JPS6334391B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高温の炉の内部を断熱する方法に関
し、特に高温の断熱面を構成しているセラミツク
繊維のマツトに係り、この繊維マツト内ではすべ
ての繊維は炉の各壁部に概ね垂直な面内にある。

高熱炉の内部あるいは表現を変えるとこのよう
な炉の壁や天井を断熱する際に含まれる諸問題は
良く知られている。これまでは高熱炉の内部はこ
のような高温に耐えることのできる各種の型の煉
瓦で内張りされていた。しかし煉瓦の内張りが摩
耗するとこの古い煉瓦を新らしい内張り煉瓦と変
える仕事は骨のおれる時間のかかる仕事である。
一方、内側あるいは高温面がセラミツク繊維材料
を含むかあるいはそれで構成されているところの
断熱材を用いて炉の内部を断熱する努力がこれま
でなされていた。ここで述べるセラミツク繊維は
一般にセラミツク繊維の毛布（ブランケツト）の
形態で利用できるもので、これは通常の製紙プロ
セスに類似の方法で製造されている。それで、毛
布を形成している繊維（紙の場合と同じように）
は一般に毛布またはシートを形成してゆく縦方向
に平行な面内に配向している。これまで提唱され
ていたようにある長さのセラミツク繊維の毛布が
炉壁に対しておかれ、あるいは炉壁に取り付けら
れた中間の断熱材の上にのせられた時には、繊維
は炉壁に全体として平行な面内にあることにな
る。またこの繊維のかなりの数がこの面内である
程度無秩序に配置されてはいるが、これらの繊維
の大部分は毛布自身の形成方向と同一線上にある
ような方向にあると信じられている。それにもか
かわらず、繊維が炉壁と平行な面内に配置されて
いる所では熱収縮から生ずるような亀裂が繊維毛
布の材料に生ずる傾向がある。

特定の型の断熱物では高温問題は時に断熱材の
溶融、酸化および他の型の質的低下といつた問題
を含むことが認められている。セラミツク繊維断
熱材に関する限り高温問題は一般に亀裂、はく離
（表面層の皮がむける）および失透（或は結晶化）
でありこれらはすべて相互に関連があると信じら
れている。本発明のすすめる範囲すなわち871゜か
ら1538℃（1600゜から2800〓）の低温側において
は失透は割合緩慢に進むが、この範囲の高温側で
は失透は急速に進んで、それがまもなく亀裂とか
はく離に連なる。

これまでの技術はたとえば米国特許第3012923
号に示すように環境に合う再配向繊維断熱材の特
徴を広い意味では開示しているがそれは低温断熱
材に関してのみであつた。

上記の背景に基づきなされたこの発明の炉内壁
のライニング方法は、次の工程を含むことを特徴
とする、炉内壁を保護する方法である。

(イ) 低温面の第一側面と第一側面と反対側で高温
面の第二側面とを有し、弾性断熱繊維材料から
なる並列の小片から構成され、この繊維が互い
にほぼ平行に且つ第一側面とほぼ垂直な繊維平
面内でランダムに配向し、さらに低温面には高
温面からその繊維を押し退けることにより接近
可能な支持部材を備える複数の断熱材ブロツク
を； 低温面側が炉内壁に取り付けられるように、
炉内壁に重ねる工程 (ロ) この弾性繊維を高温面において押し退けて、
高温面から離間した位置で各断熱材ブロツクに
隠蔽可能な取付け材をはめ込む工程 (ハ) 取付け材を炉壁に取り付けて、各断熱材ブロ
ツクを炉壁に取り付ける工程 (ニ) 断熱材ブロツクの炉壁への取り付け後にその
弾性繊維で取付け材を覆う工程 本発明はセラミツク繊維マツトの利用を含み、
このマツトは高熱炉の内側に直接用いることもま
た炉壁に取りつけられている中間断熱材に対して
も用いることができる。ここで壁という表現は動
かすことのできるものあるいは固定のものにかか
わらず側壁または天井、通気孔を取り巻いている
領域や断熱が必要なあるいは望ましい高温室の内
部の他の面などを含むものと解釈されたい。ここ
で炉とは、常に内部に断熱材があり、常に高温、
すなわち871℃（1600〓）を超える温度で動作す
ることができるという了解の下に高温室、オーブ
ン、ヒーター、キルンまたはダクトなどを含むも
のと解釈されたい。

