JPS6330519Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は分割中子型に接着剤を付着させる装置
に関する。

従来より、中空部を有する鋳造品を製造するに
はその中空部の形状に対応する中子型を主型に収
めて鋳造することが行なわれている。この中子型
の製造においてはその形状またはその製造法など
に依存して予め分割型をそれぞれ製造し、しかる
のちこれら分割型を接着剤で接着して最終的な中
子型とすることがしばしば行なわれている。とく
にシエルモールド法による中子型の製造において
は、その製法上分割型をつくり、これを接着して
中子型とすることが通常である。

かかる分割中子型の接着は、従来油差しなどに
接着剤を入れ、これを手で分割型に塗布して接着
を行なつていた。しかしかかる手作業で接着剤を
塗布するのは煩瑣であり、かつ接着剤を均一な厚
さに塗布しがたい。

しかるに本考案者は、従来の手作業による接着
剤の塗布作業を機械化すべく鋭意研究を重ねた結
果、本考案の装置に到達した。

すなわち本考案は、接着剤を収容する固定され
た槽、水平に保持されて、該槽の接着剤中に浸漬
された状態と接着剤から引き上げられた状態の２
位置間を上下に移動される板部材であつて、接着
剤を付着させる方の分割型の接着剤付着面から外
れる位置に板部材の接着剤中への浸漬または引き
上げを容易にするための複数の孔が穿たれている
板部材、および前記槽の側方に配置され、該板部
材を片持ちで支持しかつこれを上下移動させる手
段、および前記槽の上方に配置された上下動可能
な押圧手段からなり、前記板部材を接着剤中に浸
漬された状態から引き上げることによりその表面
に接着剤層が形成され、そのうえに接着剤を付着
させる方の分割型を載置し、かつ前記押圧手段を
下降させて押圧することによつて分割型に接着剤
を付着させるように構成されてなることを特徴と
する分割中子型に接着剤を付着させる装置に関す
る。

つぎに図面を参照して本考案の装置を説明す
る。

第１図は本考案の装置の一実施例を示す概略断
面図である。１は接着剤を収容する槽であり、該
槽１には接着剤２、たとえばマシン油に粉末状の
フエノール樹脂を分散したものなどが入れられて
いる。３は接着剤槽１の支持台である。４は接着
剤槽１に浸漬されるように構成されている板部材
であり、５は接着剤槽１の側方に配置され、該板
部材を上下に移動させるためのエアシリンダであ
り、板部材４はエアシリンダ５のプランジヤ６に
支持部材７、連結部材８などを介して水平に取付
けられ、片持ちで支持されている。板部材４はエ
アシリンダ５を作動させることにより接着剤槽１
の接着剤２中に浸漬された状態と接着剤２から引
き上げられた状態の２位置間で上下に移動される
ように構成されている。

つぎに本考案の装置により分割中子型に接着剤
を付着させる方法を説明する。

第２図に示されるごとく、エアシリンダ５を作
動させて板部材４を下降させ、接着剤２中に浸漬
させる。つぎに第３図に示されるごとく、エアシ
リンダ５を作動させて板部材４を上昇させると板
部材４の表面に接着剤層９が均一に形成され、そ
のうえに分割中子型の上型１０ａを載置すると上
型１０ａの下面に接着剤が付着される。かくして
接着剤の付着された上型１０ａを第４図に示され
るごとく下型１０ｂに合わせて接着を行なうと中
子型がえられる。

しかして本考案においては、板部材４を接着剤
中に浸漬したのち引き上げることによりその上面
に接着剤層が均一に形成され、そのうえに中子型
の分割型の一方を載置することにより分割型に接
着剤を一度に付着せしめることができ、しかも板
部材４の上下運動をエアシリンダ５で自動的にで
きるから、従来の手作業による接着剤の塗布法に
くらべて接着剤の付着作業がきわめて簡便かつ迅
速に行なわれかつ接着剤が均一に付着されるので
分割型の接着が良好に行なわれる。

本考案において用いる板部材４にはこれの接着
剤中への浸漬または引き上げを容易にするために
複数個の孔が穿たれている。ただし該孔は分割型
の接着剤付着面から外れる位置に設ける必要があ
る。

さらに本考案においては、第３図に示されるご
とく接着剤槽１の上方に上下動可能な押圧手段を
配置し、板部材４の上面に形成された接着剤層９
上に分割型１０ａを乗せたのち、該押圧手段を下
降させて分割型１０ａに圧力をかけるようにして
ある。このようにすることによつて、分割型１０
ａの自重が軽いばあいであつても、接着剤が均一
に付着される。押圧手段としてはたとえばエアシ
リンダ、油圧シリンダ１１のプランジヤ１２の先
端に押圧片１３を取付けたものが使用される。

板部材４を上下移動させる手段としては前述の
エアシリンダ５を含めたガス圧シリンダあるいは
油圧シリンダなどの液圧シリンダなどが用いられ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例を示す概略断
面図、第２〜３図は第１図に示される装置を用い
て中子型の分割型に接着剤を付着させる工程を示
す部分断面図、第４図は接着剤の付着された分割
型を接着して中子型にする状態を示す断面図であ
る。 図面の主要符号、１：接着剤層、２：接着剤、
４：板部材、５：エアシリンダ、１０ａ，１０
ｂ：分割型。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接着剤を収容する固定された槽、水平に保持さ
   れて、該槽の接着剤中に浸漬された状態と接着剤
   から引き上げられた状態の２位置間を上下に移動
   される板部材であつて、接着剤を付着させる方の
   分割型の接着剤付着面から外れる位置に板部材の
   接着剤中への浸漬または引き上げを容易にするた
   めの複数の孔が穿たれている板部材、および前記
   槽の側方に配置され、該板部材を片持ちで支持し
   かつこれを上下移動させる手段、および前記槽の
   上方に配置された上下動可能な押圧手段からな
   り、前記板部材を接着剤中に浸漬された状態から
   引き上げることによりその表面に接着剤層が形成
   され、そのうえに接着剤を付着させる方の分割型
   を載置し、かつ前記押圧手段を下降させて押圧す
   ることによつて分割型に接着剤を付着させるよう
   に構成されてなることを特徴とする分割中子型に
   接着剤を付着させる装置。