JPS6318839B2 - - Google Patents

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JPS6318839B2
JPS6318839B2 JP53026477A JP2647778A JPS6318839B2 JP S6318839 B2 JPS6318839 B2 JP S6318839B2 JP 53026477 A JP53026477 A JP 53026477A JP 2647778 A JP2647778 A JP 2647778A JP S6318839 B2 JPS6318839 B2 JP S6318839B2
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zeolite
battery
molecular sieve
sulfur
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Kotozaa Joan
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RIRIWAITO SA
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Publication date
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Publication of JPS6318839B2 publication Critical patent/JPS6318839B2/ja
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    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • HELECTRICITY
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    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
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    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
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    • H01M50/434Ceramics
    • HELECTRICITY
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    • H01M4/664Ceramic materials
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    • H01M2300/0048Molten electrolytes used at high temperature
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Inorganic Chemistry (AREA)
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  • Secondary Cells (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高温電池用正極、及びこの正極を組み
込んだ電池に係り、より詳細には正極活物質であ
る電気化学的に活性な正極材料が不動化されてな
る正極及びこの正極を有する電池に係る。 適当なエネルギ貯蔵機構に対する需要は高まつ
ており、送配電網の非ピーク時のエネルギ貯蔵用
や電気自動車推進用のエネルギ貯蔵機構に対する
要請は特に高い。 最近では、改良型の電気化学的エネルギ貯蔵機
構の開発に力が入れられている。最もめざましい
発展は、アルカリ金属をイオウのような電気陰性
度の大きい元素と組み合わせてなる電池系に関す
るものである。しかしながら、この改良は、電気
化学的に活性な反応体乃至活性物質の制御及び処
理の困難さのゆえに妨げられている。 この種のアルカリ金属−イオウ電池の研究は基
本的に二つの角度からなされた。その一つは、二
つの電極が固体電解質によつて分離された溶融ナ
トリウムとイオウから形成されるべきであるとい
うものであつた。この場合、固体電解質は、電解
質として機能するとともに、溶融電極用の必須な
分離手段乃至セパレータとして機能する。例え
ば、固体電解質としてβ−アルミナを用いること
が提案された。β−アルミナは溶融電極用のセパ
レータとして役立つセラミツクであり、約300℃
でナトリウムイオンの良好なイオン伝導を示す。 しかし乍ら、このアプローチには、いくつかの
欠点がある。溶融ナトリウム及び溶融イオウは危
険であり、特に電池の動作温度で分離状態に効果
的に維持されなければならない。β−アルミナよ
りなるセラミツク電解質は衝撃に対して敏感であ
り、また金属ナトリウムによつて腐触されて割れ
や欠陥を生じ易いために、電池の有効寿命が制限
される。 第二の基本的な考え方は、使用する電極と電気
化学的に相溶性の溶融イオン塩を成分とする電解
質を使用することにより、電解質の抵抗を最小に
すべきであるというものである。このような電解
質を使用する場合、電池の動作温度は使用する電
解質の融点以上でなければならない。このような
電解質の一例として、約255℃で溶融するヨウ化
リチウムとヨウ化カリウムとの共融混合物があ
る。さらに低い温度(例えば100℃前後)で溶融
する他のイオン塩系は現在開発中である。典型的
には、溶融アルカリ金属ハロゲン化物からなるイ
オン塩は電池における電気化学的安定性及び高い
イオン伝導性の要求を満たす。 この第二の基本的な考え方では、リチウム(ま
たはナトリウム)からなる負極が正極としてのイ
オウと共に用いられ、電池の動作温度では、リチ