セラミツク繊維マツトはある長さの市販のセラ
ミツク繊維の毛布状のものから横方向に切り取ら
れた小片から作られることが好ましい。この小片
は断熱繊維マツトの低温面から高温面までの直線
距離を表わす巾で繊維毛布から切り取られる。毛
布から切り取られた小片は所要巾のマツトを与え
るに十分の数が用いられ、縁部を合わせて置かれ
長さ方向に相互に隣接して置かれる。

当然小片が切り取られる繊維毛布の厚さはマツ
トを構成するのに必要な小片の数を決定する。小
片はワイヤーまたはセラミツク・セメントまたは
モルタルによつて一諸に固定され得るが、これは
マツトの低温面領域内で用いられることが好まし
い。マツトは植込ボルト溶接法またはセラミツ
ク・セメント、モルタルまたはこれに類似のもの
により炉壁または中間部材に用いられる。

ここに示されているように、本発明は高温炉の
炉壁の内部断熱用に特に適応性を有している。本
発明の目的にとつて、高温は871℃（1600〓）以
上の温度を意味し、871℃ないし1538℃（1600〓
ないし2800〓）の範囲内にあることがより好まし
い。ここに述べられているセラミツク繊維小片は
各種の製造会社から市販のものとして入手できる
セラミツク繊維毛布から切り取られる。これら毛
布は商標または商品名がKaowool（Babcock＆
Wilcox社）、Fibro−Frax（Carborundum社）、
Lo−Con（Carborundum社）、およびCero−Felt
（John Manville社）として製造されている。こ
れらのセラミツク繊維毛布の大半は表示最高動作
温度がおよそ1260℃（2300〓）である。本発明に
よつて端部または縁部で繊維を露出することによ
り、製造会社によつて指示された最高動作温度ま
での温度で改善された断熱特性を与えるのみでな
く失透およびその有害な影響が著るしく排除され
るので1538℃（2800〓）までの使用が可能とな
る。

繊維の端部または縁部を露出するように配列す
ることにより、すなわち、繊維が炉壁に略垂直な
平面に配向される場合、失透は必らずしも避けら
れないがその好ましからざる副次効果は最小化さ
れあるいは除去される。というのは失透が繊維の
長さ方向に沿つてではなく繊維の端部で生ずるか
らである。したがつて本発明によれば亀裂や剥離
は1538℃（2800〓）まで実質上避けられる。この
温度は製造会社により繊維毛布に与えられた推奨
最高温度以上のものである。

本発明はまた炉の外側（低温面）を許容温度範
囲内に保つ断熱材をも提供する。最小の外部温度
は、これらに限定されるものではないが、外側の
炉壁の型、厚さおよび強度や炉壁の周囲温度条件
などを含む各種要因に依存することが認められて
いる。しかし本発明を用いると、28℃（83〓）の
静止大気中で測定して、93℃から177℃（200〓か
ら350〓）の間の外側温度が得られ、この温度は
工業炉で許容し得る範囲の温度と考えられる。

繊維の端部または縁部を露出するように繊維毛
布（またはその小片）を用いることから生ずる他
の利点は、出来あがつたマツトが断熱された面に
平行な方向に一定の弾力性を有することである。
つまりフアスナを断熱材の中にうづめこむことに
より、マツトまたは複合ブロツクを炉またはオー
ブンの内部壁に取りつけるべく金属フアスナが用
いられる場合でも材料のこの自然な弾力性が取り
付け要素の端部をいつでも完全に覆うように働く
のである。これはたとえ金属フアスナを回したり
溶接するために繊維材の中にあるいはこれを通つ
て工具が挿入されてフアスナと係合する場合でも
そうである。工具が引き抜かれた後繊維材の自然
の弾力性により、この材料が弾力でもとに戻り金
属取付け部材の外側端部を完全に覆う。

