JPS6334178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気制御装置に関し、特に大電気負荷
を開閉し接触子間に発生するアークを無くす電気
制御装置に関するものである。

本発明の電気制御装置は米国特許第3296567号
に記載されているものと同じ型式のものである。

大きな電気的負荷を開閉する際に電気制御装置
の接触子間に発生するアークは何年もの間大きな
問題であつた。接触子に発生するアークは接触子
の寿命を短かくし、負荷回路遮断を有効でなくし
てしまう。この問題の対策として、接触子の近傍
に磁石を配置し、その磁界でアークを吹飛すこと
は以前から行なわれている。この方法によればア
ークにより接触子に穴があくことが少なくなり、
接触子の寿命が長くなる。本考案によれば、接触
子が閉位置にあるときの磁界を強め、接触子が閉
位置から開位置に移動するにつれ磁界の磁束を変
化させることにより接触に発生するアークを消弧
する構成が得られる。

本考案は電気制御装置に関し、特に電磁操作装
置により操作されるリレーや接触器等の電気制御
装置に関するものである。本考案の目的は、接触
子の寿命を短かくし、回路遮断容量を小さくする
大電流アークが接触子に発生せぬようにした電気
制御装置を得ることである。本考案の電気制御装
置は、絶縁基台と、上記絶縁基台上に支持され、
少なくとも一対の接触子からなる接触子装置およ
び上記接触子を開位置および閉位置に作動する操
作装置を有する制御装置と、上記接触子に発生す
るアークを消弧する磁界を形成し、変化させ、相
互作用させる複数の永久磁石からなる永久磁石装
置とを備え、上記永久磁石装置は、上記接触子装
置の長さ方向に平行に配置された複数の永久磁石
と、上記操作装置の可動部材に設けられ、上記接
触子が閉位置にあるとき上記接触子の移動方向を
横切る磁界を増強するよう作用する磁束を有する
磁界を形成する複数の永久磁石とを備え、上記磁
界は上記接触子の閉位置から開位置への移動と共
に変化して上記接触子から電流アークを引離して
消弧するようにしてある。

次に添付図面に示す本考案の実施例に沿つて本
考案を説明する。

第１図には電気制御装置の一例として接触器１
０が示してあり、接触器１０は金属製基板２と、
モールド絶縁体製の下部基台３および上部基台４
を有する接触器構造とを備えている。下部基台３
は、後に説明する如く第２図に示す２つのねじ２
６により基板２に固着されている。第１図および
第２図に示す如く、基板２は４辺で縁を折曲げ、
略々矩形の中央平板部を支持する４つの脚部を形
成した金属板部材である。平板部は凹部を有する
略々平坦な支持表面であり、凹部内に鉄心部材７
を支持する支持パツド９が取付られ、鉄心部材７
は２つの磁極面を形成するように上方に延びた２
本の脚部を有する複数の積層板からなる略々Ｕ字
形の磁気鉄心である。コイル１は２つの開口を有
し、この中に鉄心部材７の２本の脚部を受入れて
いる。接触器１０の組立中には、先ず、基板２の
凹部内に緩衝用の支持パツド９を置き、次に鉄心
部材７を支持パツド９上に置く。その後鉄心部材
７に絶縁ハウジングの下部基台３をかぶせる。次
にＬ字形支持体１１を所定位置に置き、ねじ２６
を基板２の下から下部基台３の孔を通し、第２図
に示す如く支持体１１の下側脚部のタツプ穴にね
じ込む。このように、ねじ２６は支持体１１と下
部基台３を基板２に引付ける。これにより鉄心部
材７は弾性のある支持パツド９に対して引寄せら
れ、鉄心部材７は基板２の凹部に取付られる。

第２図に於て、接触器１０の上部はモールド絶
縁体ハウジングの上部である上部基台４と、モー
ルド絶縁体の接触子支持体５と略々Ｕ字形の接極
子８と、絶縁体のアークフード６とを備えてい
る。第２図に示す如く、一対の導電性帯体１８が
２つのねじ５１により絶縁性の上部基台４に固着
されている。別個の端子板１６が同じねじ５１に
より導電性帯体１８の外端に接続されている。固
定接触子１５がろう付け等の適当な方法により各
端子板１６の内端に固着されている。離間した固
定接触子１５の各対を橋絡するように別個の橋絡
接触子部材１３が設けられている。第２図に示す
如く、各橋絡接触子部材１３は各端に固着された
２つの可動接触子１４を備えている。第２図およ
び第３図に示す如く、絶縁体の接触子支持体５に
は複数の窓開口が形成されていて、各橋絡接触子
部材１３が各極用の別個の窓開口内で接触子支持
体５上に支持されている。各窓開口部内では、別
個の圧縮ばね２１がばね座４０を橋絡接触子部材
１３に対して偏倚させて橋絡接触子部材１３を所
定位置に保持しかつ接触子が弾性的に係合できる
ようにしている。第２図および第３図から判るよ
うに、絶縁性の接触子支持体５は開口を有し、こ
の開口内で略々Ｕ字形の積層磁性体の接触子８が
接触子支持体５上に支持ピン１２により支持され
ている。支持ピン１２は、Ｕ字形の接極子８の中
間部分の適当な開口を通り、接触子支持体５の表
面の出張りで支持されている。弾性のある緩衝パ
ツド９が接極子８と接触子支持体５との間に設け
られている。接触器１０の上部基台４の組立時に
は、接触子支持体５と接極子８とを開口を通して
上部基台４の底から上に動かし、その後橋絡接触
子部材１３を接触子支持体５の窓開口内の所定位
置に取付け、接触子支持体５および接極子８を橋
絡接触子部材１３と共に上部基台４の所定位置に
固定する。次に第３図に示す２つのねじ２７を上
部基台４から下方へ絶縁ハウジングの適当な開口
を通して基板２の平板部に形成されたタツプ穴に
ねじ係合させる。Ｌ字形支持体１１上に設けられ
た２つのばね２２は接触子支持体５に係合して接
触子支持体５、接極子８および橋絡接触子部材１
３を第２図に示す上方の非吸引位置に偏倚させ
る。

