JPS6324940B2 - - Google Patents

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JPS6324940B2
JPS6324940B2 JP61166820A JP16682086A JPS6324940B2 JP S6324940 B2 JPS6324940 B2 JP S6324940B2 JP 61166820 A JP61166820 A JP 61166820A JP 16682086 A JP16682086 A JP 16682086A JP S6324940 B2 JPS6324940 B2 JP S6324940B2
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JP
Japan
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water
aggregate
sand
container
mortar
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JP61166820A
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JPS6287446A (ja
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Yasuro Ito
Hideji Kaga
Yasuhiro Yamamoto
Kenji Kuroba
Mitsutaka Hayakawa
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Individual
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「発明の目的」 本発明は水硬性物質混練物の調整方法に係り、
同一の細骨材を用い目的とする水硬性物質混練物
に求められる流動性、ブリージングまたは該混練
物を成形硬化した製品に得られる強度のような特
性の1つまたは2つ以上を最良状態に満足させる
ことのできる該混練物の物整方法を提供しようと
するものである。 産業上の利用分野 セメント類や石膏質のような水硬性物質と砂の
ような細骨材を利用したコンクリート、モルタ
ル、グラウトなどに用いられる混練物の調整技
術。 従来の技術 セメント類や石膏類のような水硬性物質を用い
て各種製品を製造し或いは施工をなすに当つて
は、特にペーストとして用いられる場合以外にお
いて水と共に骨材を配合することが不可欠のもの
である。然してこのような目的において従来その
配合関係を決定すべく採用されている方法は秤量
して配合関係を決定し、混練するものであるが、
骨材はその含水率によつてその重量、体積が異な
るため全量についてこの含水状態を考慮した計量
を得ることは極めて困難であつてせいぜい間歇的
な計測しか行なわれていない。蓋しこれらの骨材
なるものは一般的には天然産出物であり、仮りに
人工的手法で得られたものであるとしても鉱石や
石炭におけると同様又はそれ以上に野外に山積さ
れたものを用いることが通例であるから降雨、日
照、大気中湿度その他の天候条件によつてその付
着、含水量は絶えず大幅に変動し、又同じ1つの
山積骨材においてもその付着、含水量は表面部分
から内部に到るに従い連続的に変化し、その変化
の状態も種々に変動する。この種骨材の形状や組
織については仮りに天然産のものであつても産地
別の如きによつて略一定するとしても付着、含有
水については上記のような事情よりして変動せざ
るを得ず、これは単に重量のみならず、その容量
に関しても同様であつて、見掛容量は付着、含有
水分の如何によつてそれなりに変動する。換言す
れば絶対に同じ付着、含有水値を有する骨材なる
ものは再び求め得ない程のものであり、斯様に変
動する骨材に関して単に上記のような計量法を適
用して値を求めても何等の合理性がなく、又その
ような計量値で混練水量を決定しても不適切と断
言せざるを得ない。蓋しこのような混練水量はそ
れが最適値として採用されることにより得られる
製品又は施工の強度又は品質を与えられた条件下
において最高に得しめる所以であり、それが最適
値よりずれるに従つてそれらの性能は低下せざる
を得ない。殊に本発明者等が開発した減圧条件を
利用したプレパツクド工法によるときはその注入
時におけるモルタル等の注入特性は当該骨材等に
対する添加混練水量の如何によつて微妙に変動
し、又製品組織及び表面性状に関しても重要な変
動を来す。 然して上記のように骨材中の付着、含有水分が
変動することによりその正確な計量をなし得ない
ことについては勿論従来から公知のものであり、
この故に斯かる付着、含有水変動による影響を排
除した測定をなす技術自体についてはそれなりに
開発されている。即ちこのための技術として最も
知られた方法としては絶乾条件で測定することで
ある。 又このためのもう1つの方法としてはイナンデ
ータ法の如きとして招介されている浸水条件下に
おける計量であり、又JIS.A.1109、1110、1111、
1134、1135等に規定される方法であつて、この方
法によれば絶乾状態を形成するために採用せざる
を得ない熱エネルギーその他を大量に使用した相
当時間に亘る処理を必要としないで骨材に対し単
に注水するだけで、又短時間内に目的の測定結果
を求め得る。 発明が解決しようとする問題点 前記した絶乾法によるものはその絶乾状態を得
るための加熱その他による処理に甚だしい時間と
費用を必要とし、実験室的に少量の骨材に対して
は適用し得ても、大量の骨材を使用せざるを得な
い工業的、作業現場的条件下においてはそれを採
用することの犠性が余りにも大であつて実用化さ
れる可能性は皆無に近い。 イナンデータ法による場合においては骨材が完
全な浸水条件下におかれるものであることよりし
て成程上記のような測定結果が得られるとして
も、この測定後における該骨材の利用上において
著しい不利が残る。即ち上記のように浸水された
骨材はその測定後に排水しても大量に水分を保有
しており、このように大量の水分を保有したもの
は例えば粗骨材の場合においてすら上記JISに規
定されるようにその1つ1つを布等で拭いて水分
を除去しなければならない程のものであり、況し
て細骨材たる砂の場合にはこの残留水分を除去す
