JPS6327189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

この考案は、金属波形管の伸縮、湾曲性を保持
し、貫通外傷に対しても流体の逸出を防止し、防
錆、防蝕効果と共に、埋設管として長期に安全性
が保証される金属製可撓管の提供を目的とするも
のである。 従来のこの種の可撓管としては、波形管の外周
壁面をゴム系またはプラスチツク系の被覆層で外
部平担状に埋設したものが考案されているが、特
に、埋設管として使用される場合、釘等の先端鋭
利なものが貫通する場合がある。このような場
合、金属管を貫通した貫通穴は、出口方向におい
て、金属管壁が被覆層をらつぱ状に押し広げた状
態となり復元しないものであるため、釘と金属管
壁間のシール性を保つ事ができない。因つて外周
壁面のみをゴム又はプラスチツクにて被覆して
も、厚さを厚くしても流体の逸出を防止すること
は不可能である。 因つて、波形管の貫通外傷に対しては、各壁部
において、それぞれ侵入部は内側へ凹み、貫通部
はらつぱ状に開く状態となるため、侵入部のみな
らず貫通部においてもシール性を発揮するように
する必要があり、従つて、外側被覆と内側被覆の
両面被覆が必要となるものである。 すなわち、薄肉鋼管からなる波形管の内外両面
の谷部及び山部を充填するように柔軟なゴム系封
止層を設け、外面封止層の外側には、プラスチツ
ク部材の外側保護層を設ける事を特徴とする構成
体とするものである。なお該構成体を湾曲して用
いる場合には、特に湾曲時の応力を分散するため
にプラスチツク保護層を、波形に積層した構成体
とする事が好ましい。また、管内を流れる流体に
よつては内面封止層の内側に流体によつて膨潤等
を生じない内側保護層を設ける事が好ましい。 上記の構成において、波形管の内外の谷部及び
山部が柔軟なゴム系封止層にて充填されているた
め、釘等が貫通した場合、侵入方向において、図
示のごとく充分なシール性を発揮することが出
来、また、プラスチツク保護層を波形に積層する
事により湾曲においては適当な伸縮性が得られ、
平均的に分散した円滑な表面状態を形成するもの
である。 なお、封止層は、特に柔軟なゴム状材料が使用
されるため、機械的、物理的性質および耐油性等
の化学的性質においては不充分であるため、特
に、外側部には、これらの性質においてすぐれる
プラスチツク部材を保護層として使用し、封止層
を長期に不変の状態に内蔵させ、この考案の金属
製可撓管の著しい耐久寿命の増大を得るように構
成するものである。 次に、例示の図面に基づいて、この考案の態様
を具体的に説明する。 第１図は、この考案の金属製可撓管の一例を示
す部分断面図、第２図は、第１図の部分断面図に
おける釘の貫通部を示したもので、第３図は、こ
の貫通部の状態を拡大して示したものである。 第４図は、従来の金属製造可撓管の部分断面
図、第５図は、第４図に釘が貫通した状態を示し
た部分断面図である。 この考案の構成は、波形管を外側被覆OCと内
側被覆ICによつて埋設するもので、外側被覆は
封止層と保護層からなり主として内側被覆は封止
層により形成されるものであり、必要に応じて保
護層が併用される。従来例は、外側被覆のみから
形成されているものである。 図において、１は波形管、２は内面封止層、３
は外面封止層、４は外側保護層であり、内面封止
層２および外面封止層３は、柔燃なゴム系物質が
使用され、充分な封止能を有するものであり、保
護層には、強度が大きく、クリープの小さい、寸
法安定性、化学的性質および耐熱的性質、耐低温
性にすぐれたプラスチツク部材が使用される。 第２図は、釘５が上部から下部に貫通した場合
の位置を一点鎖線で示したもので、その位置にお
ける釘５の貫通状態は第３図の拡大断面図に示す
とおりであり、図において、１Ｐは釘侵入部で、
可撓管の壁部における外側上部と内側下部の２か
所に形成され、PPは貫通部で、外側下部と内側
上部の２か所に形成される。その貫通による金属
製可撓管の状態は第３図の拡大図に示すように、
その封止状態は、侵入方向において、内面封止層
２と外面封止層３のそれぞれの侵入方向において
シールされるため、流体の逸出が防止されるもの
である。 従来の可撓管の場合は、第４図、第５図に示す
ように、外側被覆OCのみであるため、外側下部
の貫通部PPは波形管の壁部がらつぱ状に押し広
げられ、開口状態となり、釘５と金属管壁間のシ
ール性を保つ事ができなくなり、流出状態が形成
され、流体の逸出を防止することは不可能であ
る。 次に、外側のみを被覆した従来の金属製可撓管
とこの出願の金属製可撓管との漏洩比較試験を行
なつた結果を第１表に示す。 試験は、あらかじめ釘を貫通した金属製可撓管
を水槽中に入れ、可撓管内部へ圧力空気（最高
500mmAq）を導入して漏洩状態を観察したもので
ある。

【表】 上表のとおり、従来の可撓管は釘貫通部PPに
おいて、100mmAqで空気漏れを生起するものであ
つたが、本考案では500mmAqの圧にても完全に漏
洩が防止された。現在使用されている天然ガス、
都市ガス、LPGガスの圧力は50〜300mmAqであ
り、従来の可撓管では安全性の保証は得られない
が、この考案の構成では充分な保証が得られるも
のであつた。 以上説明のとおり、この考案の金属製可撓管
は、金属製波形管の内外両面の谷部及び山部を柔
軟なゴム系封止層にて充填し、ゴム系封止層の外
面にプラスチツク保護層を設けた構成のため、柔
軟なゴム系封止層が保護され、長期に封止能を発
揮し、外傷によつて金属製可撓管が破損した場合
でも充分なシール性が保持され、長期に円滑な流
体流れが保証される。また、防錆、防蝕効果と共
に、特に、埋設管として、高度の安全性を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の金属製可撓管の一例を示
す部分断面図、第２図は、この考案の金属製可撓
管における釘の貫通位置を一点鎖線で示す部分断
面図、第３図は、釘の貫通部の拡大断面図、第４
図は、従来の金属製可撓管の部分断面図、第５図
は、従来の金属製可撓管における釘の貫通状態を
示す部分断面図である。 １……波形管、２……内面封止層、３……外面
封止層、４……外側保護層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 薄肉鋼管からなる波形管の内外両面の谷部お
   よび山部を充填するように柔軟なゴム系封止層
   を設け、該外面封止層の外側にはプラスチツク
   部材の外側保護層を設けた金属製可撓管。 (2) プラスチツク外側保護層を波形に積層した実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の金属製可撓
   管。