ウム(またはナトリウム)及びイオウは共に液体
状態であり得る。 リチウム(またはナトリウム)及びイオウは、
所定の電気量を与えるに必要な重量が小さくしか
も理論的には約2.3V(ナトリウムの場合2.1V)の
電圧を生じ得る故、電極材料として魅力的な候補
である。 二つの活性な電極材料は電池の正常な動作条件
下で液体状態であつてもよいが、危険を避けるべ
く両方共不動化され電池が適正に機能し得るよう
になされなければならない。 この観点から、液体リチウムを毛細管作用によ
り保持する多孔性のステンレス鋼のマトリツクス
により、リチウムの負荷を不動化するという示唆
がまずなされた。この方法は部分的にのみ成功し
た。リチウムは充填過程において十分には捕捉さ
れず微粒子としてステンレス鋼のマトリツクスか
ら漏出しがちである。この微粒子は電解質液中に
拡散する。その結果、電極間に懸濁リチウムがた
まる。これは、電池の自己放電のもとになる。 リチウム負荷の不動化の問題は、更なる開発研
究により解決された。これは、動作温度で固体で
あるリチウム−アルミニウム合金またはリチウム
−シリコン合金を使用することによりなされた。
これらの合金は広い濃度範囲で使用され得、しか
も良好な電気化学的挙動を示すことが判明した。 しかし乍ら、イオウの正極の不動化に関する問
題は未解決であつた。約300℃の動作温度ではイ
オウの蒸気圧が高く、約60mmHgである。その結
果、使用中にイオウが急速に蒸発し、溶融イオウ
正極を使用した電池の寿命が短い。 前記イオウの不動化問題を克服する唯一の比較
的成功しそうな提案は、FeSとかFeS2のよな遷移
金属硫化物を使用することであつた。ところがこ
の提案にも欠点があつた。 FeS2系は腐触性が高いために、電池の電流コ
レクタとしてモリブデンのような特殊な材料を使
用する必要がある。一方、FeSはFeS2よりは腐触
性は小さいが、FeSは理論的に取り出され得るエ
ネルギ密度(単位質量当りの電気エネルギ)が
FeS2に比して極端に小さい。 FeS2電池では二段階で放電反応が行なわれる
という別の欠点もある。加えて、充電および放電
サイクルの間に生ずるFeSやFeS2の膨張によつて
正極の機械的な破壊が生ずる虞れがある。 本発明は前記諸点に鑑みなされたものであり、
単位重量当りのエネルギ密度の高いイオウ又はセ
レンからなる正極活物質(電気化学的に活性な正
極材料)を該活物質の融点よりも高い動作温度で
の放電動作の間実質的に単原子状態乃至単分子状
態で分散保持し得、放電特性の変化が比較的小さ
く抑えられ得るのみならず該活物質の利用効率が
比較的高められ易い高温化学電池用正極及び該正
極を用いた高温用化学電池を提供することにあ
る。 本発明によれば、この目的は、 高温化学電池用正極であつて、 電池の動作温度よりも融点が低いイオウ又はセ
レンからなる電気化学的に活性な正極材料と、 電池の放電動作の間この正極材料を捕捉状態で
内部に保持するに十分に小さい多数の細孔を有す
る脱水ゼオライト結晶からなる分子ふるいを含み
電子伝導性で且つイオン伝導性の電気化学的に不
活性な支持体とからなり、 前記の活性な正極材料の実質的にすべてが前記
細孔内に吸着されており、 この電気化学的に活性な正極材料は、前記分子
ふるいの陽イオンが電池反応に実質的に関与せ
ず、電池から取り出される実質的に全てのエネル
ギが前記細孔内に保持されたこの電気化学的に活
性な正極材料によつて与えられるような物質であ
る高温化学電池用正極、並びに 正極と、アルカリ金属又はアルカリ金属合金か
らなる負極と、正極および負極の間に設けられた
溶融電解質とからなる高温用化学電池であつて、 前記正極は、電池の動作温度よりも融点が低い
イオウ又はセレンからなる電気化学的に活性な正
極材料と、 電池の放電動作の間この正極材料を捕捉状態で
内部に保持するに十分に小さい多数の細孔を有す
る脱水ゼオライト結晶からなる分子ふるいを含み
電子伝導性で且つイオン伝導性の電気化学的に不
活性な支持体とからなり、 前記の活性な正極材料の実質的にすべてが前記
細孔内に吸着されており、 この電気化学的に活性な正極材料は、前記分子
ふるいの陽イオンが電池反応に実質的に関与せ
ず、電池から取り出される実質的に全てのエネル
ギが前記細孔内に保持されたこの電気化学的に活
性な正極材料によつて与えられるような物質であ
る高温用化学電池によつて達成される。 さらに本発明によれば、イオウとセレンとから
なるグループから選択された陰性元素を、電池の
使用中にこの陰性元素を捕捉状態に保持する分子
ふるい中に吸着させる段階と、多孔性のカツプに
分子ふるいを収容する段階とを有する高温電池用
正極の形成法が提供される。 分子ふるいは、正極を電池内で有効に働かせる
のに十分な期間、電気化学的に活性な陰性元素を
有効量捕捉状態に保持する。分子ふるいは、電池
の正常な動作温度範囲において、電気化学的に活
性な陰性元素を実質に捕捉状態に保持し、電池の
適当な動作期間の間前記陰性元素が実質的に漏出
しない。 本発明の正極の分子ふるいは電池の放電動作の
間電池の電気化学的に活性な正極材料を捕捉状態
で内部に保持するに十分に小さい多数の細孔を有
し、この活性な正極材料の実質的にすべてが、細
孔内に吸着されている。 分子ふるいは、かご型や穴型、さらには溝型を
有しており表面で開口した細孔乃至分子状凹みを
有する。この分子ふるいの細孔の窓乃至開口の大
きさはイオウ乃至セレンの原子が細孔としてのこ
の凹みに入るのに十分な大きさであり、しかもこ
の凹みはイオウ乃至セレンの原子が該凹み内に捕
捉状態に保持されるようなものである。 理論により束縛されることを望むのではない
が、イオウ乃至セレンの原子が適当な分子ふるい
の前記の如き分子状乃至分子レベルの大きさの凹
みに入ると、それらの原子は主としてフアンデル
ワース力等の力によつて凹み内に捕捉状態に保持
されるものと思われる。しかし乍ら、さらには次
のようにも考えられる。すなわち、イオウ乃至セ
レンの原子が、場合によつては、適当な分子ふる
い内で環状または鎖状の構造となり、この環状ま
たは鎖状構造が正極の使用中そのままに保たれる
