【発明の詳細な説明】[Detailed description of the invention]
本発明は、抗腫瘍性アントラサイクリン系抗生
物質2−ヒドロキシアクラシノマイシンBに関
し、さらに詳しくは、式
で示される2−ヒドロキシアクラシノマイシンB
またはその塩に関する。
ストレプトミセスガリラエウスMA144−M1
(ATCC31133)が生産する抗生物質アクラシノマ
イシンAは、白血病及び固型がんに著効を示す優
れた抗腫瘍性物質である(米国特許第3988315号
明細書参照)。一方、その類縁化合物の一つで次
式
で示される2−ヒドロキシアクラシノマイシンA
は、アクラシノマイシンA以上に強い抗腫瘍作用
を示し、且つ心毒作用も軽微であることが見い出
され、本発明者らが先に堤案した(特願昭55−
49400号出願明細書参照)。
2−ヒドロキシアクラシノマイシンAは、該明
細書によれば、ストレプトミセスガリラエウス
MA144−M1の変異菌株が生産する次式
で示される2−ヒドロキシアクラビノンをストレ
プトミセスガリラエウスMA144−M1から誘導さ
れる抗生物質非生産性で且つグリコシデーシヨン
能を有する変異菌株の培養液中に添加し、該菌株
による変換によつて得られている(前述の出願明
細書参照)。
本発明者らは、上記2段の発酵法による2−ヒ
ドロキシアクラシノマイシンAの製造法をさらに
改良すべく、直接発酵法に供することのできる微
生物を検索したところ、前記2−ヒドロキシアク
ラビノン生産変異菌株と抗生物質非生産性変換性
変異菌株をプロトプラスト融合による交配に付
し、その子孫から2−ヒドロキシアクラシノマイ
シンAを生産する能力を有する菌株の造成に成功
した。本発明者らは、さらに該菌株は、倍養によ
つて2−ヒドロキシアクラシノマイシンAと、該
抗生物質が還元された化合物2−ヒドロキシアク
ラシノマイシンN(特願昭55−106522号出願明細
書参照)および文献未載の式(I)で示され、本発明
者によつて2−ヒドロキシアクラシノマイシンB
と命名された化合物をも生産すること、さらに該
新規化合物は、強い抗腫瘍性を有することを見い
出し本発明を完成した。
本発明により堤供される2−ヒドロキシアクラ
シノマイシンBは、後述のように動物の実験腫瘍
に対して高い活性を有しているため、人間をはじ
めとする哺乳動物の抗がん剤としての使用が期待
される。
本発明に従えば、2−ヒドロキシアクラシノマ
イシンBの製造は、該化合物を生産する能力を有
するものである限り、どのような属に属する微生
物でも使用できるが、一般にはストレプトミセス
属に属する微生物のうち、殊に前述のプロトラス
ト融合法によつて得られる菌株のうち、例えばス
トレプトミセスガリラエウスA−862が有利に用
いられる。
微生物のプロトプラスト融合法による組換え体
の作成は微生物界では既に知られており、抗生物
質生産性放線菌でも報告があるが、ストレプトミ
セスガリラエウスでは報告されておらず、特に本
発明における如く抗生物質生産に関して特徴を有
する菌株間の交配に応用し、両親菌株のそれらの
特徴を有し、且つ、親菌株とは異なる抗生物質を
生産する組換え体の作成の例は、文献未載であ
り、本願により始めて明らかにされるものであ
る。
本発明の2−ヒドロキシアクラシノマイシンB
生産菌をプロトプラスト融合法により造成すに
は、ストレプトミセスガリラエウスMA144−M1
由来の変異菌株である2−ヒドロキシアクラシノ
ビノン蓄積変異菌株、例えばストレプトミセスガ
リラエウス10U−2936〔特開昭56−49341号公報記
載のANR58菌株(微工研菌奇第5081号)と同様
の方法により分離した〕と抗生物質非生産性変換
性変異株、例えばストレプトミセスガリラエウス
11U−111菌株〔特開昭56−15299号公報記載の
KE−303(微工研奇第4808号)と同様の方法によ
り分離した〕を交配し、その組換え体より選択単
離する。
本発明では組換え体の選択を容易にするため、
菌株を栄養要求性標識で遺伝的に標印し、交配後
の組換え体の選択を最少培地上で増殖し得る非栄
養要求性コロニーとして選択する。
かくして得られる非栄養要求性組換え体のうち
から、目的の2−ヒドロキシアクラシノマイシン
Bを生産する菌株を選択する。
以下に、2−ヒドロキシアクラシノマイシンB
生産菌株の造成、単離方法を詳述する。ストレプ
トミセスガリラエウスMA144−M1から変異処理
により単離した以下の特徴を有する2菌株を、プ
ロトプラスト融合による交配実験に供した。
10U−2936菌株:ACM-,AKN-,2HO−
AKN+,Glyc-,ade-
11U−111菌株:ACM-,AKN-,2HO−
AKN-,Glyc+,ura-
なお、上記の菌株の遺伝的標識は便宜上の記号
で示しており、それぞれ次の内容を表わすものと
する。
ACM-:アクラシノマイシン非生産性
AKN-:アクラビノン非生産性
2HO−AKN+:2−ヒドロキシアクラビノン
生産性
2HO−AKN-:2−ヒドロキシアクラビノン
非生産性
Glyc+:外部より添加アクラビノン又は2−ヒ
ドロキシアクラビノンに糖を結合させ、ア
クラシノマイシン又は2−ヒドロキシアク
ラシノマイシンを生成せしめる能力
Glyc-:外部より添加したアクラビノン又は2
−ヒドロキシアクラビノンに糖を結合さ
せ、アクラシノマイシン又は2−ヒドロキ
シアクラシノマイシンを生成せしめる能力
の欠損
ade-:アデニンの要求性
ura-:ウラシルの要求性
上記両菌株をそれぞれYS斜面寒天培養より一
白金耳とり、別々の殺菌YS液体培地(0.3%酵母
エキス,1%可溶接性殿粉、PH7.2,4ml/試験
管)に接種し、28℃で一夜培養する。この0.3ml
を30mlの岡西らのMSG培地〔J.Gen.
Microbiol.80:389(1974)〕を分注殺菌した250ml
容三角フラスコに接種し、ロータリーシエーカー
(回転数220/分)上で、28℃にて20時間振盪培養
する。両培養菌液より20mlをそれぞれ採取し、遠
心操作にて菌体を集め、10mlのP培地〔J.Gen.
