JPS63306824A - 電解加工による仕上げ加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、電解加工による仕上げ加工方法に係り、特
に三次元形状等からなる加工物の加工面と非加工面との
境界部分に垂れ等の発生がなく、鏡面状の光沢面を短時
間かつ高精度に仕上げ加工する電解加工による仕上げ加
工方法に関する。

［従来の技術］ 従来の金属加工方法としては、加工に供される加工物と
電極との間隙に硝酸ナトリウムや塩化ナトリウム等の電
解液を満たし、この電解液を高速で流すとともに、安定
した電解作用を阻害する電解生成物、すなわち溶出した
金属化合物や金属イオン及び水素ガス等を除去しながら
、直流電流を加工物から電極に流して加工する電解加工
方法（特開昭６１−７１９２１号公報及び特開昭６０−
４４２２８号公報参照）と、加工物と電極とを灯油系等
の加工液中で微小間隙をもって対向させ、かつこれらを
適宜の電源に接続して、前記間隙に瞬発する火花放電や
過渡アーク放電を発生させ、該放電エネルギーにより加
工物を加工する放電加工方法（特公昭６０−２６６４６
号公報及び特開昭６０−１７７８１９号公報参照）が知
られている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、前者の電解加工方法にあっては、特に三
次元形状の底付き加工（凹窩状に形成された三次元構造
のものに対する加工をいう）において、加工物に電極の
精密な転写を行うことが困難で、高精度の表面品質が得
られないという不都合があり、また、後者の放電加工方
法にあっては、良好な面粗度を得ることが困難で、例え
ば鏡面仕上げ等の表面仕上げに多くの時間と労力を要す
るという不都合があった。

そこで、本出願人はこれらの不都合を除去する電解加工
による仕上げ加工方法として、特願昭６２−２７６１８
号を出願したが、この仕上げ加工方法にあっては、加工
物と電極とを所定間隙で対向させ、この加工物と電極と
を静止した電解液中に浸漬して加工物を仕上げ加工して
いる。

ところが、加工物には、例えば取り付は基準面となる加
工を行わない非加工面と、鏡面状の光沢面を必要とする
加工面とがあるが、上記の加工方法にあっては、加工物
全体を静止した電解液中に浸漬して加工を行うため、非
加工面と加工面との境界部分において、加工が非加工面
まで進行し、境界部分にいわゆる「垂れ」が発生すると
いう不都合があった。

また、特開昭５６−９５５３５号公報に開示の如く、加
工物の非加工面を流通する電解液に誘電性電解液を混入
させて、非加工面に電気絶縁層を形成して加工する電解
加工方法も知られているが、このような加工方法を仕上
げ加工に適用した場合、電解液に混入する誘電性液が仕
上げ面の表面品質を著しく低下させるという不都合があ
り、静止した電解液中での電解加工方法には全く採用し
得ないものであった。

［発明の目的］ そこでこの発明は、上記不都合を除去し、特に三次元形
状等の加工物の加工面と非加工面との境界部分に「垂れ
」等の発生がなく、鏡面等の光沢面を短時間かつ高精度
に仕上げ加工する電解加工による仕上げ加工方法を実現
するにある。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するためにこの発明は、静止した電解液
中で加工物と電極とを対設し、この加工物と電極間にパ
ルスを供給するとともに、前記加工物と電極間に生成し
た電解生成物を間欠的に除去しながら仕上げ加工する仕
上げ加工方法において、前記加工物の加工を行わない非
加工面に予めシート状の絶縁部材を貼着して仕上げ加工
を行うことを特徴とする。

［作　用］ この発明の構成によれば、加工物の加工を行わない非加
工面に、予め粘着絶紗テープ等のシート状の絶縁部材を
貼着して仕上げ加工を行うため、この絶縁部材により非
加工面が電解加工されることがなく、非加工面と加工面
の境界部分に「垂れ」等の発生がない。また、静止液中
での加工であるため、絶縁部材が仕上げ加工中に剥がれ
ることもなく、加工終了後は非加工面から簡単に引き剥
がすことができる。

［実施例］ 以下、図面を参照してこの発明の実施例を詳細かつ具体
的に説明する。

・　第１〜３図は、この発明の一実施例を示す。図にお
いて、１はこの発明に係る仕上げ加工方法を実施し得る
加工装置で、この加工装置ｌは、仕上げ加工される加工
物２を固定する加工物固定装置３、電極４を固定する電
極固定装置５、電極駆動部６の回転運動を往復運動に変
換する駆動変換部７、パルス電流を発生する電源装置８
、モータ駆動制御部９と加工条件制御部１０と電解液流
制御部１１とからなる制御装置１２、加工物２に関する
データ等を入力する入力装置１３、電解液濾過装置１４
、加工槽１５等からなる。

