JPS6337725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は例えば円筒型の有機電解質やアルカリ
マンガン電池で知られているインサイドアウト型
電池に関するものである。

従来技術 この種電池の一般的な構造としては、第１図に
示す如く正極罐１の内側面にリング状の正極体２
を配設すると共にこの正極体２の内部に電解液を
含浸したセパレータ３を介して負極体４を配置す
るものである。尚、負極体４は負極集電棒５を介
して負極封口蓋６に電気接続され、又正極罐１と
負極封口蓋６は絶縁パツキング７により隔離され
ている。

考案が解決しようとする問題点 第１図に示す従来電池においては正極体２の背
面、即ち正極罐１と対向する部分が放電終了時に
未反応状態で残存することが認められた。これは
正極体２の背面にまで充分に電解液が供給されな
いためである。

問題点を解決するための手段 本考案は上記せる従来電池の問題点を解決すべ
くなされたものであり、その要旨とするところは
少なくとも２個以上のリング状正極体を積重配設
し、各正極体の底面に傾斜部を形成して正極罐と
正極体との間に空隙を形設すると共に、外周面に
少くとも一条の縦溝を形設する点にあり、電池組
立時の注液の際、電解液の一部を正極体の外周面
に形設した縦溝を介して前記空隙部に貯め、正極
体の背面にも充分電解液を供給しうるようにして
正極体の利用率を高めるものである。

実施例 以下本考案の一実施例について有機電解質電池
を例にとり図面に基づき説明する。

第２図乃至第３図は本考案の要旨とするリング
状の正極体１２を示し、二酸化マンガンを主活物
質とする正極合剤を加圧成型したものであり、底
面に傾斜部１２′が形成されていると共に外周面
には二条の縦溝１２″が形設されている。第４図
は前述の単位正極体１２を３個用いて組立てた有
機電解質電池を示し、正極罐１１と正極体１２と
の間、及び本実施例のように複数個の正極体を用
いた場合には隣接する正極体間に液留用の空隙１
８が形設されている。

１４はリチウム陰極体であり、液保持体を兼ね
るセパレータ１３を介して正極体１２の内部に配
置されている。リチウム陰極体１４は負極集電棒
１５を介して負極封口蓋１６に電気接続されてい
る。１７は正極罐１１と封口蓋１６を電気絶縁す
る絶縁パツキングである。

効 果 本考案電池構造によれば、電池組立時の注液の
際、電解液の一部は正極体の外周面に形設された
縦溝を介して正極罐と正極体との間に形設された
空隙部に貯わえられ、正極体の背面にも充分に電
解液が供給されることになり正極体の利用率の向
上が計れるものである。

尚、本考案は実施例で示した有機電解質電池に
限定されることなく、例えばアルカリマンガン電
池の如きインサイドアウト型電池に適用しうるこ
とは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来電池の縦断面図、第２図乃至第４
図は本考案に係り、第２図及び第３図は単位正極
体の斜面図及び断面図、第４図は本案電池の縦断
面図を示す。 １１……正極罐、１２……正極体、１２′……
傾斜部、１２″……縦溝、１３……セパレータ、
１４……陰極体、１５……負極集電棒、１６……
封口蓋、１８……空隙部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正極鑵の内側面に少なくとも２個以上のリング
   状正極体を積重配設すると共にこれら正極体の内
   部にセパレータを介して負極体を配置してなる電
   池であつて、前記各正極体の底面に傾斜部を形成
   して正極鑵と正極体との間に空隙を形設すると共
   に、前記各正極体の外周面に少なくとも一条の縦
   溝を形設したことを特徴とする電池。