Micrbiol.80:389(1974)参照〕で1回洗浄した
のち、1mg/ml濃度のリゾチーム(シグマ社製、
商標)を含むP培地20ml中に再懸濁する。28℃で
1時間反応させ、次いで殺菌脱脂綿でパツクした
過用ガラス管(φ15×200mm)を通過させた
液を低温下で遠心分離(1000×g,10分間)し、
集めたプロトプラスト細胞をそれぞれ1.5mlのP
培地に懸濁し、さらに濁度(O.D600)が1.0にな
るべくP培地で希釈して融合用プロトプラスト細
胞液とする。これらのプロトプラスト細胞懸濁液
はコロニー形成単位として10U−2936菌株由来の
もので4.4×106/ml、11U−111由来のもので、
1.1×106/mlであつた。前者のプロトプラスト細
胞液10に対し後者のプロトプラスト細胞液を1の
割合で混合し、プロトプラスト融合処理に供し
た。
すなわち、混合プロトプラスト細胞液の0.2ml
を1.8mlの40%ポリエチレングリコール(以下
「PEG」と略記する)4000含有P倍地に加え混合
攪拌したのち28℃で5分間培養する。次いでP培
地で希釈して以下に示す再生最少培地及び更にア
デニン及びウラシルをそれぞれ100μg/ml補添
した再生完全培地から成る平板上にプレートし、
28℃で10日間培養する。再生最少培地組成
蔗 糖 110g
ポリエチレングリコール1000 50g
K2SO4 0.25g
Trace elementsolution* 2ml
KH2PO4 ** 0.05g
MgC2・6H2O 4.06g
CaC2・2H2O** 2.95g
グルコース 10g
L−アスパラギン 3g
0.1MTES(PH7.4)** 100ml 寒 天 22g
蒸溜水で全量を1とする。
* ZnC2・4H2O40mg,FeC2・6H2O200
mg,CuC2・2H2O10mg,MnC・4H2O10
mg,Na2B4O7・10H2O10mg,(NH4)6
〔Mo7O24〕・4H2O10mgを1の蒸溜水に溶解
した溶液
** 分別殺菌する。
最少平板培地上で生じたコロニーのおよそ500
個を単離し、次に示す最少寒天斜面に採る。28℃
で5日間培養したのち、さらに同寒天斜面に1回
継代する。最少寒天斜面培地組成
グルコース 10g
L−アスパラギン 3g
KNO3 1g
K2HOP4 0.5g
MgSO4・7H2O 0.5g
CaC2・2H2O 0・5g
0.1MTris−HC(PH7.2) 100ml 寒 天 15g
蒸溜水で全量1とする。
これより一白金耳をYS液体培地(前出)に接
種し、一夜28℃で振盪倍養する。これを以下に示
す発酵培地発酵培地組成
可溶性殿粉 1.5%
グルコース 1.0%
エスサン・ミート(大豆粉、味の素社製)
3.0%
酵母エキス 0.2%
K2HPO4 0.1%
MgSO4・7H2O 0.1%
NaC 0.3%
ミネラル* 0.125% 水道水 PH7.4
* CuSO4・5H2O2.8g,FeSO4・7H2O0.4g,
MnC2・4H2O3.2g,ZnSO4・7H2O0.8g
を蒸溜水500mlに溶解
の30mlを含む250ml容三角フラスコに全量接種し
て、ロータリーシエーカー(前出)上で2日間振
盪培養する。生成物を検するため、倍養液5mlを
採取し、これにクロロホルム/メタノール混液
(3/2)の5mlを添加、ミキサーにて撹拌、遠
心処理にてクロロホルム抽出層を分離、別取し膿
縮乾涸する。これを少量のクロロホルムに溶解し
て、シリカゲル薄層F254(メルク社製)の下端よ
り1.5cm下にスポツトし、クロロホルム/メタノ
ール/濃アンモニア水(150/11/0.3)の溶媒系
で展開し、2−ヒドロキシアクラシノマイシンA
及び2−ヒドロキシアクラビノンを対照として判
定し、2−ヒドロキシアクラシノマイシン生産菌
を検索単離する。被検菌株500株のうち420菌株は
抗生物質非生産性菌株、40菌株は2−ヒドロキシ
アクラビノン生産菌株、30菌株が2−ヒドロキシ
アクラシノマイシン生産菌株であつた。
かくして得られた2−ヒドロキシアクラシノマ
イシン生産菌株中、ストレプトミセスガリラエウ
スA−862と命名した菌株は該抗生物質の生産に
有利に用いられる。本菌株は工業技術院微生物工
業技術研究所に微工研条寄第45号(FERMBP−
45)として国際寄託されている。
本菌株の主な菌学的性状は、元株であるストレ
プトミセスガリラエウスMA144−M1の性状(特
許公開昭51−34915号公報参照)と殆んど変わら
ない。
以下に菌株A−862の菌学的性状を記す。
1 形態
本菌株は、いずれも明確に分枝した基中菌糸よ
り直状域は鉤状〜螺旋形成を有する気中菌糸を伸
長する。特にスターチ無機塩寒天培地上で気中菌
糸は鉤状〜螺旋形成が顕著に観察された。輪生枝
は認められない。
成熟した胞子鎖は10個以上の胞子の連鎖を認
め、胞子の大きさは0.4〜0.8×0.8〜1.6ミクロン
位で胞子の表面は平滑である。多くの培地で気中
菌糸を作らず僅かにイースト・麦芽寒天培地及び
スターチ・無機塩寒天倍地で気中菌糸を形成する
も、熟成胞子の着生は認められない。
2 各種培地における生育状態
色の記載について〔 〕内に示す記号はコンテ
イナー・コーポレーシヨン・オブ・アメリカのカ
ラー・ハーモニー・マニユアル(Container
Corporation of AmericaのColar harmony
manual)に従い、日本色彩研究所の色の標準も
参照し記載した。
(1) シユクローズ・硝酸塩寒天培地(27℃培養)
発育は無色〜うすい黄〔2db〕、気菌糸は着
生せず、水溶性色素は認められない。
(2) グルコース・アスパラギン酸寒天(27℃培
養)
発育は明るい橙黄色〔3ea〕〜明るい茶
〔4ie〕,気菌糸は殆んど着生せず、僅かに黄褐
色の水溶性色素が認められる。
(3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−
倍地5,27℃培養)
発育は淡黄〔2db〕〜黄茶色、気菌糸は殆ん
ど着生せず、水溶性色素は認められない。
(4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4,
27℃培養)
うすい黄〔2db〕〜黄茶の発育上に明るい灰
〔d〕の気菌糸を着生し、水溶性色素は認めら
れない。
(5) チロシン寒天培地(ISP−培地7,27℃)
発育は明るいオリーブ茶〔2ge〕〜灰茶
〔4ig〕、気菌糸は着生せず、水溶性色素は褐色
を呈する。
(6) 栄養寒天培地(27℃培養)
黄茶色の発育上に、黄味灰〔2dc〕〜明るい
灰色〔d〕の気菌糸を着生し、僅かに茶色の水
溶性色素が認められる。
(7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2,27
℃)
明るい橙黄色〔3ea〕〜明るい茶〔4ie〕の発
育上に、黄味灰色〔2dc〕の気菌糸を着生し、
水溶性色素は赤色を呈する。
(8) オートミール寒天培地(ISP−培地3,27℃
培養)
発育は黄茶〜灰黄色〔3ec〕,気菌糸は殆んど
着生せず、水溶性色素は僅かに褐色を呈する。
3 生理的性質
ゼラチン分解、メラニン色素生成、殿粉分解
力、スキムミルクのペプトン化、炭水化物の利用
性などの生理的性質は親株及び本菌株の間に差異
は認められず、その性質を挙げれば以下の如くで
ある。
(1) 生育温度範囲:
マルトース・酵母エキス寒天(マルトース
1.0%,酵母エキス〔オリエンタル酵母(株)製〕
0.4%,寒天2.0%,PH6.0)を用いて20℃,24
℃,27℃,30℃,37℃及び50℃の各温度で生育
を検した結果、50℃を除くいずれの温度でも生
育するが、最適温度は27℃〜37℃付近である。
(2) ゼラチンの液化(グルコース,ペプトン,ゼ
ラチン,20℃培養):液化する。
(3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒
天,27℃培養):分解する。
(4) 脱脂牛乳の凝固,ペプトン化(27℃培養):
ペプトン化するが凝固は認められない。
(5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イース
トン・プロス,ISP−培地1;ペプトン・イー
スト・鉄寒天,ISP−培地6;チロシン寒天,
ISP−培地7,いずれも27℃培養):いずれの
培地にもメラニン様色素の生成が認められる。
(6) 炭素源の利用性(ブリドハム・ゴツトリーブ
寒天,ISP−培地9,27℃培養):
L−アラビノース,D−キシロース,グルコ
ース,D−フラクトース,シユクロース,イノ
シトール,L−ラムノース,ラフイノースを利
用する。D−マンニトールは利用しない。
本発明の方法によつて、2−ヒドロキシアクラ
シノマイシンBを得るには、まず2−ヒドロキシ
