JPS633155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はウエハーの加熱処理装置に関するもの
である。

ウエハーとは、シリコン又は化合物半導体の基
板、及びこれらの基板上に半導体装置製造上必要
なエピタキシヤル膜、絶縁膜及び電極配線、その
他の要素を配置したものを指す。半導体装置の製
造においては、拡散、不純物のドープ又はイオン
注入後の熱処理などの目的の下にウエハーを高温
で熱処理することが行なわれる。この場合、従来
のウエハーの加熱処理装置は、横型石英管内に多
数のウエハーを垂直に配列しうるように、またド
ーパントガスなどを横方向に管内を流しうるよう
に、構成されたものであつた。ところが、ウエハ
ーが４インチ以上に大口径化されるに伴い、ウエ
ハーホルダー全体の重量が増し、ウエハー出入れ
の時にホルダーにより石英反応管が著しく摩擦さ
れるようになり、石英粉等の摩擦により生じた微
粒子がウエハー中に取り込まれ、清浄な雰囲気を
保てずウエハー処理歩留りを低下させる結果とな
つた。

上記の石英管とホルダーとの摩擦による石英粉
末の飛散の問題については、一般的な横型拡散炉
の本質的な問題点であり、特公昭42−21443号公
報にみられる様な縦型の拡散炉であれば、石英管
９は縦に配置されており、ホルダーは下側の開放
端から、挿入されるので、石英管とホルダーとは
非接触となし得るから、上記の粉末飛散は避けら
れる可能性があるが、大型のウエハーを立てて配
置したのみでは、支持が困難であり、自重による
反りや結晶歪みが解決できない。

もつとも、特公昭44−22928号公報、特公昭44
−7646号公報、特公昭44−17664号公報、特公昭
46−41847号公報等にみられる様なCVD装置等で
は発熱体であるカーボン体の側壁にウエハーをセ
ツトする方式もあり、一回での処理枚数は多くで
きそうであるが、一枚のウエハーが６〜８インチ
と大型化している所においては、これらのウエハ
ーを側壁にセツトするカーボン発熱体、ペルジヤ
ー型容器等巨大なものとなる。又、大型ウエハー
を一枚一枚発熱体にセツトするのは、処理時間の
長大化につながる。

縦型の拡散炉で処理効率を上げる一方法とし
て、特開昭52−65662号公報ではウエハーホルダ
ーを連結式として、下から上へ押し上げる工程の
中で熱拡散を終了させようとする方法が提案され
ている。しかし、ここでのウエハーの保持は、各
ホルダは箱形で、複数のウエハーをこの箱内に積
重ねるものであるから、密閉されているとみてよ
く、ガス拡散は実施できないし、又、酸化膜の生
成、CVDは当然ながら実施できない。

更に、拡散処理時は、各ウエハーホルダーは連
結であるが移動しなければならず、各ホルダー間
で機械的接触が避けられない。

本考案者等は、ウエハーホルダーによる微粒子
の発生を完全に防止できしかも拡散・不純物のド
ープ又はイオン注入後の熱処理等の加熱処理を従
来と同様に行ないうる装置について研究を行な
い、縦型の装置をベースとし、多数のウエハーを
同時に、効率的に処理するウエハー加熱装置を完
成した。すなわち、本考案は、下端が開放され、
上端にガス導入口を持つ管体をほぼ鉛直に配置し
てなる容器、該容器の外周に設けた、所定均熱長
を具現する加熱装置、該容器の開放端側から上記
均熱長範囲にウエハーホルダーを出し入れするた
めの、該ウエハーホルダーと機械的に一体化した
出し入れ棒体、該出し入れ棒体に取付けられ該ウ
エハーホルダーの昇降に連動する蓋とを有し、該
ウエハーホルダーは、ウエハー裏面を露出して前
記の鉛直方向に対して水平もしくは斜めに支持す
るための爪状の支持部と、該支持部を前記鉛直方
向にて間隔をおいて支持するための支持枠より構
成され、前記蓋は、前記ウエハーホルダーが前記
均熱長範囲に位置するときに前記容器の下端に当
接する様に取付けられていることを特徴とする。

