JPS6320039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジンに対する潤滑油の給油圧力が
安全限界を逸脱した場合に、これを自動的に警報
表示させるためなどに使用されるオイルプレツシ
ヤースイツチの改良に関する。

従来のオイルプレツシヤースイツチは、第１図
に示されているように構成されていた。

すなわち、中央部に通油孔１を有する器体２に
凹部が形成され、その内底部にダイヤフラム３が
設けられている。ダイヤフラム３はオイルシール
用のＯリング４と凹部に嵌合され器体２に一体に
嵌着されるユニツトキヤツプ５の先端とで止着さ
れてシールされる。ユニツトキヤツプ５には空室
６が形成されており、開口端側に段部７が形成さ
れている。

ダイヤフラム３にはつば部８を有する剛性スプ
リング受９が載置されており、つば部８がユニツ
トキヤツプ５の段部７内に、上下動可能なように
十分な間隙を保つて位置している。空室６内には
コイルスプリング１０が設けられており、下部が
スプリング受９に係合保持されるとともに、上部
はストツパ１１（第３図参照）に係合されてい
る。そして、スプリング受９には接点１２が固着
されており、この接点１２は接点板１３に当接し
ている。なお１４は、スプリング１０の強さを調
整するために、ユニツトキヤツプ５に設けられて
いる調整子である。

さて、エンジンが活動して、油圧が所定の安全
限界まで高まると、通油孔１を通じて加えられる
通圧により、ダイヤフラム３が変位し、これにつ
れてスプリング受９がスプリング１０を圧縮しな
がら上昇する。従つて、接点１２と接点板１３と
の接続が切断される。

なお、図示していないが、接点１２と接点板１
３とは表示灯回路の一部を構成しており、第１図
の状態で表示灯を点灯するようになつている。よ
つて、接点１２と接点板１３との接続が切断され
ると、表示灯が消灯し、油圧が安全限界を維持し
ている状態を示すことになる。しかし、潤滑油の
一定量を欠くか、または順調な強制給油に支障を
生じて、油圧が所定の安全限界を維持できなくな
ると、ダイヤフラム３はスプリング１０の力に押
しもどされて、スプリング受９と共に下降し、接
点１２と接点板１３とが接触し、表示灯を点灯さ
せ、安全限界が維持できなくなつたことを警報表
示する。

ところで、上記の如き従来のオイルプレツシヤ
ースイツチは、ユニツトキヤツプ５の段部７とス
プリング受９のつば部８との間には、同心上に間
隙が存在しているため、ダイヤフラム３に油圧が
加わると、第２図に示すように、ダイヤフラム３
がユニツトキヤツプ５とスプリング受９との間の
すき間に落ち込んで凹状となり、ダイヤフラム３
の端部がＯリング４から抜けるおそれがあつた。
このため潤滑油等が器体２とユニツトキヤツプ５
との間のすき間を伝わつて外へにじみ出たり、ユ
ニツトキヤツプ５内へ侵入する等の欠点があつ
た。

このような欠点を除去するために、ユニツトキ
ヤツプ５の段部７とスプリング受９のつば部８と
の同心上の間隙を可能な限り狭くすることが試み
られたが、このようにすると、油圧の増減に応じ
て動作を繰り返しているうちに、この微少すき間
にダイヤフラム３がくい込んでしまい、油圧の増
減にダイヤフラム３がスムースに応答しなくなつ
て、動作にヒステリシス現象を呈するようになる
新らたな問題が生ずることとなつた。

本考案はこのような事情にもとづきなされたも
ので、上記の如き従来の欠点を除去したオイルプ
レツシヤースイツチを提供しようとするものであ
る。

以下本考案の一実施例を第３図および第４図を
参照して詳細に説明する。

本考案のオイルプレツシヤースイツチは、第１
図に示したものに対して、ユニツトキヤツプ５の
開口端側と剛性スプリング受９のつば部８の形状
が異なつており、他の構成は同じである。従つ
て、第３図、第４図には、第１図、第２図と同一
部分に同一符号を附して示してあるので、同一部
分の説明は省略する。

さて、本考案においては、ユニツトキヤツプ５
の開口部近傍が、開口側へ向けて広がる錐状に形
成されたテーパー部７０となつており、従来のよ
うな段部７とは異なつている。そしてこのテーパ
ー部７０に囲まれる位置にスプリング受９のつば
部８が置かれ、このつば部の先端側の前記テーパ
ー部７０との対向面８０がテーパー部７０と同様
の錐状に形成されている。

従つて、第３図の位置にあつたスプリング受９
は、油圧が安全限界を維持している状態では、ダ
イヤフラム３に押し上げられて第４図に示すよう
に、つば部８の対向面８０がユニツトキヤツプ５
のテーパー部７０に接することとなる。しかしこ
のとき面接触面は同様の錐状に形成されているた
め互に摺接し、摺接部にすき間は生じない。

このため、ダイヤフラム３は油圧を受けても、
Ｏリング４から抜けるほどの変形を受けることは
なく、またすき間にくい込んでスイツチ動作にヒ
ステリシス現象を起させるおそれもない。従つ
て、本考案によれば、スイツチ動作が安定し、油
もれを生ずることもなく、信頼性の高いオイルプ
レツシヤースイツチが提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオイルプレツシヤースイツチの
構造を示す一部切欠断面図、第２図は第１図のス
イツチの動作状態を説明するために示した要部断
面図、第３図は本考案に係るオイルプレツシヤー
スイツチの一実施例を示す断面図、第４図は第３
図のスイツチの動作状態を説明するために示した
要部断面図である。 １…通油孔、２…器体、３…ダイヤフラム、４
…Ｏリング、５…ユニツトキヤツプ、６…空室、
８…つば部、９…スプリング受、１０…コイルス
プリング、１１…ストツパ、１２…接点、１３…
接点板、７０…テーパー部、８０…対向面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通油孔を有する器体と、この器体の凹形内底部
   に設けられたダイヤフラムと、このダイヤフラム
   の周囲をＯリングに対して押接するように前記器
   体に嵌着され一端開口の空室を有するユニツトキ
   ヤツプと、このユニツトキヤツプの空室内に位置
   し上部がストツパに係合し、下部が前記ダイヤフ
   ラムに載置されたつば部を有する剛性スプリング
   受に係合保持されたスプリングと、前記通油孔を
   通して前記ダイヤフラムは所定圧力以上の油圧が
   供給されることによつて開路される接点部材とを
   有するオイルプレツシヤースイツチにおいて、前
   記ユニツトキヤツプの空室の開口部近傍が開口側
   へ向けて広がる錐状に形成されているとともに、
   前記スプリング受のつば部が前記ユニツトキヤツ
   プの開口部に摺接可能なように錐状に形成されて
   いることを特徴とするオイルプレツシヤースイツ
   チ。