アクラシノマイシンB生産菌株を通常の微生物が
利用し得る公知の栄養源を含有する培地で公知の
方法で培養する。例えば炭素源としてはグルコー
ス,グリセリン,蔗糖,殿粉,マルトース,動植
物油などが使用でき、窒素源としては例えば大豆
粉,肉エキス,酵母エキス,ペプトン,コーンス
テイープ・リカー,綿実粕などの有機物並びに硫
酸アンモニウム,塩化アンモニウム,硝酸アンモ
ニウム,リン酸アンモニウムなどの無機体窒素が
使用できる。又必要に応じて食塩,塩化カリウ
ム,リン酸塩,その他重金属塩などの無機塩類及
びビタミン類を添加する他、発酵中の発泡を抑制
するため、例えばシリコーン(信越化学K.K.製
−KM75;商標)などの消泡剤を適宜添加するこ
とができる。
温度、PH、通気撹拌および発酵時間のような発
酵条件は用いられる菌株が最大量の該化合物を蓄
積するように選択する。例えば、発酵条件として
は20〜40℃、好ましくは28℃の温度でPH5〜9、
好ましくは7.4において1〜5日間、好ましくは
3日間行うのが有利である。
発酵培養物より2−ヒドロキシアクラシノマイ
シンBを単離するには、アントラサイクリン系抗
生物質の製造の技術分野に於ける常法の手段、例
えば遠心操作によるか、あるいは適当なケイ藻土
の如き過助剤の存在下に培養液を過し、菌体
と液に分離した後、菌体からはアセトン,メタ
ノール,エタノールもしくはブタノール等の水と
混和する有機溶媒を用いて抽出し、また液から
は、クロロホルム,酢酸エチル等の有機溶媒を用
いて抽出することができるが、これらの溶媒を適
宜選択することにより、菌体を予め分別すること
なく培養液から直接抽出することも可能である。
かくして抽出された有機溶媒中の有効成分は減
圧下で濃縮乾涸し、更に目的の該化合物を単離す
るために、シリカゲル,活性炭,アルミナ等の吸
着剤、弱酸性あるいは弱塩基性イオン交換樹脂、
セフアデツクスLH−20(フアルマシア製;商標)
などのゲル過剤などを用いるカラムクロマトグ
ラフイー法、又は分取用シリカゲル薄層クロマト
グラフイー法、液体クロマトグラフイー法及び向
流分配法などを単独あるいは適宜に組合せること
により有利に行うことができる。
かくして得られる本発明の化合物2−ヒドロキ
シアクラシノマイシンBは各種の無機酸または有
機酸と付加塩を形成させることが出来る。すなわ
ち遊離の塩基の造塩に用いられる公知の方法によ
つて、2−ヒドロキシアクラシノマイシンBの酸
付加塩が得られる。例えば塩酸、硫酸、リン酸、
臭酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、
クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマール酸、グル
タミン酸、パントテン酸、ラウリルスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の
付加塩として得ることができる。一般的な造塩方
法としては、2−ヒドロキシアクラシノマイシン
Bの遊離の塩基を適当な溶媒中で上記の酸と反応
させて凍結乾燥法か又は、該当の塩が僅かしか溶
けない溶媒を用いて沈殿せしめて回収する方法を
挙げることができる。
本発明の新規化合物2−ヒドロキシアクラシノ
マイシンBはマウス白血病培養細胞(L1210)の
増殖及び該酸合成を顕著に抑制する。例えば、20
%仔牛血清を含むRPMI640培地(ロースウエル
パーク研究所1640)へL1210細胞を5×104ケ/
ml接種し、同時に本発明の化合物を0.01ないし
0.25μg/mlの濃度で添加し、37℃にて炭酸ガス
培養器中で倍養し対照区に対する50%増殖阻害濃
度を求めた。更に上記のL1210培養細胞を10%仔
牛血清を含むRPMI1640培地へ5×105ケ/mlと
なるように懸濁し、37℃にて炭酸ガス培養器中で
1〜2時間培養を行つた後、本発明の化合物を
種々の濃度で添加し、15分後に更に14C−ウリジ
ン(0.05μCi/ml)及び14C−チミジン
(0.05μCi/ml)を添加し、37℃にて60分間培養し
た。反応液へ10%トリクロル酢酸溶液を添加し、
反応を停止すると同時に、酸不溶物を沈殿させ、
10〜5%トリクロル酢酸にて更に3回洗浄した
後、ギ酸に溶解し、酸不溶物中の放射活性を測定
し対照区に対する放射能の取込み率から50%取込
み阻害濃度を求めた。
実験腫瘍動物に対する効果は、CDF1マウスの
腹腔内へマウス白血病L1210細胞を1×105ケ/
マウス移殖し、24時間後より連日10日間2−ヒド
ロキシアクラシノマイシンBを腹腔内へ投与し、
対照区(生理食塩水投与)に比較し算定した延命
率、L1210白血病に対する抗腫瘍効果及び毒性に
ついて2−ヒドロキシアクラシノマイシンB及び
公知の抗腫瘍性物質アクラシノマイシンAのそれ
と併せ第1表に示す。
The present invention relates to an antitumor anthracycline antibiotic 2-hydroxyaclacinomycin B, more specifically, the formula 2-hydroxyaclacinomycin B represented by
or regarding its salt. Streptomyces galilaeus MA144−M 1
The antibiotic aclacinomycin A produced by (ATCC31133) is an excellent antitumor substance that shows remarkable effects on leukemia and solid cancer (see US Pat. No. 3,988,315). On the other hand, one of its related compounds has the following formula: 2-hydroxyaclacinomycin A represented by
It was discovered that aclacinomycin A had a stronger antitumor effect than Aclacinomycin A, and had a slight cardiotoxic effect, and the present inventors proposed the proposal earlier (Patent Application No. 1983-
49400). According to the specification, 2-hydroxyaclacinomycin A is derived from Streptomyces galilaeus.
The following formula produced by the MA144− M1 mutant strain: 2-Hydroxyacravinone represented by is added to the culture solution of a mutant strain derived from Streptomyces galilaeus MA144- M1 that is non-antibiotic producing and has glycosidation ability, and the conversion by the strain is carried out. (see the above-mentioned application specification). In order to further improve the method for producing 2-hydroxyaclacinomycin A using the two-stage fermentation method, the present inventors searched for microorganisms that can be used in the direct fermentation method, and found that The mutant strain and the non-antibiotic-producing convertible mutant strain were crossed by protoplast fusion, and a strain capable of producing 2-hydroxyaclacinomycin A was successfully constructed from the progeny. The present inventors further discovered that the strain was capable of producing 2-hydroxyaclacinomycin A and a reduced compound of the antibiotic, 2-hydroxyaclacinomycin N (Japanese Patent Application No. 55-106522). 2-Hydroxyaclacinomycin B
