JPS634040A - 開缶性の良好なイ−ジ−オ−プン蓋およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 缶切りや栓抜き等の道具を使用せずに開缶できる食缶、
飲料缶用のイージーオープン蓋に関しこの明細書では、
優れた開缶性、と（にポンプ値の小さいイージーオープ
ン蓋およびその製造方法についての開発研究の成果を述
べる。

イージーオープン蓋用材料としてはこれまで耐錆性、開
缶性の点からアルミニウムおよびその合金が主として使
われている。

しかし食塩を含む内容物あるいは電解質の内容物の場合
、アルミニウム合金の一部使用によってガルバニック電
池（アルミニウム素地の露出部が陽極、ぶりき缶胴のピ
ンホール部が陰極）を形成し、電気化学的腐食が促進さ
れるため短時間のうちにアルミ蓋の穴あき発生につなが
る。したがってこのような場合は蓋用材料としてぶりき
又はティンフリースチールを典型とする、極低炭素鋼冷
延板（以下単に薄鋼板という）の使用が必要とされるわ
けで一方において空缶の廃棄処分についての社会的な強
い要請に対する回収上の観点から缶材料が単一であるこ
とが望ましい。

そういった点から今後、鋼板製のイージーオープン蓋（
以下ＥＯＥと略す）の需要が高まることが予想される。

（従来の技術） 従来ＥＯＥ用ぶりきとしては一般にＴ４−ＣＡと呼ばれ
るＪＩＳ　Ｇ−３３０３に則るＴ４の調質度を有する連
続焼鈍材で製品の板厚が０．２１〜０．２６ｍｍの鋼板
が使用されてきた。しかるにこのふりき製ＥＯＥの場合
Ａｌ製ＥＯＥに比べて開缶性がはるかに劣る。

そこで開缶性の改善方法として、特公昭５４−３６８９
６号、特開昭５５−２４９２７号各公報には鋼板中に水
素を吸蔵させ、また特開昭５８−７７５３２号公報には
スコア加工部をレーザ照射して加熱処理することなどが
開示されているが、このような鋼成分の規定や特殊なス
コア加工による開缶性の向上には、耐食性を損い、また
生産性を低下する不利があった。

そこで発明者らは先に上記の要請にこたえ得るイージー
オープン缶用鋼板とその製造方法について提案し、これ
は特開昭６０−５６０５２号公報にて開示された。

すなわち、Ｃ量を極端に低減した鋼に圧下率５％以上の
調質圧延を施すことで、鋼板における抗張力の極端な上
昇および延性を抑えた、開缶性の良好な鋼板とその製造
方法に関するものである。

また硬質材を用いるため、開缶力の小さいＥＯＥを製造
するには、スコア残厚が４０μ雇未満となるスコア加工
を施してスコア加工部の抗張力を低下させている。

スコア加工を施すに際しその残厚を薄くするにはかなり
の荷重を付加しなければならず、生産量が多くなるとス
コア加工用の金型ダイスの摩耗が激しく、厳しい寸法精
度の要求されるスコア加工部の形状が問題となるほか、
スコア残厚が薄いためスコア加工部の強度も問題となる
。

（発明が解決しようとする問題点） そこで鋼成分のほか、スコア残厚とスコア加工部の硬さ
とを制御することによって、スコア残厚が４０μｍ以上
の場合でも開缶性の良好なＥＯＥを提供すること、また
該ＥＯＥに最適な製造方法を提案することが、この発明
の目的である。

（問題点を解決するための手段） この発明は、Ｃ：　０．００５　ｗｔ％以下、Ｍｎ　：
　０．３賀ｔ％以下およびｓｏｌ、Ａ　ｌ　　：　０．
００３〜０．１０ｗｔ％を含み、さらにＮｂおよびＴｉ
のうちの１種又は２種を合計で０．００３〜０　、０３
ｗ　ｔ％金含有るロックウェル硬さ（ＨＲ３０Ｔ）で５
７以下の鋼板であって、ビッカース硬さ（Ｈｖ）が１０
０〜２２０およびスコア残厚（ｔ）が４０〜８０μ磯で
、かつ２５０≦Ｈｖ＋２．９５ｔ≦４００の関係を満足
するスコア加工部を備える開缶性の良好なイージーオー
プン蓋である。

