JPS6332447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、可動シーブを含むプーリー、特にベ
ルトを掛装するプーリーの有効径を変化させベル
トの走行速度を無段に変化させて動力伝達するベ
ルト式の無段変速機に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、可動シーブを軸方向への移動によつて
プーリーの有効径変化でベルトの走行速度を変え
ることは既に知られており、この可動シーブはこ
れに設けたベアリングケースをレバーやカムで押
して軸上に移動させ固定シーブとの間隙を調節す
る形態となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この従来の構造では、シーブ移動用のベアリン
グケースはレバーやカムでその一部が押されて移
動操作するため操作部材がかたむきベアリングケ
ースを片押し状態となり押圧操作に支障があるほ
か軸受の寿命が著しく短くなつて問題があつた。
特にカム方式の場合ハンドルを廻して送りネジを
介して変速ガイドのテーパのあるカム部が、ベア
リングケースを押すことで移動シーブを軸方向に
移動させる際に、送りネジ、変速ガイド、取付用
の固定部材、モータなどがゆがんで取付いている
場合にはベアリングケースが片押し状態となるこ
とが多く短時間に使用不能となるおそれがあつ
た。

本考案は、これら従来の欠点を適確に除去し可
動シーブ移動用の軸受に均等荷重を与えるように
し構成組立容易であり円滑な操作が可能で、しか
も寿命を著しく長くして耐久性を大幅に向上でき
る変速機を構成簡単で安価な形態で提供すること
を目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、回転軸１に固定シーブ２と可動シー
ブ３とを対として備え、該可動シーブ３を回転軸
１上にスライダ４で移動させて変速させる無段変
速機において、前記スライダ４が前記回転軸１の
軸心線延長上にあるハンドル軸１０に形成したス
クリユー５に螺合したユニバーサルジヨント部６
を介して片押しによる偏荷重を吸収しうるように
連結配備されていることを特徴とする無段変速機
である。

〔実施例〕

本考案の実施例をモータＡの原動軸に回転軸１
を直結した例について説明すると、回転軸１に固
定シーブ２と可動シーブ３とを備え、該可動シー
ブ３にベアリングケース８を設け、これにピン９
でスライダ４を連結してある。このスライダ４は
前記回転軸１の軸心線延長上にあるハンドル軸１
０に形成したスクリユー５に螺合したユニバーサ
ルジヨント部６に偏荷重が吸収できるように嵌着
連結してある。該ユニバーサルジヨント部６とし
ては外周面を曲面例えば断面円弧面に形成したリ
ング状のカラーまたはナツトでその中心孔にスク
リユーネジを形成して前記スクリユー５に噛合さ
せ、ハンドル軸１０上に移動できるようにし片押
しによる偏荷重に対しては軸長手方向に傾向きを
許すように曲面上に摺動して吸収できるようにし
てあり、回転軸１の軸方向には空転しないようキ
ー溝７₁内でキー７止めされている。即ち、ユニ
バーサルジヨント部６をスライドネジ部となるス
クリユー５に設けることにより固定筒１１が傾い
た状態で取付いていても移動筒のスライダ４はベ
アリングケース８を均等に押すことが可能にす
る。

この場合ハンドル軸１０を保持する固定筒１１
が、本体に直接又はカバー２４を介して取付けら
れるとき本体に傾いて取付けられた場合にもスラ
イダ４が、ベアリングケース８を傾けて押すと軸
受が片押し状態となり異常な力がかかることにな
るが、スライダ４にユニバーサルジヨント部６を
挿入しスライダ４と固定筒１１の間に固定筒１１
が傾いても許容可能な隙間を設けておけばスライ
ダ４はベアリングケース８にそうことになり軸受
に異常な力がかからなく均等な力を受け止めたり
押すことが出来る。

図中１２はハンドルでハンドル軸１０に固定さ
れ、移動量の目盛１３を備えている。１４はギ
ヤ、１５はピニオン、１６は軸受、１７はベル
ト、１８は従動軸、１９は減速機、２０は従動固
定シーブ、２１は従動可動シーブ、２２はバネ、
２３はバネ受、２４はカバーである。

しかして、前記可動シーブ３を移動させて変速
させる際ハンドル１２を廻しハンドル軸１０を廻
すことによりユニバーサルジヨント部６を介して
スライダ４が軸方向へ移動しベアリングケース８
を押すことにより軸受８₁を介して強制的に原動
側の可動シーブ３をスライドさせベルト１７を固
定シーブ２と可動シーブ３とで形成されているＶ
溝部を上下させることにより従動側の可動シーブ
２１を開閉させプーリーのピツチダイヤを変化さ
せ変速させることができる。

〔考案の効果〕

本考案は、スライダ４が前記回転軸１の軸心線
延長上にあるハンドル軸１０に形成したスクリユ
ー５に螺合したユニバーサルジヨント部６を介し
て片押しによる偏荷重を吸収しうるように連結配
備されていることにより可動シーブを移動させ変
速させる変速機構において、軸受に均等荷重が与
えられ、かつ片押しによる軸受の偏荷重を吸収す
るユニバーサル機構を介在させたこととなり、固
定筒、カバー、本体、またはモータなどの取付が
多少傾いて取付けられていても移動される軸受に
は異常スライスト荷重が働かず軸受の寿命にバラ
ツキがなくなり格段の寿命向上となるし、変速操
作も円滑で振動吸収も可能で静粛な運転ができる
し、取付組立も簡単で厳格な取付精度も必要がな
く製作容易である等の実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図は正面図、第３図は使用状態の一部切
断側面図、第４図はその一部切欠正面図である。 １……回転軸、２……固定シーブ、３……可動
シーブ、４……スライダ、５……スクリユー、６
……ユニバーサルジヨント部、７……キー、８…
…ベアリングケース、９……ピン、１０……ハン
ドル軸、１１……固定筒、１２……ハンドル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 回転軸１に固定シーブ２と可動シーブ３とを
   対として備え、該可動シーブ３を回転軸１上に
   スライダ４で移動させて変速させる無段変速機
   において、前記スライダ４が前記回転軸１の軸
   心線延長上にあるハンドル軸１０に形成したス
   クリユー５に螺合したユニバーサルジヨント部
   ６を介して片押しによる偏荷重を吸収しうるよ
   うに連結配備されていることを特徴とする無段
   変速機。 ２ 前記ユニバーサルジヨント部６が、外周面を
   曲面に形成したリング状のカラーであつて、中
   心孔内面にスクリユーネジを備えたものである
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の変速機。 ３ 前記ユニバーサルジヨント部６が、前記スラ
   イダ４に空転しないようにキー７止めされて装
   備されているものである実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載の変速機。 ４ 前記スライダ４が、前記可動シーブ３に設け
   た軸受８₁のあるベアリングケース８にピン９
   で連結されている移動筒であつて、ハンドル軸
   １０上に移動するものである実用新案登録請求
   の範囲第１項〜３項のいずれか一つの項記載の
   変速機。