JPS6323744B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、タービン発電機のように、回転子
の両側に冷却用フアンをもつ回転電機に関するも
のである。

従来この種の回転電機として一般に知られてい
るものを第１図に示す。第１図において、１は回
転電機の回転子、２ａ，２ｂは回転子１の両側に
設けられた第１、第２のフアン、３は固定子、４
は固定子枠、５は固定子枠４内に設けられた通風
管、６は固定子枠４内の通風管５を軸方向に仕切
る仕切り板、７は固定子鉄心、８は固定子コイ
ル、９は風案内、１０は回転子１を支える軸受装
置、１１ａ，１１ｂは固定子枠の左右に設けられ
た第１、第２の吸入孔、１２は固定子枠４に設け
られた排出孔、１３ａ，１３ｂは冷却媒体（空
気）を冷やす第１、第２の冷却器（空気冷却器）、
１４，１５は冷却空気の通風回路を構成する第
１、第２の通風ダクトである。

次に通風回路について説明する。第１、第２の
空気冷却器１３ａ，１３ｂによつて冷却された空
気は第１、第２の吸入孔１１ａ，１１ｂから固定
子枠４内に、回転子１に設けられた第１、第２の
フアン２ａ，２ｂにより強制的に吸いこまれ、同
時に強制的に固定子枠４の内部に矢印で示すよう
に押し込まれる。この冷却空気の一部は、回転子
１と固定子鉄心７との間に、また他の一部は通風
管５に至り、固定子鉄心７に設けられた半径方向
ダクト（図示せず）のうちの一部を通つて軸中心
に向つて進み、回転子１と固定子鉄心７との間に
至る。これ等の冷却空気は、再び前記半径方向ダ
クト（図示せず）のうちの残部を通つて半径方向
の外側に向い、固定子鉄心７の外周から排出さ
れ、固定子枠４に設けられた排出孔１２から第１
の通風ダクト１４内に排出され、再び第１、第２
の空気冷却器１３ａ，１３ｂに至る。

この冷却空気の循環は矢印に示すようであり、
この循環によつて回転電機は冷却される。

しかるに従来の通風回路においては、冷却空気
の循環は第１、第２の空気冷却器１３ａ，１３ｂ
に対して独立したものとなつている。このため、
第１、第２の空気冷却器１３ａ，１３ｂのいずれ
かに塵埃が詰まつたりして通風障害を起こし、左
右の通風回路における通風抵抗が不平衡になつた
場合、回転電機の冷却効果が不平衡になり、片側
加熱等の局部過熱の原因になる。さらには、一方
の空気冷却器、例えば第１の空気冷却器１３ａが
故障し、冷却水が断水した場合、第１の空気冷却
器１３ａ側の冷却機能は全く失われ、回転電機が
運転不可能となる重大な欠点があつた。

この発明は前記のような従来の欠点を除去する
ためになされたもので、固定子枠４の左右に設け
られた第１、第２の吸入孔１１ａ，１１ｂを通風
ダクト１４，１５とは別に設けた連通ダクトにて
連通させ、左右の冷却効果を平衡させるようにし
たものである。さらに第１、第２の空気冷却器１
３ａ，１３ｂの何れかが故障した場合、故障した
空気冷却器の通風路をダンパで閉じることによ
り、冷却空気をすべて、健全な空気冷却器を通過
させて冷却し、その後、前記連通ダクトを介して
故障した空気冷却器の側にも分配させ、連続運転
が可能になる回転電機を提供することを目的とし
ている。

以下この発明の一実施例を図に基づいて説明す
る。

第２図において、１６ａ，１６ｂは通風ダクト
１４内に第１、第２の空気冷却器１３ａ，１３ｂ
に対応して、各々の冷却媒体通路を開閉出来るよ
うに設けられた第１、第２のダンパ、１８ａ，１
８ｂは固定子枠４の左右に設けられた第１、第２
の吸入孔１１ａ，１１ｂから冷却媒体（空気）を
導く第１、第２の冷却媒体室、１７は前記両冷却
媒体室１８ａ，１８ｂを連通する連通ダクトで、
固定子枠４の外側に、通風ダクト１４，１５とは
別に設けられたものである。なお、その他の構成
は、従来と同様であるから説明を省略する。

この発明は以上のように、第１、第２の空気冷
却器１３ａ，１３ｂに冷却媒体を導く通風ダクト
１４内に、第１、第２の空気冷却器１３ａ，１３
ｂに対応して、それぞれの冷却空気の通路を遮断
できるようにした第１、第２のダンパ１６ａ，１
６ｂを設け、さらに、固定子枠４の左右に形成さ
れた第１、第２の冷却媒体室１８ａ，１８ｂを連
通する連通ダクト１７を通風ダクト１４，１５と
は別に設けたものである。

