JPS6319910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は店頭におかれている商品を一般講買者
に展示し、かつ万引きから守るための商品の収納
容器に関するものである。

一般に万引きを防止する有効なシステムとして
は、たとえば商店の出口に電磁界を発生させる一
対の空中線を設け、防止される商品には個々に共
振回路を組込んだタグを利用するものがある。こ
のタグは上記一対の空中線間を通過すると、電磁
界に対し電磁気的に応答し所定の電磁界を乱すこ
とによつて警報を鳴らすものである。陳列商品が
正しく購入される場合、商品の販売時点で店員は
商品に取付けてあつたタグを取り除くので、商品
が一対の空中線間を通過しても警報を鳴らすこと
はない。次に、陳列商品が不正に店外へ持出され
る場合つまり万引きをされる場合、商品にタグが
取付けられたまま一対の空中線間を通過するの
で、警報が鳴り店員が注意を与えることになる。

しかしながら、商品によつてはタグを容易に取
付けることが出来ず、且つ購買者に常時展示を必
要とするものがある。例えば、カセツトテープ、
小型カメラ、腕時計、ライター、筆記用具等その
他多くの商品が数え上げられる。このような商品
にもタグが取付けられるよう、本出願人による実
願昭55−143387（実開昭57−68070）、実願昭56−
9761（実開昭57−123588）に開示されているよう
な商品の収納容器がある。この容器は四角箱状の
容器本体と、この容器本体の開口面を閉ざしかつ
容器本体と嵌合する蓋体とから構成されている。
これら容器本体や蓋体を構成している板体の厚さ
は、万引き行為における爪によるこじあけを防止
するために所定の厚みを有している。

よつて、容器本体と蓋体とによつて収納された
商品例えばカセツトテープは、全体的な寸法にお
いてその長手方向上下に対して容器本体と蓋体と
の板の厚さが加わり、またカセツトテープの厚さ
方向に対して蓋体の板の厚さが加わることにな
る。このため、結果的には、商品として陳列され
ているカセツトテープの大きさは収納されている
容器の大きさをも含むものとなり、容器に収納さ
れていないカセツトケースよりもカセツトテープ
の上下方向及び厚さ方向に大きいものとなつてい
る。しかしながら、従来一般のレコード店内に設
けられているカセツトテープ商品の陳列棚の上下
寸法は第１図に示すように、上下方向（図中上下
方向）多段に設けられた棚と棚との間隔ｔがカセ
ツトテープ１の高さよりも僅かに高くなるよう設
計されている。そして、これらカセツトテープ１
は多段の棚の上に横方向（図中左右方向）一列に
多数陳列される。

このような、上記陳列棚に前述した容器に収納
されたカセツトテープを陳列しようとしても、容
器の高さが上記棚間の間隔ｔよりも高いため従来
の陳列棚に陳列できない欠点があつた。

更に、たとえ陳列棚に容器に収納されたカセツ
トテープが無理に陳列できたとしても、容器の厚
さがカセツトテープの厚さよりも厚い。このた
め、通常カセツトテープを陳列する陳列棚に、容
器に収納されたカセツトテープを陳列すると陳列
商品全体の約一割のカセツトテープが陳列できな
い状態となる。よつて、上記容器に収納されたカ
セツトテープの商品では、陳列棚に多量の商品を
陳列できない欠点があつた。

本考案は前述のような諸欠に鑑み案出されたも
ので、従来用いられている一般の陳列棚にも寸法
形状に無理なく陳列できるようにし、かつ多量の
商品を陳列できるようにした万引き防止用商品収
納容器を提供することを目的とする。

