JPS6328568Y2

JPS6328568Y2 -

Info

Publication number: JPS6328568Y2
Application number: JP10996581U
Authority: JP
Priority date: 1981-07-23
Filing date: 1981-07-23
Publication date: 1988-08-02
Also published as: JPS5874308U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、磁気チヤツク、詳しくは、磁性体か
らなる作業物や加工物などを磁気的に結合して固
定するために使用される磁気チヤツクに関する。

磁気チヤツクは、周知のように、磁石を利用
し、この磁石の磁極から発生する磁力により磁性
体からなる作業物や加工物などを磁気的に結合し
て固定するものであり、一般に磁石を有していて
作業物などを磁気的に吸着する磁気吸着力を発生
する磁気プレートと、この磁気プレートの磁石か
ら発生する磁力線の磁路の形成を制御することに
より作業物などとの磁気的結合を解除したり、又
は形成する磁路形成プレートとを有している。そ
して、この磁路形成プレートの上記磁気プレート
に対する対応部の位置を少しずらすように相対的
に摺動移動させることにより、上述した磁路の形
成を制御している。従つて、このためには、上述
したように、磁路形成プレートを磁気プレートに
対して円滑に摺動できることが必要であるが、従
来、この摺動が円滑でないため、作業物などとの
磁気的結合を解除したり、形成する操作が滑らか
でないという欠点があつた。

本考案の目的は、上記従来の欠点を除去するた
め、磁気プレートと磁路形成プレート間の接触部
の接触摺動移動を円滑にした磁気チヤツクを提供
するにある。

以下、本考案を図示の実施例により説明する。

第１図及び第２図に示す本考案の磁気チヤツク
は、下方部に位置する磁気プレート１と、この磁
気プレート１の上面上に接触して相対的に摺動移
動可能に載置された磁路形成プレート２とを有し
ている。磁気プレート１は、縦方向に積層して形
成された複数の磁性体層３，４，５，６の各間
に、夫々複数個の永久磁石７を分布設置して埋設
した非磁性体層８，９，１０が配設されている。
また、磁気プレート１の上面上に配設されている
磁路形成プレート２は、下側に配設されている磁
気プレート１の各層に対応するように、磁性体層
１１，１２，１３，１４および非磁性体層１５，
１６，１７が交互に配設されて形成されている
が、この非磁性体層１５，１６，１７の中には、
永久磁石は設けられていない。ここで前記非磁性
体層８に配設される複数の永久磁石７の磁極の向
きは、例えば紙面左側がＮ極、右側がＳ極という
ように全て同一向きにし、以下非磁性体層９に於
いては非磁性体層８の場合とは逆に左側がＳ極、
右側がＮ極となるように配設され、非磁性体層１
０に於いては前記非磁性体層８と同様に配設され
ている。

このように永久磁石７を配設することにより、
磁性体層３，４，５，６端面にはそれぞれＮ，
Ｓ，Ｎ，Ｓの磁極が現れる。

そして、第１図に示すように、磁路形成プレー
ト２の磁性体層１１，１２，１３，１４と磁気プ
レート１の磁性体層３，４，５，６が対向した状
態にあるときに磁路形成プレート２上に磁性体か
らなる被吸着物を載置すると磁気吸着される。第
２図に於て１ａは、プレート２のコの字状部２ａ
に嵌合され、一種のガイドレール部を為すプレー
ト１の上側縁フランジである。

