JPS6325237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、貨物、特に荷役車輌、建設車輌等の
自走式重量貨物の積卸しを簡単容易に行なうよう
にした貨物運搬車輌の荷台に関するものである。

従来より、ブルドーザ、シヨベルローダ等の自
走式重量貨物積卸し運搬するための貨物運搬車輌
の荷台として、荷台自体を傾斜させるものから荷
台の一部を傾斜させるものなど種々の構造のもの
が、提案されている。後者の構造によるときに
は、貨物の積卸しを安定に行なうことができる点
で優れている。その一例を以下に示す。すなわ
ち、荷台は車輌のシヤシフレームに沿つて前後に
移動する水平荷台及びその後端にヒンジ金具で連
結された傾動荷台からなり、傾動荷台を油圧ジヤ
ツキにて水平に支えた状態で油圧シリンダにより
水平荷台を車輌の後方に移動させ、次いで油圧ジ
ヤツキを縮め重量支持用の横板で支えて傾動荷台
をヒンジ金具の部分より下傾させて地面に接地さ
せ、車輌と地面との間に傾動荷台を橋架させて傾
斜路を形成し、該傾斜路を使つて自走式重量貨
物、例えばブルドーザを自力で荷台へ積卸させる
ものである（参考：実開昭56−118137号）。

上記構造によるときには、傾動荷台の姿勢変化
の操作を油圧ジヤツキにて行うため、接地面の凹
凸が問題となり、また、傾動荷台の後縁と横板と
の接地についてもその接地面の凹凸の影響を受け
る。さらに、貨物の積み卸し時に横板に過大な重
量を受けるために強度を必要とする。

本考案の目的は傾動荷台の安定な支持構造を有
する貨物運搬車輌の荷台を提供することにある。

本考案は後端に傾斜面を設けたシヤーシフレー
ムの水平面に沿つて前後に移動する水平荷台と該
水平荷台にヒンジ金具で連結され、前記シヤーシ
フレームの水平面及びこれに続く傾斜面とを案内
面として該水平面および傾斜面上を転動させるロ
ーラを装備した傾動荷台と、該傾動荷台より前後
方向に相対変位可能に懸下させた重量支持用のフ
ート支柱と、前記シヤーシフレームに一端を上下
回動可能に枢支し、他端を前記フート支柱に連結
して該シヤーシフレームに対するフート支柱の関
係位置を一定に保たせる腕とを有し、前記フート
支柱の全長を、傾動荷台の接地の際に、前記腕に
拘束された姿勢で前記フート支柱の下面が接地面
に近接する位置を保つ長さに設定したことを特徴
とする貨物運搬車輌の荷台である。

以下、本考案の一実施例を図面によつて説明す
る。

第１図〜第３図において、貨物運搬車輌のシヤ
シフレーム１はその後端に傾斜面１′を有し、そ
の水平面上には、前後方向に沿つて、第４図に示
す横断面型の一対の案内レール２，２を平行に
敷設する。一方方形状の水平荷台３の下面には
「型の一対の縦桁４，４を各案内レール２，２に
対向して取付け、各縦桁４，４にローラ５，５を
それぞれ取付け、ローラ５，５を各案内レール２
をはさんでその両側部に転動自在に係合させるこ
とによりシヤシフレーム１上に水平荷台３を前後
に移動可能に搭載する。シヤシフレーム１にはシ
リンダ６の本体６ａを取付け、水平荷台３にはシ
リンダ６から突出させたピストンロツド６ｂを連
結する。

第３図において、内側の縦桁４の前端には停止
用貫通孔７，７を対向して設け、これに対応し
て、シヤシフレーム１には貫通孔７側に向けて停
止用ピン９，９を進退自在に設け、さらに両ピン
９，９間に位置してレバー１０をピン１１で軸支
し、レバー１０の両端をそれぞれ連結杆１２，１
２を介してピン９，９に連結し、ばね８でレバー
１０に時計方向への回転力を与える。また、シヤ
シフレーム１にはレバー１０を反時計方向に回動
させる解放部材１３を取付け、解放部材１３を、
ローラ１３ａに懸け渡したロープ１４を介してレ
バー１０に連結する。このピン９，９は解放部材
１３の操作により進退動させ、走行時などの際に
貫通孔７中に挿入し、水平荷台３を第１図に示す
状態に固定するためのものである。

第６図、第７図、第９図において、水平荷台３
の後縁端に傾動荷台１６をヒンジ金具１５により
上下に傾動可能に連結する。該傾動荷台１６に
は、シヤシフレーム１の後端の傾斜面１′と水平
面とを案内面として両者間にわたつてその上面を
転動させるローラ１７，１７を取付ける。また、
傾動荷台１６には、前後方向に配した一対の縦桁
１８，１８を平行に敷設し、該縦桁１８内にロー
ラ１９をそれぞれ転動自在に係合し、該ローラ１
９にフート支柱２０を下向きに垂架し、一対のフ
ート支柱２０，２０間を連結杆２０′で一体に連
結する。尚、水平状態の傾動荷台１６の後部垂直
壁１６ａとフート支柱２０との間には第７図に示
すようにスキマδをもたせてある。シヤシフレー
ム１の後端下面にブラケツト２１を取付け、該ブ
ラケツト２１にそれぞれ腕２２をピン２３で上下
動可能に軸支し、これを後方に延設してフート支
柱２０に一体に連結する。このフート支柱２０は
傾動荷台１６を接地させた際に重量を支えるステ
ーとなるものである。また、各フート支柱２０に
は車輌の走行時にシヤシフレーム１の最後端に係
止してその浮上りを防止する係止部材２４を取付
ける。なお、傾動荷台１６とフート支柱２０との
二点を同時に地面Ｅに接地させることは困難であ
るから、フート支柱２０の長さをδ分だけ短く
し、重量が加えられたときに下降して接地するよ
うにしてある。また、第８図に示すように、フー
ト支柱２０には故障車等を牽引するフツク２５を
溶接する。フート支柱２０のみではフツク２５に
加わる負荷に対して強度的に弱いこともあるの
で、この場合はボデイの末端に負荷を負わせる。

