JPS6331493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は活線状態の幹線に分岐線を接続する
活線用コネクターに関するものである。

従来この種のコネクターは固定側本体の空洞部
に孔を介してボルトを挿入せしめ、このボルト先
端を螺着、貫通せしめた可動側本体を上記空洞部
内で上下させて、該ボルトを締め付けると固定側
本体と可動側本体の夫々一側に設けた相対する電
線把持溝が接近し、これらに幹線及び分岐線を挾
持して幹線と分岐線を締め付け、接続するもので
ある。

ところでかかる接続は活線状態で行なわれるた
め、安全性を考慮してホツトステイツクを用いて
作業されるが、これがために上記ボルトの締め付
け作業の間は常に幹線と分岐線を固定側本体と可
動側本体の電線把持溝内に保持しておかなければ
ならず、煩雑で熟練を要するものであつた。

一方分岐線を予めコネクターの固定側本体又は
可動側本体に接続固定して、しかる後にこれをホ
ツトステイツクにより幹線へ取付けるという接続
手順、作業を採つても、分岐線を伴うコネクター
を幹線に取付けることは困難を要し、作業能率の
低さも否めない。

この考案は従来コネクターを使用しての幹線と
分岐線の接続作業における上記問題点を解消した
もので、幹線受座の形状に工夫を凝らし、かつス
プリングを利用することにより幹線への仮接続固
定を容易にし、さらに分岐線挿入ガイドを設ける
ことによつて分岐線挿入に際してもこれを飛躍的
に容易ならしめたことを特徴とする。

しかも後述するようにラツパ状の分岐線ガイド
と組み合わせて使用すれば、従来とは比較になら
ない程、迅速でかつ安全な活線状態における幹線
と分岐線との接続作業を可能にするものである。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
ると、１はコネクターの固定側本体で一側に突腕
２を有し、この突腕２は上面の適宜箇所に分岐線
挾持溝２ａが穿設され、この分岐線挾持溝２ａを
挾んで上面両側部夫々上方に相互に間隔をあけて
突出、対峙する分岐線挿入ガイド３，４を有し、
分岐線挾持溝２ａに納置挿入する分岐線を導くよ
うに夫々テーパー３ａ，４ａが分岐線挿入ガイド
３，４の内側に先細りとなるように対向して施さ
れている。５は固定側本体１の空洞部で上記突腕
２上方の固定側本体１の上面及び突腕２側が切欠
されていて、この空洞部５内にはスプリング６が
可動受座７、受座８によつて圧縮されるように嵌
入されていて、この可動受座７及び受座８は空洞
部５内に嵌入自在であり上下にスライドする。可
動受座７、受座８は共に相対する幹線挾持溝７
ａ，８ａを夫々適宜箇所に有し、さらに幹線を挿
入しやすいように夫々先細りとなるテーパー７
ｂ，８ｂを内側に施した幹線挿入ガイド７ｃ，８
ｃを外方両側端に有し、可動受座７下面には、分
岐線挾持溝２ａと相対する分岐線挾持溝７ｄが穿
設されている。受座８上方内部にはナツト９が一
体に埋設されていて、その下端には受座８を貫通
する孔１０が穿たれ、一方可動受座７にもこれを
貫通する孔１１が穿たれているが、孔１１は縦断
面が平行四辺形になるようにやや斜めに穿たれ、
この孔１１周辺にスプリング６の一端が係止され
る。１２はボルトでバネ座金１３、平座金１４及
び固定側本体１下端に穿たれた孔１５を貫通し、
さらにスプリング６の内周を通過し、可動受座７
に穿たれた孔１１、受座８に穿たれた孔１０をも
貫通して最後にナツト９の螺孔にて螺着されてい
る。

この考案に係る活線用コネクターは以上の如き
構造であり、まずボルト１２を充分にゆるめると
可動受座７がスプリング６の伸張によつて上方へ
押し上げられ可動受座７下端と突腕２及び分岐線
挿入ガイド３，４との間に大きく空隙がつくられ
る。而して接続しようとする幹線１６に幹線挿入
ガイド７ｃ，８ｃのテーパー７ｂ，８ｂの間を当
接せしめ、そのまま固定側本体１を押し込むと幹
線挿入ガイド７ｃが下方へ下がり、第３図に示す
如く可動受座７と受座８の間が開口し、さらにそ
のまま押し込むと、スプリング６の伸張力によつ
て挾持力を有する幹線挾持溝７ａ，８ａが該幹線
１６を挾持する。すなわち幹線１６にコネクター
が仮接続固定されたのである。この状態で分岐線
１７を第４図に示す如く分岐線挿入ガイド３，４
に沿つて分岐線挾持溝２ａに納置させてボルト１
２を締め付けてゆけば、受座８が可動受座７を下
方へ押しながら降下して、可動受座７下面の分岐
線挾持溝７ｄが分岐線１７を押え込み、第５図に
示す如く幹線１６と分岐線１７との接続が完了す
るものである。