以下、本考案の具体例を図面により説明する。

第１図において、加熱処理装置の本体を構成す
る容器１は石英管などの管体をほぼ鉛直にセツト
したものであり、容器１の管体の一部、すなわち
この具体例では下端に蓋２が設けられている。ド
ーパントガスによる不純物の拡散又は熱酸化等の
場合には、ガスの入口１ａ及び出口１ｂがそれぞ
れ容器の上下に具備される。上記蓋２にはウエハ
ーホルダー３が固着されており、ウエハーホルダ
ー３の昇降に蓋２が連動し、またウエハーホルダ
ー３は多数のウエハー４を保持してこれを加熱処
理装置の容器１の中に装入せしめている。図面か
ら明らかなようにウエハーのホルダー３は容器１
の内面と接触していないために、後述のウエハー
挿入又は取出しのとき、これら１及び３の間に摩
耗による微粒子が全く発生しない。また、ウエハ
ー４は水平に保持されているが、必ずしもこれら
に限らず、ガス流（矢印）との接触が均一に行な
われるならば斜めに保持されていてもよい。さら
に、加熱処理装置の容器本体の周りには、図示の
具体例では、ヒータ５が配設されており、ウエハ
ー４を所定の温度に加熱するようになつている。

次に、第２図によりウエハー４の装入及び取出
しを説明する。

ウエハーのホルダー３を蓋２と一緒に下向きに
下降させると、ウエハー４は、容器１の内壁面と
一定の間隔を保ちながら外部に取り出されるの
で、これらの摩擦による微粒子が全く生じないこ
とが理解されよう。これとは逆にホルダー３を蓋
２と一緒に上向きに上昇させると、全く摩擦を伴
わないでウエハー４のセツトが完了する。ウエハ
ーホルダー３が均熱長範囲に位置するときは、蓋
２は容器１の下端に当接するように取付けられて
いる。

続いて、ウエハーの支持方法について第３図及
び４図に基づいて説明する。

第３図は１枚のウエハー４及びホルダーの支持
部６の平面図である。この図面から分かるよう
に、支持部６は半円環状を呈しそこから延び出た
３本の爪６ａによりウエハー４を下側から支持す
るのでウエハー４の下側が露出される。

ウエハー４の支持部がウエハー４の全面を支持
すると、特に１回で50〜100枚のウエハーを処理
する場合該支持部の熱容量が大きくなつて昇温、
降温に時間がかかり、加熱処理が非能率になる。
これに対して爪６ａによりウエハー４を支持する
と、１回当り50枚〜100枚と多量処理を行なつて
も、比較的急速昇温降温が可能となる。

上記装置の主要寸法は、４インチウエハーの場
合は容器１の内径が140〜160〔mm〕、長さ1000〜
2000〔mm〕が好ましい。この装置によると、１回
で50〜100枚のウエハーを同時に処理することが
できる。

以上の説明から理解されるように、本考案はホ
ルダーと容器の摩擦による微粒子が全く生ぜず、
しかも大型ウエハーのそり等を伴なうことなく、
拡散等の処理を従来と同様に行ないうる具体的構
成を提供したものであり、その意義は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る加熱処理装置
の縦断面図。第３図はウエハーのホルダーの支持
部を示す図面である。 １……容器、２……蓋、３……ホルダー、４…
…ウエハー、５……ヒーター、６……ホルダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端が開放され、上端にガス導入口を持つ管体
   をほぼ鉛直に配置してなる容器、該容器の外周に
   設けた、所定均熱長を具現する加熱装置、該容器
   の開放端側から上記均熱長範囲にウエハーホルダ
   ーを出し入れするための、該ウエハーホルダーと
   機械的に一体化した出し入れ棒体、該出し入れ棒
   体に取付けられ該ウエハーホルダーの昇降に連動
   する蓋とを有し、該ウエハーホルダーは、ウエハ
   ー裏面を露出して前記の鉛直方向に対して水平も
   しくは斜めに支持するための爪状の支持部と、該
   支持部を前記鉛直方向にて間隔をおいて支持する
   ための支持枠より構成され、前記蓋は、前記ウエ
   ハーホルダーが前記均熱長範囲に位置するときに
   前記容器の下端に当接する様に取付けられている
   ことを特徴とするウエハーの加熱装置。