図面を参照すると、第１図は全体を符号２０で
示された断熱マツトの外面（高温面）の一部を示
している。このマツトは、たとえばアルミナ50％
およびシリカ50％の概略組成を有するセラミツク
繊維の毛布（図示せず）から横方向に切り取られ
た多数の小片２２から構成されている。これまで
示されたように、これらのセラミツク繊維毛布は
一般に数フイートの巾で厚さの方は通常約1.5mm
から75mm（1/16インチから３インチ）の範囲にわ
たりかつほとんど必要なだけの長さを有してい
る。製造会社は一般に長さ方向に毛布を巻き上げ
ており、それにより供給される時これらの毛布は
ロールの形になつており、その直径はロールの原
料の長さに依存する。小片２２が繊施毛布から切
り取られる時、これらは巾および長さに垂直であ
る厚さの方向に切り取られ、それにより第１図に
示された最下部の小片２２は寸法Ｔを有し、これ
は小片２２が切り取られた繊維毛布の厚さを表わ
している。

小片２２は繊維毛布から切り出された後第１図
に示されているように所要巾のマツトが得られる
まで縁部が相互に隣接するようにおかれる。明ら
かに必要な小片の数はその小片が切り出される繊
維毛布の厚さＴに依存する。もし繊維毛布がＴの
２倍の厚さを与えられ得るなら、第１図に示され
た小片の数の半数のみが必要となる。さらにもし
出来あがるブロツクまたはそのためのマツトの巾
に等しい厚さを有する繊維毛布を準備することが
できるなら各断熱ブロツクと関してそのような小
片が一つだけ用いられるであろう。

小片２２は適宜な手段によつて一緒に保持され
る。第１ないし３図に最もよく示されているよう
に小片２２は、多数のステンレス鋼ワイヤ２４に
よつて一緒に保持され、このワイヤはマツトの低
温面２６からおよそ12.7mm（1/2インチ）のとこ
ろで低温面に平行に小片を横切つて延びている。
ワイヤ２４の端は図示されているように正しい位
置に保持されるように直角に曲げられている（第
１図および第２図）。マツト２０を裏打ち型断熱
板またはブロツク２８に取り付けるためにこれら
のワイヤ２４とともに各種の方法および手段が用
いられる（第５図および６図参照）、たとえば多
数のヘアピン型フアスナー３０を、第２図および
第３図に示すように、マツト２０の低温面２６の
下に突き出るようにワイヤ２４の長手方向に沿つ
て多くの位置に配置される。実際には、これらの
フアスナー３０は裏打ち型断熱ブロツク２８の中
に打ち込まれる。好ましくは、このヘアピン型フ
アスナー３０は、Ｕ字型の止め針であり、ホツチ
キスの針の様な働きをし、ホツチキスなどでフア
スナー３０を打つと、その両先端がブロツク２８
を貫き、先端が炉表面の堅面に当たつてその先端
が曲がり、裏打ちブロツク２８と断熱マツト２０
とを締め付ける。

第１および２図に示されたマツト（およびそれ
に含まれる絶縁部材）は約30cm（１フイート）の
巾と数メートル（或はフイートの長さを有してい
るように示されているけれど第４ないし７図に示
されているように比較的短い形がより好ましい。
第４ないし７図に示されている断熱材は公称304
mm×304mm（12インチ×12インチの面寸法を有し
1260℃（2300〓）の温度定格を有している。実際
の面寸法は310mm×310mm（12 1/4〃×12 1/4〃）
で、余分の６mm（1/4〃）は正味304mm×304mm
（12インチ×12インチ）の範囲を与えながら取り
付けられた断熱物の一体性を保証している。中間
小片２２′と外側小片３４（後に述べられる）は
25.4mm（１インチ）の厚さのセラミツク繊維毛布
からそれぞれの寸法に切り取られている。断熱ブ
ロツク２８は鉱物の断熱ブロツクで、この場合は
50.8mm（２インチ）の厚さ、254mm（10インチ）
の巾および304mm（12インチ）の長さに切られて
いる。ブロツク２８の縦方向の側縁上に外側の小
片３４がのつているので小片３４は中間小片２
２′より50.8mm（２インチ）だけ長い（第７図に
示されているように垂直方向に）。孔３６が植込
みボルト（後述）を受け入れるようにブロツク２
８の中心にあけられている。部分３４と２２′は
並んでおかれて高温面を形成し、ステンレス鋼の
ワイヤー２４により一緒に固着される。このワイ
ヤはこれらの部分を正しい位置に保持するため端
部が90゜曲げられている（第６図）。第４および５
図に示されているように、この図の例ではこのよ
うなワイヤ２４が２本断熱材に対して用いられて
いる。しかし必要に応じてもつと多くのワイヤー
を用いても差支えない。