The present invention was completed based on the discovery that a compound named . 2-Hydroxyaclacinomycin B provided by the present invention has high activity against experimental tumors in animals, as described below, and therefore is suitable as an anticancer agent for mammals including humans. Expected to be used. According to the present invention, microorganisms belonging to any genus can be used for the production of 2-hydroxyaclacinomycin B as long as they have the ability to produce the compound, but generally microorganisms belonging to the genus Streptomyces are used. Among these strains, Streptomyces galilaeus A-862, for example, is particularly advantageously used among the strains obtained by the above-mentioned Protolast fusion method. Creation of recombinants using the microbial protoplast fusion method is already known in the microbial world, and has been reported for antibiotic-producing actinomycetes, but has not been reported for Streptomyces galilaeus, and in particular, as in the present invention. There are no published examples of the application of crossbreeding between strains with characteristics regarding antibiotic production to create recombinants that have the characteristics of the parent strains and produce antibiotics different from the parent strains. There is, and this is made clear for the first time by this application. 2-hydroxyaclacinomycin B of the present invention
To create a production bacterium by protoplast fusion method, Streptomyces galilaeus MA144-M 1
A 2-hydroxyaclacinobinone-accumulating mutant strain, such as Streptomyces galilaeus 10U-2936 [same as the ANR58 strain (Feikoken Bacteria No. 5081) described in JP-A-56-49341 ] and antibiotic non-producing converting mutants, such as Streptomyces galilaeus.
11U-111 strain [described in JP-A-56-15299]
KE-303 (Isolated by the same method as KE-303 (Feikokenki No. 4808))] and selectively isolated from the recombinant. In the present invention, in order to facilitate the selection of recombinants,
Strains are genetically marked with an auxotrophic marker and recombinants are selected after mating as non-auxotrophic colonies that can grow on minimal medium. Among the non-auxotrophic recombinants thus obtained, a strain that produces the desired 2-hydroxyaclacinomycin B is selected. Below, 2-hydroxyaclacinomycin B
The construction and isolation method of the production strain will be described in detail. Two strains isolated from Streptomyces galilaeus MA144- M1 by mutation treatment and having the following characteristics were subjected to a mating experiment using protoplast fusion. 10U−2936 strain: ACM - , AKN - , 2HO−
AKN + , Glyc - , ade - 11U−111 strain: ACM - , AKN - , 2HO−
AKN - , Glyc + , ura - The genetic markers of the above strains are indicated by symbols for convenience, and each represents the following content. ACM - : Aclacinomycin non-productivity AKN - : Akravinone non-productivity 2HO−AKN + : 2-Hydroxyaclavinone productivity 2HO−AKN - : 2-Hydroxyacrabinone non-productivity Glyc + : Externally added akravinone or 2 - Ability to bind sugar to hydroxyaclavinone to produce aclacinomycin or 2-hydroxyaclavinone Glyc - : Externally added aclavinone or 2-hydroxyaclavinone
- Defect in the ability to bind sugar to hydroxyaclavinone and produce aclacinomycin or 2-hydroxyaclacinomycin ade - : Requirement for adenine ura - : Requirement for uracil Both of the above strains were cultured on YS slant agar. Take one platinum loop and inoculate it into a separate sterilized YS liquid medium (0.3% yeast extract, 1% weldable starch, pH 7.2, 4 ml/test tube) and culture at 28°C overnight. This 0.3ml
30 ml of MSG medium by Okanishi et al. [J.Gen.
