JPS633761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は木材加工盤に係り、特に電源周波数に
よつて回転速度が変化する電動機を送材装置およ
び送材路間隔調整装置に用いてある自動停止装置
あるいは自動往復装置付木材加工盤の改良に関す
るものである。

従来の木材加工盤では、使用している三相誘導
電動機の回転速度が電源周波数によつて異なるの
で、電動機駆動制御回路を塔載した自動停止装置
あるいは自動往復装置付木材加工盤では、操作者
が制御回路中の時限装置あるいは距離設定装置を
電源周波数に適合するように手動で調整・設定す
るようにしていた。したがつて、操作が繁雑とな
り、また、誤つた調整・設定を行うことがあり、
正常な動作を行わせることができないことがある
という問題があつた。

本考案は上記に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、電源周波数が変つても安全、
かつ、確実に電動機駆動制御回路を動作させるこ
とができる木材加工盤を提供することにある。

本考案の特徴は、電源周波数検出回路と、この
電源周波数検出回路で検出した電源周波数に応じ
てそれに適合するように電動機駆動制御回路に設
けた時限装置あるいは距離設定装置を設定または
選択する手段を具備させた点にある。

以下本考案を第１図、第２図、第４図に示した
実施例および第３図、第５図を用いて詳細に説明
する。

第１図は本考案の木材加工盤の要部回路の一実
施例を示すブロツク図である。第１図において、
１は波形変換回路で、演算増幅器等で構成してあ
る。２は波形変換回路１の出力を微分する微分回
路、３は、例えば、マルチバイブレータ等によつ
て構成してあるクロツク発生回路、４は微分回路
２の出力の周波数とクロツク発生回路３の出力の
周波数とを比較する周波数比較回路、５は周波数
比較回路４の出力を増幅する増幅回路、６は増幅
回路５の出力に応じてタイマー回路７中のいずれ
かのタイマーを動作させるための分別回路、７は
自動停止装置あるいは自動往復装置付木材加工盤
の被加工木材を送材する送材装置および送材路間
隔調整装置の動力源である電源周波数によつて回
転速度が変化する電動機の駆動制御回路（図示せ
ず）中の時限装置のタイマー回路である。

第２図は第１図の分別回路とタイマー回路の一
実施例を示す接続回路図である。８は商用電源周
波数がf₁のときに適合するタイマー、９はそれが
f₂のときに適合するタイマー、１０は分別回路６
としては最も簡単なインバータ回路である。

第３図は第１図、第２図の動作を説明するため
の各部出力のタイムチートで、第１図中の記号と
同一の記号で示してある信号はそれぞれその信号
を示している。

交流電源電圧を何らかの方法によつて降下さ
せ、その電圧V_1Nと基準電圧V_Sとを波形変換回路
１に入力させ、波形変換回路１の出力信号Ａとし
て、第３図ｂに示す信号を得る。

この出力信号Ａは微分回路２によつて微分さ
れ、第３図ｃに示す信号Ｂが得られる。この信号
のパルス周期幅をT_Bとする。一方、クロツク発
生回路３の出力信号Ｃは第３図ｄに示してあり、
この信号のパルス周期幅をT_Cとする。上記の出
力信号Ｂ，Ｃは周波数比較回路４の入力信号であ
り、周波数比較回路４の出力信号ＤがT_BとT_Cの
大きさによつて次のように変るように周波数比較
回路４が構成してある。

イ T_B＞T_Cのとき、出力信号Ｄは常に論理「１」 ロ T_B＜T_Cのとき、出力信号Ｄは常に論理「０」 ところで、T_Bは周波数f₁，f₂に依存し（ただし
f₂＞f₁とする。）、周期幅T_B＝１／f₁（あるいは１／
f₂）で表わし、T_Cを １／f₂＜T_C＜１／f₁ ……(1) とすれば、電源周波数がf₁のときは、出力信号は
常に論理「１」であり、したがつて、増幅回路５
の出力信号Ｅは、常に論理「１」となる。このと
きの出力信号Ｄ，Ｅを第３図ｅ，ｆに示してあ
る。タイマー８はイネイブル信号Ｅが論理「１」
のとき、また、タイマー９はイネイブル信号Ｅが
論理「１」のとき動作するようにしておけば、こ
のときは、タイマー８が選択されて動作する。次
に電源周波数がf₂のときは、出力信号Ｄは常に論
理「０」であり、出力信号Ｅは常に論理「０」と
なり、したがつて、インバータ回路１０の出力信
号Ｅが論理「１」となり、このときは、タイマー
９が選択されて動作する。

