JPS6339629B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタイヤの一体部分を形成する空気保持
性ライナー（air―retaining liner）を含む空気
入りタイヤに使用するためおよびタイヤキヤステ
イング内に入れる内部チユーブ中に使用するため
の無溶剤シーラント２成分組成物に関する。シー
ラント組成物はかかるタイヤの内側に塗つて一体
的空気保持性ライナーとともに釘のような突き刺
さる物体でライナー中に生じる可能性のある穴を
密閉する作用がある。シーラント組成物はタイヤ
キヤステイング内に入つている内部チユーブ中に
注入した場合、タイヤの回転によつてチユーブ内
に均一に分布するようになる。

先行技術では、タイヤのコアを完全に充填する
ためボイドフリーエラストマー充填剤と所定の多
孔度の充填剤の両方を用いることが知られてい
る。かかるエラストマー充填剤は有機ポリイソシ
アナートのプレポリマーとポリエーテルまたはポ
リエステルとから通常誘導される。前述したタイ
ヤコアの完全な充填の外に、種々のシーラント組
成物、例えば主シーラント成分として本質的にブ
チルゴム、活性炭および硫黄を含む１液処方
（one shot recipes）が当業では知られている。
中にシーラント組成物を塗つてあるタイヤキヤス
テイングに釘が突き刺さつたとき突き刺さつ釘の
内部上で熱硬化してその釘を固定させるため随意
にフエノールホルムアルデヒド樹脂を用いること
も知られている。当業では硬化剤および黒酸化鉄
などの補助硬化剤と組み合わせた部分硬化ブチル
ゴムを含む組成物のような自己密閉性（self―
sealing）単一成分組成物を空気入りタイヤと組
合わせて利用することも知られている。数多くの
他の単一成分シーラント組成物が当業では知られ
ているが、これら組成物は主としてトレツドおよ
びサイドウオール部に近接した空気入りタイヤの
内面へシーラントを塗布された後調節された諸性
質のバランスを保持しなければならない。

本発明では、２成分のおのおのが貯蔵安定性で
あり且つ一緒に混合するとき、極めて容易に、約
1.0：1.0の容量比で混合して均質状態になる。本
発明のシーラント組成物は例えば簡単な混合ヘツ
ドによつて有効に混合するこができ且つこの混合
ヘツドから主としてトレツドおよびサイドウオー
ル部に近接する空気入りタイヤの内面へ塗布する
とき一様に塗布されて所望の厚さのシーラント層
を分布させることができるシーラント組成物であ
る。本発明のシーラントはタイヤケーシング内に
内部チユーブ中へ注入し、タイヤおよびチユーブ
の回転によつてチユーブ内に一様に分布させるこ
とができる。おのおのの成分混合物はドラム中に
貯蔵した場合、ドラムを回転させるだけで混合す
ることができる。

本発明のシーラント組成物において、中質プロ
セスオイルは各成分の個々の処理および使用を容
易にするためおよびタイヤの内部ライナーへ塗布
する前に一緒に混合したとき各成分の粘度を低く
保つように調節するのを助ける作用がある。この
プロセスオイルは未硬化ブチルゴムとポリオール
成分の両方の相溶化剤（compatibilizing agent）
として作用して組成物系中でのこれらの両成分の
相溶性を保ち、最終組成物中に不可欠成分として
残る。

本発明の１つの重要な特徴は先行技術で使用さ
れ且つ（あるいは）必要とされる溶剤を使用しな
いで済む点であり、この特徴のため、より調節さ
れた塗布が可能であり且つ溶媒系に通常付随する
安全性の問題がなくなる。本発明のシーラント組
成物は種々の混合ヘツドから塗布する場合、混合
室内にほんの２、３秒滞在させるだけ十分確実に
混合することができる。

本明細書において、量を表す部は、他に示して
いない限り、重量部である。

本発明の組成物の第１成分混合物は、本質的に
NCO含量が約3.5〜4.5％の低分子量エラストマー
状イソシアナート末端プレポリマー100部、中質
プロセスオイル約250部〜約400部および低分子量
未硬化ブチルゴム約50部〜約70部から成る混合物
である。第２成分混合物は、本質的に１ｇ当たり
約0.8ミリ当量のヒドロキシルを有する。第１成
分のプレポリマーに対する低分子量ポリオール反
応剤約150部〜約250部、低分子量未硬化ブチルゴ
ム約40部〜約65部、中質プロセスオイル約225〜
約275部および上記プレポリマーと上記ポリオー
ルとの反応の触媒約0.1〜10.0部から成る。