このような目的を達成するために、本考案は容
器本体の底部に孔を形成し、かつ側枠部に弾性部
材を設けるようにしたものである。

以下図面を参照しながら本考案の一実施例を詳
細に説明する。まず、第２図において、万引き防
止用商品収納容器は一面を開口面２とする四角箱
状の容器本体３より構成されている。この容器本
体３の材質は透明な合成樹脂（アクリル樹脂、ポ
リカーボネート、ABS樹脂、硬質塩化ビニール）
等が使われている。さらに、構成について詳しく
述べると、容器本体３の底部４は四角形状をした
平面板体を形成しており、この底部４の上面周縁
には側枠部５が設けられている。容器本体３の内
側における上記側枠部５の一側壁面６には、樹脂
バネ、金属バネ等の弾性部材７ａ，７ｂが接着剤
又はかしめ等の取付手段によつて夫々設けられて
いる。また、上記底部４の四角部には孔８ａ〜８
ｄが夫々形成されている。

次に、本実施例の作用を、第３図〜第５図を用
いて説明する。まず、第３図に示すように想像線
で表わしたカセツトテープ１を容器本体３の開口
面２より容器本体３に収納する。この場合、容器
本体３に収納されたカセツトテープ１は第４図に
示すように弾性部材７ａによつて、一側壁面６と
対向する壁面側へ弾性付勢されることになる。こ
の弾性付勢されているカセツトテープ１は容器本
体３内において固定状態となつており、慣性によ
つてカセツトテープ１を振り落そうとしても容易
に振り落せないよう固定化されている。なお、所
定の電磁界を乱し警報を鳴らす共振回路が組込ま
れたタグ（図示しない）はカセツトテープ１と底
部４との間に設けられるものである。

このように、容器本体３内に収納されているカ
セツトテープ１が正しく講入される場合、カセツ
トテープ１の販売時点で店員は容器本体３からカ
セツトテープ１を取出すために、第５図に示すよ
うな治具９を用いる。この治具９は四角形状をし
た基台１０上面の四角部には、前記底部４に形成
された孔８ａ〜８ｄに嵌挿するためのピン１１ａ
〜１１ｄが植設されている。

更に、上記基台１０の二角部には、孔８ａ〜８
ｄをピン１１ａ〜１１ｂに夫々案内嵌挿するため
の略Ｌ字状をしたガイド部１２ａ，１２ｂが基台
１０と一体に設けられている。

上記容器本体３からカセツトテープ１を取出す
際は、容器本体３をガイド部１２ａ，１２ｂに当
接して、孔８ａ〜８ｄにピン１１ａ〜１１ｂを嵌
挿させるための位置決めを行ない、この位置決め
後容器本体３を押し上げる。すると、ピン１１ａ
〜１１ｄは孔８ａ〜８ｄを嵌挿後カセツトテープ
１は容器本体３から所定距離離脱することにな
る。離脱したカセツトテープ１は手によつて容易
に容器本体３外へ取出され、タグとは離別され
る。よつて、講買者が所望のカセツトテープ１の
みを商店の出口に設けられた図示しない一対の空
中線間を通過しても、万引きを知らせる警報は鳴
らない。

次に、カセツトテープ１が万引きをされる場合
はカセツトテープ１が容器本体３に収納されたま
ま店外に持出そうとすると、一対の空中線間を通
過するとき容器本体３内に設けられたタグが所定
の電磁界を乱すことになる。そして、一対の空中
線はこの乱れた電磁界を感知して警報を鳴らす。
よつて、店員はこの不正な購買者に対して、警報
を知り注意を与えることができる。また、不正な
購買者が店内で店員の監視の目を盗んで、容器本
体３からカセツトテープ１を取出そうと側枠部５
とカセツトテープ１との間隙に爪を入れて取出そ
うとしても、弾性部材７ａ，７ｂの弾性付勢力に
よつてカセツトテープ１が容器本体３内に強固に
固定されているため、容易に容器本体３からカセ
ツトテープ１を取出せることは出来ない。また、
同様に容器本体３からカセツトテープ１を振り落
そうとしても、カセツトテープ１を容器本体３か
ら容易に振り落すことができず、万引き行為を完
全に防止することができる。

