JPS6331232Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープレコーダ特に携帯用の小型カ
セツトテープレコーダにおけるイジエクト機構の
改良に係わる。

先ず、本考案の説明に先立ち、従来のカセツト
式テープレコーダにおけるイジエクト機構の一例
につき第１図及び第２図を用いて述べる。同図に
おいて、１はイジエクトレバー、２は走行操作レ
バー（例えば早送りレバー、巻戻しレバー又は定
速走行レバー等）を示し、夫々の端部には押釦３
及び４が設けられ、各レバー１及び２はその各長
溝５に係合せる固定ピン６を案内にして夫々長手
方向に移動可能に配される。７は走行操作レバー
２によつて矢印方向Ａに応動する応動レバーであ
り、例えばレバー２に形成した傾斜部８がレバー
７に一体のピン９に当接され、走行操作釦４を操
作したとき傾斜部８をして応動レバー７が第２図
の如く左方向に移動するようになされている。こ
の応動レバー７には阻止部１０が一体に設けら
れ、走行操作釦４を操作しない状態では第１図に
示すように阻止部１０がイジエクトレバー１の先
端に対向せずイジエクト釦３の操作が可能となり
且つイジエクト釦３が操作された状態ではイジエ
クトレバー１の側部に応動レバー７の阻止部１０
が対応し、走行操作釦４の操作が阻止される（点
線図示）。又走行操作釦４を操作した状態では第
２図に示すように阻止部１０がイジエクトレバー
１の先端に対向しイジエクト釦３の操作が阻止さ
れる。なお、１１，１２及び１３は夫々レバー
１，２及び７に介装した復帰発条である。

ところで、このようなイジエクト機構において
は、上述の如く走行操作釦４が操作された（押し
込まれている）状態ではイジエクト釦３は操作で
きないが、誤まつて双方の押釦３及び４を同時に
操作したとき或いはイジエクト釦３を操作したま
ま強く走行操作釦４を操作したときにはどちらか
のレバー１又は７が破損する可能性がある。即
ち、携帯用の小型カセツトテープレコーダの場合
には片手操作が可能なようにイジエクト釦３及び
走行操作釦４が互に近接して配されるために、誤
まつて同時に或いは前後して両押釦３及び４を操
作したときには各レバーの板厚がより薄く形成さ
れているので、破損の可能性が生ずる。

本考案は、上述の点に鑑み、特にイジエクト釦
を操作した状態で誤つて走行操作釦を強く操作し
てもイジエクト機構部が破損するを回避できるよ
うにしたテープレコーダを提供するものである。

以下、第３図及び第４図を用いて本考案による
テープレコーダを説明しよう。なお、同図は第１
図及び第２図と同様にイジエクト機構部のみを示
す。

第３図において、１はイジエクトレバー、２は
これと平行するように配された走行操作レバー
（例えば早送りレバー、巻戻しレバー又は定速走
行レバー等）を示し、両レバー１及び２の端部に
は夫々互に近接するように押釦３及び４が設けら
れる。イジエクトレバー１及び走行操作レバー２
は夫々その長溝５に固定のピン６を係合して長手
方向に移動し得るように形成され、常時は復帰発
条１１及び１２によつて不操作位置（実線位置）
に持来される。７は走行操作レバー２に関連して
両レバー１及び２の操作方向と直角の方向に応動
する応動レバーであり、本例では走行操作レバー
２の先端の傾斜部８をレバー７と一体の係合ピン
９に当接し、走行操作レバー２を操作したとき傾
斜部８で係合ピン９が押されることによつて、応
動レバー７がその長溝５内に係合した固定ピン６
に案内されて矢印方向に移動するようになされ
る。１３は復帰発条である。一方、イジエクトレ
バー１の一側には之に近接した位置に応動レバー
７に関連してイジエクトレバー１の移動を禁止す
る禁止レバー１６が枢軸１５を中心として回動可
能に配される。又イジエクトレバー１の一側には
この禁止レバー１６の１の回動位置において、禁
止レバー１６と係合する係止部１４が一体に設け
られる。さらに禁止レバー１６と応動レバー７と
の間には弾性体が介装される。本例では禁止レバ
ー１６の一端に板バネの如き弾性体１７が取付け
られ、その弾性体１７の遊端が応動レバー７の端
部１８に当接される。禁止レバー１６には偏倚発
条１９が介装され、之によつて常時禁止レバー１
６はイジエクトレバー１の係止部１４と係合せざ
る実線図示位置に保持される。

かかる構成において、イジエクト釦３及び走行
操作釦４共に操作されていない第１図の実線図示
の状態より点線図示の如く走行操作釦４を操作す
ると、この走行操作レバー２によつて応動レバー
７が矢印方向（図の右側）に移動されると共にそ
の応動レバー７の端部１８によつて弾性体１７を
介して禁止レバー１６が発条１９に抗して回動
し、禁止レバー１６の端部がイジエクトレバー１
の係止部１４に係合される（点線図示）。従つて、
このように走行操作釦４を操作して走行操作レバ
ー２が動作位置にある状態においては、イジエク
ト釦３を操作しようとしても、イジエクトレバー
１の係止部１４が禁止レバー１６の端部に衝合し
てイジエクト釦３は操作できない。次に、第４図
に示すように走行操作釦４が操作されない状態で
は禁止レバー１６がイジエクトレバー１の係止部
１４と対向せざる位置にあるために、イジエクト
釦３を操作することが出来る。そして、このイジ
エクト釦３が操作された状態で、誤つて第４図の
実線図示の如く走行操作釦４を操作したときに
は、禁止レバー１６はイジエクトレバー１により
その回動が阻止されるも、弾性体１７がたわむこ
とによつて走行操作レバー２の操作に伴う応動レ
バー７の右方向への移動が可能となり、イジエク
ト機構部の破損が回避される。

上述せる如く、本考案によれば、簡単な構成に
よりテープ走行操作時のイジエクト防止を確実に
すると共に、イジエクト操作時に走行操作釦を誤
操作してもイジエクト機構部の破損が有効に回避
されるものであり従つて、特にイジエクト釦及び
走行操作釦が近接配置され、片手操作を可能とし
た携帯用の小型テープレコーダに適用して好適な
らしめるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテープレコーダにおけるイジエ
クト機構の平面図、第２図はその動作状態図、第
３図は本考案のテープレコーダにおけるイジエク
ト機構の平面図、第４図はその動作状態図であ
る。 １はイジエクトレバー、２は走行操作レバー、
７は応動レバー、１６は禁止レバー、１７は弾性
体である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 イジエクト釦の操作に連動して動作位置と非動
   作位置との間を移動するイジエクトレバーと、 走行操作釦の操作に連動して動作位置と非動作
   位置との間を移動する走行操作レバーと、 上記走行操作レバーの移動に応じて移動される
   応動レバーと、 上記応動レバーに係合した弾性体を一体に有
   し、かつ応動レバーの移動に応じて該弾性体を介
   して上記イジエクトレバーの動作位置への移動を
   禁止する禁止位置と該移動を禁止しない非禁止位
   置との間を移動する禁止レバーとを備えて成るテ
   ープレコーダ。