Microbiol.80:389 (1974)] 250ml dispensed and sterilized
Inoculate into an Erlenmeyer flask and culture with shaking on a rotary shaker (rotation speed 220/min) at 28°C for 20 hours. Take 20 ml of both cultures, collect the cells by centrifugation, and transfer to 10 ml of P medium [J.Gen.
Micrbiol. 80:389 (1974)] and then washed once with 1 mg/ml lysozyme (Sigma,
Resuspend in 20 ml of P medium containing (Trademark). After reacting at 28°C for 1 hour, the liquid was passed through a glass tube (φ15 x 200 mm) packed with sterile absorbent cotton and centrifuged at low temperature (1000 x g, 10 minutes).
Pour each collected protoplast cell into 1.5 ml of P.
Suspend in a medium and further dilute with P medium to a turbidity (O.D600) of 1.0 to obtain a protoplast cell solution for fusion. These protoplast cell suspensions had colony-forming units of 4.4 x 10 6 /ml from the 10U-2936 strain and from 11U-111;
It was 1.1×10 6 /ml. The latter protoplast cell suspension was mixed at a ratio of 10 parts of the former protoplast cell suspension to 1 part, and subjected to protoplast fusion treatment. i.e. 0.2 ml of mixed protoplast cell fluid
was added to 1.8 ml of P medium containing 40% polyethylene glycol (hereinafter abbreviated as "PEG") 4000, mixed and stirred, and then incubated at 28°C for 5 minutes. Then, diluted with P medium and plated on a plate consisting of regenerated minimal medium shown below and regenerated complete medium supplemented with 100 μg/ml each of adenine and uracil,
Incubate at 28°C for 10 days. Regeneration minimum medium composition Sucrose 110g Polyethylene glycol 1000 50g K 2 SO 4 0.25g Trace element solution * 2ml KH 2 PO 4 ** 0.05g MgC 2・6H 2 O 4.06g CaC 2・2H 2 O ** 2.95g Glucose 10g L - Asparagine 3g 0.1MTES (PH7.4) ** 100ml agar 22g distilled water to bring the total volume to 1. * ZnC 2・4H 2 O40mg, FeC 2・6H 2 O200
mg、CuC 2・2H 2 O10mg、MnC・4H 2 O10
mg , Na2B4O7 ・ 10H2O10mg , ( NH4 ) 6
[Mo 7 O 24 ]・A solution of 10 mg of 4H 2 O dissolved in distilled water from Step 1 ** Sterilize separately. Approximately 500 colonies arose on minimal plates
Isolate the cells and place them on the following minimal agar slants. 28℃
After culturing for 5 days, the cells are further passaged once on the same agar slant. Minimum agar slant medium composition Glucose 10g L-asparagine 3g KNO 3 1g K 2 HOP 4 0.5g MgSO 4・7H 2 O 0.5g CaC 2・2H 2 O 0.5g 0.1MTris-HC (PH7.2) 100ml agar 15g Make the total volume 1 with distilled water. From this, one platinum loopful was inoculated into YS liquid medium (described above) and cultured overnight at 28°C with shaking. This is shown below: Fermentation medium Fermentation medium Composition Soluble starch 1.5% Glucose 1.0% Esun Meat (soybean flour, manufactured by Ajinomoto Co.)
3.0% Yeast extract 0.2% K 2 HPO 4 0.1% MgSO 4・7H 2 O 0.1% NaC 0.3% Minerals * 0.125% Tap water PH7.4 * CuSO 4・5H 2 O2.8g, FeSO 4・7H 2 O0.4g ,
MnC 2・4H 2 O3.2g, ZnSO 4・7H 2 O0.8g
The entire amount was inoculated into a 250 ml Erlenmeyer flask containing 30 ml of the solution dissolved in 500 ml of distilled water, and cultured with shaking on a rotary shaker (described above) for 2 days. To detect the product, collect 5 ml of the culture solution, add 5 ml of chloroform/methanol mixture (3/2), stir with a mixer, separate the chloroform extract layer by centrifugation, separate it, and remove the pus. Dry and dry. This was dissolved in a small amount of chloroform, spotted 1.5 cm below the bottom edge of a thin silica gel layer F 254 (manufactured by Merck & Co.), and developed with a solvent system of chloroform/methanol/concentrated aqueous ammonia (150/11/0.3). , 2-hydroxyaclacinomycin A
and 2-hydroxyaclavinone as a control, and 2-hydroxyaclacinomycin-producing bacteria are searched and isolated. Of the 500 strains tested, 420 strains were non-antibiotic-producing strains, 40 strains were 2-hydroxyaclavinone-producing strains, and 30 strains were 2-hydroxyaclacinomycin-producing strains. Among the 2-hydroxyaclacinomycin-producing strains thus obtained, the strain named Streptomyces galilaeus A-862 is advantageously used for the production of the antibiotic. This strain was submitted to the Institute of Microbial Technology, Agency of Industrial Science and Technology, and was submitted to the Institute of Microbiology, No. 45 (FERMBP-).
45) has been internationally deposited. The main mycological properties of this strain are almost the same as those of the original strain, Streptomyces galilaeus MA144- M1 (see Patent Publication No. 34915/1983). The mycological properties of strain A-862 are described below. 1. Morphology All of the present strains elongate aerial hyphae with hook-shaped to spiral formations in the straight region rather than clearly branched basal hyphae. Especially on the starch inorganic salt agar medium, aerial mycelia were observed to have hook-shaped to spiral formations. Whorled branches are not allowed. A mature spore chain consists of 10 or more spores, the size of the spores is about 0.4-0.8 x 0.8-1.6 microns, and the surface of the spores is smooth. Aerial hyphae are not formed on many media, but only slightly on yeast/malt agar medium and starch/inorganic salt agar medium, but no settlement of mature spores is observed. 2. Growth status in various media Regarding color descriptions: Symbols in brackets [ ] are from Container Corporation of America's Color Harmony Manual (Container Corporation of America).