前記加工物固定装置３は、絶縁性の高いグラナイトもし
くはセラミックスからなるテーブルで、例えば放電加工
によって加工された加工物２をポルＨ６等により固定す
る。また、前記電極固定装置５は、その下部に設けたロ
ッド１７の下端に、例えば純銅からなり前記放電加工時
に使用した電極４を、その電極面４ａと前記加工物２の
加工面２ａとが三次元方向に一様な間隙１８を保つよう
に固定する。そして、前記電極固定装置５は、前記電極
駆動部６と駆動変換部７とにより前記間隙１８を所定値
に設定すべく上下動する。すなわち、電極駆動部６０ロ
ータリーエンコーダ２０とタコジェネレータ２１からの
信号により前記制御装置１２のモータ駆動制御部９から
出力される制御信号により、モータ１９を回転制御し、
このモータ１９の回転運動を駆動変換部７により往復運
動に変換して、前記電極固定装置５を上下動させ、電極
面４ａと加工面２ａとを所定の間隙１８に設定する。

前記加工物２と電極４間に電流密度（単位面積当りの平
均電流）が７０Ａ／ｃｍ２以下のパルス電流を供給する
電源装置８は、加工条件制御部１０からの制御信号によ
り、加工物２０表面積に従って計算した所定の電流密度
のパルス電流を発生するもので、変圧器と整流器とから
なり直流電流を得る直流電源部２２、複数個の蓄電器と
放電及び放電スイッチとからなる充放電部２３、電圧及
び電流比較器とゲート回路等とからなる充放電制御部２
４とを有している。

また、前記制御装置１２の加工条件制御部１０は、前記
蓄電器の充電電圧を設定する充電電圧設定部、所定時間
幅のパルスを発生するパルス発生部、放電する電荷の電
流波形を設定する電流波形設定部、加工条件等を演算・
処理する演算・処理部（ＣＰＵ）等を有している。

前記入力装置１３は、加工物の材質と表面積、仕上げ加
工しろと寸法精度の等級、仕上げ面粗度及び初期電極間
隙等を人力し、これらの各信号を制御装置１２のモータ
駆動制御部９及び加工条件制御部１０に出力する。

前記電解液濾過装置１４は、加工で生じた電解生成物を
含む電解液２８を濾過するもので、電解液流制御部１１
からの制御信号に基づいて、加工槽１５へ電解液２８を
一定の液圧で供給するとともに、加工中に加工面２ａと
電極面４ａ間に生成した電解生成物等を排除するために
、ｌパルスまたは数パルス毎に上昇動作する電極４と同
期して加工物２と電極４間に新鮮な電解液２８を噴出す
る如く電磁弁２９等を制御する。

次に、この装置による仕上げ加工方法について説明する
。

まず、例えば放電加工によって所望形状に加工した加工
物２の加工を行わない非加工面２ｂに粘着絶縁テープ等
のシート状の絶縁部材２５を貼着する。そして、この加
工物２を加工物固定装置３に固定するとともに、電極固
定装置５のロッド１７の下端に前記放電加工時に使用し
た電極４を固定し、この電極４を下降してその電極面４
ａを、加工物２の加工面２ａに対向接触させるとともに
電解液２８内に浸漬する。この位置を原点Ａとし初期電
極間隙を保つ位置に電極４を上昇し、電解液２８が加工
面２ａと電極面４ａ間に満ち電解液２８が静止（電解液
の動き・流れが停止した状態をいう）したら、そこを加
工原点として加工を開始する。

仕上げ加工の前期には、加工条件制御部１０の制御信号
により、電源装置８から例えばパルスのオン時間が１０
ｍ５ｅｃ以下のパルス電流を加工物２と電極４間に供給
する。これにより、加工面２ａ素材が溶出する。所定の
パルス電流を１回ないし数回供給した後、モータ駆動制
御部９の信号によりモータ１９を駆動して電極４を上昇
させ、電極面４ａを加工面２ａから部間させる。この部
間により、加工面２ａと電極面４ａ間の電解生成物を電
解液２８とともに電解液濾過装置１４の電磁弁２９等の
動作により排除する。

電解生成物を排除した後は、電極４が下降し、電極面４
ａが加工面２ａに接触する。これにより、前記原点Ａと
現位置とを制御装置１２て比較して加工１回（１パルス
または数パルス毎の加工）当りの加工深さを測定する。

その後、前記加工面２ａと電極面４ａが所定の間隙１８
を保つように電極４が再び上昇し、加工Ｊ？ｊｌＳ内の
電解生成物を含まない電解液２８を加工面２ａと電極面
４ａ間に満たすとともに、電解液２８が静止する１〜５
秒後にパルス電流を供給して次の加工を行う。なお、加
工層１５には１回ないし数回の電解加工で生成した電解
生成物とともに排除する電解液２８を補うように、電解
液濾過装置１４のクリーンタンクから新鮮な電解液２８
が供給される。