るために甚だしい工数を必要とすることは前記し
た絶乾状態を形成する場合と同然である。加うる
にこの水を利用して骨材の重量、容量、容量等を
測定する方法は何れにしても結論として骨材の体
積及び水と骨材の比重差を利用した計量となるも
のであるが、このような測定に当つて当該骨材の
周辺及びその内部に空気が存在しているとその測
定結果に大きな誤差を生ぜざるを得ない。このた
め上記したJISによる規定では24時間に及ぶ浸水
後の測定というような骨材内における気泡を充分
に除去した後においての測定を義務づけている。
然し実際の現場作業に当つて斯様な長時間に亘る
浸水処理は甚だしくその工程を遅延せしめざるを
得ないものであつて、例えば今日におけるこの種
コンクリート製品の製造技術においては数時間内
において養生を終え、脱型するようにすることが
普通化しており、斯様な条件下で単なる骨材の測
定に関して24時間以上もかかる等ということは全
くナンセンスに近いものとならざるを得ないわけ
である。勿論今日におけるコンクリート工業では
水セメント比が相当に低下しており、これらの事
情の何れよりしてもイナンデータ法の如きが従来
から招介されていても殆ど実用化されていないこ
とは周知の通りであつて、骨材の含水量について
は依然として前記したような間歇的な方法に従わ
ざるを得ないわけであり、入念に施工するとか厳
重な管理とか言われてもせいぜいサンプル頻度を
高める程度のことに過ぎず、全量について的確な
計量をなし得ないわけである。従つてこの種コン
クリート工業等においては得られる製品の品質が
与えられた条件下において安定して得られるもの
でなく、又実地的にも流動性や強度に関しての大
きなばらつき原因を構成していることは明らかで
ある。 又本発明者等は上記したようなイナンデータ法
又はJIS(A1109〜、1111、1134、1135)のような
方法で細目、中目のような砂についてその重量を
測定してから容器内の水を排出せしめた場合、25
〜40%程度が保水されており、しかもこのように
砂粒間に保水されたものはその後相当の時間を経
過しても殆ど低減しないことを確認した。蓋し例
えば粗粒率が1.89の砂目を容器内の濾材上に入れ
た状態で測定してから該容器の水を底部の濾材よ
り相当の空間を採つて形成された排出口より放流
した場合においてその排出完了直後における保水
量は37.5%であり、その後排出口を開披したまま
で5分経過した後においても37.125%であつて、
9分経過して漸く37%を切る程度である。同様に
中目の粗粒率が2.33の砂の場合においても排水直
後で28.5%、5分後において28.25%であつて、
10分経過しても28%以上である。蓋しこのような
砂の如き骨材粒子と水との混合併存状態について
は粉体に水等の液体を混合した場合と同様のこと
が考えられ、スラリー(Slurry)状態と粒子間保
有間隙水のない状態との間においてキヤピラリー
(Capillary)、フアニキユラー(Funicular)、ペ
ンデユラー(Pendular)の如き状態があること
は既に文献に紹介されている通りであり、液体中
に粒子が浮遊懸濁したスラリー状態または骨材粒
子自体の浮遊はないとしてもなお粒子相互間では
本質的に接触せず粒子間に空気の進入していない
キヤピラリー状態までの脱水は比較的容易である
としても、このような状態から空気が微細骨材の
粒子間に進入し該空気が本質的に不連続であるか
或いはこの空気が連続相をなしたフアニキユラー
の第1又は第2状態若しくは骨材粒子相互も接触
して粒子の連続相も形成されるペンデユラー状態
への移行には相当の時間を必要とするわけであ
る。ところがこのような砂等の骨材を利用する上
においては粗骨材たる砂利をも混合して調整する
コンクリートの混練調整においてすら上記のよう
な粒子間保有水は好ましいものでないことが多
い。しかも本発明者等の提案する減圧条件を利用
したプレパツクド法により型枠等による注入成形
域に予め粗骨材を充填した条件下でモルタルを注
入する場合においては上記のような粒子間隙保有
水はそのモルタル調整上、該モルタルの注入時に
おける流動特性上及びそれによつて得られる製品
の強度や品質上の如きにおいて夫々に大きな影響
を及ぼし、何れにしても工業的に安定した製造を
なすことができない。 即ちこれらの関係について更に具体的に説明す
ると、上記したような粗骨材をも配合してコンク
リートを混練調整する場合において、例えば通常
用いられている調合例に従つて粗骨材1000Kgに対
しセメント350Kg、砂650Kgを配合し水セメント比
51%のものを得ようとする場合において必要な水
の量は162Kgであるところ、その650Kgの砂に前記
した排水直後の保水量37.5%があるならば、この
砂によつて混入される水の量が650×0.375=244
(Kg)となつてそれ自体で82Kgも必要量を超過し、
到底使用し得ないことが明らかであり、又上記し
た最低保水量たる、中目砂の排水後10分を経過し
た保水量28%のものであつても650×0.28=182
(Kg)であつて必要量を20Kg超過した水を有して
いることとなる。更にもう1つの一般に用いられ
ている調合例である粗骨材1000Kg、砂700Kg、セ
メント300Kgを用い水セメント比60%とする場合
においてもその必要水量は162Kgであるのに上記
した最低保水量(中目砂の排水後10分)のものの
保水量は70090.28=196(Kg)で34Kgも超過するこ
ととなり、その他の総べての場合においても夫々
より以上に超過せざる得ないことが明らかであ
る。換言すれば粗骨材と共に混練してコンクリー
トを調合する場合においてすら上記のように排水
後10分を経過してなお28%以上も保水している砂
はこれを利用し得ない事情のものとなることが多
いことは上記したところより計数的に容易に理解
し得る。 更に本発明者等の検討したところによると、同
一産地の砂で、しかも付着、含有水量が同じで、
且つ水セメント比やセメント砂比を同じとして調
整されたものにおいても、それによつて得られた
モルタルまたはコンクリートのような混練物の特
性ないし該混練物によつて得られる製品の特性が
相当にばらついており、又それらの特性が必ずし
も好ましいものでない。 「発明の構成」 問題点を解決するための手段 (1) 容器に収容された細骨材を水中において気泡
の発生しない含水状態に湿潤化して準備し、次
いで該細骨材の水分を予め定められた含水状態