このようにこの考案に係る活線用コネクターを
用いると、幹線１６に予めコネクターを仮接続固
定し、然る後に分岐線１７を該コネクターに取付
けるという接続作業手順を踏むことになるが、幹
線１６へ仮接続固定の際は、テーパー７ｂ，８ｂ
を有する幹線挿入ガイド７ｃ，８ｃにより幹線挾
持溝７ａ，８ａへの幹線１６の挿入が極めて容易
であり、挿入後はスプリング６の伸張力により該
幹線１６は、はずれたり、ずれたりすることなく
仮接続固定できる。またさらに分岐線１７の取付
けに際しても、この考案に係るコネクターに接続
する作業は地上からホツトステイツク等を介して
行うが、既にコネクターは幹線１６へ仮固定され
ているので極めて作業し易く、そのうえ接続しよ
うとする分岐線１７も分岐線挿入ガイド３，４に
よつて常に定位置すなわち分岐線挾持溝２ａに挿
入、納置することができる。

さらにこの考案に係る活線用コネクターはラツ
パ状の分岐線ガイド１８と併用することにより、
一層能率的に接続作業が行える。

第６図に示す如く既存のコネクター取付工具１
９のソケツト部２０外周から突設した固定台２１
にラツパ状の分岐線ガイド１８を取付ける。ラツ
パ状の分岐線ガイド１８はその一側に大きく開口
したラツパ形状の穴１８ａを有している。

而してその接続手順はコネクター取付工具１９
を使つて幹線１６をコネクターの幹線挾持溝７
ａ，８ａで挾持せしめてこれにコネクターを仮接
続固定し、その後分岐線１７を仮把持ステイツク
２２で把持してこれを上記穴１８ａに挿入し、分
岐線ガイド１８の他側の穴１８ｂより突出せしめ
る。従つて予め穴１８ｂをコネクターの分岐線挾
持溝２ａの延長線上にくるようにラツパ状の分岐
線ガイド１８を固定台２１に設置しておけば、穴
１８ｂから突出した分岐線１７は直ちに分岐線挾
持溝２ａに納置されることになる。後はソケツト
部２０を回せばコネクターのボルト１２が締め付
けられて幹線１６と分岐線１７の接続が行なえ
る。かかる如き簡易、迅速な接続作業は従来の活
線用コネクターでは到底実現不可能なものであ
る。従つてこの考案に係る活線用コネクターは、
上記ラツパ状の分岐線ガイド１８と併用した場合
作業能率を飛躍的に向上せしめることは言うまで
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る活線用コネクターの一
部断面図、第２図は平面図、第３図、第４図は使
用状態を示す側面図、第５図は使用状態を示す正
面図、第６図、第７図はラツパ状の分岐線ガイド
との併用による使用状態を示す斜視図である。 なお図中１は固定側本体、２は突腕、２ａは分
岐線挾持溝、３，４は分岐線挿入ガイド、５は空
洞部、６はスプリング、７は可動受座、７ｃは幹
線挿入ガイド、８は受座、８ｃは幹線挿入ガイ
ド、９はナツト、１２はボルト、１６は幹線、１
７は分岐線である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面適宜箇所に分岐線挾持溝を穿ち、さらにこ
   の分岐線挾持溝を底部とする略Ｖ字形の溝を形成
   する二つの分岐線挿入ガイドを有する突腕を一側
   に設けた固定側本体の空洞部に、前方に突出する
   幹線挿入ガイドとこれに続く幹線挾持溝を夫々有
   する可動受座及び受座の一端を嵌入自在に設ける
   と共に、上記各幹線挿入ガイドは対向して両者で
   略Ｖ字形に前方に開口する如く形成され、一方固
   定側本体に穿たれた孔及び前記空洞部内の可動受
   座一端に穿たれた孔を夫々遊貫するボルトの先端
   を上記受座に螺着、貫通せしめ、さらに空洞部内
   には可動受座と固定側本体間にスプリングを介在
   させたことを特徴とする活線用コネクター。