このように、所定の間隙１８を設けて対向した加工面２
ａと電極面４ａとの間に電解液２８を満たし、電解液が
静止した状態で加工物２と電極４との間に１０ｍ５ｅ、
ｃ以下の所定のパルス電流を供給して、加工面２ａ素材
を電解液２８内に溶出させた後、加工面２ａと電極面４
ａ間に生成した電解生成物を排除し、再び電極面４ａを
加工面２ａに接触させることにより、加ニー回当りの加
工深さを測定し、その値を累積するという一連の工程を
制御装置１２の信号により所定回数繰り返す。

前記加工深さの累積値が、入力装置１３で入力された入
力データに基づいて加工条件制御部１０で計算した加工
深さの設定値と比較し、加工深さ累積値が加工深さ設定
値に対し、所定の差（例えば１μｍ）以内になった時に
、前記加工条件制御部ｌＯの制御信号により、電源装置
８のパルスを電流密度が仕上げ加工前期の電流密度の３
／２を越える電流密度、例えばパルスのオン時間が１５
〜６０ｍ５ｅＣと長いパルス電流に切換える。そして、
この電流密度のパルス電流で前述したと同様の方法によ
り所定回数の加工を行い、加工が終了後、絶縁部材２５
を非加工面２ｂから引き剥がしで全ての仕上げ加工を終
了する。

このように、この発明に係る電解加工による仕上げ加工
方法にあっては、仕上げ加工開始前に予め非加工面２ｂ
に絶縁部材２５を貼着して仕上げ加工するため、非加工
面２ｂが加工されることがなく、加工面２ａと非加工面
２ｂとの境界部分に「垂れ」の発生等がなく、また、静
止液中での加工であるため、加工中に絶縁部材２５が剥
がれることもなく、良好な表面品質の取り付は基準面で
ある非加工面２ｂ及び加工面２ａを得ることができる。

また、加工装置１に、所望形状に加工された加工物２と
電極４とを取付け、仕上げ条件等を入力装置１３により
入力して起動すれば、鏡面状の光沢面が無人で短時間に
得られ、その表面は、内部応力の蓄積や金属組織の変化
もないし、機械的亀裂の侵入といった変質も全く見られ
ず、加工前の熱処理品質も損なわれることがない等、現
在の金型加工で最も省力化が遅れている仕上げ加工分野
で、品質向上と機械化に大きな効果が得られる。

なお、この発明は、金型加工分野に限らず、半導体生産
のシリコン単結晶やガリウムヒ素基材の仕上げ加工、及
び磁気記憶装置のアルミニュウム・ディスクの単結晶ダ
イヤモンドによる鏡面加工等のように、機械的加工によ
る表面の僅かな内部応力が問題となっている分野での仕
上げ加工にも応用することができる。また、自動搬送装
置と組み合せて、量産されるハイポイド・ギヤー等の熱
処理後の仕上げ加工に用いることも勿論可能である。

［発明の効果コ 以上詳細に説明したように、この発明に係る電解加工に
よる仕上げ加工方法にあっては、静止した電解液中で加
工物と電極とを対設し、この加工物と電極間にパルスを
供給するとともに、前記加工物と電極間に生成した電解
生成物を間欠的に除去しながら仕上げ加工する仕上げ加
工方法において、前記加工物の加工を行わない非加工面
に予めシート状の絶縁部材を貼着して仕上げ加工を行う
ようにしたので、加工物の非加工面を加工するこ・とが
なく、非加工面と加工面の境界部分の「垂れ」の発生等
を防止でき、また、電解液が静止した状態での仕上げ加
工であり、加工中に絶縁部材が剥かれることがないため
、良好な表面品質の非加工面及び加工面を得ることがで
きる。また絶縁部材を非加工面に貼着し、加工後はこれ
を引き剥がすだけでよくその作業も容易であり、高精度
かつ微小面粗度の鏡面状光沢を呈した三次元金属表面を
短時間に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を実施する仕上げ加工装置を示す正面
図、第２図は同装置の側面図、第３図は同装置の概略構
成図である。 ｌ・・・加工装置、２・・・加工物、２ａ・・・加工面
、２ｂ・・・非加工面、４・・・電極、８・・・電源装
置、１２・・・制御装置、１５・・・加工槽、２５・・
・絶縁部材。 特許出願人　　静岡製機株式会社 代表者　鈴　木　重　夫 第１閏 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 静止した電解液中で加工物と電極とを対設し、この加工
   物と電極間にパルスを供給するとともに、前記加工物と
   電極間に生成した電解生成物を間欠的に除去しながら仕
   上げ加工する仕上げ加工方法において、前記加工物の加
   工を行わない非加工面に予めシート状の絶縁部材を貼着
   して仕上げ加工を行うことを特徴とする電解加工による
   仕上げ加工方法。