今、第１の空気冷却器１３ａが通風障害や故障
を起こした場合、第１のダンパ１６ａを第２図に
示すように、閉じることにより、冷却通風は第２
図に矢印で示す如くすべて健全な第２の空気冷却
器１３ｂを通過し、さらに、冷却媒体室１８ｂを
通過して、一部は軸に沿つて固定子枠４の内部に
送り込まれ、残りは連通ダクト１７を経て通風障
害または故障を起こした空気冷却器１３ａの側、
即ち第２図において左方端に送られ、そこから冷
却媒体室１８ａを経て固定子枠４の内部に供給さ
れることになるため空気冷却器１３ａが健全な場
合と同等の冷却通風路を確保することができる。

なお、前記実施例では、第１、第２のダンパ１
６ａ，１６ｂを第１の通風ダクト１４内に設けた
が、第２の通風ダクト１５内に設けてもよい。ま
た第１、第２のダンパ１６ａ，１６ｂの形状、構
造についても任意である。さらに連通ダクト１７
は、固定子枠４の外側に設ける例を示したが、第
３図に示すように、仕切り板６を貫通する形で固
定子枠４内に組み込んでもよく、その数は複数個
（例えば底部と側部に設ける）であつてもよい。

この発明は以上のように構成され、第１、第２
の空気冷却器１３ａ，１３ｂのうち通風障害や故
障を起こした側の通風を、それに対応したダンパ
１６ａまたは１６ｂによつて遮断し、すべての冷
却通風が健全な空気冷却器を通るように構成する
と共に、冷却通風の一部を連通ダクト１７によつ
て通風障害や故障を起こした空気冷却器の側に分
配供給するようにしている。従つて、運転中に、
いずれかの空気冷却器が塵埃の付着による冷却媒
体の通風障害を生じ、冷却媒体室１８ａ，１８ｂ
に圧力差を生ずることがあつても連通ダクト１７
によつて正常な空気冷却器側の冷却媒体室から故
障した空気冷却器側の冷却媒体室に冷却媒体が供
給され、両冷却媒体室の圧力が平均化する結果、
回転電機の左右の通風不平衡が解消され、片側過
熱等の局部過熱の心配がなくなる。また第１、第
２の空気冷却器１３ａ，１３ｂのいずれか一方が
故障または断水によつて、冷却機能を失つた場合
にも冷却機能を失つた側のダンパ１６ａまたは１
６ｂを閉じることにより、上述の場合と同様に、
回転電機の連続運転が可能となる。いずれの場合
にも、一方の空気冷却器のみで冷却を行なうこと
になるため、当然のことながら回転電機の性能は
温度的に幾分低下することになるが、第１、第２
の空気冷却器１３ａ，１３ｂを、各々単独にて回
転電機の定格における冷却を行ない得るような性
能としておけば、第１、第２の空気冷却器１３
ａ，１３ｂの何れか一方が故障等を生じた場合で
も、他方の空気冷却器のみで回転電機の全負荷に
よる運転が可能となり、極めて有利な全閉型自冷
式回転電機を得ることが出来る。

以上のようにこの発明によれば、正常運転状態
では通風不平衡が解消され、局部過熱がなくな
り、第１、第２の空気冷却器の何れか一方が故障
した場合においても連続運転が可能となる等の諸
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転電機の側断面図、第２図は
この発明に係る回転電機の一実施例を示す側断面
図、第３図はこの発明の他の実施例を示す側断面
図である。 図において、１は回転子、２ａ，２ｂは第１、
第２のフアン、３は固定子、４は固定子枠、５は
通風管、６は仕切板、７は固定子鉄心、８は固定
子コイル、９は風案内、１０は軸受装置、１１
ａ，１１ｂは第１、第２の吸入孔、１２は排出
孔、１３ａ，１３ｂは第１、第２の空気冷却器、
１４，１５は第１、第２の通風ダクト、１６ａ，
１６ｂは第１、第２のダンパ、１７は連通ダク
ト、１８ａ，１８ｂは第１、第２の冷却媒体室で
ある。なお、図中同一符号は同一または相当部分
を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定子枠内に回転可能に収納された回転子、
   前記固定子枠内において前記回転子の両側部に取
   付けられ前記回転子の中央部に冷却媒体を送り込
   む第１、第２のフアン、前記第１、第２のフアン
   に対応して前記固定子枠に設けられ前記固定子枠
   内の第１、第２の冷却媒体室に冷却媒体を吸入す
   る第１、第２の吸入孔、前記固定子枠の中央部に
   設けられ前記固定子枠内の冷却媒体を排出する排
   出孔、前記排出孔と前記第１、第２の吸入孔とを
   連通する通風ダクト、前記通風ダクト内において
   前記第１、第２の各吸入孔と前記排出孔との間に
   設けられた第１、第２の冷却器、前記第１、第２
   の冷却器の冷却媒体通路をそれぞれしや断し得る
   ようにされた第１、第２のダンパ、および前記通
   風ダクトとは別に設けられ、前記第１、第２の冷
   却媒体室を連通する連通ダクトを備えたことを特
   徴とする回転電機。 ２ 連通ダクトは、固定子枠外に設けられている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の回
   転電機。 ３ 連通ダクトは、固定子枠内に設けられている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の回
   転電機。