断熱材の組立における次の段階は以下述べる植
込みボルトの取付けである。第８図に、植込みボ
ルトが、裏打ちブロツク２８を貫いて炉面３２に
取付けられた状態を示す。この態様では、植え込
みボルトは、上端にネジ結合したナツト４０およ
び座金４２を有する中央軸部３８を備え、また、
軸部３８の下端には、溝４８の中に納まつて取付
けられた環状リテーナ４６と、この環状リテーナ
４６と固着した環状のセラミツクアークシールド
５０とが取付けられている。

この取付け法の一例を説明する。先ず、ナツト
４０および座金４２を軸部３８から外し、下端に
環状リテーナ４６及びセラミツクアークシールド
５０を付けたまま、ブロツクの底面から孔３６に
軸部３８を挿入し、ブロツクの高温面から断熱繊
維を押し退けてナツト４０および座金４２を軸部
３８の上端にネジ結合させる。その後、ブロツク
を炉表面３２に重ね、高温面から断熱繊維を押し
退けて適当な装置で第９図に示すように軸部３８
の下端で溶接する。なお、この発明は、この態様
に限定されず、例えば、溶接後に、ナツト４０と
座金４２を軸部３８の上端にネジ結合させること
ができる。

植込みボルト（付属要素が取付けられて）が上
述の方法で孔３６に挿入された後、部分２２′，
３４および２４の組立部が側部小片３４の下部を
ブロツク２８の２つの縦方向側部にのせてブロツ
ク２８上におかれる。４ケのヘアピン型ステンレ
ス鋼フアスナ３０（各ワイヤ２４にたいし２ケ）
がワイヤ２４と係合するように小片２２′間の合
わせ目の中に挿入される。第２図および第３図に
示すようにヘアピン型フアスナー３０をマツト２
０に埋め込み、ホツチキスの針の様な働きをする
ヘアピン型フアスナー３０を打つと、その両先端
がブロツク２８を貫き、先端が堅い面に当たつて
その先端が曲がり、裏打ちブロツクの背面から締
め付ける。この様にして、第５図に示すように、
両端が向かい合つたリング状のフアスナー３０と
なる。フアスナー３０を挿入するための工具（示
されていない）が合わせ目から引き抜かれる時、
小片２２′はその固有の弾力性により元の位置に
戻り後に割れ目や孔を残さない。

このように完成した断熱材は“植込みボルト溶
接用の方法と装置”として米国特許出願中の植込
みボルト溶接工程により炉壁３２に向けて取付け
る用意ができたことになる。この植込みボルト溶
接用の方法と装置はこの発明の一部を形成しては
いないが断熱材２０（これはマツト２０と裏打ち
ブロツク２８を含むブロツクである）を炉壁に取
り付ける方法の一例を示すものであるが、以下簡
単に説明する。植込みボルト溶接銃５２が中央の
小片２２′間で銃の下端が植込みボルトのナツト
４０と係合するまで中央の合わせ目の中に挿入さ
れる。植込みボルト用銃の引金が引かれ電流が軸
部３８の中にそして先端部４４の中に流れる。先
端４４はその断面積が比較的小さいため焼け落ち
電弧がとび始める。植込みボルト軸部３８自身は
最初は動かない。なぜならこれは以下に示される
ように溝４８の中に保持されている自己閉鎖の環
リテーナ４６によりささえられているからであ
る。第１０図に示されるように、環リテーナ４６
には多数の放射状のフインガー５４が与えられ、
このフインガーは環４６を正しい場所に保持する
べくくぼみ４８に突出している。溶接操作が続く
と電弧の強い熱でフインガー５４が焼け落ち、植
込みボルトの軸部３８が電弧により形成される溶
けた金属の中に沈み込むことができるようにして
いる。この点で溶接が完了し銃が引き抜かれる。
環リテーナ４６およびその上のフインガー５４は
注意深く寸法がきめられておりそれによつて、お
よそ10分の２秒ぐらいの時間あるいはいずれにし
ろ適当と思われる時間内にフインガーが焼け落
ち、溶け、あるいは軟化する。これらはすべても
つと詳しく前述の出願に述べられている。

