JPS6339580Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案者は熱交換器の容器の胴を、内胴と外胴
との二重構造とし、内外両胴間に熱交換後の１次
流体の流通空間を形成し、同空間に同１次流体の
昇圧供給装置を接続し、万一下部プレナム等の近
傍で内胴に孔があいたような場合、下部プレナム
内の高温１次ガスが前記流通空間に流入して外筒
が高温の１次ガスに曝されることのないようにし
た熱交換器を提案した。

第１図はこのような熱交換器を示し、高温の１
次ガスａは下部ノズル１より容器内に進入し、伝
熱管２内の２次ガスｂを加熱しながら上昇して
徐々に冷却したのち上部のノズル３より１次ガス
昇圧供給管路４に進入し、同管路４に介装された
圧縮機５によつて昇圧された後、ノズル６を介し
て容器外胴７と内胴８との間に形成された１次ガ
ス流通空間９に流入し、外筒７を冷却しながら下
降して出口ノズル１０から流出する。また内胴８
には断熱材１１が層着され、１次ガスａの熱が放
散するのを防止されている。

内胴８は断熱材１１で断熱されているが、内部
の高温の１次ガスａの熱が或る程度内胴８に伝達
され、一方外胴７は大気に曝され温度が低いた
め、外胴７より内胴８は温度が高くなる。この温
度差による内胴８と外胴７との熱伸び差を逃がす
ため内胴３は外胴７の上部フランジ１２で固定さ
れ、同フランジ１２より懸吊され下端がフリーの
状態にされている。

なお図中１３は伝熱管２を支持する、上部より
懸吊された伝熱管支持装置である。

しかしながら前記熱交換器においては内胴が上
部から懸吊されているので、地震に対する耐震性
が悪く、また内部の伝熱支持装置も内胴による横
方向の支持ができず、耐震性が極めて悪くなる。

また伝熱性能確保のため、断熱材の内面の真円
度及び直直度、即ち精度はかなり厳しいものが必
要であるが、これを確保するため内胴の円筒とし
ての剛性が必要で、そのため耐圧強度以上の厚肉
にする必要があり、極めて不経済である。

本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたもので、熱交換器の胴を、内部に伝熱装
置の配設された内胴と外胴との二重構造として内
外両胴間に熱交換後の１次流体の流通空間を形成
し、内胴の内側及び外胴の外側に夫々断熱材を層
着するとともに前記空間内に内外両筒を結合する
固定材を同固定材周囲を前記１次流体の流通可能
なように配設し、内筒の内側断熱材層中における
前記固定材の対応部位にストツパを埋設し、同ス
トツパ及び前記固定材を介して内筒内側の収容物
の振動力を外胴に伝達するように構成されたこと
を特徴とする熱交換容器に係るものである。

本考案に係る熱交換器においては、中間に熱交
換後の１次流体の流通空間を形成する容器の内胴
と外胴とを結合する固定材を、同固定材周囲が前
記１次流体の流通可能なように前記空間内に配設
し、内筒内側の断熱材層中における前記固定材の
対応位置にストツパが埋設されているので、地震
時等における内筒内側の伝熱装置等の収容物の振
動力が、順次ストツパ、内胴、固定材を経て外胴
に直接伝達され、強力な防振効果が発揮される。

また本考案においては前記外筒の外側にも断熱
材が層着されているので、外胴の外表面からの熱
放散がなく、内外両胴はほぼ等温となるので両者
の間の熱膨脹差が殆んどなくなり、前記したよう
に内外両胴間を固定材で固定しても過大な熱応力
は生起することがなく、また内外両胴が一体とな
るため、内胴の肉厚を薄くしても剛性が大で、断
熱材の精度が容易に確保される等、本考案は多く
の利点を有するものである。

以下本考案を図示の実施例について説明する。

なお図中前記第１図に示す熱交換器と均等部分
には同一符号が附されている。

図示の実施例においては外筒７の外側にも内筒
８の内側と同様に断熱材１４が層着され、更に内
筒８と外筒７との間に固定材１５が配設され、同
固定材１５を介して内外両筒７，８が強固に固定
されている。

なお前記固定材１５の周囲は冷部のため１次ガ
スａが流れるようにし、また過度の応力が集中し
ないように円筒形等に形成されている。

また内筒８の内側断熱層１１内における前記固
定材１５と対応する位置にストツパ１６が埋設さ
れている。

従つて地震時伝熱管支持装置１３はストツパ１
６に衝突し、この力は同ストツパ１６、内胴８、
固定材１５を経て外胴７に直接伝達され、強力な
防振効果が発揮される。また外筒７外周面の断熱
材１４によつて、外筒７の表面からの熱放散がな
く、内外両筒７，８はほぼ等温になるので、両者
間の熱膨脹差は殆んどなくなり、前記したように
両者間を固定材１５で強固に固定しても過大な熱
応力は生じない。また同固定材１５を介して内外
両筒７，８が一体となるので、内胴８の肉厚を薄
くしても剛性が大で、断熱材の精度の確保が容易
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による改良の対象となる熱交換
器の縦断面図、第２図は本考案に係る熱交換器の
一実施例を示す縦断面図、第３図は第２図の部分
の拡大図である。 ７……外筒、８……内筒、９……１次ガス流通
空間、１１……断熱材、１４……断熱材、１５…
…固定材、１６……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器の容器の胴を、内部に伝熱装置の配設
   された内胴と外筒との二重構造として内外両胴間
   に熱交換後の１次流体の流通空間を形成し、内胴
   の内側及び外胴の外側に夫々断熱材を層着すると
   ともに前記空間内に内外両筒を結合する固定材を
   同固定材周囲を前記１次流体の流通可能なように
   配設し、内筒の内側断熱材層中における前記固定
   材の対応部位にストツパを埋設し、同ストツパ及
   び前記固定材を介して内筒内側の収容物の振動力
   を外胴に伝達するように構成されたことを特徴と
   する熱交換容器。