上記磁気プレート１の左上部および磁路形成プ
レート２の左端部には、上記磁路形成プレート２
を磁気プレート１に対して、矢印１８，１９で示
す方向に摺動させるハンドル２０が設けられ、こ
のハンドル２０を矢印２１，２２で示す方向に操
作することによつて磁路形成プレート２が矢印１
８，１９で示す方向にそれぞれ摺動しながら移動
する。そして、例えば、ハンドル２０を矢印２１
で示す方向に操作すると、磁路形成プレート２
は、矢印１８で示す方向に摺動し、第１図におい
てそれぞれ対応している各層の対応の状態が１つ
ずつずれた隣りの層に対応する位置、即ち、磁気
プレート１の磁性体層３に対して磁路形成プレー
ト２の非磁性体層１５が対応し、磁気プレート１
の非磁性体層８に対して磁路形成プレート２の磁
性体層１２が対応し、以下同様に、それぞれの層
４と１６，９と１３，５と１７，１０と１４が対
応する位置にくる。この状態は、永久磁石７から
の磁路が磁性体層３，１２，４、磁性体層４，１
３，５及び磁性体層５，１４，６の間に形成さ
れ、結果として磁路形成プレート２の表面には磁
力線が現れないので被吸着状態となる。また、こ
の非吸着状態からハンドル２０を矢印２２の方向
に操作すると、磁路形成プレート２は矢印１９の
方向に戻つて、図で示す位置で磁気プレート１と
対応し、磁性体層１１，１２，１３，１４の極性
がそれぞれＮ，Ｓ，Ｎ，Ｓとなり吸着状態とな
る。

なお以上は、隣合う被磁性体層に配設される永
久磁石７の磁極の向きを順次逆向きとなるように
配設した実施例を示したが、全ての永久磁石の磁
極を同一の向きになるよう配設してもよい。

その場合は、磁極は磁性体層３及び６の端面の
みに現れるので、大きな吸着物を載置するのに適
している。

このように形成された本考案の磁気チヤツクに
おいては、上記磁石７を埋設している磁気プレー
ト１の非磁性体層８，９，１０および磁気形成プ
レート２の非磁性体層１５，１６，１７、又はそ
の少くとも磁路形成プレート２との接触面部分に
固体潤滑材が混合使用され、上述したように、磁
路形成プレート２を磁気プレート１に対して摺動
しやすいようにしている。そして、この固体潤滑
材としては、MoS₂，WS₂，TiN，Fe₂O₃、黒鉛、
弗化グラフアイト、BN等の摩擦係数の低い固体
摩擦材粒子が体積比で５〜15％混入使用される。
この固体摩擦材が混入される非磁性体層は、主と
して、合成樹脂、セラミツク材又はメタル材など
が使用されている。また、メタル材のものは、黄
銅、CuSn等のメタルにグラフアイトのリングや
粒などを混入もしくは取り付けたり、はめ込ん
で、十分に耐摩性の高いものとしている。更に、
非磁性体層、特に合成樹脂にAl₂O₃，BN，SiC，
Tic，WC等を任意に好ましくは球状としたもの
を混入するようにしても良く、体積比で約20〜60
％の量を混合するようにしたものが実用上有利で
あり、耐摩性も高い。

また、上記磁気チヤツクにおいて、上記両プレ
ート１，２の非磁性体層８，９，１０および１
５，１６，１７に接着剤と合成樹脂、更にはセラ
ミツク等のセメント類を用いた混合物を充てん使
用したり、またはヒラミツクと樹脂との混合物を
充てんしてもよい。

以上説明したように、本考案によれば、非磁性
体層に固体潤滑材が混入されているので、磁気チ
ヤツクを構成している磁気プレートと磁路形成プ
レートとの摺動を円滑に行うことができ、これに
より磁気チヤツクの磁気結合のオン・オフ制御も
容易になつている。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の一実施例を示す磁気チヤツク
で、第２図は側面外観図、第１図は第２図Ｘ−Ｘ
線断面図である。１…磁気プレート、２…磁路形成プレート、３
〜６，１１〜１４…磁性体層、７…磁石、８〜１
０，１５〜１７…非磁性体層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数の磁性体層の間に、複数の磁石を埋設し
た非磁性体層を配設して形成される磁気プレー
トと、上記磁性体層と非磁性体層に対応した磁
性体層と非磁性体層とを有する磁路形成プレー
トとからなり、上記両プレートの上記各層が対
応又は非対応の関係になるように接触摺動させ
て磁気結合力を制御する磁気チヤツクにおい
て、上記非磁性体層に固体潤滑材粒子を混入して
円滑に摺動できるようにした磁気チヤツク。 (2) 上記固体潤滑材として、MoS₂，WS₂，
TiN，Fe₂O₃，黒鉛、弗化グラフアイト、BN
等の摩擦係数の低い粒子を用いた実用新案登録
請求の範囲第１項記載の磁気チヤツク。