ことも考えられる。この理論が正しければ、分子
ふるいの分子状凹みの窓と比較して、該窓から環
状乃至鎖状構造体が漏出するのが阻止され得る程
度の大きさを該環状乃至鎖状構造体が有していれ
ばよい。 正極材料と共に本発明の正極を構成する支持体
は、電子伝導性で且つイオン伝導性であり、電気
化学的に不活性である。 正極として効率的に動作するためには、高温電
池での正極の使用中、適当なイオンが吸着イオウ
またはセレンにアクセスし易いように正極が構成
されているのが好ましい。この観点よりして、正
極は適当なイオンが内部を拡散し得るものでなけ
ればならず、支持体の少なくとも一部を構成する
分子ふるいは、陰性元素で処理されている場合、
イオン伝導性として働くかまたはイオン伝導体で
なければならない。明細書中、「処理された分子
ふるい」とは、本発明に従つて陰性元素が吸着さ
れた分子ふるいを指す。 一般に、正極のイオン伝導性が高ければ高い
程、この正極を用いた電池の性能が向上する。二
次元の正極の場合にはイオン伝導性はそれ程重要
でないけれども、本発明に従う三次元の正極の場
合には、効率的な動作のために少なくとも十分な
イオン伝導性があるように、しかも好ましくはで
きるだけ高いように分子ふるいが選択される。 正極として有効に動作するには、正極は電子伝
導性を有していなければならない。したがつて、
十分な電子伝導性を有するような、それとも場合
によつてはイオウまたはセレンが有効量吸着され
ている際十分な電子伝導性を有するような分子ふ
るいを用いるか、又は電子伝導性材料を正極に含
ませる。この点に関してはさらに詳しく後述す
る。 天然乃至合成の種々のタイプの分子ふるいが知
られており、浄化、不純物の除去及び分離用等に
広く使用されている。これらの分子ふるい材料に
対する需要の故に、分子ふるいは十分に研究さ
れ、新しい分子ふるいが世界中で開発され製造さ
れている。 窓の大きさ、凹みの大きさ、窓及び凹みの大き
さの均一性、電気化学的に有効量のイオウまたは
セレンを吸着する能力、そして場合によつては、
動作条件下でイオウ乃至セレンを捕捉状態に保持
する能力等の要因を考慮することによつて、本発
明の特殊な適用に適した分子ふるいの選定のため
のおおざつぱな指針が得られる。指針として役立
ち得る更に別の要因として、処理された分子ふる
電子伝導性、イオン伝導性、多孔率の程度、密
度、入手可能性、機械的強度、安定性などがあ
る。 前記のような要因に基づき、本発明の正極の分
子ふるいは脱水ゼオライト結晶、すなわち、ゼオ
ライト、変性ゼオライト、及びゼオライト様物質
からなる群から選択された吸着媒(天然または合
成無機物)からなる。 本発明による好ましいいくつか具体例では、天
然もしくは合成のゼオライト、又は物理的もしく
は化学的に変性されており陰性元素を受容しかつ
保持するに適当な分子状凹みを有している変性ゼ
オライトから分子ふるいが構成される。 この明細書中で、正極の分子ふるい担体がゼオ
ライトからなるという場合脱水ゼオライト結晶す
なわち脱水ゼオライトを指す。尚脱水ゼオライト
とは、含水状態のゼオライトと比較して、少なく
とも一部の水分子が取り除かれている脱水状態の
ゼオライトを指す。 「ゼオライト」とは、アルミニウム及びシリコ
ンを実質的に規則的割合で含む天然もしくは合成
の結晶性もしくは非晶質の物質及びその類似化合
物をいう。ゼオライトについてのより詳細な定義
および議論は、純粋化学および応用化学の国際連
合(International Union of Pure and Applied
Chemistry)が1975年1月に刊行した「合成およ
び天然ゼオライトの化学的命名法並びに組成の公
式化」と題したものが参考となる。 ゼオライトは通常可動の水分子を含み、この水
分子は熱および/または減圧により通常可逆的
に、除去される。 ゼオライトは通常かなり秩序のある内部構造を
有し、大きな内部表面積を示し、しかも分子状凹
みの多数の規則的な配列を有するという特徴があ
る。 含水状態においてゼオライトは次の構造式によ
つて現わし得ると考えられている。 M2/nO・Al2O3・XSiO2・YH2O ここで、Mは原子価nの陽イオンであり、Xと
Yとは形成方法及び出発混合物の組成に依存する
独立変数である。 本発明の具体例においては、ホージヤサイトも
しくはエリオナイトとからなるグループから選択
された天然産出のゼオライトからなるか、または
ゼオライト3A、ゼオライト4A、ゼオライト5
A、ゼオライト13Xもしくは同様な構造体のよ
うに合成ゼオライトのグループから選択された無
水ゼオライトの結晶体により分子ふるいが構成さ
れる。 ゼオライト4Aは次の構造式をもつ。 Na12((AlO212(SiO212)・XH2O(Xは変数) このゼオライト4Aでは細孔の窓の径は約4Å
であり、凹みの体積は約1000立方Åである。 ゼオライト13Xの構造式は次の通りである。 Na86((AlO286(SiO2106)・XH2O(Xは広範囲の
変数) このゼオライト13Xでは分子状凹みの径が約
13Åである。 分子ふるいを選ぶ指針として役立つ前記の選定
要因を基礎にすると、ゼオライト4Aはイオウ用
の分子ふるいとして適当であると考えられる。ゼ
オライト4Aは窓の直径が約4Åであり、イオウ
の原子半径は約22Åである。さらに、処理された
ゼオライト4Aは十分なイオン伝導性を示すこと
が分つた。 加えて、8員の環状または鎖状構造をしている
イオウに対してはゼオライト4Aはおよそ−200
乃至−250Kcal/モルの吸着熱を有することが分
つた。この吸着熱は電解質のない状態で計算され
たものであり、作動中の電池での動作条件とは直
接的には関係してない。しかし乍ら、高温電池の
全動作温度範囲において正極の使用中、ゼオライ
ト4Aが吸着されたイオウを捕捉状態に保持し、
しかも正常使用期間中、電気化学的に活性な吸着
イオウが問題になる程失なわれないであろうとい
う指針としては役立つ。これは後述するごとく、
実験的に確かめられた。 分子ふるいを選定するに当たつて、正極を電池
内で有効に働かせるべく陰性元素を捕捉状態で確
