JPS6333871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、布帛処理機の布帛導入装置に関す
る。

布帛処理機に長尺の布帛を連続的に導入するた
めの布帛導入装置として、拡布反運搬車が置かれ
る床の上方に円筒状のガイドバーを架設し、上記
拡布反運搬車から上方へ取り出された立上り布帛
の向きを上記のガイドバーで水平に変えて布帛処
理機に供給し、上記ガイドバーの下方に少なくと
も２台の拡布反運搬車を直列に並置し、双方の布
帛を接続して一方が空になつたときに他方から直
ちに布帛が引上げられるようにしたものが知られ
ている。

しかしながら、従来の布帛処理機の布帛導入装
置は、立上り布帛の向きを変えるためのガイドバ
ーが位置を固定されているため、拡布反運搬車の
取扱いが困難であつたり、布帛の張力変動が大き
くなつたりする等の欠点があつた。すなわち、ガ
イドバーの直下に拡布反運搬車を置き、この拡布
反運搬車から布帛を引上げる場合は、布帛の張力
変動が比較的少ない反面、この拡布反運搬車が空
になるのと同時に次の拡布反運搬車と位置を入れ
換えなければならず、拡布反運搬車の監視が必要
であると共に上記運搬車の入れ換え作業に熟練を
必要とし、また布帛の幅が異なる場合はクロスガ
イダの位置修正も行なう必要があるため、上記の
入れ換え作業には更に迅速性が要求され、特に布
帛の処理が高速化されるとその困難性が著しく増
大していた。他方、２台の拡布反運搬車のほぼ中
間がガイドバーの直下に位置するように上記の拡
布反運搬車を並置した場合は、一方が空になつた
ときに拡布反運搬車を入れ換える必要がない反
面、立上り布帛の水平面に対する傾斜角度が減少
して布帛の張力変化が増大し、そのため布帛処理
機が染色機の場合には布帛の振動によつて染液槽
の染液が飛散し、この染液が、この染液に浸漬さ
れる前の布帛に付着し、染色むらの原因になつて
いた。

この考案は、布帛の張力変動が少なく、しかも
拡布反運搬車の入れ換え作業を必要としない布帛
処理機の布帛導入装置を提供するものである。

すなわち、この考案は、拡布反運搬車が置かれ
る床面上方に立上り布帛の向きを変えるためのガ
イドバーを設けた布帛処理機の布帛導入装置にお
いて、上記床面の上方に左右１対のガイドレール
を水平に設け、この左右のガイドバー間に車輪を
介して上記のガイドバーを前後進自在に支架し、
このガイドバーの両端部に、上記ガイドレールと
平行に張設されて可逆モータで駆動される左右１
対のエンドレスチエーンを連結し、上記ガイドバ
ーの下方に左右１対のエプロンを介し、ガイドバ
ーに対する立上り布帛の前後位置検出用の布帛フ
イーラを取付け、上記立上り布帛の前後位置に応
じて上記の可逆モータを正転または逆転させて下
方の拡布反運搬車の上方に上記ガイドバーを移動
するようにしたことを特徴とする布帛処理機の布
帛導入装置である。

以下にこの考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第１図において、１は床面、２は拡布反運搬
車、Ｆは拡布状の布帛であり、図の右方に染色機
等の布帛処理機（図示されていない）が設置され
ている。上記の床面１に立設した支柱３、および
天井（図示されていない）から垂下された吊り枠
４により、左右１対のガイドレール５，５（第２
図参照）が上記拡布反運搬車２，２の上方に架設
される。なお、左右のガイドバー５，５の前後両
端は、ステー６，６で接続されている。

第２図において、左右のガイド５，５の後部
（第２図の右方）には駆動軸７が回転自在に支架
され、この駆動軸７に減速機付きの可逆モータ８
がカツプリグ９によつて接続され、またガイドレ
ール５，５の前部には従動軸１０が支架され、こ
の従動軸１０および上記の駆動軸７がその左右の
軸端に固定したチエーンスプロケツト１１，１２
および左右１対のエンドレスチエーン１３，１３
によつて連動される。

上記左右のガイドレール５，５上には、それぞ
れ車輪１４，１４が転動自在に載置されており
（第３図参照）、左右の車輪１４，１４間に円筒状
のガイドバー１５の端部が回転自在に支持され、
このガイドバー１５の端部が車輪１４の外方に突
出する軸端１５ａに連結金具１６が固定され、こ
の連結金具１６に前記のエンドレスチエーン１３
が連結される（第５図参照）。なお、第５図にお
いて、１７は、エンドレスチエーン１３の張力調
整用のターンバツクルである。そして、第１図〜
第３図に示すように、上記ガイドレール５の上方
に複数個の「コ」の字形のブラケツト１８を介し
て車輪押さえ１９がガイドレール５と平行に、か
つ車輪１４の上面との間に微小な隙間が形成され
るように架設され、その一方の車輪押さえ１９の
前後両端に支持金具２０によつてリミツトスイツ
チ２１が取付けられる（第３図よび第４図参照）。