第２図に於ては、接触器１０は接触子支持体お
よび接極子がばね２２によつて上方の非吸引位置
に偏倚された状態を示している。接触子支持体５
がこの位置にあるとき、橋絡接触子部材１３は固
定接触子１５から離れた上方位置にあり、従つて
接触器１０は常開型である。コイル１を附勢する
と、ばね２２に抗して接極子８が吸引されて略々
Ｕ字形の鉄心部材７に係合する。この運動は略々
Ｕ字形の接極子８の２つの磁極面が略々Ｕ字形の
鉄心部材７の２つの磁極面に係合することにより
制限される。この運動中に、ばね２２が圧縮され
て附勢され、橋絡接触子部材１３は下方に移動し
て固定接触子１５に係合し、各橋絡接触子部材１
３が固定接触子１５の間の回路を閉じる。閉成中
には各圧縮ばね２１は僅かに圧縮されていて閉じ
た接触子間に接触圧力を掛ける。接極子８が鉄心
部材７に係合し、接触子支持体５が下方位置にあ
つてばね２２が附勢されているときにコイル１が
消勢されると、附勢されたばね２２が伸びて接触
子支持体５を第２図の上方位置に動かし、接極子
８および橋絡接触子部材１３を上方へ非吸引位置
に動かす。コイル１を附勢すると接触器１０を再
び同様に操作できる。

第１図に於て、絶縁性の上部基台４と絶縁性の
アークフード６とが合つて接触器１０の絶縁ハウ
ジング構造を構成している。第２図に示す如く、
永久磁石１７がアークフード６内で接触子装置の
両側に配置され接着されている。更に、第２図お
よび第３図に示す如く接触子支持体５の開口内に
も磁石１７が設けられていて、ハウジング内の磁
石１７と共働して接触子が閉位置に在るとき増強
された強力な磁界を形成するようにしてある。接
触子が閉位置にあるときには、磁石は共働し、接
触器が消勢されて接触子が閉位置から開位置に移
動したとき接触子支持体５内の磁石も橋絡接触子
部材１３と共に移動して、接触子で発生する磁束
が変化し、ハウジング内の磁石と共働してアーク
を接触子から引離し引伸し、可動接触子１４と固
定接触子１５との間に強いアークが発生せぬよう
にしてある。磁石の極性は、接触子が閉位置にあ
るときの磁界が接触子の移動方向に対して直角で
あり、磁束がアークフード６内の磁石から接触子
の移動方向を横切つて接触子支持体５内の磁石に
達するような極性である。第２図に示す如く、接
触子が閉位置から開位置に動くとき可動接触子１
４と固定接触子１５との間にアークが発生する。
可動接触子１４と固定接触子１５との間を垂直に
流れるアーク電流に右手の法則を用いると、アー
クによる磁界はアークフード内の磁石と接触子支
持体内の磁石との間に形成される磁界に対して直
角である。従つてアークの磁界と磁石の磁界とは
互いに反溌し合いアークを伸長させ消弧させる。
接触子支持体内の磁石は、接触子が開離してアー
クが可動接触子１４について動き磁石がアークに
ついて動いている間は、吹消し用の磁界の強さを
維持させる。以上の説明から本考案により、接触
子に発生するアークを無くして接触子の寿命を長
くし、電流遮断容量を大きくする新規な永久磁石
の構成を備えた改良された電気制御装置が得られ
たことが明らかであろう。本考案は又、以上説明
したのと異なる位置でアークフード内に永久磁石
を配置し、接触子支持体あるいは別の可動部材に
設けた磁石と共働する磁界を形成して、接触子の
運動と共に変化させて消弧作用を得ることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電気制御装置の斜視図、第２
図は第１図の線−に沿つた断面図、第３図は
第２図の線−に沿つた側面断面図である。 １……コイル、３……下部基台、４……上部基
台、５……接触子支持体、６……アークフード、
７……鉄心部材、８……接極子、１３……橋絡接
触子部材、１４……可動接触子、１５……固定接
触子、１７……磁石、２２……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 絶縁基台と、 上記絶縁基台上に支持され、少なくとも一対
   の接触子からなる接触子装置および上記接触子
   を開位置および閉位置に作動する操作装置を有
   する制御装置と、 上記接触子に発生するアークを消弧する磁界
   を形成し、変化させ、相互作用させる複数の永
   久磁石からなる永久磁石装置とを備え、 上記永久磁石装置は、上記接触子装置の長さ
   方向に平行に配置された複数の永久磁石と、上
   記操作装置の可動部材に設けられ、上記接触子
   が閉位置にあるとき上記接触子の移動方向を横
   切る磁界を増強するよう作用する磁束を有する
   磁界を形成する複数の永久磁石とを備え、上記
   磁界は上記接触子の閉位置から開位置への移動
   と共に変化して上記接触子から電流アークを引
   離して消弧するものである電気制御装置。 (2) 上記操作装置が、可動接触子を支持し、上記
   接触子を開閉するように配置されたモールド絶
   縁体製の可動部材であり、可動部材に永久磁石
   が取付られていてその磁界が上記接触子の開閉
   運動と共に移動する実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の電気制御装置。 (3) 上記接触子装置の長さ方向に平行に配置され
   た複数の永久磁石を備え、上記接触子の移動方
   向に垂直に延びる磁束を有する磁界が形成され
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の電気制
   御装置。