Corporation of America's Color harmony
The color standards of the Japan Color Research Institute were also referenced and described according to the manual). (1) Syucrose/nitrate agar medium (cultured at 27°C) Growth is colorless to pale yellow [2 db], no aerial mycelia are attached, and no water-soluble pigments are observed. (2) Glucose-aspartic acid agar (cultured at 27℃) Growth is bright orange-yellow [3ea] to light brown [4ie], with almost no aerial mycelia attached, and a slight yellow-brown water-soluble pigment is observed. . (3) Glycerin-asparagine agar medium (ISP-
Growth is pale yellow [2 db] to yellowish brown, almost no aerial mycelia are attached, and no water-soluble pigments are observed. (4) Starch/inorganic salt agar medium (ISP-medium 4,
(Cultivated at 27°C) Bright gray [d] aerial mycelium grows on pale yellow [2db] to yellowish brown growth, and no water-soluble pigments are observed. (5) Tyrosine agar medium (ISP-Medium 7, 27°C) Growth is light olive brown [2ge] to gray brown [4ig], aerial mycelia do not attach, and water-soluble pigments are brown. (6) Nutrient agar medium (cultured at 27°C) Yellowish gray [2dc] to light gray [d] aerial mycelia are attached to the yellowish brown growth, and a slight brown water-soluble pigment is observed. (7) Yeast/malt agar medium (ISP-Medium 2, 27
℃) Yellowish-gray [2dc] aerial mycelium grows on the bright orange-yellow [3ea] to light brown [4ie] growth,
Water-soluble dyes exhibit a red color. (8) Oatmeal agar medium (ISP-Medium 3, 27℃
Culture) Growth is yellowish brown to grayish yellow [3ec], aerial mycelia are hardly attached, and water-soluble pigments are slightly brownish. 3 Physiological properties No differences were observed between the parent strain and this strain in terms of physiological properties such as gelatin decomposition, melanin pigment production, starch decomposition ability, peptonization of skim milk, and carbohydrate utilization, and the properties are listed below. It's like this. (1) Growth temperature range: Maltose/yeast extract agar (maltose
1.0%, yeast extract [manufactured by Oriental Yeast Co., Ltd.]
0.4%, agar 2.0%, PH6.0) at 20℃, 24
As a result of testing the growth at each temperature of 27°C, 30°C, 37°C and 50°C, it grew at all temperatures except 50°C, but the optimum temperature was around 27°C to 37°C. (2) Liquefaction of gelatin (glucose, peptone, gelatin, cultured at 20°C): Liquefy. (3) Hydrolysis of starch (starch/inorganic salt agar, cultured at 27°C): Decomposes. (4) Coagulation and peptonization of skim milk (27℃ culture):
Peptonization occurs, but no coagulation is observed. (5) Production of melanin-like pigments (tryptone/easton/pross, ISP-medium 1; peptone/yeast/iron agar, ISP-medium 6; tyrosine agar,
ISP-Medium 7, all cultured at 27°C): Production of melanin-like pigments is observed in all media. (6) Utilization of carbon sources (Bridham-Gottlieb agar, ISP-medium 9, cultured at 27°C): Utilizes L-arabinose, D-xylose, glucose, D-fructose, sucrose, inositol, L-rhamnose, and ruffinose. . D-mannitol is not used. In order to obtain 2-hydroxyaclacinomycin B by the method of the present invention, first, a 2-hydroxyaclacinomycin B-producing strain is grown using a known method in a medium containing a known nutrient source that can be used by ordinary microorganisms. Cultivate with For example, carbon sources can be glucose, glycerin, sucrose, starch, maltose, animal and vegetable oils, etc., and nitrogen sources can be, for example, soybean flour, meat extract, yeast extract, peptone, cornstap liquor, cottonseed meal, etc. Organic nitrogen and inorganic nitrogen such as ammonium sulfate, ammonium chloride, ammonium nitrate, and ammonium phosphate can be used. In addition to adding inorganic salts such as salt, potassium chloride, phosphate, and other heavy metal salts and vitamins as necessary, silicone (manufactured by Shin-Etsu Chemical KK - KM75; trademark) is added to suppress foaming during fermentation. Antifoaming agents such as these can be added as appropriate. Fermentation conditions such as temperature, PH, aeration agitation and fermentation time are selected such that the strain used accumulates the maximum amount of the compound. For example, the fermentation conditions are 20-40℃, preferably 28℃, PH5-9,
It is advantageous to carry out preferably 7.4 for 1 to 5 days, preferably 3 days. 2-Hydroxyaclacinomycin B can be isolated from the fermentation culture by conventional means in the art for the production of anthracycline antibiotics, such as by centrifugation or by using suitable diatomaceous earth. After the culture solution is filtered in the presence of a super-aid to separate the bacterial cells from the liquid, the bacterial cells are extracted using a water-miscible organic solvent such as acetone, methanol, ethanol, or butanol, and the liquid is extracted. can be extracted using an organic solvent such as chloroform or ethyl acetate, but by selecting these solvents appropriately, it is also possible to extract the bacterial cells directly from the culture solution without pre-fractionating them. The active ingredients in the organic solvent extracted in this way are concentrated to dryness under reduced pressure, and in order to further isolate the desired compound, adsorbents such as silica gel, activated carbon, alumina, weakly acidic or weakly basic ion exchange resins,
Sefadex LH-20 (manufactured by Pharmacia; trademark)
Column chromatography using a gel filter such as, preparative silica gel thin layer chromatography, liquid chromatography, countercurrent distribution method, etc. can be advantageously carried out alone or in an appropriate combination. Can be done. The compound 2-hydroxyaclacinomycin B of the present invention thus obtained can form addition salts with various inorganic or organic acids. That is, the acid addition salt of 2-hydroxyaclacinomycin B can be obtained by a known method used for salt formation of a free base. For example, hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid,
Bromic acid, nitric acid, acetic acid, propionic acid, maleic acid,
Citric acid, succinic acid, tartaric acid, fumaric acid, glutamic acid, pantothenic acid, lauryl sulfonic acid,
It can be obtained as an addition salt of benzenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, etc. A general salt-forming method is to react the free base of 2-hydroxyaclacinomycin B with the above acid in a suitable solvent and freeze-dry it, or to use a solvent in which the corresponding salt is only slightly soluble. An example of this method is to precipitate it and recover it. The novel compound 2-hydroxyaclacinomycin B of the present invention significantly inhibits the proliferation of mouse leukemia cultured cells (L1210) and the synthesis of the acid. For example, 20
Add 5 x 104 cells/L1210 cells to RPMI640 medium (Roswell Park Laboratory 1640) containing % calf serum.
ml inoculation, and at the same time 0.01 to 0.0ml of the compound of the present invention.
