JPS6318939Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、円板、角板等の板状マグネツト単
体の外部磁束密度測定を可能にした磁束密度測定
装置に関する。

一般に、磁束密度測定器（以下ガウスメータと
いう）を用いてマグネツトの外部磁束密度を測定
する場合、このガウスメータのホール効果を利用
した磁束密度検出部分（ホールプローブ）とマグ
ネツトとの相対位置を正確に、かつ再現性よく設
定出来、かつこの操作が簡単に行なえることが望
まれる。またマグネツト着磁状態の評価は、従
来、円板マグネツト中心軸延長上所定位置におけ
る磁束密度の値のみで行なわれていた。しかし、
最近マイクロ波回路の集積化に伴い、マイクロ波
帯の非可逆回路素子であるサーキユレータやアイ
ソレータもフエライト基板上にマイクロストリツ
プ回路のパターンを形成してこの回路面の反対の
面に直接マグネツトを置く様な簡単でかつ小形な
構造となつてきた。このためフエライト基板とマ
グネツト間の距離が従来のサーキユレータに比較
し近くなり、これによりマグネツトの着磁不均一
による外部磁束密度分布の乱れが顕著に現われ、
これがサーキユレータの特性を劣化させる大きな
原因となつてきた。従つてマグネツトの着磁状態
の評価を中心軸延長上所定位置における値で行う
のみでなく磁束密度分布で行う必要も生じてき
た。

このため本願考案者の一人により第１図の磁束
密度測定装置が既に提案されている（実願昭55−
143099）。図において、１は先端部１０に検出素
子であるホール素子を設けたガウスメータのプロ
ーブ、２は被測定物のマグネツト、３は筐体、４
は位置決め金具、５はスペーサ、６はマイクロメ
ータヘツド、７は位置調整金具である。この構成
によりガウスメータのプローブ１とマグネツト２
の相対位置に定めている。位置決め金具４の中央
には、マグネツト２を収容するためマグネツト２
と同一形状の貫通穴が設けてある。またスペーサ
５は位置決め金具４と同一の外形寸法の形状を有
しておりその板厚を選択することにより、ガウス
メータのプローブ１とマグネツト２間の垂直方向
の相対位置を必要な距離に設定できる。この場合
マイクロメータのヘツド６を回転すると、先端部
６′が前後に動いて調整できる様に筐体３に取付
けられており、これによりマグネツト２とガウス
メータのプローブ１との水平方向の相対位置を必
要な距離に設定できる。位置調整金具７は位置決
め金具４とスペーサ５を同時に動かす役割を果
し、押え板８はガウスメータのプローブ１の先端
部１０を筐体３に固定するためのものであり、こ
れらは非磁性体物質で構成されている。即ち、位
置調整金具７とマイクロメータとはマグネツト２
を水平方向に移動調整する位置調整手段を構成し
ている。

以上の構造により、ガウスメータプローブ１と
マグネツト２の水平方向相対位置はマイクロメー
タヘツド６により正確に設定でき、また垂直方向
はスペーサ５の板厚を選択することにより正確に
設定できる。この磁束密度測定装置は円板マグネ
ツトの任意の直径上の磁束密度分布の測定に適し
ている。一方、小形サーキユレータ用のマグネツ
トの特性として、円板マグネツトの中心軸から一
定距離の円周上での磁束密度の値がその円周上で
変らないことが要求される。この評価のために、
第１図の磁束密度測定装置では被測定円板マグネ
ツトの中心軸とホールプローブの磁束密度検出部
分との距離が所定の値となる様に位置決め金具を
適当な位置に設定し被測定マグネツトを回転すれ
ば良いが、この構造では回転角度を測定出来ない
し、またマグネツトを回転しにくいという欠点が
あつた。

この考案の目的は、以上の考察にもとづいて、
任意直径の円周上の磁束密度分布を正確に、再現
性良く、かつ簡単に測定することが可能な磁束密
度測定装置を提供することにある。

この考案によれば、ガウスメータのプローブと
マグネツト間の垂直方向および水平方向の距離調
整およびマグネツトの回転角度を設定する機構を
有する磁束密度測定装置が得られる。

以下にこの考案を図面により詳細に説明する。

第２図はこの考案の実施例の部分断面斜視図で
あり第１図と同じ番号は同一構成要素を示す。但
し、位置決め金具４の貫通穴の周囲には角度目盛
１４が表示されており、また貫通穴の直径は回転
金具１１及びリング１２を同時に収容できるよう
に第１図のものより大きくなつている。更に、リ
ング１２の中央部にはマグネツト２を収容する収
容穴が設けられている。滑り止めのシート１３は
回転金具１１を位置決め金具４内で回転したとき
マグネツト２およびリング１２が同時に回転する
様にゴム等の摩擦係数の大きい材質を用いて回転
金具１１の内面に接着してある。また回転金具１
１には回転角度を読み取るための基準位置の表示
１５が施してある。１６は貫通棒穴で、ここに適
当な棒をさし込み、回転金具１１を回転させる。

この装置による磁束密度分布の測定は第２図に
おいて貫通棒穴１６にさし込んだ棒で回転金具１
１をマグネツト２と共に回転することにより行な
われる。この場合、回転角度の変化量は角度目盛
１４と基準位置１５の対応で読み取ることができ
る。また被測定マグネツトの直径は多様化してお
り、位置決め金具４および回転金具１１をそれだ
け多種類必要とするが、内直径が被測定マグネツ
トと同一直径であるリング１２を用意しておけば
位置決め金具４および回転金具１１が一種類でも
いろいろの直径のマグネツトの測定が可能であ
る。

以上のようにこの磁束密度測定装置を用いるこ
とにより、サーキユレータ用マグネツトの着磁状
態を評価するために、円板マグネツトの中心軸か
ら任意の点で、その円周上の磁束密度分布データ
を正確にかつ再現性良く簡単に測定でき、これに
より板状マグネツトを使用したサーキユレータ、
アイソレータの製造品質の維持に大きく貢献出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁束密度測定装置の斜視図、第
２図はこの考案の実施例の一部断面図を含む斜視
図である。 図において、１……ガウスメータのプローブ、
２……マグネツト、３……筐体、４……位置決め
金具、５……スペーサ、６……マイクロメータヘ
ツド、６′……ヘツド先端部、７……位置調整金
具、８……押え板、１０……プローブ先端部、１
１……回転金具、１２……リング、１３……滑り
止めシート、１４……角度目盛、１５……基準位
置表示、１６……貫通棒穴、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被測定物となる板状マグネツトをこの板面に平
   行に保持する位置決め金具と、この位置決め金具
   を一定方向に摺動できるように支持する筐体と、
   この筐体と前記位置決め金具との間に挿入されて
   この位置決め金具の高さを調節するスペーサと、
   前記筐体に保持され前記位置決め金具の一定方向
   の移動を調整する位置調整手段と、前記筐体に固
   定され前記被測定物の磁束密度を検出する磁束密
   度検出手段とを含む磁束密度測定装置において、
   前記位置決め金具の貫通穴内に収容され中央部に
   前記被測定物を収容する収容穴を有する板状のリ
   ングと、このリング及び前記被測定物に密接して
   これらとともに前記貫通穴内を回転できる回転金
   具と、前記位置決め金具の上面で前記貫通穴の周
   囲に設けた角度目盛と、この角度目盛に対応して
   前記回転金具に設けた基準位置を示す指標とを含
   むことを特徴とする磁束密度測定装置。