またこの発明は、Ｃ：　０．００５　ｗｔ％以下、Ｍｎ
：０．３　ｗｔ％以下およびｓｏｌ、Ａ　１　　：　０
．００３〜０．１０ｗｔ％を含み、さらにＮｂおよびＴ
ｉのうちの１種又は２種を合計で０．００３〜０．０３
ｗｔ％含有する鋼スラブを熱間圧延し、その後板厚０．
２１ｔｍ以下に冷間圧延し、引続き連続焼鈍法にて再結
晶焼鈍を行った後、ロックウェル硬さ（ＨＲ３０Ｔ）で
５７以下とする圧下率５％未満の調質圧延を行い、次い
ですずめつきを施し、さらに下記を満足するスコア加工
を行うことを特徴とする開缶性の良好なイージーオープ
ン蓋の製造方法である。

記 スコア残厚（ｔ）：４０〜８０μｍ スコア加工部のビッカース硬さく）ｌｖ）　：　１００
〜２２０２５０≦Ｈｖ　＋２．９５ｔ≦４００次にこの
発明の基礎となった実験について述べる。

表１に示す化学組成および表２に示す製造条件に従うそ
れぞれ板厚０．１ｈｎの商用＃２５ぶりき板を用い、こ
れらぶりき板に対し第１図に示す金型で、スコア残厚を
３０〜１００μ硼に変化させてスコア加工を施し、スコ
ア加工と開缶性との関係を調べた。

なお開缶性は、スコア加工部に挟まれた部分（プル）７
プ）を引張試験機により一定歪速度で引張り、そのとき
の荷重の大きさで評価するが、開缶時の荷重の変化およ
び開缶度はその変形機構の違いから、第２図に示す如く
３つの段階に分けて考えることができる。

すなわち第１はプルトップが缶蓋から離れ始める段階で
あり、スコア部から破断が開始する際のポツプ値と呼ば
れる応力で、第２図での最初の荷重ピークに相当する。

次のステップは破断（開口）が次々と進む段階でティア
値と呼ばれる。最後はプルトップを缶から完全に引離す
段階であり、ブタフチ値と呼ばれる。

第３図に、ポツプ値と、スコア残厚およびスコア加工部
の断面硬さとの関係について示す。

同図から、スコア残厚が薄（スコア加工部の断面硬さの
低い軟質な鋼板はどポツプ値が良好であることがわかる
。

従来、開缶力は母板のもつ機械的特性のほか、鋼板中の
介在物、あるいは鋼板の表層部および中心部の結晶粒組
織、そしてスコア加工の形状に強く依存するものと考え
られていたが、この実験で得られた結果は母板厚が薄い
ため、スコア加工を施してもその加工量は少な（、と（
に極低炭素鋼素材（供試材Ａ、Ｂ、Ｃ）は鋼板内清浄度
が高いので加工硬化したとしても、比較的軟質であるた
めスコア加工部の破断強度が低くなったものと考えられ
る。しかし、低炭素鋼素材（供試材り、　Ｅ）は結晶粒
径が小さい上、鋼板内の固溶Ｃ，Ｎが多いのでスコア加
工部の材質は硬く破断強度が高くなったものと考えられ
る。

次に所定の高さからＥＯＥを落下させた場合のスコア加
工部の破断とスコア残厚との関係について調べた。

Ｃ：０．００２１ｗｔ％（以下単に％と示す）　、Ｓｉ
　：０．０１０％、Ｍｎ　：　０．２０％、Ｐ　　：０
．００９％、ｓ　　：０．００８％、ｓｏｌ、Ａ　（ｔ
：　０．０２５％、Ｎ　　：０．００２０％、Ｔｉ：０
．０１７％およびＮｂ　：　０．００７％を含有する極
低炭素鋼からなる板厚０．１８ｎｍの商用＃２０のぶり
き板に対し、スコア残厚が３０〜８０μｍとなるスコア
加工を施し、さらに２１１径のＥＱＥに加工し、咳ＥＯ
Ｅを５０゜１００．１５０および２００　ａｍの高さか
ら、第４図に示したように重ｉｔ５００ｇのおもりを付
は落下させ、スコア加工部に変形を加えた。。

その時、どの高さから落下した場合にスコア加工部に破
断が生じるか調査した結果を、第５図に示す。

またＣ　　：０．０３２％、Ｓｉ　：　０．００８％、
Ｍｎ　：　０．２６％、Ｐ　　：０．０１１％、Ｓ　　
：０．００７％、ｓｏｌ、Ａｊ！　：　０．０３３％、
およびＮ　　：０．００２８％を含有する低炭素鋼から
なる板厚０．２３ｍｍの商用＃２０のぶりき板に対して
同様の実験を行った結果を、第６図に示す。

