JPS6338216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エレベータの戸開釦のベースに塗
装を施し、戸閉釦との区別を付けるようにしたエ
レベータのかご操作盤に関するものである。

まず、第１図ないし第３図により、従来のエレ
ベータのかご操作盤について説明する。第１図は
エレベータのかご室の出入口側を示す透視図であ
り、第２図は第１図の部分を拡大して示す従来
のエレベータのかご操作盤を示す正面図であり、
さらに、第３図は第２図の−線より見た操作
盤を見た正面図である。

これらの第１図ないし第３図において、１はエ
レベータかご室であり、天井２、壁３、かご床
４、出入口上板５およびかごの戸６から形成され
ている。かご室１の袖壁３ａにかご操作盤７が設
けられている。

かご操作盤７は第２図および第３図より明らか
なように、両サイドのフレーム９に挾まれ、上部
から容量定員名板８ａ、方向灯８ｂ、ブランク８
ｃ、タツチ釦による階床釦１１、その釦取付ベー
ス８ｄ、ブランク８ｃ、戸開釦１３、その釦取付
ベース８ｅ、戸閉釦１４、その釦取付ベース８ｆ
などよりなるフエースプレートと本体器具（図示
せず）を格納した箱１０とで構成されている。

方向灯８ｂ、ブランク８ｃ、釦取付ベース８ｄ
〜８ｆのサイズはモジユール化されており、フレ
ーム９の長さを変えるのみで釦取付ベース８ｄを
容易に増減可能であり、停止数の変化に対応でき
る。

釦取付ベース８ｄ〜８ｆには、タツチ式かご呼
び釦、すなわち、階床釦１１および応答ランプ１
２が設けられている。

通常、かご内へ乗り込んできた客がかご操作盤
７の前に立ち、目的とする行先階の階床釦１１を
押すと、応答ランプ１２が点灯し、目的階へエレ
ベータを走行することになる。

しかし、かご１内へ一度に多数が乗り込んでき
た場合などでは、乗客の乗込中にもかかわらず、
かごの戸６は一定時間経過後には戸閉動作に入
り、乗込中の客がかごの戸６、乗場の戸（図示せ
ず）の先端部に挾み込まれそうになり、先に乗り
込んだ乗客が機転をきかして戸開釦１３を押し、
再戸開することがある。

加えて、タツチ釦式かご操作盤７の釦頭部はデ
ザイン上からも、また、釦頭部が電極であること
から、極端に大きくできない。そこで、釦頭部に
彫刻された戸開および戸閉の文字は小さく、門構
えの中の「〓」と「オ」の違いであり、確認しず
らい。

特に、戸開釦１３は上記のように、乗客のスム
ーズな乗降および安全性の確保ならびに大きな荷
物などの出し入れの際、戸の先端の損傷防止など
に非常に有効であるが、釦頭部の文字が確認しず
らいこと、釦取付ベース８ｅおよび８ｆは標準化
の上から同一の仕上げがなされており、戸開釦１
３が目立ち易いと云う配慮はなされていないの
で、押し誤りにより、戸開保持が逆に戸閉が開始
するなど、逆に危険であつた。

また、例えば実開昭56−151263公報に示されて
いるように、戸開押釦を戸閉押釦などの他の押釦
より大きくして、目立ち易くすることにより、戸
開押釦の上記のような押し誤りを防止するかご操
作盤が知られている。しかし、タツチ釦からなる
戸開釦は、大きくすることが上述したように不可
能であり、また仮りにできたとしても、戸開釦と
その釦取付ベースとの２部品を他のものと変える
必要があり、製品コストが高くなるという問題点
があつた。

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、タツチ式の戸開釦を目立ち
易くし、咄嗟のときにも上記戸開釦に戸閉釦と間
違うことなくタツチすることができ、戸開が必要
な際に誤つた操作をして戸閉が開始する危険性
を、１部品の改変によつて防止できるエレベータ
のかご操作盤を提供することを目的としている。

この考案によるエレベータのかご操作盤は、タ
ツチ釦が装着された多数の釦取付ベースを備え、
タツチ釦からなる戸開釦の釦取付ベースを他のタ
ツチ釦の釦取付ベースとは異なる色仕上げとした
ものである。

