JPS6322910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートフレームとパツドとが一体発泡
されて形成される自動車等のリクライニング用発
泡シートに関する。

ウレタン樹脂等が発泡されてシート形状のパツ
ドを製造するには、シートフレームがパツドに埋
設されるようにシートフレームとパツドとが一体
発泡されている。このように形成された発泡シー
トは、従来、第１図及び第２図に示すように、シ
ートフレーム２が埋設されたパツド１がシート形
状に成形されてなるものであり、シートクツシヨ
ンと連結されるリクライニングアツパーアーム４
は、この一体成形の後にボルト５で左側のシート
フレーム２に取着されるものであつた。このた
め、発泡成形の以前には、前記左側のシートフレ
ーム２には、リクライニングアツパーアーム４の
ねじ止めによる取着が可能なように、シートフレ
ームの右側面にウエルドナツト３がスポツト溶接
等で予め取り付けられてから、一体成形が行なわ
れていた。そして、上記一体成形の後にはパツド
１外面に表皮６が被覆せしめられ、リクライニン
グ用発泡シートが成形されていた。しかしなが
ら、かかる従来のシートはボルト５及びリクライ
ニングアツパーアーム４が表皮６と直かに接触し
ているため、人体がこの部分に接触すると固い感
触を与え好ましいものではなかつた。又、表皮６
がこれらのリクライニングアツパーアームやボル
トに接触して擦過されると表皮６が破れるという
欠点もあり、さらには、シートの一体成形の際に
はシートフレーム２に予め固着された前記ウエル
ドナツト３のねじ穴内に発泡されたウレタン樹脂
が入り込んで付着するため、リクライニング用ア
ジヤスターの組み付け作業に支障をもきたしてい
た。

本考案はシートフレームとパツドが一体発泡さ
れるシートの上記の欠点を除去し、触感上好まし
く、しかも表皮が容易に破れることのないリクラ
イニング用発泡シートを提供することを目的と
し、シート形状のパツドの一側部にスリツトが形
成され、このスリツトにシートフレームが位置す
るように埋設されると共に、スリツトの外側の舌
片がシートフレームを被覆するように形成されて
いることを特徴とするものである。

以下、本考案の一実施例を、第３図ないし第６
図を参照して具体的に説明する。

図示の実施例において、従来例と同一の部分は
同一の符号を付してその詳細は省略するが、本実
施例においては、ウレタン樹脂が発泡されてシー
ト形状に形成されたパツド１には、第４図及び第
５図に示すようにその左側の側部が没入されて、
空隙のスリツト８が形成されている。そして、シ
ートフレーム２はこのスリツト８の左端部からパ
ツド１に埋設されるように、パツド１と一体発泡
して形成されている。又、このスリツト８の外
側、すなわわちパツドの左側端面には上下に２枚
の舌片７，７′が一体発泡で形成され、前記シー
トフレーム２に被覆するようになつている。従つ
て、シートフレーム２に取着されるリクライニン
グアツパーアーム４及びボルト５は、この舌片
７，７′に被覆された状態となるため、パツド１
に表皮６が外側から被覆されても、表皮６とリク
ライニングアツパーアーム４及びボルト５との直
接の接触が妨げられるため、接触に起因して表皮
６が破れることがなくなると共に、人体がこの部
分に触れてもウレタン樹脂の軟い感触を与えるか
ら、触感上も好ましいものとなる。

この実施例において、リクライニングアツパー
アーム４とボルト５をシートフレーム２に取り付
けるには、パツド１の前記舌片７，７′を外側に
拡開した状態で、シートフレームにねじ込めばよ
く、その後は舌片７，７′を元の状態に戻すこと
で、これらの部材の被覆が可能となる。

第６図は、この実施例のシートを一体発泡で成
形する場合を示している。同図において、９は一
体発泡の際にシートフレーム２に取り付けられる
冶具である。この冶具９は板状のブロツク１０と
ブロツク１０の一側面に突出して形成されたピン
１１，１１とピン１１，１１と同じ側面上に埋め
込まれた複数のマグネツト１２，１２……及びピ
ン１１，１１と反対側の側面に突出した薄板状の
仕切り板１３とからなつている。そして、この冶
具は、ピン１１，１１がシートフレーム２に固着
されたウエルドナツト３のねじ穴内に挿入され、
マグネツト１２，１２……の磁力でシートフレー
ム２に取り付けられており、一体発泡の際に、ブ
ロツク１０の部分で前記スリツト８が形成される
ようになつており、シートが成形された後はシー
トフレーム９から取り外して再使用に供されるよ
うになつている。従つて、この冶具を使用して発
泡した場合には、前記ウエルドナツト３内にピン
１１が挿入されているから、樹脂がウエルドナツ
ト３のねじ穴内に侵入して付着するのを阻止する
ことができ、これにより、リクライニングアツパ
ーアームの取着が極めて容易となる。

次に、第７図及び第８図は本考案の別の実施例
を示しており、この実施例においても前記実施例
と同様に前記スリツト８がパツド１の一側部に形
成されるが、このスリツト８の外側に形成される
舌片７は厚みのある形状であり、下部がパツド１
と離間されている。従つて、この実施例において
も、リクライニングアツパーアーム４やボルト５
は舌片７で被覆されるから、触感上好ましく、表
皮が破れることもない。この場合、リクライニン
グアツパーアーム４を取着するには第８図破線で
示すように、舌片７を上方に折り曲げた状態で行
ない、取着後は実線の状態に復帰せしめればよ
い。なお、発泡の際には、ウエルドナツト３のね
じ穴内にピンを挿入しておくことにより、ウエル
ドナツド３のねじ穴内への樹脂の付着を防止する
ことができる。

以上、詳細に説明したように、本考案によれ
ば、触感上好ましく、又、表皮が破れることもな
く、さらにはリクライニングアツパーアームの取
着が容易なリクライニング用発泡シートを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図はそのＡ−Ａ
線断面図、第３図は本考案の一実施例の斜視図、
第４図はそのＢ−Ｂ線断面図、第５図は要部の断
面図、第６図は発泡成形時のシートフレームの斜
視図、第７図は本考案の別の実施例の斜視図そし
て第８図はそのＣ−Ｃ線断面図である。 １……パツド、２……シートフレーム、３……
ウエルドナツト、４……リクライニングアツパー
アーム、５……ボルト、６……表皮、７，７′…
…舌片、８……スリツト、９……冶具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リクライニングアツパーアームが取着可能に形
   成されたシートフレームがパツドに埋設されてシ
   ート形状に一体的に発泡せしめられるリクライニ
   ング用発泡シートにおいて、前記シート形状のパ
   ツドの一側部にスリツトが形成され、このスリツ
   トに前記シートフレームが位置して埋設されると
   共に、スリツトの外側の舌片が前記シートフレー
   ムに被覆可能に形成されたことを特徴とするリク
   ライニング用発泡シート。