上記２成分を混合する場合、両成分を約1.0：
1.0の容積比で混合する。この組成物ではNCO：
OHのモル比は約0.6：1.0の最適値である。
NCO：OHのモル比を0.65：1.0に増加すると、得
られた硬化シーラントは伸びが短く、粘着性がな
く、回復が遅く且つゴム基材への接着が不良であ
り、且つ釘パンク部位の密閉も不十分である。こ
のNCO：OHのモル比が0.5：１に減少する、硬
化不足となり、適正な作用をしない。

上述したように、各成分混合物中の中質プロセ
スオイルは(a)処理を容易にするために不可欠な低
粘度を保ち、(b)簡単な撹拌で均質な系をつくり且
つ保持し、且つ(c)ブチルゴムとポリオール反応剤
との相溶化剤として働き、両者を相溶性にする作
用がある。プレポリマーとポリオールとの反応生
成物はシーラント組成物をあるべき場所に一様に
保持して未硬化ブチルゴムのシーラントとしての
有効性を保証する安定化マトリツクスを与える働
きをする。シーラント組成物を与えられた空気入
りタイヤの内面に塗布した後、外部加熱によつて
硬化させる。しかし、ブチルゴムは未硬化のまゝ
であり、例えば釘によつてパンクした場合シーラ
ントとして有効であることは言うまでもない。

本発明の実施においてブチルゴム成分は低分子
量であつて、粘着性なガム状塊（gummy mass）
を保たねばならない。高分子量ブチルゴムすなわ
ち硬質ブチルゴムはシーラントとして有効に作用
すると考えられない。空気入りタイヤの内部ライ
ナーに塗布するシーラント組成物の量は変えるこ
とができ、与えられたタイヤサイズに応じて日常
実験によつて有効なシーラント作用を与えるため
の所要量を決定することができる。

触媒としてはポリウレタンの硬化に通常用いら
れるような種々の触媒を使用することができる。
有効な触媒には、ジブチル錫ジラウレート、ジア
ゾビシクロオクタン、第一錫オクトエート
（stannous octoate）およびこれらの組み合わせ
がある。ジブチル錫ジラウレートが好ましいが、
他の公知のポリウレタン硬化用触媒もほぼ同じ結
果を得るために有効に使用できる。

使用する中質プロセスオイルは低粘度を保持
し、簡単な撹拌で均質系を与え且つブチルゴムと
ポリオール反応剤との相溶化剤として働いてこれ
らの両者を相溶性にする作用がなければならな
い。選択される特別な中質プロセスオイルは厳密
に決まつたものではなく、種種の物質およびそれ
らの組合わせから選ぶことができ、好ましくは、
選択される油は実質的な比率の芳香族成分を含む
べきである。

使用するプロセスオイルは炭化水素型で、非官
能性で且つ低粘度であり、すなわち22℃における
ブルツクフイールド粘度が約10〜500cpsである。
これらのプロセスオイルは数多くの市販製品名お
よび商品名で容易に入手することができる。かか
るプロセスオイルは石油または石炭タールから誘
導することができ、好ましいプロセスオイルの幾
つかについての記載がASTM規格D2226中に特
にこの規格中に挙げたタイプ101および102に関し
て見いだされる。

選ばれる中質プロセスオイルの粘度は37.8℃
（100〓）で約100〜10000susの範囲でなければな
らず、好ましい範囲は500〜5000susである。適切
に選んだプロセスオイルはそれを添加した特別な
シーラント組成物に良好な可撓性および混合中の
取扱特性ならびに塗布性能を与える。

選ばれる低分子量ポリオールは分子量が400〜
5000の範囲内にあり、好ましい分子量は1200〜
3000である。ポリオールの混合物も含まれ、使用
できる有効な低分子量ポリオール成分は米国特許
第3846364号中にさらに記載されている。この特
許を参考文献としてここに加える。