に空気通過、振動、遠心力若しくは超音波の作
用条件下で脱水調整し、この湿潤化後の脱水調
整状態である細骨材に水硬性物質粉末を添加
し、これに粗骨材を添加しまたは添加しないで
混合することを特徴とする水硬性物質混練物の
調整方法。 (2) 容器に収容された細骨材を水中において気泡
の発生しない含水状態に湿潤化して準備し、次
いで該細骨材の水分を予め定められた含水状態
に空気通過、振動、遠心力若しくは超音波の作
用条件下で脱水調整し、この湿潤化後の脱水調
整状態である細骨材に定量化された補正投入水
を添加混合すると共に水硬性物質粉末を添加
し、これに粗骨材を添加しまたは添加しないで
混合することを特徴とする水硬性物質混練物の
調整方法。 作 用 細骨材を水中において気泡の発生しない含水状
態として準備することにより各細骨材の周面全般
を充分に湿潤化し、即ち各細骨材の周面における
空気附着を排除する。 上記のように充分に湿潤化され保水率の高い細
骨材を予め定められた含水状態へ空気通過、振
動、遠心力若しくは超音波の作用条件下で脱水す
ることにより、この処理エネルギーに比例した脱
水が得られ、数分程度のような短時間内に目的の
含水状態となり、しかも各細骨材の周面全般に空
気附着のない状態となる。 上記のように周面全般に空気附着のない状態の
ものにセメントのような水硬性物質粉末を添加混
合することにより各細骨材が水硬性物質粉体の湿
潤化された被覆により均一且つ安定に覆着され、
流動性(注入性)その他の特性において優れた混
練物として得られ、又ブリージングなどの発生も
比較的少ないものとなる。 前記のように目的の含水状態とされたものは補
正投入水の定量化を図ることが可能であり、しか
も各細骨材の周面全般における空気附着のない状
態が維持される。又上記のように空気附着がない
状態のものに定量化された補正投入水を用いて得
られる水硬性物質混練物においては求められる特
性値を予定状態に調整することができ、又均等な
特性をもつた混練物を得しめる。 実施例 上記したような本発明について更に説明する
と、本発明者等は前記したような従来技術におけ
る問題点を解消することについて検討を重ねた結
果、上記したようなモルタルまたはコンクリート
などの混練物を得る場合に不可欠の資材である砂
の有する保有水の如何と共に空気の附着状態が調
整されたコンクリート混練物の状態に影響を及ぼ
すことを知つた。蓋し、例えば25mm以下の粒子で
絶対比重2.55、表乾比重2.60の川砂利を粗骨材と
して用い、この粗骨材に富士川産出に係る5mm以
下であつて絶乾比重2.57、表乾比重2.62の川砂と
セメントを配合してコンクリートを調整するに当
つて、前記川砂の保有水としては2.1%、5%、
7.5%、10%、15%及び20%の6種に調整し、こ
れらの川砂を用いてセメント13Kgに対して川砂が
絶乾で31Kg、川砂利を絶乾で42.8Kgの割合で配合
し、しかも水セメント比(W/C)は65%の一様
な値に調整されたコンクリートのスランプ値は川
砂の保有水が2.1%のものが15.0cm、5%のもの
が16.3cm、7.5%のものが8.5cm、10%のものが
13.1cm、15%のものが12.2cm、20%のものが9.4cm
であつて極めて多様な変化を示し、このことは用
いられた川砂の保有水如何および空気の附着状態
によつてコンクリートの性状が相当に異なること
を理解させる。又上記したようなプレパツクド工
法の如きに利用されるモルタルを調整する場合に
おいて本発明者等がその同一産地の吸水率4.38%
の砂について表面水の量を種々に変化せしめたも
のを準備し、斯かる表面水の異なつた砂により
夫々セメント砂比(C/S)が1:1であり水セ
メント比(W/C)が43%とされたモルタルを調
整し、それらモルタルの流動、注入特性その他を
試験測定した結果は次の第1表に示す通りであ
る。 なおこの第1表における注入特性〔F0(mm又は
g/cm2〕は本発明者等によつて曩に提案された昭
和51年特許願第7132号(特開昭52−91528)によ
るものであり、上下の開放された円筒内に高さ20
cmの範囲に亘つて径20mmの硝子ビー玉を充填した
測定具を用い、このビー玉充填域を通過して流動
するモルタルの初期剪断応力降伏値によるヘツド
差を求めたものであつてa↑はタンクに収容され
たモルタルに上記測定具を挿入したときのタンク
内モルタル面と測定具内モルタル面との間(タン
ク内モルタル面が上位にある)のヘツド差、b↓
はタンク内において上記測定具を介してモルタル
を注入したときの測定具内モルタル面とタンク内
に形成されたモルタル面との間(測定具内モルタ
ル面が上位にある)のヘツド差を示すものであ
る。
【表】
【表】 即ち上記のような結果を注入性に関して要約し
て示したのが、第1図の図表であり、従来の技術
常識よりすればC/S及びW/Cが同じである以
上それによつて得られたモルタルは当然に同じ性
状のものと判断せざるを得ないものであるところ
その流動性(Pロートによるフロー値)において
は41.5秒から90.3秒と倍以上の範囲においてばら
つき、又注入特性(F0)においては0.45g/cm2
1.4g/cm2又は0.57g/cm2から1.62g/cm2のように略
3倍の数値範囲でばらつくこととなり、しかもそ
の変化の様相は第1図の如くであつて決して比例
的な整然としたものでなく、注入特性について言
うならば砂の表面水が6%〜25%、特に18〜25%
のものにおいて高いF0値を示したものが26%と
なると急激に低下し、35%までは低下状態を示し
たものが40%となることによつて再び上昇するも
のである。更にこれらのモルタルは単位容積から
して異なり、又このものを注入した後におけるブ
リージング水の発生率も異なつたものとなること
は上記第1表の通りである。 加うるに上記したようなモルタルを用いて注入
成形し得られたモルタル成形製品に関してその7
日後強度を圧縮強度及び曲げ強度について試験測
定した結果は第2図に示す通りであつて、圧縮強
度については400〜550Kg/cm2、曲げ強度について
も70〜90Kg/cm2の範囲内において夫々相当に複雑
な変化を示すものである。 上記したような本発明者等による多くの実地的
検討及びそれによる新しい事実の発見乃至確認の
結果によるならば、上記したような砂の計量に当
つて水を使用した測定をなすことは付着含有水分
の変動条件をカバーした計量をなすことが可能で
あつて頗る有意な手法であるとしても斯うして測