ところでナツト４０は軸部３８上で締めること
が望ましい。これは銃を軸部の垂直軸線まわりに
回転するのみで行なうことができる。銃（もし望
ましければその延長部）の下端にはナツト４０の
寸法に対応し、ナツトが締め付けられた後軸３８
の上端に適合するだけの十分な深さの六角孔があ
けられる。このように銃はナツト用のレンチとし
ての第二の機能を果たす。植込みボルト用銃が引
き抜かれる時セラミツク繊維の小片の弾力性によ
り小片はその元の位置に戻り植込みボルトをかく
し炉内の高熱から保護する。

第４および５図において、断熱材２０′の端部
小片３４には小片３４のみに生ずる可能性のある
収縮応力を軽減するように相互におよそ25.4mm
（１インチ）離れて配置された多数の25.4mm（１
インチ）の深さの切込み５６が作られていること
がより好ましいことに注目されたい。

第１１図に示されているように第４ないし６図
までの断熱材２０′は隣接断熱材の小片が相互に
直角になり寄木の床のような十字交差の外観を与
えるように配列されることが望ましい。これまで
にも述べたように繊維の配列は炉壁に直角な平面
内に繊維が配向されているようなものである。こ
れがセラミツク繊維の熱収縮から生ずる亀裂の発
生を除去あるいは最小化するのに役立つ。第１１
図に示された配列は小片自身の直線的収縮を最小
化しあるいは相殺するのに役立つ。

本発明の炉壁を断熱するための方法と装置は、
公称304mm×304mm（12インチ×12インチ）の断熱
材の使用には対応しない壁にも適合するものであ
る。またこの炉を断熱するための方法と装置は不
規則な形状のバーナーブロツクや煙道孔を有する
炉にも適合するものである。第１２図に示されて
いるように、端部同志あるいは側面同志がぴつた
りと合うよう第１１図の配置には容易に適合しな
いような炉の面３２′に多数の断熱部材２０′を配
列し取付けることが可能である。第１２図の場合
では炉の寸法上の制限のために縦方向あるいは横
方向あるいはその両方において隣接断熱材２０′
間に空間５８が与えられている。このようにして
できた空間５８は第１３，１４および１５図に示
されているような特別に折りたたまれたセラミツ
ク繊維毛布で満たされる。この後の三つの図に示
された三種の詰め物は小片２２とほとんど同じ方
法で構成される。すなわちこれらは25.4mm（１イ
ンチ）の厚さの約66Kg／m³（4lb／ft³）密度のセ
ラミツク繊維毛布から切り取られたたまれる。

第１５図においては一枚のシート６０が存在
し、これは一回折られその項縁６２はここで述べ
られたのと同じ型の端部または縁部露出を作つて
いる。もし出来た空間の巾が50.8mm（２インチ）
以上の場合は、第１３図に示された構造を用いる
ことができる。これは上述のものと同じ方法で切
り取られた二つの小片６４および６６から成つて
いる。中央小片６６は垂直方向に比較的狭くそし
て外側小片６４は十分広いので図示されているよ
うに中央小片６６まわりに折りたたむことがで
き、小片６４および６６の上面はともに上述のよ
うな端部または縁部繊維の配列を与えている。

隣接する断熱材２０′の間または断熱材２０′と
ダクトその他の間にできる空間が76.2mm（３イン
チ）より大きい際には第１４図に示された構造を
用いることが望ましい。ここではさらに付加的に
中央小片６８が用いられている。この小片６８は
小片６６の隣りに置かれ、外側の小片７０は小片
６４より巾が僅かに大きくこれが中央小片６６と
６８上に折られ図示された構成を与える。

第１３，１４および１５図に示された別種の具
体例はセラミツク・セメント、ステンレス鋼のワ
イヤによりあるいは繊維間の摩擦のみによつてそ
の位置に保たれている。

第１ないし３図に関連して述べたマツトの組立
法はワイヤー２４、ヘアピン型フアスナー３０等
と関連して説明したが、小片を一緒に保持しそれ
を裏打ち断熱ブロツクに取り付けるために他の方
法を用いることもできたことを理解されたい。た
とえばセラミツク繊維小片は適当なセラミツク・
セメントまたはモルタル原料により相互に取り付
けることができる。これらは繊維マツトの低温面
に隣接した領域内で用いることが好ましい。また
マツトは炉壁に適用する前に裏打ち断熱ブロツク
２８に連結するものとして示したが、マツトを炉
壁に直接用いることもできる。すなわち断熱材マ
ツト２０または断熱材ブロツク２０′はそれぞれ
上述したようなその取付手段とともに本発明のラ
イニング単位体を構成するものである。