上記した本考案の実施例によれば、交流電源周
波数検出回路を設け、この回路からの出力信号に
より電動機駆動制御回路のタイマー回路７、すな
わち、時限装置を商用の電源周波数に適合するよ
うに設定あるいは選択できるので、電源周波数の
違いによる制御回路の時限装置あるいは距離設定
装置の人為的な調整・設定が不要となり、かつ、
制御回路の誤動作を未然に防止することができ
る。

なお、第４図は本考案の他の実施例を示す第２
図に相当するブロツク図である。第２図において
は、波形変換回路１、微分回路２を介して得られ
る出力信号Ｂはパワープリセツト回路１１により
動作時間T_Fを決定されるＮ進カウンタ１２に入
力させる。Ｎ進カウンタ１２からの出力信号Ｇ
は、電源投入時にパワープリセツト回路１３によ
りリセツトされるセツトリセツト回路１４に入力
させる。セツトリセツト回路１４の出力Ｈは増幅
器５で増幅する。増幅器５以後の構成は第１図と
同様である。

第５図は第４図の場合の動作を説明するための
タイムチヤートである。Ｎ進カウンタ１２への入
力信号Ｂは、第３図ｃに示すようになつており、
第５図ａに示すパワープリセツト回路１１からの
信号ＦによりＮ進カウンタ１２の動作時間T_Fが
決定され、これとＮ進カウンタ１２の進数Ｎおよ
び信号Ｂのパルス周期幅T_BによりＮ進カウンタ
１２のキヤリー出力信号Ｇは次のようになる。

T_F＞T_B×Ｎのときは、Ｎ進カウンタ１２が
動作中にＮ個以上のパルスが入力するので、出
力信号Ｇは第５図ｂに示すようになり、セツト
リセツト回路１４の出力信号Ｈは、第５図ｃに
示すように論理「１」となる。

T_F＜T_B×Ｎのときは、Ｎ進カウンタ１２の
動作が止つてからＮ個目のパルスが入力するの
で、出力信号Ｇは論理「０」となる。

以後の動作は第１図〜第３図を用いて説明した
のと同様である。

また、これまでの説明では、タイマー回路７の
選択を行う回路構成としてあるが、Ｎ進カウンタ
やデコーダー、マルチプレクサー等を適当に使用
することにより、デイジタルスイツチを作動させ
るようにしてもよく、同一効果が得られる。

以上説明したように、本考案によれば、電源周
波数が変つても安全、かつ、確実に電動機駆動制
御回路を動作させることができ、時限装置あるい
は距離設定装置の人為的な調整・設定が不要とな
り、かつ、制御回路の誤動作を未然に防止できる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の木材加工盤の要部回路の一実
施例を示すブロツク図、第２図は第１図の分別回
路とタイマー回路の一実施例を示す接続回路図、
第３図は第１図、第２図の動作を説明するための
各部出力信号のタイムチヤート、第４図は本考案
の他の実施例を示す第１図に相当するブロツク
図、第５図は第４図の動作を説明するためのタイ
ムチヤートである。 １……波形変換回路、２……微分回路、３……
クロツク発生回路、４……周波数比較回路、５…
…増幅回路、６……分別回路、７……タイマー回
路、８，９……タイマー、１０……インバータ回
路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源周波数によつて回転速度が変化する電動機
   を被加工木材を送材する送材装置および送材路間
   隔を調整する装置の動力源とし、電源周波数に適
   合するようにあらかじめ定めた時限装置あるいは
   距離設定装置を電動機駆動制御回路中に設け、前
   記被加工木材の加工が終了した時点から設定され
   た時限あるいは距離設定値を越えたときに前記電
   動機の回転を停止するかあるいは逆転させる自動
   停止装置あるいは自動往復装置付木材加工盤にお
   いて、電源周波数検出回路と、該電源周波数検出
   回路で検出した電源周波数に応じてそれに適合す
   るように前記時限装置あるいは距離設定装置を設
   定または選択する手段を具備していることを特徴
   とする木材加工盤。