実に保持するには、吸着される陰性元素の吸着熱
を1グラム原子当たり約−20Kcal未満にすれば
よいであろうと考えられる。環状または鎖状構造
を有するS8又はSe8の場合、一応約−160Kcal/
モル未満好ましくは約−200Kcal/モル未満の吸
着熱を有する分子ふるいを選べばよい。陰性元素
が−200Kcal/モルの吸着熱で吸着される場合に
は、−160Kcal/モルの吸着熱で吸着される場合
に比し、より強く吸着されより強固に捕捉状態に
保持される。 正極を構成する支持体用の分子ふるいとしての
ゼオライト結晶は、十分大きな物理的強度を持つ
のが好ましい。尚、電池の正極として繰り返し用
いられる間、処理されたゼオライト結晶は電気化
学的損傷に対して十分な耐性を有することがわか
つている。従つて、ゼオライト結晶に処理すなわ
ち本発明の具体例に従つて陰性元素に吸着させる
ことにより生じる物理的乃至電気化学的劣化がた
とえあつたとしても、この劣化は本発明の正極が
使用される電池の機能を停止させる重要な要因に
はつながらないはずである。 処理されたゼオライトであれ未処理のゼオライ
トであれ、ゼオライトの金属陽イオンは、通常イ
オン交換プロセスにより他の陽イオンと置換され
得る。 本発明とは異なり、仮に、正極の電気化学的反
応に直接的に関与する置換陽イオンをもつイオン
交換されたゼオライト自体を電池の正極活物質と
しては働かない単なる支持体として用いるのでは
なく、電池の正極として用いる場合、電池の放電
動作中に正極は物理的及び/又は化学的につぶれ
ていくだろう。これは、イオン交換されたゼオラ
イトが正極の完全な一部すなわちゼオライトの結
晶を構成している陽イオンが失われるような電極
反応がゼオライト自体のところで生じるためであ
る。この正極の崩壊は、このようなイオン交換さ
れたゼオライト自体を正極として用いた電池の機
能を停止させる主要な要因となる。さらに、この
崩壊はこのような電池の有効な再充電を妨げるの
でこのような電池は二次電池として使用するには
適さない。 これに対して、本発明によれば、電池の放電動
作の間に、ゼオライト自体は電気化学的に活性な
正極材料すなわち正極活物質としては働かず、電
気化学的に活性な正極材料を捕捉状態で支持する
電気化学的に不活性な支持体を構成する。すなわ
ちゼオライトは電気化学的に活性な正極材料を保
持する担体である。したがつて、ゼオライトは物
理的にしかも電気化学的に安定に保たれ、正常使
用中電気化学的反応のために崩壊する虞れがな
い。このことは、本発明を実施する際に用いる分
子ふるいの選定に当たつて留意すべきことであ
る。 ゼオライトは一般にイオン伝導性であるが、電
子伝導度は一般に小さい。さらに、イオウ及びセ
レンは溶融状態にない場合には電子伝導度が小さ
い。したがつて、ゼオライトの形態の分子ふるい
に吸着されたイオウまたはセレンからなる正極の
電子伝導度が小さい場合、この正極を正極として
有効に用いるには、使用前に電子伝導性材料を含
ませる必要があると考えられる。ところが、発明
者により行われた実験で、本発明に従つてイオウ
またはセレンを吸着させたゼオライトの適当な多
結晶により正極本体を形成した場合、このゼオラ
イト結晶は正極として有効に用いられるに十分な
電子伝導性を示すという驚くべき事実が判明し
た。尚、勿論正極に、必要に応じてあるいは所望
により、適当な電子伝導性材料を含ませて正極の
個々の結晶間に十分な電子伝導性を与え、正極の
電子伝導性を高めてもよい。 本発明のいくつかの具体例では、電子伝導性材
料は、電池動作温度で適度の電子伝導性を有し得
る材料、例えばグラフアイト、MoS2または同効
物からなる。電子伝導性材料がグラフアイトであ
る場合、グラフアイトはゼオライト結晶の多孔性
の被覆の形態でも、ゼオライトの結晶と混合した
粉末状でもよい。「多孔性」被覆とは、電解質が
ゼオライトの細孔、凹み、又は溝内に自由に出入
し得る被覆を意味する。電解質がイオウとかセレ
ンに接触するのを制限する障壁として作用する虞
れがある層状グラフアイトの場合、グラフアイト
層は多孔性であるべきであり、且つ使用中に十分
な電子伝導性を正極に付与し得る限りできるだけ
少ないのが好ましい。それ故に実際には、分子ふ
るいに対する電子伝導性材料の割合は、電池の使
用中、電解質の凹み内へのアクセスと電子伝導性
との間のバランスがとれるように選択される。
尚、エネルギ対重量比をできるだけ大きくし得る
ように、電子伝導性材料の総重量をできる限り小
さくするのが好ましい。 一連の実験において、粉末状に細かく分割した
グラフアイトを未処理のゼオライト結晶と混合
し、グラフアイトとゼオライトとの割合を種々に
したペレツトを形成した。その結果正極材料の支
持体として、十分な電子伝導性を有するペレツト
を得るにはおよそ5%から16%のグラフアイトを
ゼオライトに加えるのが好ましいことが判明し
た。しかし乍ら、所望ならばこれよりもかなり広
範囲の割合で粉末状グラフアイトが含まれていて
もよい。本発明の具体例では、正極はグラフアイ
ト粉末を5乃至60重%含んでいる。 正極がグラフアイトの粉末とゼオライトの結晶
との混合物からなりゆるく固めた構造体である場
合でも、グラフアイト粒子のサイズが非常に小さ
ければグラフアイトの微細粒子がゼオライト粒子
間をほゞ満たし得るので実質的にグラフアイト粒
子を通る電子伝導路が形成され得る故、電子伝導
性は良くなるけれども、電池の使用中ゼオライト
粒子及びグラフアイト粒子間の電解液が浸潤し得
るすき間が小さくなるのでこのすき間を通る電解
質の動きが総体的にのろくなる故、ゼオライトの
細孔中のイオウ又はセレンのまわりの正極構造体
中におけるイオン伝導が小さくなる。グラフアイ
ト粒子のサイズが大き過ぎる場合には粒子と粒子
との間のすき間が大きくなるので、逆に電子伝導
性が悪くなるがイオン伝導性は良くなる。以上の
とおり、電子伝導性とイオン伝導性とを同時に共
には大きくし難し故、実際にはこの観点でも電子
伝導性及びイオン伝導性の両方がある程度以上の
大きさになるように適当なバランスをとるのが好