取り付けの方法に関する限り前述の説明によれ
ば、第１図のマツト２０または第４図の断熱材ブ
ロツク２０′はモルタル、セラミツクセメントま
たは各種の金属フアスナによつて炉壁に取り付け
得ることが示される。セラミツク・セメントまた
はモルタルは一般に断熱材の低温面に近接して置
かれるので、セメントまたはモルタルに関しては
特別な高温問題は起らない。しかしながら金属フ
アスナに関しては一般にフアスナとして用いられ
る可能性のある合金のピン、ボルト、座金および
ねじは1093℃から1149℃（2000゜から2100〓）の
範囲内に最大温度限界を有している。この発明に
示されているように高温面から少し離れた位置に
ある断熱材内にフアスナを埋め込むことにより合
金ピン、ボルトその他をその有効性を妨げるよう
な高温にこれら金属フアスナをさらすことなく用
いることが可能である。

第１図のマツトはセラミツクセメントまたはモ
ルタルによつて炉壁に直接適用できることが示さ
れたが、ここに示された取付用の植込みボルト溶
接法の利用を可能にするべく予かじめマツトの低
温面の条件を整えることが可能である。たとえば
セメントまたはモルタルの層が低温面に沿つてマ
ツトの中に埋め込まれそこで硬化すれば、第７な
いし１０図に関連して述べられた溶接技術および
フアスナーを用い得ることが明らかである。ただ
しより短かい軸部３８が必要となることは明らか
である。マツトの低温面においてこのようなセメ
ントまたはモルタルの層を作る場合取り付け性能
を改良するためにマツトの低温面においてモルタ
ル層に高温布またはステンレス鋼ワイヤの網を適
用ないし埋め込むこともできる。

第４ないし第７図を参照して982℃（1800〓）
で動作するように設計された適当な断熱材ブロツ
ク２０′は次のようなものである。すなわち裏打
ちブロツクないしは鉱物ブロツク２８はおよそ
50.8mm（２インチ）の厚さt₁であり、小片２２′
は巾t₂がおよそ25.4mm（１インチ）で断熱材ブロ
ツク２０′（小片２２′＋ブロツク２８）の全巾
T₀は低温面から高温面までがおよそ76.2mm（３イ
ンチ）となる。

1427℃（2600〓）で動作するように設計された
適当な断熱材ブロツク２０′は鉱物ブロツク２８
がやはり50.8mm（２インチ）の厚さであるが小片
２３′の巾は101.6mm（４インチ）で低温面から高
温面まで全体の巾が152.4mm（６インチ）を与え
るようなものである。特定の炉の必要性に応じて
巾を25.4mmから127mm（１インチから５インチ）
もしくはそれ以上まで変わる小片２２または２
２′を用いることにより断熱ブロツクおよび（ま
たは）マツトが871゜ないし1538℃（1600〓ないし
2800〓）の推奨温度範囲を網羅するために用いら
れ得ることが明らかであろう。

ブロツク２８は鉱物ブロツクとして述べられ、
その構成と性質とはこの技術において良く認識さ
れているが、これはまたアスベストのブロツクま
たは珪酸カルシウムのブロツクを用いることも可
能である。これらのブロツクはマツト用の裏打ち
用に比較的硬い材料を与えるように、特に繊維マ
ツトまたは小片と比較して相対的に硬いものであ
る。セラミツク繊維マツト２０または断熱材ブロ
ツク２０′のそれぞれの小片２２または２２′は１
立方メートル当り66Kg（１立方フイート当り４ポ
ンド）の密度を有するセラミツク繊維毛布から切
り取られることが好ましい。製造会社は１立方メ
ートル当り50ないし230Kg（１立方フイートあた
り３ないし14ポンド）にわたる密度で入手できる
セラミツク繊維毛布を準備していることが判つて
いる。本明細書で述べられた特定の例において
は、セラミツク繊維材は１立方メートル当り66Kg
（１立方フイートあたり４ポンド）の密度を有す
るものである。しかし炉の一部にはライニングが
エロージヨン問題を生ぜしめるガス流に曝される
ところがあること、ならびに炉にはその上または
まわりに物理的な強度または密度がより大きいラ
イニングを要求する各種のアクセス孔を有し得る
ことを理解せねばならない。この二つのどちらの
場合にも上述の可用範囲内で高密度のセラミツク
繊維材料を用いることが望ましい。

