JPS6324386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は蓄熱槽用蓄熱ブロツクに関する。

太陽熱空気システムにおける住宅暖房システム
として、熱を蓄熱槽に備え、これを必要に応じ取
り出し得るようにしたものが知られている。

このシステムは、住宅家屋などの床下に地下槽
を設け、この中に相変態形蓄熱材を封入した蓄熱
カプセル（以下「PCMカプセル」と言う）、砕石
などを充填し、密封した上で太陽熱により温めら
れた空気を送入し、これによつて蓄熱を行う構成
としたものであるが、蓄熱材として砕石を用いた
場合、入手が容易である、安価であるといつた利
点の反面、粒形が不均一なため、加温空気の送入
あるいは放熱空気の取出しの際の空気抵抗が大き
く、大きなフアン動力を要し、省エネルギ上好ま
しくないといつた欠点があり、また、いずれの蓄
熱材を用いた場合も、蓄熱槽内に全く空気の流通
しないコア滞が必ず生じるため、その分のスペー
スが無駄となり、また蓄熱効果もそれだけ低くな
るといつた問題があつた。

もつとも、このような難点を解消するには、地
下槽の形状及び送入、放出空気口の位置に工夫を
こらすとか、あるいは通風配管を予め地下槽内に
施し、しかる後に蓄熱材を充填することなどが考
えられるが、いずれも施工に手間が掛り、かつ竣
工後の修理などは、殆んど不可能であり、従つて
配管に目詰まりなどが生じても、放置せざるを得
ないといつた問題があつた。

この考案は上記問題に鑑み、地下などに設けら
れる蓄熱槽内における必要スペースを全く無駄な
くすべて蓄熱に供し得、しかも施工等も非常に簡
単に行なえる蓄熱槽用蓄熱ブロツクを提供するこ
とを目的としてなされたものであつて、多段積み
可能な強度とされた多孔板製の立方体形状をなす
包装体内に蓄熱材が充填され、かつ前記立方体形
状をなす包装体には、多段積みした際、互いに縦
又は横の軸方向に連通されるダクト管が付設さ
れ、かつ該ダクト管にはその周壁に通気孔が穿設
されて成ることを特徴とするものである。

以下、この考案を実施例により説明する。

第１図は、この考案の実施例の斜視図、第２図
は、この考案の実施例の使用状態を示す要部斜視
図、第３図は、この考案の実施例の使用状態を示
す平面図である。

この考案の蓄熱槽用蓄熱ブロツク（以下単に
「蓄熱ブロツク」と言う）Ａは、多段積み（第２
図）可能な強度とされた多孔板１Ａ製の立方体形
状をなす包装体１内に、熱容量の高い蓄熱材、例
えばPCMカプセル２…２が充填され、かつ立方
体形状をなす包装体１には、多段積みした際に互
いに縦又は横の軸方向に連通されるダクト管３
Ａ，３Ｂが付設され、さらにこのダクト管３Ａ，
３Ｂには周壁に通気孔４…４が穿設されて構成さ
れている。

尚、図中３０はダクト管３Ａ，３Ｂの接続用係
合段部である。

上記実施例における包装体１は、後述する作用
により空気流通性を有することが必要であるが、
この目的達成のため、包装体１は孔あき鋼板、あ
るいは第４図に図示のように補強骨組１Ａとその
周囲に張りめぐらせた網体１Ｂ、例えば金網１Ｂ
などにより形成される。

また、ダクト管３は予め包装体１に、第１図に
図示したように一体に取付けても良いが、第４
図、第５図に示すように、ダクト管３Ａ，３Ｂを
別体とし、包装体１にこのダクト管嵌合用凹部３
ｃを形成し、包装体１を多段積みした際に生じる
円筒状スペースにダクト管３Ａ，３Ｂを嵌合挿入
した状態となるように構成しても良い。

なお、この考案における蓄熱ブロツクＡは、持
ち運び作業性の観点より縦横幅共に50cm以下の寸
法とされ、かつ重量も高々40Kg程度とすることが
望ましい。

次に、この考案の実施例の作用について説明す
る。

まず、地下槽Ｒの容積に見合う数の蓄熱ブロツ
クＡを用意し、これを第２図及び第３図に示すよ
うにダクト管３Ａ，３Ｂを相互に接続して積み上
げていき、これらダクト管３Ａ，３Ｂの末端を主
ダクト６及び７に接続し、ダクト管路３０を形成
する。