ましい。 粉末状グラフアイトを用いるかわりに、コロイ
ド状に懸濁したグラフアイトを用いた一連の実験
も行なつた。 この実験において、水中にコロイド状に懸濁し
ているグラフアイトの濃度が比較的低いものを使
用してゼオライト供試体を電子伝導性にする処理
を行つた。グラフアイト処理をしたゼオライトは
乾燥後において電子伝導体であつた。したがつて
グラフアイトの被覆がゼオライト結晶上に形成さ
れたものと考えられる。 ゼオライトの結晶は、例えば、気相被覆のよう
な他の手段によりグラフアイトで被覆されてもよ
い。 以上の例においては、支持体はゼオライトの結
晶粒子とグラフアイト粒子とからなる。 本発明の正極は自己支持構造体すなわちマトリ
ツクスの形態でもよい。この自己支持構造体は、
適当に固められることにより成形されて形成され
ても、結合剤で適当に固められるかもしくは該結
合剤で支持されることにより形成されても、別の
支持構造体すなわちマトリツクス中に保持される
ことにより形成されてもまた同様な他の方法で形
成されてもよい。多孔性の容器状のホルダに粉体
を入れることによりその全体を支持するようにし
てもよく、なお、たとえば正極ホルダを用いる場
合には正極ホルダ中に収容する正極は上記の方法
で実質的にその形がくずれないように固められて
おり、また正極の形が実質的にくずれないように
固められている場合にはたとえば皿状の正極ホル
ダ上に載置して正極を支持するようにしてもよ
く、また同様な他の方法で形成されてもよい。こ
こで自己支持構造体とは、全体としてその形状が
崩れないような独立した一個の構造体を指す。 本発明の一具体例では、正極材料を保持した分
子ふるいは多孔性で耐蝕性のある適当な正極ホル
ダ内に分子ふるいとして収容されている。そして
その一例では正極ホルダは多孔性のグラフアイト
製の多孔性カツプ乃至容器の形態をしている。 この例では支持体は、ゼオライトの結晶粒子
と、グラフアイト粒子と、正極ホルダとからな
る。 正極が固められてなる成形体である場合、イオ
ウ又はセレンからなる陰性元素の吸着前または吸
着後に分子ふるいを成形すべく固めればよいが、
吸着後に固めるのが好ましい。 分子ふるいは例えばプレス操作、熱間プレス操
作、焼結操作、プレス操作を伴なう焼結操作、ま
たは同様の操作により固められる。このような操
作を行う理由は、体積の最適化を図り、電子伝導
度を増しそして必要な形状に成形するためであ
る。成形プロセスは、 (a) 破損乃至故障温度及び機械的特性の観点でみ
た処理剤及び分子ふるいの性質、 (b) 必要な物理的形状乃至大きさ、並びに (c) 必要な電気化学的特性 に応じて選択される。 正極の固め処理によつて粒子間の接触が改善さ
れ、電子伝導性が増大する。しかし乍ら、この固
め処理により正極の多孔率が減少し、使用の際の
電解質の正極中への拡散に悪影響が生じる虞れが
ある故、この処理は適度に行なわれることが好ま
しい。正極の固め処理によつて、実質的に自己支
持され得るに十分な機械的剛性を有する正極用の
円板乃至ペレツトが形成され得る。円板乃至ペレ
ツトが自己支持し得る。機械的剛性を有する場
合、ホルダを用いなくても高温化学電池の正極と
して使用され得る。しかし乍ら、実際にはこれら
の円板乃至ペレツトを多孔性のカツプ乃至袋の如
きホルダに入れて用いるのが好ましい。この場
合、使用中に円板乃至ペレツトがこわれても、ま
たはカツプ乃至袋がこわれても、正極は大部分が
そこなわれないまゝ残る。 十分な電流密度が得られるように、使用中正極
内で電解質を陰性元素に十分に接触させ得ること
という要請を正極の機械的剛性及び電子伝導性の
向上の要請とバランスさせるように分子ふるいの
固め処理が行なわれる。分子ふるいが適当に固め
られた場合、正極の体積対質量比が改良されるこ
とが期待される。更に、固め処理によつて電子伝
導性が高められるので、電子伝導性の被覆材料の
相対量が少なくてすみ、比較的質量の小さい正極
を使用し得るという利点もある。加えて、固め処
理により正極が実質的に自己支持構造となる場合
には、その取り扱いが一層容易となる。 実験では、ゼオライト4Aの結晶に16重量%の
グラフアイト粒子を加え、十分に混合した後圧力
下で固め処理して固めた円板を得た。このように
して成形した円板は約400℃の真空状態で脱水さ
れ、その後320℃において真空下でイオウを含浸
させた。分析によると、理論値すなわちこの円板
に対して理論上含浸され得るイオウの量の約70%
のイオウが含浸された。 この円板は効率的に取り扱い得るに十分な機械
的剛性を有していたけれども、高温電池で用いら
れるためにはたとえば多孔性のカツプ乃至袋の如
きホルダに入れることにより支持されることが好
ましい。 尚、場合によつては、イオウ又はセレンを分子
ふるい担体に吸着された状態で安定に保つ安定化
用の陰性元素をイオウまたはセレンに対して少量
含んでいてもよい。安定化用元素としては、陰性
であり、例えば分子ふるい内で環状または鎖状構
造を取り得るイオウ又はセレンの原子のうちの一
部の原子と置換し得、しかもこのイオウ又はセレ
ンの一部が置換された環状または鎖状構造体の蒸
気圧が置換前のイオウ又はセレンからなる環状ま
たは鎖状構造体の蒸気圧より小さくなるような元
素ならば、どのような元素でもよい。安定化用元
素は、イオウ乃至セレンの環状または鎖状構造体
で主として共有結合をする元素である。 正極材料としての陰性元素がイオウである場
合、安定化用の元素は、例えばセレン、ヒ素、リ
ン及びアンチモンからなるグループから選択され
てもよい。陰性元素でセレンである場合、安定化
用元素は、例えばイオウ、ヒ素、リン及びアンチ
モンからなるグループから選択されてもよい。正
極材料に対して適当な安定化用元素を少量含ませ
ることにより、安定化用元素と結合した正極材料
の蒸気圧が十分小さくなるように蒸気圧を減少せ
しめ得、しがつて、例えば短絡などにより正極の
温度が一時的に増加しても、電気化学的に活性な
正極材料であるイオウ乃至セレンの蒸発が抑制さ
れ得る。 本明細書に記載の方法によつて作られた正極は
高温電池用の正極として好適である。 さらに本発明によれば、イオウ及びセレンから