It was added at a concentration of 0.25 μg/ml, cultured in a carbon dioxide incubator at 37° C., and the 50% growth inhibition concentration relative to the control group was determined. Further, the above L1210 cultured cells were suspended in RPMI1640 medium containing 10% calf serum at a concentration of 5 x 10 cells/ml, and cultured at 37°C in a carbon dioxide gas incubator for 1 to 2 hours. The compounds of the present invention were added at various concentrations, and 14 C-uridine (0.05 μCi/ml) and 14 C-thymidine (0.05 μCi/ml) were further added after 15 minutes, followed by culturing at 37° C. for 60 minutes. Add 10% trichloroacetic acid solution to the reaction solution,
At the same time as stopping the reaction, acid insoluble matter is precipitated,
After washing three more times with 10-5% trichloroacetic acid, it was dissolved in formic acid, the radioactivity in the acid-insoluble material was measured, and the 50% uptake inhibition concentration was determined from the radioactivity uptake rate relative to the control group. The effect on experimental tumor animals was determined by intraperitoneally injecting mouse leukemia L1210 cells into CDF1 mice at 1×10 5 cells/cell.
After 24 hours of transplantation into the mice, 2-hydroxyaclacinomycin B was intraperitoneally administered every day for 10 days.
The survival rate calculated in comparison with the control group (physiological saline administration), antitumor effect and toxicity against L1210 leukemia are shown in Table 1, along with those of 2-hydroxyaclacinomycin B and the known antitumor substance aclacinomycin A. show.
【表】
以上の結果から、本発明の2−ヒドロキシアク
ラシノマイシンBはマウス白血病L1210細胞の増
殖を低濃度で死滅させ、白血病細胞移殖マウスに
対してすぐれた延命効果を示し、且つアドリアマ
イシンあるいはダウノマイシンなどの既知アント
ラサイクリン系抗生物質に比べ、毒性ははるかに
低く、アントラサイクリン抗生物質のうちでは最
も低毒性、低心毒性抗腫瘍性物質として研究開発
されたアクラシノマイシンAに比し、更に低毒性
であり、かつ同等あるいはそれ以上の抗腫瘍効果
を有しており、更に抗腫瘍性効果を示す濃度域は
アクラシノマイシンAに比し、およそ2倍であ
り、制がん剤として優れた性質を有している。
なお、アントラサイクリン系抗生物質の直接の
作用点と考えられている該酸合成に対しては、本
物質はRNA合成をより特異的に阻害する特徴を
有しており、その阻害作用は既知のアクラシノマ
イシン及びロドマイシン群抗生物質に類似してい
る。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
実施例 1
可溶性殿粉1.0%,グルコース1.0%,エスサン
ミート(大豆粉,味の素社製)0.1%,酵母エキ
ス0.1%,K2HPO40.1%,MgSO4・7H2O0.1%,
NaC0.3%から成る種母用培地100mlを分注、殺
菌した500ml容フラスコ15本に、ストレプトミセ
スガリラエウスA−862(微工研条寄第45号)の斜
面培養から一白金耳ずつ接種し、28℃にて48時間
振盪培養を行い種母を調製した。
グリセロール2%,エスサンミート3%,酵母
エキス0.2%,K2HPO40.1%,MgSO4・7H2O0.1
%,NaC0.3%,CuSO4・5H2O0.0007%,
FeSO4・7H2O0.0001%,MnC2・4H2O0.0008
%およびZnSO4・7H2O0.0002%(PH7.4)から成
る発酵培地15を分注、殺菌した30容ジヤーフ
アメンター5基に1基当り上記フラスコ種母3本
分を混合接種した。通気量1/2v.v.m,回転数
300/分で3日間培養を実施した。培養液を混合
し、遠心操作にて菌体と上清に分けた。上清は20
のクロロホルムを添加攬拌抽出し、クロロホル
ム層を分取した。一方菌体成分はアセトン30で
抽出後、アセトン層をおよそ1/3量に減圧下で
濃縮乾涸し、さらにクロロホルム5で抽出し
て、上清からのクロロホルム抽出層と混合し、濃
縮乾涸して2−ヒドロキシアクラシノマインBを
含有するオイル状の粗抽出物を得た。
実施例 2
実施例1で得た粗抽出物をアンモニア性メタノ
ール(400mlのメタノールに濃アンモニア水0.4ml
添加)に溶解し、不溶物を遠心操作で除去したの
ち、その上清を1回100mlずつ4回に分けてセフ
アデツクスLH−20カラム(φ4.0×35cm)にかけ、
上記のアンモニア性メタノールで溶出した。最初
に溶出される赤色色素区分を集め、濃縮乾涸して
2−ヒドロキシアクラシノマイシンBの粗成分を
得た。
次いでこの粗成分を少量のクロロホルムに溶解
し、分取用シリカゲル60PF254薄層(メルク社製)
に線状に塗布し、クロロホルム/メタノール
(10/1)の溶媒系で展開した。2−ヒドロキシ
アクラシノマイシン成分A,B及びNはそれぞれ
およそ0.5,0.7及び0.2付近のRf値を示し、それぞ
れをかきとり、クロロホルム/メタノール/濃ア
ンモニア水(40/10/0.1)混液で溶出濃縮乾涸
した。次いでA及びB成分に関しては同分取用シ
リカゲル60PF254薄層を用い、クロロホルム/メ
タノール/酢酸(150/15/1)の溶媒系で展開
して再クロマトを行つた。A及びB区分をかきと
り、クロロホルム/メタノール(5/1)混液で
抽出し、それぞれを濃縮乾涸した。乾涸物をそれ
ぞれ0.2M酢酸緩衝液(PH3.5)の20mlに溶解し、
僅かに残る不溶物を遠心操作にて除去し、次いで
トルエン10mlで振盪混合して洗浄した。水層を
4N苛性ソーダー溶液で中和し、クロロホルムに
て抽出した。クロロホルム抽出液は0.01MEDTA
(PH6.0)で洗浄し、次いで水洗して、芒硝で乾燥
させたのち、減圧濃縮した。濃縮液へn−ヘキサ
ンを過剰に加え、黄褐色の沈殿を生成させたの
ち、過にて集積せしめ真空乾燥を行い、2−ヒ
ドロキシアクラシノマイシンA及びBをそれぞれ
61mg及び92mg取得した。得られた2−ヒドロキシ
アクラシノマイシンBの理化学的性状を以下に示
す。
(1) 形状 黄褐色粉末
(2) 融点 186〜188℃
(3) 分子量 825.8
(4) 元素分析 C42H51NO16として
C H N O
計算値% 61.08 6.22 1.70 31.00
実験値 60.92 6.25 1.68 31.20
(5) 紫外可視吸収スペクトル
λ90%MeOH
maxnm(E1%
1cm):220(580),255
(390),293(350),450(190),500s
(100)
(6) 赤外部吸収スペクトル(KBr錠)cm-1:
3450,2930,1730,1620,1610,
1380,1300,1250,1120,1010,760
(7) プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDC3−CD3OD)
δppm:2.20(6H,s,N(CH3)2)
3.70(3H,s.COOCH3)
6.56(1H,d,J=2Hz,ArH)
7.18(IH,d,J=2Hz,ArH)
7.57(1H,s,ArH)
(8) 旋光度
〔α〕23 D+97.5゜(CO.04,MeOH)[Table] From the above results, 2-hydroxyaclacinomycin B of the present invention kills the proliferation of murine leukemia L1210 cells at low concentrations, exhibits an excellent survival effect on leukemia cell-transplanted mice, and shows that 2-hydroxyaclacinomycin B of the present invention kills the proliferation of murine leukemia L1210 cells and exhibits an excellent survival effect on leukemia cell-transplanted mice. It is far less toxic than known anthracycline antibiotics such as daunomycin, and even more so than aclacinomycin A, which has been researched and developed as an anthracycline antibiotic with the lowest toxicity and low cardiotoxicity. It has low toxicity and antitumor effects that are equal to or greater than that of aclacinomycin A, and the concentration range in which it exhibits antitumor effects is approximately twice that of aclacinomycin A, making it an excellent anticancer drug. It has certain characteristics. Furthermore, regarding acid synthesis, which is considered to be the direct point of action of anthracycline antibiotics, this substance has the characteristic of more specifically inhibiting RNA synthesis, and its inhibitory effect is greater than that of the known inhibitory effect. Similar to aclacinomycin and rhodomycin group antibiotics. The present invention will be explained in more detail below using examples. Example 1 Soluble starch 1.0%, glucose 1.0%, Ssanmeat (soybean flour, manufactured by Ajinomoto Co.) 0.1%, yeast extract 0.1%, K 2 HPO 4 0.1%, MgSO 4 7H 2 O 0.1%,