定された骨材を用いて製品を得、或いは施工をな
すに当つてはその測定後において該骨材の粒子間
に保持された間隙水が相当に多量であることから
具体的な混練物調整上支障のない範囲内において
強制的に除去することが必要条件である。 即ちこのような骨材間の間隙水を短時間内に除
去し、又含水骨材量をも計測することのできる装
置として添附図面第3図以下に示すような装置を
準備した。即ち第3,4図に示すものは底部にハ
ンドル11aによつて開閉操作される中心部が若
干凹入した蓋2が開閉可能に設けられたホツパー
状容器1を用い、前記蓋2には例えば3〜5mm程
度の小孔を配設された鋼板12aと計量すべき骨
材を実質的に通過することのない金網材13aを
張設し、又前記容器1の中間部稍々上方の装され
る骨材の上面位置より上部における一側に同じく
骨材を実質的に通過させない半円形の金網筒20
を添設し、該金網筒20の上部に第1のオーバー
フローパイプ10を設け、しかも該金網筒20の
下部に第2のオーバーフローパイプ10aを開口
し、この第2のオーバーフローパイプ10aは常
時閉塞しておき、後述するような注入完了後に開
放して骨材表面より上部の水を放出するようにさ
れ、第1のオーバーフローパイプ10は三方弁5
2を介して放水口55ともう1つの配管56に連
結し、この配管56は更に切換バルブを介して減
圧機構と加圧機構に連結されていて容器1の上部
に適宜に減圧又は加圧条件を形成するように成つ
ている。又上記した蓋2の凹入した中心部に給排
水パイプ40が設けられ容器1の中間部には計量
機構18が取付けられているが、更にこの給排水
パイプ40は切換弁46を介して気水分離作用を
もなすタンク47の頂部と底部に夫々パイプ48
と51を以て連結され、このタンク47は上部に
もう1つの管路53が設けられていて、該管路5
3は上記した配管56と同様に切換弁を介して真
空タンク又は真空ポンプのような減圧機構或いは
排風フアンと加圧機構(これらの切換弁以降は図
示せず)に連結され、しかも上記したオーバーフ
ローパイプ10aにもバルブのような閉塞手段
(図示せず)を設け、容器1の上面にはパツキン
グ材49を介して上蓋50が気密に取付けられる
ように成つており、それによつて容器1内を減圧
処理し、又加圧し得るように成つている。上記し
た切換弁46に設けられた連結パイプ51はタン
ク47の底部に連結され、該タンク47の底部に
はもう1つの給排水パイプ54が連結されてい
て、該タンク47の水位を考慮し適宜に外部から
給水し、或いは排水するが、このようにしてタン
ク47から排出される排水はコンクリート又はモ
ルタルを調整する場合の混練水として用いること
が好ましい。 即ちこの第3,4図に示すものの操作について
説明すると、容器1内に目的の砂のような骨材を
装入してから必要に応じて容器1内を減圧して骨
材粒子間の空気を除去し、この状態で切換弁46
を切換えて容器1内にタンク47又はそれに連結
された前記パイプ54を介して給水し、このよう
な水は骨材表面を超え、オーバーフローパイプ1
0に達する一定レベルまで注入され(なおこの注
水に当つて容器1の上部を減圧することは注水を
迅速化する)、この状態で計量せしめる。この計
量後に第2オーバーフローパイプ10aを開いて
排水することによつて骨材層の表面部分以上の水
は容易に排水され、この排水後において蓋2内の
水をパイプ51よりタンク47内に排出し、次い
で切換弁46を切換えて減圧機構又は排風フアン
を容器内の底部に作用せしめることにより効率的
な排水を得ることができる。蓋し骨材の上面上に
水をたたえられた状態から減圧機構又は排風機を
作用せしめても水の表面張力、粘性等に原因して
骨材粒子間の水を容易に排出し得ないものであ
り、上記のように第2オーバーフローパイプ10
aから先ず排水して砂のような骨材の上面を露出
させた状態とした後に減圧機構又は排風機による
通風処理することにより粒子間の間隙水を効果的
に排出することができる。但しこのような排水処
理に当つては単に上記のようにパイプ40を介し
た減圧排水を図るだけでなしに、切換弁52を配
管56を介して加圧機構に通ずるように切換え容
器1の上部を加圧することは容器1の上部と底部
との間における圧力差を大にし排水をより効果的
ならしめることであつて頗る有意である。上記し
たような各過程で減圧又は加圧処理時には上蓋5
0によつて密閉すると共にオーバーフローパイプ
10aを閉塞状態とするが、単に排風機を用いて
排水する場合においては上蓋50が開放されたま
までよい。このような排水は夫々の作業時におい
ての予定条件を考慮し、その何れかが適宜に選ば
れる。排水処理後においては蓋2をハンドル11
aによつて開き間隙水の除去された骨材を容器1
内から取出すことができることは明白であるが、
このような蓋2の開放を可能ならしめるためには
前記した給排水パイプ40として適宜にスパイラ
ル線材の内装された可曲性のものを用いることが
好ましい。なお上記のように容器1内に送入され
測定後にタンク47内に排出された水はそれなり
に汚損したものとなり、これをそのまま放流する
ことは公害的見地よりして好ましくないこととな
るから該タンク47の水はコンクリート混練用と
して利用する。 上記したような第3,4図のものに対し、第5
図以下には更に別の装置についての実施態様が示
されている。即ち先ずその第5図に示すものは、
容器1の底部に操作シリンダー11によつて開閉
操作される蓋2が前記した第3,4図のものと同
様に設けられており、然してそのコツプ状に底部
を次第に狭小としたホツパー状容器1の内面に
は、第3,4図の場合と同様に例えば径が3〜5
mm程度の小孔を配設した鉄板12と計量すべき骨
材を通過することのないメツシユの金網材13よ
り成る濾過筒3を前記容器1の内面にそつた形状
に形成して設定し、該濾過筒3の外面には適宜補
強材14を配装すると共に介装材9を多段に設け
て容器1内に支持されるように成つており、その
底部開口部分にはベル状の閉塞手段4が設けら
れ、該閉塞手段4は小孔15の配設された昇降操
作手段5の下端に取付けられ、該昇降操作手段4
の上昇限において濾過筒3の下端開口部を閉塞し
た図示の状態を形成し、これより下降することに
よつて該開口部を開口して濾過筒3内の収容物を
放出し、前記蓋2を開放して容器1の下方に取出
し得るように成つている。又上記のような濾過筒
3の上部一側には振動機構6が取付けられていて