なる群から選択された陰性元素が高温電池用の正
極材料として使用されるようにイオウ又はセレン
からなる陰性元素を不動化する方法であつて、電
池の正極としての使用中に前記陰性元素が分子ふ
るいに捕捉状態に保持されるように、陰性元素を
少量の安定化用元素と共に分子ふるいに吸着させ
る段階を有する方法が提供され、更に、イオウ及
びセレンからなる群から選択されており、この方
法によつて不動化された陰性元素を有する正極が
提供される。 陰性元素の適当な分子ふるい中への吸着には、
従来のどんな手段を用いてもよい。例えば、分子
ふるいを高温真空下で長時間乾燥または脱水して
もよく、場合によつては、硫黄乃至セレンも高温
真空下で長時間乾燥してもよい。例えば、その後
それらを真空下で混合し、場合によつては、適当
量のイオウ乃至セレンが分子ふるい中に確実に吸
着されるのに十分な期間、昇温状態に保つてもよ
い。 本発明正極は一次電池及び二次電池に適用し得
る。 尚、この正極の主たる適用分野は、再充電可能
な二次電池である。 本発明はここに記述した正極を一つの電極とし
て含む高温用電池にも係る。この高温用電池は、
適当な負極を有する。この負荷は、例えばアルカ
リ金属またはアルカリ金属合金からなる。 本発明の好ましい具体例としては、負荷はリチ
ウムもしくはナトリウム、又はリチウム−アルミ
ニウム合金もしくはリチウム−シリコン合金から
なる。 電池は電気化学的に相溶性の溶融電解質を含
む。本発明の好ましい具体例としてはこの溶融電
解質は、電池の動作温度範囲で溶融状態である溶
融塩よりなるイオン性の電解質である。イオン性
の溶融塩電解質としては、例えば、約100℃で溶
融するリチウム及びアルミニウムの押化物系でも
よい。また電解質は例えばアルカリ金属のハロゲ
ン化物系からなつていてもよい。この電解質は約
200℃以上乃至通常それよりかなり高い温度で溶
融する。本発明の好ましい具体例としては、電解
質溶液は、KI−LiI又はKCl−LiCl等の混合物、
好ましくは共融混合物からなる。尚、電解質は脱
水されたゼオライト結晶と共に用いられてもよ
い。この例では、電解質は脱水のゼオライト結晶
中に含浸せしめられ、ゼオライト結晶は使用中溶
融状態にある電解質の分子ふるいとして働く。 電池は適当な形の電極セパレータを有していて
もよい。本発明の一具体例では、この電極セパレ
ータは正極上に位置する完全に脱水したゼオライ
ト結晶層からなる。この例では、この電極セパレ
ータは、電池の使用中に生ずる望ましからざる反
応生成物や電池にとつて有害な他の物質を取り除
く機能をも有する。 本発明の電池の組み立ては、例えば後述の第2
図のように不活性雰囲気、例えばアルゴンガス雰
囲気中で行なわれ電池の正極、負極及び電解質を
収めた容器がこの不活性雰囲気中に保たれてもよ
い。本発明の電池は、例えば、耐蝕性で軽量の材
料の如き適当な材料でシールされる。例えば、電
池はステンレス鋼製容器内に不活性気体雰囲気下
でシールされる。 本発明の電池は、複数個組合せて使用されても
よい。 以下に添付の図面を参照して本発明の具体例お
よび実験結果を説明する。 第1図において、符号10は本発明による一具
体例の高温用の充電可能なリチウム−イオウ電池
であり、正極12を組み込んである。 正極12は脱水ゼオライト4Aの結晶からなる
分子ふるいを有しており、このゼオライト4A結
晶には正極材料としてのイオウが乾燥状態で吸着
されている。吸着状態のイオウを含むゼオライト
4Aの結晶は乾燥状態の粉末グラフアイトとの質
量比が1対1となるように混合されて混合物14
を形成している。混合物14は多孔性のグラフア
イト製正極ホルダカツプ16中に強く押し込まれ
て収容されている。正極ホルダカツプ16には電
子伝導性の端子18が取り付けられている。 電池10は耐蝕性の円筒状ステンレス鋼製ハウ
ジング20を有している。底壁22及び頂壁24
を有するこのハウジング20は電池10を外界か
らシールしている。 正極12は電池10の中央に位置し、窒化硼素
製の絶縁パツド26を介して底壁22上に支持さ
れている。この正極12の端子18は頂壁24の
ところでシール状態となるようにこの頂壁12か
ら突出している。端子18はセラミツク製の絶縁
スリーブ28により頂壁24から絶縁されてい
る。 電池10は、ハウジング20と接触している円
筒状のリチウム−アルミニウム合金製負極30を
有している。頂壁24上には負端子32が取り付
けられている。電池10は更に電解質としてヨウ
化カリウム−ヨウ化リチウムの共融混合物34
(融点260℃)を有している。尚、電池10はアル
ゴンからなる不活性雰囲気下でハウジング20に
よりシールされる。 第2図において、符号36は実験用の高温電池
であり、この電池は以下に記述する実験のために
用意され、使用されたものである。 電池36は、底壁40を有するステンレス鋼製
のハウジング38と、ボルト44によりこのハウ
ジング38上にボルト止めされる頂部プレート4
2とを有する。シールリング46は頂部プレート
42とハウジング38との間のシールを有効に行
う。 この電池36は正極48を有している。正極4
8はグラフアイト製で多孔性の正極ホルダ50を
有しており、この正極ホルダ50内には正極混合
物52が収容されている。正極48はさらにグラ
フアイト製で多孔性の蓋54と、脱水ゼオライト
4Aの結晶層からなる電極セパレータ56とを有
している。 正極48は、この正極48をステンレス鋼製ハ
ウジング38から絶縁するアルミナカツプ58内
に一端が位置し、他端が頂部プレート42を貫通
して伸延している電子伝導性の端子棒60を有し
ている。端子棒60は頂部プレート42のところ
でシールされた状態で頂部プレート42から突出
している。端子棒60はセラミツク製の絶縁スリ
ーブ62によりシールされしかも絶縁されてい
る。 64は負極である。この負極64としては、約
2gの金属リチウム68を初めに充填した有孔の
アルミニウムカツプ66(純度99%)を用いた。
その後何度か充電を行なう間にこの負荷64には
リチウム−アルミニウム合金が形成された。リチ
