JPS6334923Y2

JPS6334923Y2 -

Info

Publication number: JPS6334923Y2
Application number: JP1983200098U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-27
Filing date: 1983-12-27
Publication date: 1988-09-16
Also published as: JPS60106726U

Description

【考案の詳細な説明】

〈産業上の利用分野〉この考案は、硬質合成樹脂からなる自動車用内
装成形品に関する。当該成形品としては、インス
トルメントパネル、コンソールボツクス、メータ
クラスタ、ピラートリム、クオータトリム、ドア
トリム等が挙げられる。〈従来の技術〉この種の硬質合成樹脂からなる成形品は安価に
量産できるが、そのままでは硬い（冷たい）風合
−特に感触において−しか得られず、さらには耐
衝特性も良好でなく、自動車用内装品としては必
ずしも満足できるものではない。〈考案の目的〉この考案は、上記にかんがみて、ソフトな（暖
い）風合を得ることができ、さらには耐衝撃特性
も良好となる自動車用内装成形品を提供すること
を目的とする。〈問題点を解決するための手段〉この考案の自動車用内装成型品は、上記にかん
がみて、硬質合成樹脂からなる成形品本体と、該
成形品本体の表面の全体又は所要部位に所定厚み
に塗布成形されている所定硬度の被覆層からなる
自動車用内装成形品において、被覆層が、イソシ
アナートプレポリマーが芳香族ジアミンで架橋さ
れたポリウレタンからなり、硬質合成樹脂が、
ABS，PP及びPEのいずれかであることことによ
り上記目的を達成する。〈構成の詳細の説明〉以下、この考案の各構成を詳細に説明する。自動車用内装成形品の成形品本体２の材料とな
る硬質合成樹脂は、従来主として使用されていた
ABS，PP（ポリプロピレン）、及びPE（ポリエチ
レン）のいずれかとする。被覆層１を成形するポリウレタンは、イソシア
ナートプレポリマーが芳香族ジアミンで架橋され
た、シヨアーＡ硬度30〜70のものとする。ここでイソシアナートプレポリマーとは、長鎖
ポリオールにポリイソシアナートを過剰に反応さ
せて得られる末端基NCOのプレポリマーのこと
である。上記長鎖ポリオールとしては、分子量1000〜
3000のポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール（PPG）、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリエーテルポリオール、又はエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール等とアジピン酸、ダイマー酸等とを反応
させて得られる分子量約1000〜5000のポリエステ
ルポリオールを例示できるが、取り扱い易さの見
地からポリエーテルポリオールを用いることが望
ましい。また、ポリイソシアナートとしては、ト
リレンジイソシアナート（TDI）、４，4′−ジフ
エニルメタンジイソシアナート、１，５−ナフタ
レンジイソシアナート、キシレンジイソシアナー
ト、１，６ヘキサメチレンジイソシアナート等を
例示できる。上記芳香族ジアミンとしては、３，3′−ジクロ
ロベンチジン、４，4′−メチレンビス−（マーク
ロロアニリン）等を挙げることができる。ポリウレタン被覆層１は、第１図に示すよう
に、上記ポリウレタン材料を用いて、成形品本体
２表面の全体又は所要部位に0.5〜5.0mmの厚さに
形成する。形成方法は、浸漬、刷毛塗り、ロール
塗り等の塗布手段によるか、又は成形品本体をイ
ンサートとして注入成形するか、若しくは予め金
型キヤビテイ面にポリウレタンを塗布しておいて
成形品本体を射出成形する等すればよく特に限定
されない。なお、塗布に際しては、所要色の顔料
を樹脂状ポリウレタンに添加するのは勿論、たれ
を防止するために、ベントナイト、ステアリン酸
塩、アクリル酸塩等の増粘剤を添加してもよい。
耐光性を持たせるためには、紫外線吸収剤（ex.2
−（2′−ヒドロキシ−3′−ｔ−ブチル−5′−メチル
フエニル）−５−クロロベンゾトリアゾール）を
添加したり、イソシアナートとして脂肪族系のも
のを用いた無黄変タイプのプレポリマを用いたり
する。また、被覆層に強さを持たせるために、カ
ーボンブラツク、ケイ酸カルシウムなどの充填剤
を加えてもよい。なお、ポリウレタン被覆層１を形成と同時、又
はその後に接着剤層を介して、第２図に示すよう
に植毛３してもよい。この場合は、さらに成形品
に高級感を付与できる。通常、植毛のパイルとし
てはポリアミド繊維を用いる。ポリアミドはウレ
タンと同様の強い極性原子団を鎖中に含むため、
両者の接着性は良好である。前述において、ポリウレタン被覆層のシヨアー
Ａ硬度が30未満では、柔らかすぎて所要の耐摩耗
性が得られず、70を超えると硬すぎて感触時のソ
フト感が得られずそれぞれ望ましくない。また、
被覆層の厚みが、0.5mm未満では、感触時におい
て下地（成形品）の硬さが表にでてきてソフト感
が十分得られず、５mmを超えてもそれ以上のソフ
ト感が得られない上、コスト的にも高くなりそれ
ぞれ望ましくない。〈実施例〉以下、実施例に基づいて、この考案をさらに詳
述する。各実施例は、第１表に示すポリエーテルポリオ
ールとポリイソシアナートとをそれぞれ表示の量
ずつ（NCO／OH＝２／１）反応（80℃×３時
間）させて得たイソシアナートのプレポリマーに
ジアミン（MCA：４，4′−メチレンビス（２−
クロロアニリン））を表示の量加えた樹脂状物を、
ABS樹脂成形品上に約２mmの厚みに塗布後、80
℃雰囲気中で３時間放置して得たものである。硬
度（シヨアーＡ）及びゴバン目剥離テストは第１
表の通りであり、実施例はいずれも視覚的には勿
論、感触もソフト感があつて暖かいかつ高級な風
合を有するものであつた。

