JPS6325078Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、工作機械の、垂直な平面上を動作す
るクーラント回収ボツクス内のクーラントを固定
位置にあるクーラントタンク内に回収するクーラ
ントシユートに関する。

〔従来の技術〕

従来の工作機械は、一般に被加工物を加工工具
に対して水平面縦方向ならびに横方向に移動する
と共に垂直軸周りに回動するように構成されてお
り、このため被加工物テーブルの駆動構造が複雑
になり工作機械全体が大型化、重量化している。
このため或る種の工作機械にあつては、被加工物
を水平横方向に移動する代りに加工工具を水平横
方向に移動するようにし、これにより工作機械を
小型化、軽量化するようにしている。

しかしこのようにした工作機械においては、工
具は従来の垂直方向の他に水平横方向に移動する
ので、クーラント回収ボツクスも前記垂直平面内
を移動することになり、この場合、クーラント回
収ボツクスに連結された、フレキシブル管等で形
成されるクーラントシユートの動作が阻害され、
工作機械の機能が損なわれると共に、切粉がクー
ラントシユート内に堆積するということがあつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述したように、従来のクーラントシユート
は、クーラント回収ボツクスが垂直平面内を移動
すると、クーラントシユートの動作が阻害される
と共に切粉がクーラントシユート内に堆積すると
いう欠点があつた。

本考案の目的は、従来のかかる欠点を克服し、
クーラントシユートをお互いに滑動自在に載置さ
れた固定シユートと可動シユートからなる２つの
形断面の直線状シユートで形成することによ
り、クーラントシユートの動作をスムースにする
と共に切粉のクーラントシユート内への堆積を防
止できるようにしたクーラントシユートを提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のクーラントシユートは、クーラントタ
ンクに固定された固定クーラントシユートと、一
端が前記固定クーラントシユート内に滑動自在に
載置され、他端がクーラント回収ボツクスに回動
自在に取付けられた可動クーラントシユートから
なる２つの形断面の直線状シユートで構成さ
れ、クーラント回収ボツクスに落下した切粉は前
記２つのクーラントシユートの傾斜シユート面上
をクーラントと共にクーラントタンクに向つてス
ムーズに流下するように構成されている。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例について添付図面を参
照して説明する。

第１図において、テーブル２は被加工物Ｗを支
持し、ベース１８上をＸ軸方向に移動すると共に
垂直軸Ｚ周りに回動する。テーブル４はホルダ５
を支持しコラム３上を垂直方向に移動し、コラム
３はベース１Ａ上をＹ軸方向に移動し、これによ
り、ガンドリル８を案内するブツシユ７は、第２
図に示すように、Ｘ軸方向にストロークX₁，Ｙ
軸方向にストロークY₁だけ移動する、可動クー
ラントシユート１１はクーラント回収ボツクス６
内に排出される切粉ならびにクーラントを流下す
る形断面の直線状シユートで、上端はヒンジピ
ン１０を介して回収ボツクス６に回動自在に取付
けられ、ローラあるいは丸棒等からなる滑動部材
１１Ａを有する下端は後述する固定クーラントシ
ユート１２内に滑動自在に載置されている。固定
クーラントシユート１２は前記可動クーラントシ
ユート１１から流入する切粉ならびにクーラント
を床上に載置されたクーラントタンク１３に回収
する形断面の直線状シユートで、流下方向に所
定の傾斜角を有してクーラントタンク１３に固定
されている。配管９はクーラントタンク１３内の
クーラントをポンプＰによりガンドリル８に循環
供給し、途中に分岐管９Ａを備えている。

このような構成において、ワークＷに穴明け加
工をするときは、第３図に示すように、先ず、テ
ーブル２をＹ軸方向に前進させ、テーブル４をＸ
軸方向ならびに垂直方向に移動させ、ワークＷの
加工位置にブツシユ７を位置させる。このとき、
可動クーラントシユート１１は、ヒンジ１０を介
してクーラント回収ボツクス６の動作にスムーズ
に追随すると共に、滑動部材１１Ａを介して固定
クーラントシユート１２内をスムーズに滑動す
る。次いでガンドリル８を駆動すると、これと同
時にクーラントがガンドリル８の孔８Ａを通つて
ワークＷの切削部に圧入され、切削された切粉は
ガンドリル８外周隙間を通つてクーラントと共に
クーラント回収ボツクス６内に排出される。この
切粉ならびにクーラントは直ちに可動クーラント
シユート１１内に落下し傾斜したシユート底面に
沿つてスムーズに固定クーラントシユート１２内
に流下し、次いで同様にして傾斜した固定クーラ
ントシユート１２のシユート底面に沿つてスムー
ズにクーラントタンク１３内に回収される。回収
されたクーラントはクーラントタンク１３内で切
粉を分離された後再びポンプＰにより配管９を経
由してガンドリル８に循環供給される。

以上説明したように、本考案によるクーラント
シユートによれば、ワークの加工位置決め時にク
ーラント回収ボツクスが移動しても、クーラント
シユートの動作がスムーズに行なわれるので工作
機械の機能が損なわれることがなく、また、切削
された切粉は傾斜したシユート底面をクーラント
と共に流下するので、クーラントシユート内に切
粉が堆積することがない。

なお、ガンドリルの径が小さい場合等でガンド
リルに供給されるクーラントの流量が少ない場合
は、分岐管９Ａからクーラントをバイパス補充す
ることができる。また、何らかの原因でクーラン
トシユートに切粉が堆積したとしても、この堆積
した切粉はクーラントシユートの開放上面から容
易に排除することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によるクーラント
シユートによれば、クーラントシユートをお互い
に滑動自在に載置された固定シユートと可動シユ
ートからなる２つの形断面の直線状シユートで
形成することにより、クーラントシユートの移動
動作をスムーズにすると共に、切粉を傾斜シユー
ト底面上をクーラントと共にスムーズに流下させ
るように構成したものであるから、工作機械の機
能が損なわれることがなく、また、切粉のクーラ
ントシユート内への堆積も完全に防止される利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるクーラントシユートの一
実施例を備えた工作機械の一実施例の斜視図、第
２図は第１図の側面図、第３図は第１図のＡ部詳
細正面図である。 １Ａ，１Ｂ……ベース、２……テーブル、３…
…コラム、４……テーブル、５……ホルダ、６…
…クーラント回収ボツクス、７……ブツシユ、８
……ガンドリル、８Ａ……孔、９……管、９Ａ…
…分岐管、１０……ヒンジピン、１１……可動ク
ーラントシユート、１１Ａ……滑動部材、１２…
…固定クーラントシユート、１３……クーラント
タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直な平面上を動作するクーラント回収ボツク
   ス内のクーラントを固定位置にあるクーラントタ
   ンク内に回収するクーラントシユートにおいて、
   前記クーラントタンクに固定された形断面の直
   線状固定クーラントシユートと、一端が前記固定
   クーラントシユート内に滑動自在に載置され他端
   が前記クーラント回収ボツクスに回動自在に取付
   けられた形断面の直線状可動クーラントシユー
   トとから構成されていることを特徴とするクーラ
   ントシユート。