適宜に該濾過筒3に振動を与えるようにされ、し
かもその上部他側にはベルトコンベアのような装
入手段7が設けられていて計量すべき骨材を濾過
筒3内に装入するように成つており、更に濾過筒
3の上部には吊止材9aを介して計量機構8が取
付けられ、濾過筒3や閉塞手段4の如きと共に装
入された骨材の量を測定操作し得るように成つて
いる。容器1の上部にはオーバーフローパイプ1
0が開口されていて該容器1内に注入された水が
該オーバーフローパイプ10の開口位置に達する
ことにより自動的に器外に放流され、従つて該容
器1においてはこの開口位置に相当した予定水位
が確保され、又その排水は容器底部又は蓋2に設
けられた排水パイプ16によつてなされるもので
ある。なお若し濾過筒3及び容器1が比較的大径
のものである場合には昇降操作手段5と同様に小
孔15を配設したパイプ材を該昇降操作手段5と
平行せしめて複数本濾過筒3内に挿入設定するこ
とが好ましい。 又第6図のものは上記した第5図のものを更に
若干変更したものであつて、容器1の底部が若干
絞つて形成され、このような容器底部の開口に対
してベル状の閉塞手段4aが第5図に示したもの
の蓋2をも兼ねて設けられ、該閉塞手段4aが小
孔15を配設した昇降操作手段5によつて昇降操
作され、然して上記のような容器1内には濾過筒
3が底部の開放されたままの状態で介装体9によ
り容器1内面との間に適当な空間を存せしめてセ
ツトされている。又容器1の底部には濾過シート
17を介して排水部19が設けられ、この排水部
19にはバルブを有する排水パイプ16が開口さ
れ、然してその上部に該容器1内に予定水位を確
保するオーバーフローパイプ10が開口されてい
ること、濾過筒2の上部には振動機構6や骨材装
入手段が配設されることは第5図の場合と同様で
あるが、計量機構18は容器1に対して設けら
れ、従つてこの第6図の場合においては第3図の
場合のように濾過筒2内が計量されるものではな
しに容器1内の全般が計量されるように成つてい
るものである。 即ちこれら第5,6図に示したものの操作につ
いて説明すると、何れの場合においても骨材を濾
過筒3内に収容し且つ容器1内に注水した条件下
で計量することにより該骨材の水中重量を測定し
得るものであることは明らかであり、その水中重
量測定後に排水パイプ16のバルブを開くことに
よつて容器1内の水を排出し得る。然してこのよ
うな容器1の水を排出した後においても砂のよう
な骨材粒子間になお相当量の水が保水されている
ことは既述した通りであり、この間隙水が相当時
間経過しても殆ど減少するものでないことも上記
の通りであるが、本発明においてはこのような排
水後において振動機構6を作動せしめて濾過筒3
及びその中に収容された骨材に対して振動を与
え、しかも小孔15の配設されたパイプ状の昇降
操作手段5を介した空気流動を骨材層を介して形
成するものであり、これらの処理操作によつて骨
材粒子間の間隙水は急速に脱水されて濾過筒2外
に滴下し排水パイプ16から除去される。 第7図には軽量骨材の如きに対しても有効に適
用されるようにされたもう1つの装置が示されて
いる。即ちこの第7図のものは通常の川砂のよう
な細骨材に対しても勿論適切に利用されるが、軽
量細骨材に関して好ましい測定操作がなされ得る
ようにされたものであつて、このため容器21と
して密閉式のものが用いられ、この容器21内に
設けられた濾過筒23は前記した第5,6図のも
のと同様な穿孔板とメツシユ材によつて形成され
たものであるが、この第7図の場合には中心筒3
2及び底部のコーン面33においても同様の穿孔
板とメツシユ材とを用いて通水可能に形成され、
然してその底面には開閉シリンダーロツド31を
以て開閉される底蓋22が取付けられていて底部
をシールせしめ、該底蓋22及び容器21の底部
には夫々排水パイプ26,26aが連結されてい
てコーン部34内及び濾過筒23と容器21との
間の間隙部29内の水をそれらパイプ26,26
aのバルブを開披することによつて排出し得るよ
うに成つているものである。上記のようなコーン
面及びコーン部34と中心筒32を介して上部の
操作シリンダー25により昇降操作されるように
連結され、即ち前記底蓋22を開披した条件下で
操作シリンダー25のロツド35を図示の状態か
ら下降させることにより濾過筒23の底部が開閉
されて収容された骨材を下方に放出することがで
きる。なお中心筒32の上部部分は穿孔又はメツ
シユ構造を有しない部材で形成され、この部分に
減圧管路36が容器21の上面に施された上蓋3
9を介して導入され、操作シリンダー25に対し
てはそのピストン操作用の空気管37,38が導
入されている。更に容器21の上部一側には底蓋
24aを開閉可能に設けた補助骨材ホツパー24
が取付けられており、操作シリンダー25の周側
には環状の散水管28が取付けられていて、この
散水管28には給水管40が導かれている。又上
蓋39における前記補助骨材ホツパー24の上方
には骨材投入口41が設けられ、該投入口41に
蓋42が施されると共に容器21の側方には水位
計27が設けられていて注入孔44から該容器2
1内に注入した場合においてその注水状態を確認
し得るように成つている。 即ちこの第7図や前記した第3,4図に示した
注水前に減圧処理をなすものの技術性について更
に説明すると、この種骨材においては通常骨材の
場合においてもその表面に若干の凹凸があり、又
細骨材の場合においては装入された骨材中に空気
が封入される可能性の大きいものであり、斯かる
空気は測定結果に大きな誤差を生ぜしめる。これ
らの関係は軽量骨材の場合において装入される骨
材自体がポーラスであり、凹凸の激しいものであ
ることよりしてより大きく顕われる。例えばこの
種骨材の代表的試料の若干として細目砂、中目
砂、人工軽量粗骨材及び鉱滓について上記したよ
うな単に注水して浸水する浸水処理をなし気泡の
除去をなした後において、その含水重量Ws3000g
を夫々用いて水中重量Swを測定し且つその絶乾
重量W及び前記水中重量による見掛比重Cwを求
めた結果は次の第2表に示す通りである。
【表】 これに対し上記した第7図等の装置を用い、上
記したものと同じ各骨材に対して先ず−55cmHg
に減圧処理してから注水し、この注水完了後に大
気圧に復元してから同様方法で求めた減圧後浸水
の水中重量Svとこのようにして求められたもの
による見掛比重Cvを求めると共にこれらの各試