いずれのＥＯＥもスコア残厚が４０μｍの場合、高さ２
００　ａｍから落下させると、スコア加工部が破断した
。またスコア残厚が３０μｍになると、第６図に示す低
炭素鋼では高さ１００　ｃｍ以下から落下させた場合に
は破断は生じないが、第５図に示す極低炭素鋼ではスコ
ア残厚が３０μｍになると、５０ｃｍの高さから落下さ
せた場合でもスコア加工部の破断がおこる。すなわち極
低炭素鋼はスコア残厚が薄くなるとスコア加工部の抗張
力が低下して開缶力が低下するものの、衝撃に対しては
かなり弱くなることが判明した。

（作　用） 次にこの発明で鋼板の化学組成ならびに製造条件を限定
した理由について述べる。

Ｃ：　０．００５％以下 Ｃの上限をｏ、ｏｏｓ％としたのはｏ、ｏｏｓ％をこえ
ると固溶ｃｌが増大し、スコア加工部の断面硬さを著し
く上昇させ、開缶性とくに、ポツプ値を上昇させるから
である。

Ｍｎ　：　０．３％以下 Ｍｎは熱間割れの原因となるＳを固定するのに有効な元
素であるが、０．３％をこえての含有は材質を硬化させ
、冷間圧延性が低下するのでこの発明のような極薄鋼板
を製造するのが難かしくなり、またスコア加工部の硬化
が著しくなることから、上限を０．３％とした。

ｓｏｌ、Ａ　ＩＶ　：　０．００３〜０．１０％＾ｌは
製鋼時の脱酸剤として必要な元素であり、またＮをＡＩ
！Ｎとして固定するのに有効な元素である。しかし、０
．１％をこえる含有は、いたずらに溶鋼コストを上昇さ
せることから極力避けるのが望ましい。よってこの発明
では、上限を０．１０％とした。また下限を０．００３
％としたのは、０．００３％未満では、ＡＮＮの析出が
困難となり、固溶Ｎが増大し、材質とくにスコア加工部
の強度を上昇させることからである。

Ｎ　ｂ　＋　Ｔ　１のうち１種又は２種を合計で０．０
０３〜０．０３％ ＮｂおよびＴｉは固溶Ｃ，Ｎを析出させて鋼板内の清浄
度を高めるという同一の作用効果をそなえ、よってスコ
ア加工部を軟質化させるには少な（とも０．００３％の
含有が必要である。しかし、０．０３％をこえての含有
は、溶鋼コスト上昇のほかに、焼鈍時の再結晶温度を上
昇させ、さら耐食性を劣化させてしまうことから、上限
を０．０３％とした。

また板厚を０．２１ｍｍ以下とした理由は、母板厚が０
．２１ｍｍをこえる素材にスコア加工を施すと、加工硬
化量が太き（なりすぎ、開缶力が大きくなることからで
ある。

通常、使用されＣいるスキンパス圧延機で５％以上の圧
下率を付加するのは困難であり、また材質が硬化し、開
缶力が上昇することから、この発明では５％未満の圧下
率で調質圧延を行うこととした。

スコア加工前の母板のロックウェル硬さくＨ＊３０Ｔ）
を５７以下とした理由は、開缶性を良好ならしめるスコ
ア加工部の断面硬さくＵＶ）を所望の値にするためであ
る。すなわち、Ｈａ３０Ｔで５８以上の鋼板は、本来抗
張力の高い鋼であるか、あるいはすでに加工硬化が進行
している素材であり、スコア加工を行なった後のスコア
部の材質が硬化しすぎて開缶性を劣化させることからで
ある。

スコア加工部のヴイッカース硬さくＨＶ）を１００〜２
２０、スコア残厚（ｔ）を２０〜８０μｍで、かつ、２
５０≦）ＩＶ　＋　２．９５ｔ≦４００を満足する範囲
内としたのは、先に第３図に示した如く、スコア加工部
の断面硬さが２２０をこえ、またはスコア残厚が８０μ
ｍをこえ、もしくはｎｖ＋２．９５ｔ　＞４００の領域
では、スコア加工部の抗張力が著しく高（なり、ポツプ
値、ひいてはティア値、ブタフチ値も上昇するからであ
る。

一方、スコア加工部断面硬さくＨＶ）が１００以下、あ
るいはｕｖ＋２．９５ｔ　＜２５０の領域ではあまりに
も材質が軟質なため、スコア加工部の伸びが良く、かつ
板厚も厚いため、開缶性と（にブタフチ値を著しく損な
うばかりか、開缶後端面のパリが大きくなり、手指の切
傷などの危険性があり、食料用としては好ましくない。