本発明のシーラント組成物の低分子量未硬化ブ
チルゴムは大重量比率のすなわち50重量％より多
くの炭素原子４〜７個を有するイソオレフインと
小重量比率の炭素原子４〜８個を有する開鎖共役
ジオレフインとのゴム状共重合体を含み、好まし
くは大重量比率のイソブチレンと小重量比率のイ
ソプレンとのゴム状共重合体を含む。

この低分子量ブチルゴムの粘度平均分子量は(A)
スタウデインガー5000〜15000；あるいはフロー
リー30000〜60000である。この低分子量ブチルゴ
ムはイソブチレンまたはエチルメチルエチレンの
ようなイソモノオレフイン70〜99.5重量部とイソ
プレン；１，３―ブタジエン；２，３―ジメチル
―１，３―ブタジエン；１，２―ジメチル―１，
３―ブタジエン（３―メチル―１，３―ペンタジ
エン）；１，３―ジメチル―１，３―ブタジエ
ン；１―エチル―１，３―ブタジエン（３，３―
ヘキサジエン）；１，４―ジメチル―１，３―ブ
タジエン（２，４―ヘキサジエン）のような開鎖
共役ジオレフイン0.5〜30重量部とを、米国特許
第2356128号、第2356129号、第2356130号に詳し
く記載されているようなかかる単量体の通常の共
重合方法で共重合させた共重合体から成ることが
好ましい。これらの合成ゴムの典型的な例は
“GR―Ｉ”、“ブチルＡ”、“ブチルＢ”、“ブチル
Ｃ”、“フレクソン”、“GR―150”、“GR―115”、
“GR―117”、“GR―118”などの商品名で知られ
ている。本明細中では、簡単のためにこれらの共
重合体を“ブチル”ゴムと称す。

選ばれる特別なイソシアナート末端プレポリマ
ーには厳密な規定はない。本発明の実施に当たつ
て使用することができる有効なプレポリマーおよ
びその製法は米国特許第3628585号および第
3866651号中に記載されている。

本発明の２成分シーラント組成物が先行技術の
現存組成物に比べて非常な利益をもたらすことは
当業者には明らかであろう。例えば、本発明のシ
ーラント組成物の製造および塗布には、ほとんど
の先行技術のシーラント組成物全体にわたつて明
らかに所要である成分としての何らの溶剤も必要
とせず、また充填剤の添加の必要もない。本発明
を実施する際、簡単な混合およびトレツドおよび
サイドウオール部の内部を被覆するための空気入
りタイヤの内面への簡単な塗布により、経時およ
び温度によつて粘度または性能がほとんど変化せ
ずにあるべき場所に一様に保持される、有効で且
つ一様なシーラント組成物が得られる。

以下、実施例によつて現時点において本発明の
好ましい実施方法を示し且つ説明する。実施例
中、特に断わらない限り、比率はすべて重量によ
る。また、当業者には明らかなように、本明細書
中の全記載範囲内でこの実施例を変化させてほぼ
同じ結果を得ることができる。また、この実施例
は本発明の範囲を限定するためのものと考えるべ
きではない。

実施例 炭化水素型、非官能性であり、22℃のブルツク
フイールド粘度が50cpsの中質プロセスオイル
329.41部を粘度平均分子量が8700〜10000（スタウ
デインガー）または40000（フローリー）の低分子
量ブチルゴム〔エクソン・ビスタネツクス
（Exxon Vistanex）（イソブチレンと共重合した
2.5％以内のイソプレンを含む）〕65.88部と混合
し、90℃〜95℃で混合することによつて上記ブチ
ルゴムを上記中質プロセスオイル中に溶解させ
た。中質プロセスオイル中に未硬化ブチルゴムを
溶解させたこの混合物を50℃に冷却し、これに、
NCO含量が4.23％で分子量が3000〜3500の低分
子量イソシアナート末端プレポリマー［２，４―
トリレンジイソシアナートと、米国アルコ・ケミ
カル社製の市販ポリオール「タイプR45M」（シ
ス含有量が約22％、トランス含有量が約58％、お
よび１，２―ジオール含有量が約20〜22％のポリ
ブタンジオール）との予備重合物］100部を加え、
これら全成分を完全に混合した。