料についての24時間浸水処理したものについての
見掛比重C24を求めると次の第3表の通りである。
【表】 即ち第2表の結果と第3表の結果とを対比する
ことにより明白なように、比較法による比重Cw
よりも第7図等の装置を用いた本発明による比重
Cv及び24時間浸水による比重C24がすべて大きい
値を示しており、又反覆して試験測定した結果に
よつても本発明によるもの及びこの24時間浸水に
よるものがばらつきの少ない誤差範囲0.02以下の
測定値を示すに対し、第2表に示した場合にはそ
のばらつき範囲が相当に大きい。即ち24時間浸水
処理によるものと本発明方法によるものが共に安
定した偏差の少ない測定値を示すわけであるが、
単なる計量のために24時間浸水を行なうようなこ
とが現場的に好ましいものでないことは明白であ
り、本発明方法によるものは極めて短時間内に実
施し得るわけである。 この水中重量測定後における排水については、
補助骨材ホツパー24内の骨材を徐々に濾過筒2
3内に移し予定水中重量に達せしめ、次いで排水
パイプ26,26aのバルブを開いて容器21内
の水を排出し、その後減圧管36を作用せしめて
中心筒32から骨材層を介した気体の流動を図り
(或いは振動、遠心力作用せしめ)、それによつて
骨材粒子間に保有された間隙水を除去する。前記
した減圧管36による作用は要するに空気を流動
させることにあるものであることよりして場合に
よつては逆方向に加圧送風を作用させてもよいこ
とは固よりである。 本発明者等は前記したような間隙水除去に関し
各種脱水操作について実地的な検討を重ねた結果
は次の第4表から第5表に示す通りである。即ち
第4表に示すものは粗粒率1.89の細目砂に対して
減圧処理を加えた場合及び振動処理のみの場合並
びにこれらの減圧処理と振動処理を併用した場合
について、その処理時間の進行に伴う保水率の変
化状態を示すものであり、又第5表に示すものは
粗粒率2.33の中目砂について第4表におけると全
く同じ脱水処理操作を加えた場合を示すものであ
つて、併せてその排水直後の保水量に対する夫々
の時点での保水量をも示している。
【表】
【表】 即ちこの第4表と第5表の結果によれば何れに
しても30%以上の保水率を有したものが3分以内
に保水率20%以下に縮減し得るものであることが
明らかであり、この縮減効率について言うならば
減圧処理が振動処理も相当に有効であつて10秒前
後で保水率20%程度で到達し得る。なおこの減圧
と振動を併用する場合には脱水がより効率的に行
なわれるかの如く予想されるに対し、試験結果で
は減圧のみの場合よりも劣るものであり、これは
振動によつて骨材粒子がそれなりに浮動し、この
ように粒子が浮動することにより減圧を利用した
脱水効果が阻害されることによるものと推定され
る。減圧は比較的軽度のものであつても短時間内
の脱水を図ることが可能であつて、即ち−30cm
Hgであつても−60cmHgの場合に比して3分間の
処理後においても保水率で2〜2.5%の差異を示
すに過ぎない。 然してこの第4〜5表に示したものと同じ細目
砂に対してその容器内における装入量を種々に変
えて−60cmHgの減圧条件で処理した場合及びこ
れらとは別に同じ細目砂2Kgを遠心分離機にかけ
1420rpmの速度で脱水処理した結果を併せて示す
と第6表の通りであり、減圧処理の場合、装入量
が変化することによりその脱水率がそれなりに変
化するとしても、何れにしても整然たる脱水効果
が得られるものであることは明らかである。然し
て遠心分離機による場合は脱水効率が一般的に他
の手法による場合より高く得られ、従つて若し設
備的、操業費的にそれなりの高額化を犠牲にする
ことが許されるならば特に短時間内での脱水を図
る必要性の高い場合において頗る有効な手段であ
ることは第6表によつて容易に理解し得る。
【表】 本発明による脱水手段は上記のように夫々脱水
効率は異なるが、これらは夫々の場合において適
宜に選び、又適当に組合わせて採用すればよく、
結局は適宜加水して用いるものであることよりし
て一般的には保水率20%以下とすることによりそ
の目的を達し得る。 即ち具体的な脱水調整操作としては第4、5表
に示した振動処理のような場合はこの20%程度に
達するのに180秒程度を必要とし、しかも20〜30
秒の処理時間変動によつても余り変化がないから
振動処理時間を適当に選ぶことのみによつて目的
の保水率を得ることができ、そのままセメント等
の水硬性物質粉末を添加して目的の混練物とする
ことができる。これに対し空気通過処理を用いる
場合や遠心分離機による第6表の場合には10〜20
秒または10秒以下で20%以下となり、しかもそれ
以後においても10秒間で1%前後から3%以上も
の保水率低下が継続するので単に処理時間を指標
として操業しても保水率を的確に選び得ないこと
が多い。そこでこのような場合には10秒異なつて
も保水率が0.1〜0.2%程度しか変動しない相当に
少ない保水率領域まで一旦脱水し、又それによつ
て目的水量との差に相当した定量化補正水を求
め、このような定量化された補正水を混合するこ
とにより目的とする保水量を的確に得しめると共
に水硬性物質粉末を添加混合して目的の混練物を
得しめる。 又その脱水が何れの処理条件で行われるにして
も保有水が粒子面を伝い、あるいは粒子間を飛沫
状に通過して脱水されるところから保有水が漸次
低下するとしてもそれら粒子面は全般的に水膜で
覆われた状態を維持しながら低下することとなる
ので気泡の発生しない程度の湿潤化状態が維持さ
れる。 何れにしても本発明によるならば既述したよう
な整然たる脱水が行なわれることよりして夫々の
脱水処理において、その処理時間その他の脱水処
理条件を考慮するならば当該骨材の保水量を略的
確に推定することが可能であり、このことは該骨
材に対して前記補正水を添加しモルタルを得る場
合においてもその添加水量を的確に決定せしめ定
量化補正水を得しめることになる。しかもこの場
合においてモルタルの流動性乃至注入性が既述の
ように多様に変化するものであるとしても全周面
が前記のような湿潤化状態の細骨材にセメント等
が接することによつて水硬性物質粉体が一様に覆
着することになり、又当該骨材の保水量が判明し
且つそれに対する添加水量が特定されたならば、
その混練によつて得られるモルタルの流動性、注
入性も自ら改善且つ特定したものとなり、このよ
うにして得られたモルタルの特性が解明されるこ
とによつて該モルタルを用いたコンクリート製品