またスコア残厚が４０μ削未満ではスコア加工部の強度
が不足し、缶の内外圧・衝撃に耐えられず、充填物がも
れてしまう危険性がある。

（実施例） 表３に示す化学組成からなる連続鋳造した鋼スラブを熱
間圧延し、酸洗後板厚０．２０ｍｍに冷間圧延し、次い
で同じ（表３に示す焼鈍および調質圧延を施した後すず
メツキ工程を経て＃２５ぶりき板とし、さらに２１１径
のＥＯＥに加工後、開缶力測定、先に述べた落下衝撃試
験（高さ：１００ｃｍ）を行った結果を表４に示す。

＊　　Ｑ−ｍ−スコア加工部破断なし　　×−−−スコ
ア加工部破断あり適合例である蓋丸１．　３．　４．　
５．　６および１３は、いずれも開缶力、とくにポツプ
値が２．Ｏｋｇｆ以下と低く、開缶性に優れている。し
かしスコア残厚が３０μｍである蓋患８および１５は１
００　ａｍの高さからの落下衝撃試験においてスコア加
工部が破断してしまい開缶力は良好ではあるものの、耐
衝撃性に弱いことがわかる。鋼７および１４のスコア残
厚が８０μｍをこえる鋼では加工硬化量が小さく、スコ
ア加工部の断面硬さは十分低いが、開缶力は適合例に比
較し、いずれの特性も高かった。

蓋患２の化学組成は、この発明の適合範囲ではあるが、
調質圧延の圧下率が高く、母板自体の加工硬化が進行し
、さらにスコア加工後の断面硬さが上昇したため開缶力
が高くなった。

また、蓋Ｎ１９．１０．１１および１２は、低炭素鋼素
材であり、母板結晶粒が他の極低炭素鋼素材の結晶粒よ
り小さく、スコア加工部の材質が硬くなって、開缶力が
高（なったものと考えられる。

（発明の効果） この発明によれば、従来のイージーオープン蓋に比較し
、開缶性と（にポツプ値に優れた、市販のアルミニウム
合金蓋に匹敵するものを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、スコア加工用金型を示す斜視図、第２図は、
開缶時の荷重曲線を示すグラフ、第３図はポツプ値にお
よぼすスコア加工部の断面硬さ（Ｈｖ）とスコア残厚（
μＩ）との関係を示すグラフ、 第４図は、落下衝撃試験の説明図、 第５図は、極低炭素鋼素材のスコア加工部の破断におよ
ぼすスコア残厚（μＩＩ＋）と落下高さとの関係を示す
グラフ、 第６図は、低炭素鋼素材のスコア加工部の破断におよぼ
すスコア残厚（μｍ）と落下高さとの関係を示すグラフ
である。 第１図 第２図 第３図 ２０　　　　ｊＬｏ　　　　６０　　　　日Ｏｆｏｏ　
　　　１２゜ズコアハ゛犀：ｔ（μ−ン 第４図 落下高で（ｃｍ） 落下高さくＣｍ）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、Ｃ：０．００５ｗｔ％以下、 Ｍｎ：０．３ｗｔ％以下および ｓｏｌ．Ａｌ：０．００３〜０．１０ｗｔ％を含み、さ
   らにＮｂおよびＴｉのうちの１種又は２種を合計で０．
   ００３〜０．０３ｗｔ％含有するロックウェル硬さ（Ｈ
   ＿Ｒ３０Ｔ）で５７以下の鋼板であって、 ビッカース硬さ（Ｈｖ）が１００〜２２０およびスコア
   残厚（ｔ）が４０〜８０μｍで、かつ ２５０≦Ｈｖ＋２．９５ｔ≦４００の関係を満足するス
   コア加工部を備える開缶性の良好なイージーオープン蓋
   。 ２、Ｃ：０．００５ｗｔ％以下、 Ｍｎ：０．３ｗｔ％以下および ｓｏｌ．Ａｌ：０．００３〜０．１０ｗｔ％を含み、さ
   らにＮｂおよびＴｉのうちの１種又は２種を合計で０．
   ００３〜０．０３ｗｔ％含有する鋼スラブを熱間圧延し
   、その後板厚０．２１ｍｍ以下に冷間圧延し、引続き連
   続焼鈍法にて再結晶焼鈍を行った後、ロックウェル硬さ
   （Ｈ＿Ｒ３０Ｔ）で５７以下とする圧下率５％未満の調
   質圧延を行い、次いですずめっきを施し、さらに下記を
   満足するスコア加工を行うことを特徴とする開缶性の良
   好なイージーオープン蓋の製造方法。 記 スコア残厚（ｔ）：４０〜８０μｍ スコア加工部のビッカース硬さ（Ｈｖ）：１００〜２２
   ０２５０≦Ｈｖ＋２．９５ｔ≦４００