JPS6334091B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、船に石炭を積込む方法に関し、特に
石炭焚き船に燃料用の石炭を積込む場合に好適な
方法に関する。

およそ20年前までは船舶の推進機関用燃料とし
て石炭を使用する石炭焚き船が多数建造された
が、その後殆んど全く建造される事がなかつた。
最近石油事情のひつ迫により、再び石炭焚き船の
建造気運が出て来た。

従来、石炭を船に積込む方法は本船の石炭倉の
上部にハツチを設け、このハツチより石炭をグラ
ブローダー或はベルトローダーなどの機械的な荷
役装置により直接投入する方法が行なわれてい
た。

しかしこのような方法では、大型船に多量の石
炭を積込む場合、積込装置が大規模かつ高価なも
のとなり、また上部に開口面積の広いハツチを設
ける必要があるため、船内における石炭倉の位置
が制限されるとともに、積込時に炭塵が発生する
等の欠点がある。また石炭に混入している微粉炭
分がそのまま積込まれてしまうため、船内におけ
る石炭の取扱い中に炭塵の発生が生じ、これが水
分を含むと機械類へのべとつき等の不具合を生じ
る。

本発明は、このような欠点を解消する目的で提
案されたもので、陸上の石炭を船内に水力輸送
し、船内において船倉の上部に設けられた所定開
度をもつスクリーンにより石炭と微粉炭を含む水
とに分離し、そのうち石炭を船倉内に落とし同ス
クリーンを通過した微粉炭を含む水をポンプによ
り配管を通して船外に排出することを特徴とする
石炭を船に積込む方法を提供する。

本方法によれば、陸上の石炭を船内に水力輸送
するため、石炭の積込装置が、従来のようなグラ
ブローダ又はベルトローダ等の機械的積込装置に
比べ、流体輸送用配管を主体とする簡単かつ安価
なものとなり、また船倉の上部に設けられたスク
リーンにより石炭と微粉炭を含む水とに分離し、
そのうち微粉炭を含む水をポンプにより配管を通
して船外に排出しているため、微粉炭および水の
船外排出が極めて能率よく行なわれ、石炭の船内
積込みが終ると殆んど同時に、微粉炭および水の
船外排出が終了する等、装置の省力化、自動化が
可能になるとともに、輸送中に炭塵の発生が起る
ことがない。

また石炭を船に水力輸送した後、スクリーンに
より水とともにそれに含まれる微粉炭を石炭と分
離して船外に排出するため、積込み後の石炭の取
扱い中に環境汚染及び発火、爆発等を生起する炭
塵が発生せず、取扱いが極めて容易になる。

さらに本発明では、使用するスクリーンの開度
を適宜選定することにより、分離排出するべき微
粉炭の粒度を制御できる利点がある。

次に本発明方法の一実施例を図面に基いて説明
する。

第１図及び第２図は、岸壁に保留された石炭焚
き船１０の内部に設けられた石炭倉１に陸上の石
炭パイル２から本船燃料用石炭を積込む場合の実
施例を示す。石炭パイル２の石炭はベルトコンベ
ア３によりホツパ４に投入される。同時に陸上に
設けられた貯水池５から清水ポンプ６により清水
がホツパ４に投入される。石炭及び清水のホツパ
４への投入は連続的に行なわれ、両者はそこで混
合されて積込みポンプ７に吸込まれ、その混合物
は配管８を通つて石炭倉１の上部に設けられた分
離装置９に水力輸送される。石炭の粒度は、その
石炭の産地や銘柄などにより大差があるが、本発
明法を適用するに好適な石炭の粒度は、塊ないし
粒状のものを主成分とするものであり、例えば平
均粒径で１mm以上20mm以下のものを主成分とし、
それに0.1mm以下の微粉炭分が少量混入している
ものがよい。粒度分布の１例を示せば、最大径50
mm以下、平均粒径約７mm、0.5mm以下のもの５％
重量未満である。

積込みポンプ７により送り出される石炭と水の
混合割合は、石炭の粒度、輸送距離、輸送量など
に応じて適宜選択されるが、重量濃度にして石炭
10％ないし50％が適切である。

分離装置９に送られた石炭と水の混合物は、第
２図に示されるように円孤状に設置されたスクリ
ーン１１上部よりスクリーン１１に沿つて落下さ
せられる。

塊ないし粒状の石炭はスクリーン１１の上面を
滑つて石炭倉１に落ち、微粉分は水と共にスクリ
ーン１１のすき間を通つて分離装置９内に落ち、
配管１２を通つた後、ポンプ１３により配管１４
を通じて船外に排出され、陸上の沈澱池１５に送
られる。貯水池５は沈澱池１５との間をもぐり堰
５ａとじやま板５ｂで仕切られており、沈澱池１
５内で微粉炭分は沈澱し、上澄みの水は沈澱池１
５と接続して設けられている貯水池５に送られ再
使用される。

スクリーン１１のスリツト間隔は大きい程微粉
炭の除去に効果があるが、同時に粒径の大きい石
炭まで船外に排出する事となる。従つて状況に応
じて適宜に設定する必要があるが、一般に0.2mm
ないし1.5mmのスリツト間隔が適切である。

石炭は固体のままであると、重油の如き液体に
比し取扱いに困難があるが、本方法のように水と
混合して水力輸送を行う事により、簡単な装置に
より船１０に積込む事が出来る。また石炭倉１は
上部に広く開放されたハツチを設ける必要がない
ので、石炭倉１の配置上の制約が少なくなり、さ
らに管路による積込みなので積込時の炭塵の発生
が生せず、また積込時に微粉炭分が除去されるの
で積込後の石炭の取扱いが容易になるなどの長所
を有するほか、前述のような多くの長所を有す
る。

なお本方法におけるように微粉炭分が除去され
ていない場合には、次のような多くの不具合が生
じる。

即ち、船内での石炭取扱い中に炭塵の発生を生
起し、発生した炭塵が周囲の機器を汚すとともに
環境衛生を悪化させ、さらに炭塵爆発を起す場合
もある。また炭塵が水を含んだ場合には、ベルト
やホツパ壁へのべとつき、附着を起し、石炭の輸
送を妨げる。また石炭の脱水を行う場合、粒度の
細かい微粉である程脱水性が悪く、充分脱水され
ていない微粉が粉砕機に投入された場合粉砕機の
機能が低下する。また土砂などの不純物が微粉炭
分に多く混入しているので機器の摩耗を加速する
原因となる、等多くの不具合を生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の一実施例を示す系統図、
第２図は第１図中の分離装置９を拡大して示す縦
断立面図である。 １…石炭倉、２…石炭パイル、３…ベルトコン
ベア、４…ホツパ、５…貯水池、５ａ…もぐり
堰、５ｂ…じやま板、６…清水ポンプ、７…積込
みポンプ、９…分離装置、１０…石炭焚き船、１
１…スクリーン、１５…沈澱池。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 陸上の石炭を船内に水力輸送し、船内におい
   て船倉の上部に設けられ所定開度をもつスクリー
   ンにより石炭と微粉炭を含む水とに分離し、その
   うち石炭を船倉内に落とし同スクリーンを通過し
   た微粉炭を含む水をポンプにより配管を通して船
   外に排出することを特徴とする石炭を船に積込む
   方法。