【表】
（部＝重量部）
〈考案の作用・効果〉この考案の自動車用内装成形品は、上記のよう
に、ポリウレタン被覆層が成形品表面に形成され
ているので、下記のような作用効果を奏する。ポリウレタンは硬度を自由に選択でき、しかも
耐摩耗性及び耐衝撃性に優れ、ABS等の硬質合
成樹脂との接着性が良好なため、視覚的には勿
論、感触的にもソフトな（暖かい）風合を成形品
に付与でき、さらには成形品の耐衝撃特性も良好
となる。また、被覆層を構成するポリウレタン
は、イソシアナートプレポリマーが芳香族ジアミ
ンで架橋されたものであるため、ポリマー中に尿
素結合や、芳香族環を含み、通常のポリウレタン
では得られない耐熱性を、自動車用内装成形品に
付与できる−自動車内は、夏期や酷暑地において
100℃近くの高温となる−。さらに、従来、硬質樹脂成形品にソフト感を付
与するため、フオームシートを成形品に貼わせた
後、真空成形により軟質塩ビシートを被覆して形
成したものに比して、樹脂状ポリウレタンを塗布
するだけで済むので、製造作業性に優れている。
なおこの考案は、自動車用内装成形品ばかりでな
く他の家庭用内装成形品等にも応用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す部分断面
図、第２図は同じく他の実施例を示す部分断面図
である。１……ポリウレタン被覆層、２……成形品本
体、３……植毛。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】硬質合成樹脂からなる成形品本体と、該成形品
本体の表面の全体又は所要部位に0.5〜5.0mmの厚
さで、塗布形成されているシヨアーＡ硬度30〜70
の被覆層とからなる自動車用内装成形品におい
て、前記被覆層が、イソシアナートプレポリマーが
芳香族ジアミンで架橋されたポリウレタンからな
り、前記硬質合成樹脂が、ABS，PP及びPEのいず
れかであることを特徴とする自動車用内装成形品。