このとき、蓄熱ブロツクＡの多段積み作業と同
時に配管接続も行なえ、作業が非常に容易とな
り、かつ迅速化される。

そして、太陽熱集熱装置（図示せず）より送ら
れてくる加温空気は、主ダクト６及び７を介して
各ダクト管３Ａ，３Ｂ内へ分配流通し、、ダクト
管３Ａ，３Ｂの周壁に穿設された通気孔４…４よ
り漏出し、蓄熱材２…２に熱を与え蓄熱させる。
また、放熱するには、冷風を主ダクト６及び７か
ら送入し、ダクト管３の通気孔４…４より蓄熱ブ
ロツクＡ内に流入させ、蓄熱材と熱交換のうえ集
積させて取り出すのである。

このとき、包装体１は多孔板製とされているか
ら、包装体１，１間の空気流通が可能であり、し
かもダクト管路３は、包装体１，１間をいわば網
目状に張りめぐらされた状態となつているため、
熱交換を行なうための空気流通性が非常に良く、
従つて地下蓄熱槽の隅々まで、空気滞溜のコア滞
を生じることなく利用し得るのである。

なお、上記説明において、一連に接続したダク
ト３Ａ，３Ｂを蓄熱主ダクトおよび７に夫々並列
的に接続した場合を示したが、各包装体１に付設
されるダクト管３Ａ，３Ｂの配置組み合わせ方に
各種のものを用意することによつて、第６図に示
すような立体網目状の配管３が構成されるように
し、直接これらダクト管３Ａ，３Ｂの接続管路３
に蓄熱、又は放熱空気（矢印で示す）を送入する
ように構成しても良い。

上記実施例において、地下槽を蓄熱槽とした場
合を示したが、この考案の蓄熱ブロツクＡを第７
図に示すように、薄型のものとすれば、建屋の壁
体８内に配設することも出来、このように構成し
た場合、冷暖房時の壁面の断熱効果も発揮され、
熱の有効利用及び無駄が省け、一石二鳥の効果が
ある。

この考案は、以上のように構成されているの
で、蓄熱槽内における蓄熱効率が格段に改良さ
れ、従つて同一の熱容量とするためには、従来に
比し、小型の蓄熱槽で充分であり、またブロツク
を積み上げていくのみで、蓄熱材を配管との両者
の施工が行なえ、施工が容易であり、しかも、故
障時には、必要部分のブロツクのみ取り出せば修
理も可能であり、保守管理も容易であるなど種々
の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例の斜視図、第２図
は、この考案の実施例の使用状態を示す斜視図、
第３図は、この考案の実施例の使用状態を示す平
面図、第４図は、他の実施例の斜視図、第５図
は、さらに他の実施例の斜視図、第６図は、さら
に他の実施例の要部構成図、第７図は、さらに他
の実施例の斜視図である。 Ａ……蓄熱槽用蓄熱ブロツク、１……包装体、
２……蓄熱材、３Ａ，３Ｂ……ダクト管、４……
通気孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 多段積み可能な強度とされた多孔板製の立方
   体形状をなす包装体内に蓄熱材が充填され、か
   つ前記立方体形状をなす包装体には多段積みし
   た際に互いに縦又は横の軸方向に連通されるダ
   クト管が付設され、かつ該ダクト管にはその周
   壁に通気孔が穿設されて成ることを特徴とする
   蓄熱槽用蓄熱ブロツク。 (2) 包装体が、孔あき鋼板により形成されている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の蓄熱槽用
   蓄熱ブロツク。 (3) 包装体が、補強骨組とその周囲に張りめぐら
   せた網体とから形成されている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の蓄熱槽用蓄熱ブロツク。 (4) ダクト管が、包装体に一体的に固定されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項、第２項又は
   第３項記載の蓄熱槽用蓄熱ブロツク。 (5) ダクト管が、包装体に着脱可能の別体とさ
   れ、かつ包装体にダクト管嵌合用凹部が形成さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項、第２
   項又は第３項記載の蓄熱槽用蓄熱ブロツク。