従つて、前述したように、容器本体３の大きさ
はその高さ及び厚さにおいて前述した蓋体の板の
厚さがなくなるために、全体的に小さくなる。そ
して、カセツトテープ１とタグとが収納された容
器本体３は万引き防止用商品収納容器として、一
般の商品陳列棚上に陳列する際に、棚間の間隔ｔ
に対して何ら障害となることはない。また、容器
本体３の厚さは蓋体のある容器に比べ小さいた
め、万引き防止手段が施された多量のカセツトテ
ープを陳列棚に陳列することができる。

また、通常レコード店内に陳列されているカセ
ツトテープは何万種と音楽テープがあるので、こ
れら多量のカセツトテープと同数の万引き防止用
商品収納容器を用意せねばならない。本実施例に
おいては、万引き防止用商品収納容器において前
述した蓋体を不要なものとしたため、万引き防止
用商品収納容器を安価に提供できる。

なお、前記実施例においては容器本体３内にタ
グを設けるようにしたが、本考案はこれに限定さ
れることなく第６図に示すように共振回路を構成
するプリント回路１３が容器本体３の内面にプリ
ントされたものでもよい。更に、上記プリント回
路１３は容器本体３の外面にプリントされたもの
でも良いことは言うまでもない。この場合、プリ
ントされたプリント回路１３の表面は合成樹脂材
等でラミネート加工され、その表面を外部から防
護する必要がある。この容器本体３の外面にプリ
ント回路１３がプリント処理される工程は容易に
実施しやすく大量生産に好適で、経済的である。

上記プリント回路１３はコイル１４とコンデン
サ１５とが組合わされてプリント処理されたもの
である。

また、前記実施例においては底部４の四角部に
四個の孔８ａ〜８ｄを形成するようにしたが、本
考案はこれに限定されることなく、底部４の任意
の位置に少なくとも一個以上の孔を形成したもの
でもよい。

更に、本考案の一実施例として、カセツトテー
プを商品の例として用いて、容器本体の形状も四
角箱状としたが本考案はこれに限定されることな
く、小型カメラ、腕時計、ライター等の商品の形
状に合わして容器本体の形状を成形してもよい。

また、前記実施例においては側枠部５の一側壁
面６に弾性部材７ａ，７ｂを取付けるようにした
が、本考案はこれに限定されることなく、弾性部
材７ａ，７ｂは側枠部５と一体成形したものでも
よい。

以上説明したように、本考案においては、容器
本体の底部に孔を形成し、容器本体の側枠部に弾
性部材を設けることによつて、容器全体の大型化
の一因となる蓋体を不要なものとした。このた
め、万引き防止用商品収納容器全体の大きさを縮
小することができ、従来一般に用いられている商
品陳列棚へ、万引き防止用商品収納容器に収納さ
れている商品を多量に且つ寸法上無理なく陳列す
ることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、カセツトテープが陳列されている陳
列棚を示した正面図、第２図は本考案の一実施例
を示す斜視図、第３図は、第２図に示した容器本
体にカセツトテープが収納された状態を示す正面
図、第４図は、第３図の−線断面図、第５図
は、治具を用いて容器本体からのカセツトテープ
の離脱操作を説明する斜視図、第６図は、本考案
の他の実施例を示す斜視図である。 図面中、２……開口面、３……容器本体、４…
…底部、５……側枠部、６……側壁面、７ａ，７
ｂ……弾性部材、８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ……
孔、１３……プリント回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 底部及びこの底部の周縁に設けられた側枠部
   を有する万引き防止用商品収納容器において、
   上記側枠部の少なくとも一側壁面に常時容器内
   方へ弾性付勢する弾性部材を設け、上記底部に
   上記容器本体内に収納されている商品を外方へ
   取出すよう少なくとも一つ以上の孔を形成した
   ことを特徴とする万引き防止用商品収納容器。 (2) 上記容器の内壁面又は外壁面に共振回路を構
   成するプリント回路を設けたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第一項記載の万引き防
   止用商品収納容器。