JPS6327112Y2

JPS6327112Y2 -

Info

Publication number: JPS6327112Y2
Application number: JP1982154023U
Authority: JP
Priority date: 1982-10-13
Filing date: 1982-10-13
Publication date: 1988-07-22
Also published as: JPS5958797U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、遠心送風機、遠心圧縮機等の遠心式
ターボ形空気機械の翼車構造の改良に関する。

第１図に、従来の遠心送風機の翼車構造の一例
を示すが、主軸１にスプラインやキーで取付けら
れた翼車１０は、特に大型送風機等の場合、翼
４、側板５及び主板６が、鋼板等の板材で製作さ
れる。そして、主板６とデイスク２は、リベツト
７や溶接等の固着手段で接合されて、遠心力及び
所要トルク、流力的な力を伝達するようになつて
おり、デイスク２はケーシング８に組込まれ、主
軸１は軸シール９を介して外部に貫通している。
この場合、大流量となるに従い、翼４のスパンが
長大となり、遠心力場においては、第２図の点線
で示す如く、翼４及び側板５の変位を、主板６及
びデイスク２が拘束するために、主板６とデイス
ク２との接合部には、大きな曲げ応力が作用す
る。従つて上障従来の遠心送風機の翼車構造で
は、該接合部には遠心力による引張り応力と、曲
げ応力が複雑にからみ合つた強大な応力が作用す
ることになり、破損を招くおそれがあるという欠
点があつた。

本考案は、上記従来の遠心送風機の翼車構造の
欠点を解消し、主板とデイスクの接合部に、上記
のような強大な応力の作用することのない遠心送
風機等の遠心式ターボ形空気機械の翼車構造を提
供することを目的として提案されたもので、遠心
式ターボ形空気機械において、主軸に取付けられ
たデイスクと、主板との接合部を、それら部材
に、その周方向に沿つて、等間隔毎に、少なくと
も３個所に設けられた放射方向にのみ自由度を有
する長穴と、同長穴に嵌挿される結合ピンとから
なる結合手段で接合してなることを特徴とする遠
心式ターボ形空気機械の翼車構造に係るものであ
る。

以下、第３図乃至第５図に示す実施例により、
本考案につき具体的に説明する。

なお、図示例は、本考案を、遠心送風機の翼車
に適用した場合を示す。

第３図において、２は遠心送風機の主軸にスプ
ラインまたはキーで取付けられたデイスク、６は
該デイスク２に取付けられた翼車の主板で、それ
ら部材の構成、作用及び相互の関係構造は、主板
６とデイスク２との接合部構造を除いて、上記従
来の遠心送風機の翼車構造のものとほぼ同様であ
る（均等部分には同一符号を付してある）。１８
は翼車の主板６に、その周方向に沿う同一円周上
に中心があるように、通常等間隔毎に、少なくと
も３個穿設されたピン孔で、それら各ピン孔１８
は、主板６の放射方向にのみ自由度を有する長穴
に形成されている。なおピン孔１８は他の構造物
との関係で等間隔にできない場合には、必ずしも
等間隔にする必要はなく、ほゞ等間隔に設ける。
１７は主板６を、その各ピン孔１８を介してデイ
スク２に取付ける結合ピンで、該結合ピン１７
は、主板６の各楕円形ピン孔１８に挿入され、そ
の先端部はデイスク２に、主板６のピン孔１８に
対応して設けられた孔に密嵌されるとともに、ナ
ツト１７ａが締め付けられていて、主板６をデイ
スク２に結合している。この場合、ピン孔１８
と、結合ピン１７との間に、主板６の放射方向に
隙間がある関係で、主板６の放射方向の変位は、
該隙間の範囲で許容されるが、主板６の周方向に
は、ピン孔１８と結合ピン１７とは密に接してい
る関係で、主板６は周方向には変位できないよう
になつている。

そして上記結合ピン１７と、ピン孔１８で主板
６とデイスク２との接合部を結合する結合手段を
形成している。

本考案の遠心送風機の翼車構造の一実施例は、
上記のように構成されており、遠心送風機の運転
が開始されると、トルク及軸推力等の流力的な力
は、結合ピン１７によつて主板６とデイスク２の
間を伝達されるが、主板６に作用する遠心力によ
る放射方向の変位は、主板６のピン孔１８が放射
方向にのみ自由度を有する長穴なので、結合ピン
１７には伝達されず、主板６は放射方向に変位す
る。また、結合ピン１７とピン孔１８とによる結
合部は、主板６の周方向に沿つて３個所以上設け
てあり、かつピン孔１８が放射方向にのみ自由度
を有する長穴により構成されるので、主板６が放
射方向に変位しても、ピン孔１８が配置されてい
る放射線の中心と主板６の変位する放射線の中心
とは常に回転軸センターに一致する。従つて、遠
心送風機の回転軸センターは常に一定位置に保持
される。

本考案の翼車構造の一実施例は、上記のような
構成、作用を具有するものであるから、本考案に
よれば、 (1) 主板６は放射方向に変位可能であるため、遠
心力による放射方向変位の拘束力を受けない関
係から、主板６とデイスク２との接合部には、
遠心力に基づく引張り応力が作用せず、従つ
て、従来のように該接合部に強大な応力が発生
するようなことがない。

(2) また、デイスク２は、流力的な力（軸推力
等）とトルクを伝達するだけとなるので、従来
に比し構造の大幅な単純化をはかれる。

などの実用的効果を挙げることができる。

なお、上記実施例では、主板６に、その周方向
に沿つて設けたピン孔１８を、主板６の放射方向
にのみ長い長穴とした例を示したが、第５図に示
すように、デイスク２に、その周方向に沿つてほ
ぼ等間隔毎に放射方向の長穴状ピン孔１８を設け
てもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、従来例の略示的説明図で
第１図は縦断面図、第２図は翼の変形態様説明
図、第３図及び第４図は、本考案の一実施例の概
略説明図で、第３図は主板のデイスクへの接合部
の断面図、第４図は第３図の−線断面図、第
５図は本考案のデイスクの他の例の平面図であ
る。２：デイスク、６：主板、１７：結合ピン、１
８：ピン孔。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

遠心式ターボ形空気機械において、主軸に取付
けられたデイスクと、主板との接合部を、それら
部材に、その周方向に沿つて、等間隔毎に、少な
くとも３個所に設けられた放射方向にのみ自由度
を有する長穴と、同長穴に嵌挿される結合ピンと
からなる結合手段で接合してなることを特徴とす
る遠心式ターボ形空気機械の翼車構造。