Dispense 100 ml of seed medium containing 0.3% NaC into 15 sterilized 500 ml flasks and place one platinum loop from a slant culture of Streptomyces galilaeus A-862 (Feikoken Joyori No. 45). The seeds were inoculated and cultured with shaking at 28°C for 48 hours to prepare a seed mother. Glycerol 2%, Essanmeat 3%, Yeast Extract 0.2%, K 2 HPO 4 0.1%, MgSO 4・7H 2 O0.1
%, NaC0.3%, CuSO4・5H2O0.0007 %,
FeSO 4・7H 2 O0.0001%, MnC 2・4H 2 O0.0008
% and ZnSO 4.7H 2 O 0.0002% (PH 7.4) was dispensed and mixed and inoculated into five sterilized 30-volume jar fermenters with the amount of the above-mentioned three flask starters per one. . Airflow rate 1/2v.vm, rotation speed
Culture was carried out for 3 days at 300/min. The culture solution was mixed and separated into bacterial cells and supernatant by centrifugation. Supernatant is 20
of chloroform was added and extracted with stirring, and the chloroform layer was separated. On the other hand, bacterial cell components were extracted with 30% acetone, concentrated to dryness under reduced pressure to reduce the acetone layer to approximately 1/3 volume, further extracted with 5% chloroform, mixed with the chloroform extract layer from the supernatant, concentrated and dried. An oily crude extract containing 2-hydroxyaclacinomine B was obtained. Example 2 The crude extract obtained in Example 1 was mixed with ammoniacal methanol (0.4 ml of concentrated ammonia water in 400 ml of methanol).
After dissolving the insoluble matter in the solution (added) and removing insoluble matter by centrifugation, the supernatant was divided into four portions of 100 ml each and applied to a Sephadex LH-20 column (φ4.0 x 35 cm).
Elution was performed with the above ammoniacal methanol. The first eluted red dye fraction was collected and concentrated to dryness to obtain a crude component of 2-hydroxyaclacinomycin B. Next, this crude component was dissolved in a small amount of chloroform, and a thin layer of preparative silica gel 60PF 254 (manufactured by Merck & Co., Ltd.) was added.
The mixture was applied in a linear manner to the surface and developed with a solvent system of chloroform/methanol (10/1). 2-Hydroxyaclacinomycin components A, B, and N showed Rf values around 0.5, 0.7, and 0.2, respectively, and each was scraped off, eluted with a chloroform/methanol/concentrated aqueous ammonia (40/10/0.1) mixture, and concentrated and dried. did. Next, components A and B were rechromatographed using the same preparative silica gel 60PF 254 thin layer and developed with a solvent system of chloroform/methanol/acetic acid (150/15/1). Sections A and B were scraped off, extracted with a chloroform/methanol (5/1) mixture, and each was concentrated to dryness. Dissolve each dry sludge in 20 ml of 0.2 M acetate buffer (PH3.5),
The slight remaining insoluble material was removed by centrifugation, and then washed with 10 ml of toluene by shaking and mixing. water layer
It was neutralized with 4N caustic soda solution and extracted with chloroform. Chloroform extract is 0.01 MEDTA
(PH6.0), then water, dried over Glauber's salt, and then concentrated under reduced pressure. Excessive n-hexane was added to the concentrated solution to form a yellow-brown precipitate, which was collected using a sieve and vacuum dried to obtain 2-hydroxyaclacinomycin A and B, respectively.
61mg and 92mg were obtained. The physicochemical properties of the obtained 2-hydroxyaclacinomycin B are shown below. (1) Shape Yellowish brown powder (2) Melting point 186-188℃ (3) Molecular weight 825.8 (4) Elemental analysis C 42 H 51 NO 16 C H N O Calculated value % 61.08 6.22 1.70 31.00 Experimental value 60.92 6.25 1.68 31.20 ( 5) UV-visible absorption spectrum λ90%MeOH maxnm (E1% 1cm): 220 (580), 255
(390), 293 (350), 450 (190), 500s
(100) (6) Infrared absorption spectrum (KBr tablet) cm -1 : 3450, 2930, 1730, 1620, 1610,
1380, 1300, 1250, 1120, 1010, 760 (7) Proton nuclear magnetic resonance spectrum (100MHz,
CDC 3 − CD 3 OD) δppm: 2.20 (6H, s, N(CH 3 ) 2 ) 3.70 (3H, s.COOCH 3 ) 6.56 (1H, d, J=2Hz, ArH) 7.18 (IH, d, J =2Hz, ArH) 7.57 (1H, s, ArH) (8) Optical rotation [α] 23 D +97.5° (CO.04, MeOH)