の品質を安定化し得ることになり、斯かるモルタ
ルによる注入成形作業を容易にすると共に常に的
確にして与えられた条件下において良質の製品を
得しめることは当然である。 本発明によるものの若干の調整例について説明
すると以下の通りである。 調整例 1 千葉県の利根川より産出した川砂である細目砂
は粗粒率が1.89であり、この細目砂は絶乾比重が
2.60で、表乾比重が2.66であつて、重量吸水率は
2.31%のものである。然してこのような細目砂に
よるモルタルの好ましい流動性は第1図からして
F0が1.5g/cm2程度であつて、上記細目砂は既述し
た第5図に示すようなホツパー状容器1内におけ
る濾過筒3内にそのベルトコンベア7を用いて任
意の含水率のものを投入せしめ、次いで振動機構
6を作動させて容器1及び濾過筒3に振動を付与
せしめつつ前記容器1内に注水し、水がオーバー
フローパイプ10からオーバーフローせしめられ
装入された砂の表面を完全に被覆した状態でその
昇降操作手段5の小孔15を介しても給水放流
し、容器1内の水面及びこの昇降操作手段5から
の給水放流水に気泡が発生しなくなつた時点で排
水パイプ16による排水時に前記振動機構6を再
び作動せしめて砂粒間の間隙水誘出を図つたとこ
ろ2.5分に亘る振動処理で排水パイプ16からの
排水量が頗る僅少となり、この砂の含水量は20.5
%で前記した第4表の振動処理150秒(2.5分)の
場合の20.8%に準ずるものであることは明らか
で、このような砂を採用して本発明者等が曩に提
案した技術的手法に従い、減圧処理を併用したモ
ルタル注入のためのモルタルとしてC:Sが1:
1で、又W/Cが38%、減水性混和剤1%のもの
を得るために更に水を39.6Kg配合することにより
F0が1.5g/cm2の好ましい流動性を有するモルタル
を得ることができた。 これに対し上記したところと同じ砂を同量(絶
乾重量相当で200Kg)装入し、浸水して計量した
ところ262.6Kgであり、この砂に脱水処理しない
でセメントを添加混合し、しかも上記同様にW/
Cが38%のモルタルが得られるように更に水を18
Kg添加して混練したものについてそのFoを測定
したところ4g/cm2であつて、非常に注入性の悪
いモルタルであつた。 即ちこの場合においては砂の全表面が浸水によ
つて湿潤化されていることは当然であるが、その
漲水状態のままでセメントを添加混合したことか
らセメントが砂粒子間に溜まつた水によつて混合
操作によつても砂粒子表面に均一且つ的確に覆着
されることが阻害されたことによるもので、湿潤
セメントが均一且つ安定に覆着されていない結
果、この湿潤セメント被覆によるベアリング効果
などが充分に得られず、Foが高い値となつたも
のと推定される。 調整例 2 調整例1におけると同様に排水パイプ16によ
る排水時に振動機構6と共に昇降操作手段5の小
孔を介して空気を−600mmHgで吸引せしめること
により間隙水の誘出を加速し、斯かる排水処理を
1.5分間行なつてから計量したところ232.6Kgであ
り、即ちこのものの含水率は16.3%であつて、第
4表における−60cmHgで1.5分(90秒)の空気通
過処理と振動処理を併用した場合の保水率16.8%
と略同じ値であつた。然してこの砂を調整例1に
おけると同じ目的に利用するに当り更に水を48Kg
添加することにより調整例1におけると殆ど同質
のF0値が1.1gの流動性を有するモルタルを得るこ
とができた。 然るに上記したような振動脱水処理をしない砂
の含水率は26.5%となり、この砂を用いて得られ
た同一配合のモルタルはF0値が4.1gであつて、調
整例1における比較例におけると同様に注入性の
悪いモルタルであることが知られ、本発明により
それが大幅に改善されるものであることを確認し
た。 調整例 3 千葉県の利根川で産出した粗粒率2.33の中目砂
を予め良く吸水させた後、第6図に示した装置の
濾過筒3内に投入し、一定容量以下で投入を中止
し、給水口16及び昇降操作手段5の小孔15を
介して給水し、容器1内の水面に気泡が発生しな
くなつた時点で給水を中止し、次いでこのものの
排水パイプ16から排水すると共に振動機構6の
作動と昇降操作手段5の小孔15を介して−30cm
Hgで吸気、吸水せしめることにより脱水を図り、
このような間隙水の排水処理を1.5分間行なつた
時の含水率は15.4%であつた。即ちこの値は前記
した第5表における14.9%に準ずるものであつ
て、この砂に対し更に水を32.3Kg加水し、C/S
が1:1で、W/Cが34%であり、減水性混和剤
を1%用いたモルタルを調整したところ、該モル
タルのF0値は1.8gで注入性の良いモルタルを得る
ことができた。 然して比較のために上記と同じ砂を排水口16
から排水した後に5分間自然脱水したときの含水
量は33.3%であつて、この砂により上記したとこ
ろと同一配合のモルタルを得るための加水量は−
4.1Kgであり、即ち計画されたW/Cのモルタル
を得ることができないものであつた。 なお上記したところと同じ砂を表乾状態として
準備し、この表乾状態の砂とセメントを等量配合
すると共にW/Cを34%とし減水性混和剤を1%
添加して混練調整したモルタルのFo値は0.5g/
cm2であつて気泡の発生が多いものとなり、注入性
が甚だ劣つていると共にブリージングの発生も多
いものであつた。 調整例 4 第7図に示した装置を用い、その濾過筒23内
に実施例1において用いたところと同じ細目砂の
十分な量を収容し、次いでその容器21内を−60
cmHgに減圧して上記細目砂を減圧処理してから
該容器21内に注水したところそのオーバーフロ
ー位置までの注水過程において発泡作用を見るこ
とが全くなく、このような注水後において排水パ
イプから排水せしめ、しかも減圧管36を減圧機
構に連絡して中心筒32内を−60cmHgに減圧し
て骨材層を介した気体の流動を図り、骨材粒子間
に保水された間隙水を除去した。30秒間に亘るこ
の減圧処理後において該細目砂の含水量は16.5%
であり、即ちこのものは第4表における空気通過
処理(−60cmHg)で30秒の16.5%に合致しこの
ものに更に水を45.6Kg添加することによりC/S
が1:1で、W/Cが37%、減水性添加剤1%の
配合割合の減圧処理を利用したプレパックド法に
利用するに好ましいF0値2.2gのモルタルを予期に
略的中した状態で得ることができた。 一方上記のようにして注水後脱水処理せずに、