当然のことながら炉壁を炉の外側（低温面）が
最低温度になるように断熱することが望ましい。
しかしこの最低温度は多数の異なつた要因に依存
することが認められる。その要因として、これに
限定されるものではないが、外側炉壁の型、厚さ
および強度ならびに炉壁の外側に用いられている
空気流などが含まれる。この発明の利用により、
受け入れることのできる範囲と考えられている93
℃および176℃（200〓および350〓）の間の外側
温度が与えられる。

上述のようにこの発明の好ましい具体例ではセ
ラミツク繊維のマツトを構成する高温断熱繊維を
示している。しかしこの発明は厳密な定義のセラ
ミツクに束縛されない。ここに示されたセラミツ
ク繊維に類似の性質を有し971℃（1600〓）以上
の温度で動作することのできる任意の高温断熱繊
維がこの発明と組み合わせて用いることができる
しこの発明の範囲内にあるものと考えられねばな
らない。

添付図面と特に関連して記述されたが、ここで
示されたものまたは述べられたものと離れてこの
他のまたはこれ以上の変形がこの発明の精神と範
囲内でなされ得ることは理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図はセラミツク繊維毛布の小片から作られ
る断熱マツトの部分的平面図、第２図は第１図に
示されたセラミツク繊維マツトの部分的側面図、
第３図は第１図に示されたセラミツク繊維マツト
の端面図、第４図はこの発明にしたがつて作られ
るセラミツク繊維マツトの他の具体例（断熱材ブ
ロツク）の平面図、第５図は第４図に示された断
熱材ブロツクで特定の内部連結部材が点線で示さ
れさらに炉壁との断熱材の結合を示している側面
図、第６図は第５図に示された断熱材ブロツクの
端面図、第７図は第６図と類似であるが断熱材の
炉壁への植込みボルト溶接の方法を示している
図、第８図は特定の部分が断面図で示された植込
みボルト、ナツトおよび関連構造が含まれている
拡大された部分詳細図、第９図は溶接操作後の各
部の関係を示している第８図の下部に類似な図、
第１０図は第８図に示された保持環のやゝ大きな
尺度で示された拡大図、第１１図は炉壁上の断熱
材の寄木型の配列を示す図、第１２図は隣接部材
間の空間が別個の断熱要素で埋められている炉壁
上の断熱材の拡大図、第１３図は隣接断熱材間に
挿入される別個の断熱材の一具体例を示す図、第
１４図は隣接断熱材間に挿入される別個の断熱材
の他の具体例を示す図、第１５図は隣接断熱材間
に挿入される別個の断熱材のさらに他の具体例を
示す図である。 ２０：断熱マツト、２０′：断熱材ブロツク、
２２，２２′：断熱繊維の層（またはセラミツク
繊維毛布の小片）、２８：断熱基礎部材（または
裏打ち断熱ブロツク）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉内壁を保護する方法であつて； (イ) 低温面の第一側面と該第一側面と反対側で高
   温面の第二側面とを有し、弾性断熱繊維材料か
   らなる並列の小片から構成され、該繊維が互い
   にほぼ平行に且つ第一側面とほぼ垂直な繊維平
   面内でランダムに配向し、さらに該低温面には
   該高温面から該繊維を押し退けることにより接
   近可能な支持部材を備える複数の断熱材ブロツ
   クを； 該低温面側が炉内壁に取り付けられるよう
   に、炉内壁に重ね； (ロ) 該弾性繊維を高温面において押し退けて、該
   高温面から離間した位置で各該断熱材ブロツク
   に隠蔽可能な取付け材をはめ込み； (ハ) そして該取付け材を前記炉壁に取り付けて、
   各断熱材ブロツクを炉壁に取り付け； (ニ) 該断熱材ブロツクの炉壁への取り付け後に該
   弾性繊維で取付け材を覆うことを含む炉内壁の
   ライニング方法。