ウム及びアルミニウムの質量は、リチウムが7乃
至50原子%の組成の合金となるように選ばれた。
この負極64は頂部プレート42のところで絶縁
スリーブ72によりシールされた状態で頂部プレ
ート42から突出しているアルミニウム製の端子
棒70を有している。すなわち端子棒70はセラ
ミツク製の絶縁スリーブ72によつてシールされ
且つ絶縁されている。 電池36の各部品乃至要素の取り扱い及び電池
36の組み立ては、密閉されたアルゴン雰囲気中
で行なわれた。 電池36は、融点が260℃であるヨウ化リチウ
ムとヨウ化カリウムとの共融混合物からなる電解
質74を含む。 グラフアイト製で多孔性の蓋54は厚さが約
0.5cmで幾何学的表面積が約3cm2であつた。 電極セパレータの層56は十分に脱水されたゼ
オライト4Aの結晶からなるもので、このゼオラ
イト4Aの結晶は厚さが約3mmの均一な層からな
り、正極48は露出表面を覆つている。この十分
に脱水されたゼオライト層56は、望ましからざ
る反応生成物及び不純物を取り除く機能をも有す
る。尚電極セパレータ56として窒化硼素の粉末
または布状物を用い得ることも実験的に確かめら
れた。 実験に使用された分子ふるいは合成された脱水
ゼオライト4A,3A乃至13Xの結晶である。
ゼオライトの結晶は従来のいかなる方法で作製し
てもよく、この実験では、例えばジヤーナル・オ
ブ・クリスタルグロース(Jounal of Crystal
Growth)第8巻第291頁(1971年)に記載され
たチヤーネル法(method of Charnell)により
作製された。作製したゼオライトの結晶は細孔の
平均直径が約10ミクロンであつた。 イオウまたはセレンを脱水ゼオライトに吸着さ
せるのに用い得る手段は沢山あるが、場合によつ
ては、イオウまたはセレンをできるだけ多量に脱
水ゼオライトに吸着させ得るような技術乃至手段
を選定するのが好ましい。本発明者の知る限りで
は、最も効果的な技術の一つは、気相状態のイオ
ウまたはセレンを脱水ゼオライトに含浸させるこ
とである。この場合、イオウまたはセレンは蒸気
になるように加熱され、この蒸気が脱水されたゼ
オライトに接触し、吸着せしめられる。 イオウ原子またはセレン原子は、ゼオライト中
に存在している原子や分子と置換することなくゼ
オライト構造体の分子状凹みに入る。脱水ゼオラ
イト中にイオウまたはセレンを吸着させると、ゼ
オライト格子の構造がわずかに歪むけれども、得
られた実験結果によれば、電池の正極としての使
用中ゼオライトの物理的構造は維持され、通常の
使用中破壊されないと考えられる。本発明の処理
されたゼオライト結晶は電池の正極としての繰り
返し使用の間電気化学的損傷を受けにくいという
ことも実験から分つた。したがつて、未処理のゼ
オライト結晶を構成している金属陽イオンは実質
的に影響を受けず、処理されたゼオライト結晶が
電池の正極として、より詳しくは電池の正極活物
質を支持する支持体として用いられている間、こ
の金属陽イオンの酸化状態は変化しないと考えら
れる。 本発明による処理されたゼオライトは、還元さ
れ得る金属イオンでイオン交換されたゼオライト
とは材料として異なつている。仮にイオン交換さ
れた結果還元され得る陽イオンを有するゼオライ
トを電池の正極として使用した場合本発明の場合
とは異なり、還元され得る金属イオンが正極の電
気化学的に活性な活物質として働く故、この種の
ゼオライトは、使用中物理的乃至電気化学的に破
壊され、正極が故障乃至破損してしまう虞れがあ
る。これは一次電池の場合にも問題になり得る
が、二次電池(すなわち再充電可能な電池)の場
合特に重大な問題となる。 種々の実験を行なうべく正極混合物を作るため
に、準備されたゼオライトの結晶を、約350℃、
10-6Torrで24時間脱水した。同時に、細かにさ
れた昇華イオウを約105℃、10-6Torrで約36時間
乾燥した。イオオウが拡散してしまうかまたは結
合力の弱い粉末の結晶と混合されたものが分離状
態となつてしまうので、次に二つの試料を真空下
で混合し、そして約100時間約300℃に、次いで約
240時間約270℃に、最後に約90時間約115℃に保
つた。セレンの場合にも同様な方法でゼオライト
結晶を処理した。この場合には初期の含浸温度は
およそ600℃であつた。イオウまたはセレンをゼ
オライトの結晶格子に有効に入り込ませ、この格
子内に強く保持させ得ることが分つた。 イオウまたはセレンを分子ふるいに吸着させた
後、乾燥した純粋な粉末状グラフアイトを質量比
で1対1となるように加え、十分に混合して正極
混合物52を形成し、正極ホルダ50中にこの混
合物52を固くつめ込んだ。 実験では、正極混合物52は3gのゼオライト
結晶−イオウ(すなわちゼオライト結晶の細孔中
にイオウが捕捉されたもの、以下同様)またはゼ
オライト結晶−セレンからなり、電池は約1Ahr
の容量であつた。この電池で行つた実験では、電
池をイオン性の溶融塩電解質の融点以上の動作温
度にした後、一定電流の自動充電/放電サイクル
を開始し、関連した電気的パラメータを測定し
た。動作条件はすべての場合に同様であつて次の
通りであつた。 充電/放電電流:50mA/cm2 負 極:Li−Al合金 正 極:処理されたゼオライト/グラフイト 電解質:LiI−KI共融混合物 温 度:300℃ 上限電圧:2.3V 下限電圧:1.1V 上限(下限)電圧とは、電池の充電(放電)の
上限(下限)の電圧である。 種々の実験の平均的な結果は次表に示してあ
る。かかる実験結果に関する限り予備的な結果が
多く、したがつて繰返し試験を行なつた場合ある
程度異なる結果が生じ得る。
【表】 たゞし表中、「*」はイオウの理論的捕捉量が
未知であつたことを示し、「**」は実験データ
収集時になお稼動乃至動作中であつた電池であ
る。 イオウを吸着させたゼオライト4A結晶を有す
る正極混合物について行つた実験から、第3図お
よび第4図が作成された。第3図は電流密度と短
時間の電圧との関係を測定した結果をグラフで示
したものである。このデータは十分に充電された
電池から得られたもので、個々の計測は10秒間隔
