の分析値を表中のd欄
に示す。表中のb欄およびd欄の塩化ビニリデン
の含有量を比較すれば明白な如く、本発明実施例
では塩化ビニリデンの含有量が比較例に比して極
めて低濃度であり、約1/9である。 さらに、本発明実施例の精製回収溶剤(表中b
欄)では、精製前のシールタンク出回収溶剤(表
中a欄)中の安定剤濃度が殆んどそのまま精製回
収溶剤中に保留されるのに比し、比較例2(表中
d欄)では安定剤濃度が著しく低くなつた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の装置の一具体例を説明する
ための模式図を示し、第2図は本発明の装置の他
の具体例を説明するための模式図を示す。 1……被処理ガスブロワー、2……吸着部、3
……分離器、4……多孔板、6……コンデンサ
ー、8……脱着部、11……シールタンク、13
……回収溶剤精製装置、21……空気ブロワー、
25……分離器、27……浄化ガス、28……加
熱水蒸気、29……冷水、30……脱着空気吸着
用鉛直導管、31……鉛直管路、32……被処理
ガス、37……空気。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 安定剤および1,1,1−トリクロロエタン
    等を含む排ガスを多段流動層吸着部において球状
    活性炭と接触させ、浄化して後に浄化ガスとして
    排出する工程と、吸着部を通過した後の活性炭を
    間接加熱により脱着再生する工程と、脱着再生済
    活性炭を循環使用する工程と、脱着部から排出さ
    れる脱着ガスを凝縮する工程とからなる方法にお
    いて、凝縮工程を通過した脱着ガスを吸着工程を
    通過後の活性炭と向流接触させることにより凝縮
    工程通過後のガス中に残存する1,1,1−トリ
    クロロエタンを再吸着する工程と、凝縮工程で回
    収される凝縮溶剤成分を非水溶液用陰イオン交換
    樹脂を用いて脱酸処理する工程とを有することを
    特徴とする1,1,1−トリクロロエタンの回収
    法。 2 安定剤および1,1,1−トリクロロエタン
    等を含む排ガスを球状活性炭と接触させて後に浄
    化ガスとして排出するための多段流動層吸着部
    と、吸着部を通過した活性炭を間接加熱により再
    生するための脱着再生部と、脱着再生済活性炭を
    循環するための循環移送手段と、脱着部から排出
    される脱着ガスを凝縮するための凝縮部とを有す
    る溶剤回収装置において、凝縮部を通過後の脱着
    ガスを吸着部通過後の活性炭と向流接触させるこ
    とにより凝縮部通過後のガス中に残存する1,
    1,1−トリクロロエタンを再吸着するための再
    吸着手段と、凝縮部で回収される凝縮溶剤成分を
    非水溶液用陰イオン交換樹脂で処理するための脱
    酸手段とを有することを特徴とする1,1,1−
    トリクロロエタンを回収するための装置。
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