上記ガイドバー１５の左右には、車輪１４の若
干内方に位置して方形の板状のエプロン２２が固
定されており、その一方のエプロン２２の上縁に
突片２２ａが突設され、ガイドバー１５がガイド
レール５に沿つて前後に移動したときに突片２２
ａがリミツトスイツチ２１の作動レバー２１ａに
当接するようになつている。左右のエプロン２２
間には、ガイドバー１５の下前方および下後方に
位置してフイーラ軸２３ａ，２３ａが回転自在に
支架され、このフイーラ軸２３ａに細長い板状の
布帛フイーラ２３の上縁が固着され、一方のエプ
ロン２２の外方へ突出する左右のフイーラ軸２３
ａ，２３ａの端部に、それぞれかぎ形レバー２
４，２４が固定され、上記布帛フイーラ２３が一
定角度傾斜したとき、上記一方のエプロン２２に
固定されているリミツトスイツチ２５，２５の作
動レバー２５ａ，２５ａを押圧するようになつて
いる。上記前後のフイーラ軸２３ａ，２３ａ、リ
ミツトスイツチ２５，２５は、ガイドバー１５の
前端部１５ｂ（第４図参照）を通る鉛直線に対し
てほぼ対称に設けられる。

なお、第１図および第２図において、駆動軸７
の後方にスイベルテンシヨンバー２６およびガイ
ドバー２７が設けられる。

上記の構造において、第１図に示すように、ガ
イドバー１５が前後のストロークの後端に位置
し、その直下に位置する拡布反運搬車２から布帛
Ｆを引上げているとき、この状態では立上り布帛
Faが前後の布帛フイーラ２３，２３に接触する
ことなく上昇し、ガイドバー１５は静止してい
る。上記の拡布反運搬車２が空になり、前方（第
１図の左方）に拡布反運搬車２から布帛Ｆが引上
げられると、鉛直線に対する立上り布帛Faの傾
斜角度が大きくなり、第４図に示すように立上り
布帛Faが布帛フイーラ２３に接してこれを持上
げ、かぎ形レバー２４を回動させてリミツトスイ
ツチ２５の作動レバー２５ａを押圧し、可逆モー
タ８を駆動し、エンドレスチエーン１３，１３を
介してガイドバー１５を前進させる。そして、ガ
イドバー１５が前方の拡布反運搬車２の直上に達
したとき、エプロン２２の突片２２ａが車輪押さ
え１９の前端に位置するリミツトスイツチ２１の
作動レバー２１ａに接して上記の可逆モータ８の
駆動を停止する。なお、この間に布帛フイーラ２
３は旧位置に復帰する。そして、上記前方の拡布
反運搬車２の布帛Ｆが引取られている間に、後方
の空の拡布反運搬車２が布帛Ｆを満載した拡布反
運搬車２と交換され、反末が続される。上記前方
の拡布反運搬車２が空になると、後方の布帛フイ
ーラ２３およびリミツトスイツチ２５が作用して
ガイドバー１５が後退し、所定位置に達すると車
輪押さえ１９上の後方のリミツトスイツチ２１が
作動して上記ガイドバー１５が停止する。

以上に説明したようにこの考案は、拡布反運搬
車から上方へ引出される立上り布帛を案内するた
めにその上方に設けられるガイドバーをガイドレ
ールに沿つて前後に移動できるようにし、上記布
帛ガイドへ向かう立上り布帛の位置を検出して拡
布反運搬車の直上に上記ガイドバーを自動的に移
動するようにしたものであるから、布帛の張力変
動を最小にすることができ、しかも拡布反運搬車
が空になつたときの入れ換え作業を容易にし、拡
布反運搬車の監視作業を不要とし、更に布帛の幅
が変更されたときのクロスガイダの位置修正も容
易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の側面図、第２図は
第１図の平面図、第３図は要部の垂直切断正面
図、第４図は第３図の−線断面図、第５図は
第３図の−線断面図である。 １：床面、２：拡布反運搬車、５：ガイドレー
ル、８：可逆モータ、１３：エンドレスチエー
ン、１４：車輪、１５：ガイドバー、２２：エプ
ロン、２３：布帛フイーラ、Ｆ：布帛、Fa：立
上り布帛。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 拡布反運搬車が置かれる床面の上方に立
   上り布帛の向きを変えるためのガイドバーを設
   けた布帛処理機の布帛導入装置において、上記
   床面の上方に左右１対のガイドレールを水平に
   設け、この左右のガイドレール間に車輪を介し
   て上記のガイドバーを前後進自在に支架し、こ
   のガイドバーの両端部に、上記ガイドレールと
   平行に張設されて可逆モータで駆動される左右
   １対のエンドレスチエーンを連結し、上記ガイ
   ドバーの下方に左右１対のエプロンを介し、ガ
   イドバーに対する立上り布帛の前後位置検出用
   の布帛フイーラを取付け、上記立上り布帛の前
   後位置に応じて上記の可逆モータを正転または
   逆転させて下方の拡布反運搬車の上方に上記ガ
   イドバーを移動するようにしたことを特徴とす
   る布帛処理機の布帛導入装置。 〔２〕 布帛フイーラがガイドバーに接近してそ
   の前下方および後下方にそれぞれ揺動自在に垂
   下されており、対応するリミツトスイツチを開
   閉するものである実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の布帛処理機の布帛導入装置。 〔３〕 エプロンに固定した突起片が、ガイドレ
   ールの前部および後部の近くにそれぞれ固定さ
   れているリミツトスイツチに接触してガイドバ
   ーの停止位置を制御する実用新案登録請求の範
   囲第１項または第２項記載の布帛処理機の布帛
   導入装置。