上記第１成分と同様に中質プロセスオイル
242.3重量部を混合し、かつ溶解させた前記低分
子量の未硬化ブチルゴム48.46重量部中に、１ｇ
当たり約0.8ミリ当量のヒドロキシ基を含有する
分子量が400〜5000のポリブタンヂオール（米国
アルコ・ケミカル社製の市販ポリオール「タイプ
R45M」）201重量部を50℃で混合し、次いでジブ
チル錫ジラウレート触媒約2.29重量部を加えて第
２成分を製造した。

上記のようにして製造した両方の成分は貯蔵安
定性であり、これらを通常の混合ヘツドで約
1.0：1.0の容量比で一緒に混合した後、空気入り
タイヤの内面上へ吹付けて無溶剤シーラント組成
物をつくり、次にこのタイヤを回転させてシーラ
ント組成物を主としてトレツドおよびサイドウオ
ール部に近接したタイヤ内面上に一様に分布させ
た。

この塗布されたシーラントを次にタイヤ内部ラ
イナー上で約120℃で約５〜15分間硬化させた。
この吹付け塗布されたシーラントの厚さは一様
で、約3.175〜7.9375mmであつた。釘でパンクさ
せたとき、タイヤトレツドに小さい穴があき、シ
ーラントは内部ライナーに接着したまゝであり、
釘を差し込んだとき釘にも接着し、釘を取除いた
とき生じたパンクは完全に密閉された。

上記実施例において、使用した特定の本質的成
分は本発明のシーラント組成物の製造および性能
にとつて厳密に決まつたものではなく、好ましい
実施例を示しただけである。

実施例に挙げた好ましい成分のおのおのは、当
業者には明らかなように、本明細書の全記載の範
囲内で変化させてほぼ同じ結果を得ることができ
る。

本発明のシーラント組成物の重要な特徴は、受
容できるエージング性を有しており、かくして塗
布後一体性を保持することである。

本発明の２成分シーラント組成物は、自転車用
から巨大な超大型車用（off―the―road）までの
サイズで、内部チユーブを用いる場合またはチユ
ーブ無しの場合のどんな空気入りタイヤにも非常
に有用である。

以上述べた本発明の詳細な説明ならびに代表的
実施例は説明のためのものであり、本発明の範囲
は特許請求の範囲によつてのみ限定されるもので
あることは言うまでもない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 無溶剤型硬化性２成分シーラント組成物にお
   いて、本質的に (a) NCO含量が3.5〜4.5％の分子量が400〜5000
   の低分子量エラストマー状イソシアナート末端
   プレポリマー100重量部と、22℃におけるブル
   ツクフイールド粘度が10〜500cpsの中質プロセ
   スオイル250〜400重量部と、スタウデインガー
   粘度平均分子量が5000〜15000の未硬化ブチル
   ゴム50〜70重量部の混合物と、 (b) １ｇ当り約0.8ミリ当量のヒドロキシル基を
   有する分子量が400〜5000のポリオール150〜
   250重量部と、スタウデインガー粘度平均分子
   量が5000〜15000の未硬化ブチルゴム40〜65重
   量部と、(a)と同様な中質プロセスオイル225〜
   275重量部と、上記プレポリマーと上記ポリオ
   ールとの反応用触媒0.1〜10.0重量部の混合物
   と、 の混合物からなり、かつ上記(a)および上記(b)がそ
   れぞれ貯蔵安定性があり、かつ約1.0：1.0の容量
   比で均一に混合されることを特徴とする２成分硬
   化性シーラント組成物。 ２ (a) NCO含量が約3.75％の分子量が400〜
   5000の低分子量エラストマー状イソシアナート
   末端プレポリマー100重量部と、22℃における
   ブルツクフイールド粘度が約50cpsの中質プロ
   セスオイル300重量部と、スタウデインガー粘
   度平均分子量が5000〜15000の未硬化ブチルゴ
   ム60重量部と、 (b) １ｇ当り約0.8ミリ当量のヒドロキシル基を
   有する分子量が400〜5000のポリオール180重量
   部と、スタウデインガー粘度平均分子量が5000
   〜15000の未硬化ブチルゴム45重量部と、(a)と
   同様な中質プロセスオイル230重量部と、反応
   用触媒２重量部との混合物と、 の混合物から本質的になり、かつ上記(a)および上
   記(b)がそれぞれ貯蔵安定性があり、かつ約1.0：
   1.0の容量比で均一に混合されることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の２成分硬化性シ
   ーラント組成物。