15分間自然脱水したものは含水率が29%となり、
この砂で同一配合のモルタルを調整したところ
F0値が3.5gであつて上記に比し注入性の甚だ劣つ
たモルタルとなつた。 即ちこの比較例の場合は調整例3におけると同
じ砂であつたが、調整例3における比較例よりは
この比較例のF0値がよくなつているもので、こ
れは自然脱水により含水率が29%まで低下された
ことにより砂粒子間の過剰水が低減し、斯うした
砂粒子間過剰水に原因したセメント粉体の砂粒子
に対する附着阻害作用が低減したことによるもの
と認められる。 調整例 5 絶乾比重が2.51であらかじめよく吸水させた中
目砂を調整例3におけると同様に湛水状態として
から振動機構6と昇降操作手段のパイプ内を−30
cmHgに減圧して小孔15より水及び空気を吸引
する脱水処理を60秒行なつた後における中目砂の
含水量は15.9%であつて、第5表における−30cm
Hg空気通過60秒の15.8%と殆ど同じであること
を知つた。 この川砂は別に準備されている25mm以下の表乾
状態の川砂利による粗骨材を用い、水セメント比
が50%でスランプ12cmの減水剤入りコンクリート
を得るための配合計画は、セメント量が316Kg/
m3、水158Kg/m3、砂が絶乾重量で681Kg/m3、川
砂利は1210Kg/m3、減水剤はセメント量の0.5%
と求められ、この計画に基づき、セメント93Kg、
水20.2Kg、砂255Kg、砂利356Kgを配合して342
のコンクリートを得た。このコンクリートのスラ
ンプ値は13.5cmであつて略計画通りの生コンクリ
ートであり、斯かるコンクリートを用いて得られ
た材令1週間後の圧縮強度は210Kg/cm2であり、
又4週間後の圧縮強度は355Kg/cm2であつて計画
に従つたコンクリート製品を得ることができた。 これに対し上記川砂を同じように水中に沈積し
てから減圧処理せずに自然脱水したものの含水率
は27.5%であり、このもので上記計画に従つた水
の添加量を算出したところ、−3Kgとなり、即ち
上記計画に従つた生コンクリートを得ることので
きないものであることを知つた。 又この川砂および川砂利、セメントおよび水を
用い、常法に従い、本発明による湛水、脱水処理
を行うことなしに、表乾状態の川砂を用い、上記
したところと同じ配合のコンクリートを調整した
ところそのスランプ値は16cmであつたが、又この
コンクリートによつて得られた成形体の材令1週
間による圧縮強度は155Kg/cm2、4週間後の圧縮
強度は310Kg/cm2であつて、全く同じ材料を用い
ながら本発明によるものが夫々50Kg/cm2前後高い
強度を有することが確認された。 「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは、同じ
細骨材を用いて注入性その他の特性を充分に改善
したモルタルまたはコンクリートを得しめ、又目
的とするモルタルまたはコンクリートのような水
硬性物質混練物において求められる特性値の1つ
または2つ以上を適切に予定状態とした混練物と
して的確に調整し得るものであつて、工業的にそ
の効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明によるものの具体的な実施態様及
びその技術内容を説明するものであつて、第1図
は細骨材の表面水を変化せしめたものを用いてモ
ルタルを調整した場合における該モルタルの流動
性変化の状態を要約して示した図表、第2図はこ
の第1図に示すように調整されたモルタルを用い
て得られたものの機械的強度を要約して示す図
表、第3図は本発明による計量装置の1例を示す
断面図、第4図はその容器内部構成についての平
面図、第5図はその別の計量装置の断面図、第6
図は更にその別の実施例の断面図、第7図は更に
もう1つの実施例の断面図である。 然してこれらの図面において、1と21は容
器、3と23は濾過筒、4,4aは閉塞手段、5
は昇降操作手段、6は振動機構、7は装入手段、
8,18は計量機構、10はオーバーフローパイ
プ、15は昇降操作手段の小孔、16は排水パイ
プ、17は濾過シート、19は排水部、22は底
蓋、24は補助ホツパー、25は操作シリンダ
ー、26,26aは排水パイプ、27は水位計、
28は散水管、32は中心筒、36,43は減圧
管路、40は給水管、44は注入孔、45は計量
手段を夫々示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 容器に収容された細骨材を水中において気泡
    の発生しない含水状態に湿潤化して準備し、次い
    で該細骨材の水分を予め定められた含水状態に空
    気通過、振動、遠心力若しくは超音波の作用条件
    下で脱水調整し、この湿潤化後の脱水調整状態で
    ある細骨材に水硬性物質粉末を添加し、これに粗
    骨材を添加しまたは添加しないで混合することを
    特徴とする水硬性物質混練物の調整方法。 2 容器に収容された細骨材を水中において気泡
    の発生しない含水状態に湿潤化して準備し、次い
    で該細骨材の水分を予め定められた含水状態に空
    気通過、振動、遠心力若しくは超音波の作用条件
    下で脱水調整し、この湿潤化後の脱水調整状態で
    ある細骨材に定量化された補正投入水を添加混合
    すると共に水硬性物質粉末を添加し、これに粗骨
    材を添加しまたは添加しないで混合することを特
    徴とする水硬性物質混練物の調整方法。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5371859A (en) * 1976-12-09 1978-06-26 Ito Yasuro Methods of measurement of frame materials and determination of water quantity of mixing and kneading* and apparatuses for carrying out the methods

Patent Citations (1)

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JPS6287446A (ja) 1987-04-21

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