この考案におけるタツチ釦式のかご操作盤は、
戸開釦の釦取付ベースを他のタツチ釦の釦取付ベ
ースと異なる色としたことにより、釦取付ベース
は比較的大きいので、戸開釦の釦取付ベースが目
立ち、戸開釦の視認性が良好なので、咄嗟のとき
にも戸開釦にタツチすることができ、戸開保持を
誤ることなく行うことができ、しかもモジユール
化された釦取付ベース１部品の改変によつて戸開
釦の視認性をよくすることができる。

以下、この考案のエレベータのかご操作盤の実
施例について図面に基づき説明する。第４図はそ
の一実施例を示す正面図であり、前記第２図に相
当する図であり、第２図と同一部分には同一符号
を付してその説明を省略し、第２図とは異なる部
分を主体に述べることにする。

この第４図の実施例では、戸開釦１３の釦取付
ベース８ｅに螢光色塗装を施したものであり、第
４図で斜線が施されている部分である。

このように、螢光色塗装を施すことにより、か
ご１に乗り込んだ際に、戸開釦１３の釦取付ベー
ス８ｅが目立ち易く、視認性もよいので、戸開釦
１３の頭部の文字が注目を集め、常日頃から確認
しており、咄嗟のときにも、戸開時は色付ベース
は操作と云うことで間違つた操作は少なくなり、
安全性は向上する。

また、釦取付ベース８ｅのみの塗装で可とな
り、組立ての直前に塗装が完了しているのみでよ
く、安価にして生産性を向上させることが可能と
なる。

通常の釦（プツシユストローク式）の場合に
は、どうしても釦周囲の塗装部に手指の接触が起
こり易く、比較的短期間に塗装がはげ易いが、タ
ツチ式釦の場合には、柔らかくタツチされるのみ
であり、プツシユストローク式の釦の場合よりも
釦周囲の塗料が長期間はげることはない。

また、釦取付ベースのロツトさえ多ければ、必
ずしも塗装仕上げでなくても、仕掛りを多くもた
ずに樹脂素材そのものに螢光顔料を入れることに
より、最小限のコストアツプで同様の効果を上げ
ることができる。この場合には、タツチ釦周囲の
色がはげたりして変色すると云うことはなくな
る。

以上のように、この考案のエレベータのかご操
作盤によれば、戸開釦の釦取付ベース自体を他の
タツチ釦の釦取付ベースとは異なる色仕上げと
し、乗客の注目個所にしたので、戸開釦の存在を
明確にすることができ、これにともない、視認性
が向上し、咄嗟の際にも、押し誤りを少なくする
ことができ、安全性が向上する。

また、安全性が向上する結果、戸閉釦の押し誤
りによる戸閉動作により戸の先端に物が当たるこ
ともなくなり、かごの戸、乗場の戸の先端部分の
損傷も少なくなり、商品質を維持することができ
る。

さらに、釦取付ベース８のみの着色であるか
ら、モジユール化された１部品のみの改変で対応
が可能となり、安い製品で生産性よくタツチ釦式
のかご操作盤を提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のエレベータのかご室の出入
口側を示す透視図、第２図は第１図のエレベータ
のかご室におけるかご操作盤を示す第１図の部
の拡大正面図、第３図は第２図の−線より見
た平面図、第４図はこの考案のエレベータのかご
操作盤の一実施例を示す拡大正面図である。 １……かご室、７……かご操作盤、８ａ……容
量定員名板、８ｂ……方向灯、８ｃ……ブラン
ク、８ｄ〜８ｆ……釦取付ベース、９……フレー
ム、１１……階床釦、１２……応答ランプ、１３
……戸閉釦。なお、図中同一符号は同一または相
当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) タツチ釦が装着された多数の釦取付ベースを
   かご室内に設けたエレベータのかご操作盤にお
   いて、タツチ釦からなる戸開釦の釦取付ベース
   を他のタツチ釦の釦取付ベースとは異なる色仕
   上げとしたことを特徴とするエレベータのかご
   操作盤。 (2) 戸開釦の釦取付ベースは、蛍光色塗装を施し
   たものである実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のエレベータのかご操作盤。 (3) 戸開釦の釦取付ベースは、蛍光色の顔料を使
   用した素材により着色仕上げをしたものである
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のエレベー
   タのかご操作盤。