次に本考案の作用について説明する。

貨物の積卸しをするために解放部材１３を操作
してロープ１４によりレバー１０を反時計方向に
回動してピン９，９を孔７，７から引き抜き、荷
台の固定状態を解除する。次にシリンダ６に圧油
を送り込んでその本体６ａとピストンロツド６ｂ
との間を伸長すると、複数のローラ５，５が案内
レール２，２を転動して水平荷台３は傾動荷台１
６とともにシヤシフレーム１上を後方に移動す
る。傾動荷台１６のローラ１７がシヤシフレーム
１の水平面から傾斜面１′上を後方に転動するよ
うになると、ヒンジ金具１５の部分で傾動荷台１
６は下方に折れ曲がり、下向きに傾動して傾斜面
１′の延長上に押し出される。傾動荷台１６は、
最終位置まで押し出されて地面Ｅに着地すると、
第２図に示すように水平荷台３と地面Ｅとの間に
橋架されて傾斜路を形成する。ところで、傾動荷
台１６が押し出されて下傾するに伴つてローラ１
９は縦桁１８に規制され、ローラ１９から垂架し
たフート支柱２０は腕２２に規制されてピン２３
を中心に下向きの円弧運動しつつ下降する。傾動
荷台１６が接地した状態ではフート支柱２０の下
面は前記のように地面よりδだけ上方の位置に保
たれる。この状態でブルドーザ、シヨベルローダ
等の重量貨物を自走させて傾動荷台１６による傾
斜路上を通して水平荷台上に積載する。傾動荷台
１６上を重量貨物を自走させると、その重量によ
つて荷台が下降し、フート支柱２０が接地して上
方の重量を支える。フート支柱２０は、傾動荷台
１６を上方に押し上げてピン２３を中心に反時計
方向に回動しない限り、その上端は傾動荷台１６
に、その下端は地面Ｅに抑え付けられ、しかも腕
２２で位置決めされるから、不動状態に維持され
る。

貨物の積載作業が完了した時点で、シリンダ６
に圧油を供給し、水平荷台３をシヤシフレームの
前方に移動させて傾動荷台１６をシヤシフレーム
１上に水平姿勢になるまで引き上げる。傾動荷台
１６をシヤシフレーム１上に引き上げるにしたが
つてフート支柱２０は上方に持ち上げられ、フー
ト支柱２０が完全に引き上がつた時点でフート支
柱２０の係止部材２４がシヤシフレーム１の最終
端に係合し、これにより傾動荷台１６の後端が走
行時シヤシフレーム１から離脱するのを防止す
る。次に再び解放部材１３を操作してレバー１０
に加えている力を解除すると、ばね８により、レ
バー１０は時計方向に回転してピン９，９が孔
７，７内に嵌合し、荷台がシヤシフレームに固定
される。

また、荷台から重量貨物を卸す場合には前述し
た積込動作と逆の動作を行なうことになる。

以上のように本考案によるときには、シヤーシ
フレームの後部傾斜面を積極的に傾動荷台の誘導
案内面に用いて荷台の押し出しによる移動動作に
関連して接地面の影響を殆ど受けずに傾動荷台の
姿勢転換を自動的に円滑、且つ確実に行うことが
できる。また、フート支柱は重量受ける傾動荷台
の支えになり、傾動荷台を補強し、車輌の重量増
を招くこともなく、車輌の最大積載量を増加させ
ることができる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した貨物運搬車輌の正面
図、第２図は貨物積卸し状態を示す第１図の貨物
運搬車輌の正面図、第３図は水平荷台の平面図、
第４図は第１図の−線断面図、第５図は第３
図の−線断面図、第６図は傾動荷台の平面
図、第７図はフート支柱の部分の拡大図、第８図
は第７図の−線断面図、第９図は第７図の
−線断面図である。 １……シヤシフレーム、３……水平荷台、１５
……ヒンジ金具、１６……傾動荷台、１９……ロ
ーラ、２０……フート支柱、２２……腕。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後端に傾斜面を設けたシヤーシフレームの水平
   面に沿つて前後に移動する水平荷台と該水平荷台
   にヒンジ金具で連結され、前記シヤーシフレーム
   の水平面及びこれに続く傾斜面とを案内面として
   該水平面および傾斜面上を転動させるローラを装
   備した傾動荷台と、該傾動荷台より前後方向に相
   対変位可能に懸下させた重量支持用のフート支柱
   と、前記シヤーシフレームに一端を上下回動可能
   に枢支し、他端を前記フート支柱に連結して該シ
   ヤーシフレームに対するフート支柱の関係位置を
   一定に保たせる腕とを有し、前記フート支柱の全
   長を、傾動荷台の接地の際に、前記腕に拘束され
   た姿勢で前記フート支柱の下面が接地面に近接す
   る位置を保つ長さに設定したことを特徴とする貨
   物運搬車輌の荷台。