で行われた。第4図は典型的な充放電曲線であ
り、電池の電圧V(IR電圧を含む)が時間に対し
てプロツトしてある。 前記の表に示した平均的な実験結果から、各電
池の開路電圧はあまり異なつていないことが分か
る。従つて、種々のゼオライト構造体中に捕捉状
態に保持されたイオウの活性乃至活性度はどのゼ
オライトでもほとんど同じであると考えられる。 短絡電流についていえば、これは、就中電池の
内部抵抗に依存する。一方、内部抵抗は正極ホル
ダの多孔度及び電極間距離等に大きく影響され
る。実験によれば、正極ホルダの多孔度は30乃至
50%であり、電極間距離は約1cmであつた。各電
池の内部抵抗は最適化されていなかつた。最適化
すれば、内部抵抗を低下せしめ得、短絡電流を改
善し得ると考えられる。 前記表のエネルギ密度及びイオウ利用値は全部
実験データに基づいており、放電試験で得た容量
(Ahr)及び平均放電電圧を用いて計算した。エ
ネルギ密度の観測値はイオウの利用値に依存して
いる。表から分かるように、むしろ低目のイオウ
の利用値が記録されている。出発物質の純度及び
作製技術を改良することにより、イオウの利用値
を約80%またはそれ以上まで高め得ると考えられ
る。これにより、エネルギ密度を実質的に増加し
得ると考えられる。 ゼオライト3A/イオウ系及びゼオライト4
A/セレン系の正極のイオウ利用値は、夫々、各
ゼオライトの化学式単位当りゼオライト4A/イ
オウ系の場合におけると同数のイオウ原子及びセ
レン原子が吸着されるという仮定に基づいて求め
た。化学式は次の通りである。 4A/S:Na12Al12Si12O48・S16 3A/S:K12Al12Si12O48・S16 4A/Se:Na12Al12Si12O48・Se16 実際には、ゼオライトに対して理論的に可能な
イオウ含浸量の80%のみが含浸されていることが
化学分析により分かつた。表のイオウ利用値はイ
オウが100%含浸されると仮定して求めたもので
ある。したがつてイオウ利用値は適当な条件下で
は改良され得ると考えられる。 表の最高出力は、前記の如く最適化されていな
い電流密度に依存する故、最適化された系では最
高出力はもつと大きくなると考えられる。 クーロン効率は入力電気量と出力電気量との比
から計測される。ゼオライト13X系は別とし
て、表の値は非常に満足のゆくものである。ゼオ
ライト13Xの場合にクーロン効率が比較的低い
値になつているのは、例えば電池中での不純物の
電解または充電の際の電池内部でのリークのため
である。 充放電回数に関していえば、ゼオライト4A/
イオウ系の場合、約100回の連続的な充放電の間
(1200時間以上)電池は目立つ程劣化することな
く動作し、その後徐々に劣化した。充放電を連続
的に300回繰り返した後、エネルギ出力は当初の
値の約50%に減少した。この劣化は不純物に起因
する電池材料の変質乃至分解、及び本質的でない
腐食によるものと考えられる。したがつて、本発
明に従う電池材料が最適化されれば、電池の有効
寿命はかなり伸びると考えられる。ゼオライト3
A/イオウ系の場合、充放電を30回行なつた後に
得られた値が表に示してある。ゼオライト13
X/イオウ系の電池では、充放電をわずか5回繰
り返す間動作したのみで、偶然その電池が動作し
なくなつた。ゼオライト4A/セレン系の場合、
表の各パラメータの値は50回充放電を繰り返した
後で得られたものである。その後さらに20回充放
電を繰り返したが、目立つた劣化はなかつた。 これらの実験は予備的な性格のものであつた
し、比較的小さな試験用電池で実験を行なつたの
であるが、一連の実験により、本発明に従う正極
乃至電池によつて得られる効果は示唆され得る。 電気自動車推進用蓄電池は理想的には次の要件
を満たすべきであるということは文献によく記さ
れている。 (i) 出力対重量比が大きいこと。 (ii) エネルギ対重量比が大きいこと。 (iii) 多数回充放電を行ない得ること。 (iv) 偶発事故があつても安全であること。 (v) 製造費が安いこと。 (vi) 使用材料が豊富にあること。 (vii) 充電速度が速いこと。 (viii) 一段型の放電サイクルをもつこと、すなわち
放電サイクル中電圧がほぼ一定であること。 (ix) 貯蔵寿命が長いこと。 正極としてゼオライト4A/イオウ系を組み込
んだ電池の場合の表に示した予備的な実験結果を
前記要件の観点から以下に考察する。 最初の要件に関していえば、出力対重量比は
(用いる活物質とともに)電池の設計に大いに依
存する。なぜならば、電池出力を制限する重要な
要因の一つは電極の活性表面積であるからであ
る。ゼオライトとイオウからなる正極は三次元電
極として働き得る。というのは、この正極では、
この正極の全体にわたつて電解質が自由に拡散し
得、その結果捕択状態に保持された全てのイオウ
が実質上電解質に接触し得るからである。加え
て、アルカリ金属−イオウ蓄電池は理論的エネル
ギが極めて大きい。従つて、この電池では大きな
出力対重量比が得られると考えられる。 エネルギ対重量比に関して、文献によれば、リ
チウム−シリコン合金の負荷及び下記のタイプの
正極からなる電池の場合、理論的及び得られたエ
ネルギ密度(W・hr/Kg)は次の通りである。
【表】
【表】 正極が、多孔性マトリツクス内に捕捉状態に保
持された液体イオウからなる場合には、使用中に
液体イオウが正極から急速に失なわれ、二次電池
としてはこのタイプの電池は魅力がないというこ
とが文献に示されている。 イオウの損失をさせるべく、本発明により分子
ふるいとしてのゼオライトでイオウを捕捉状態に
保持した正極の場合、このゼオライト−イオウ正
極及び純リチウム負極の質量のみに基づく理論的
なエネルギ密度は635W・hr/Kgである。 リチウム−シリコン負極を使用し、イオウ利用
値が60%の場合、換算エネルギ密度が約160W・
hr/Kgになり得る。同じ負極でイオウ利用値が90
%の場合、期待できる最大の換算エネルギ密度は
約240W・hr/Kgとなる。ここで換算エネルギ密
度の値は、現在の文献から入手可能なデータに基
づき正極及び負極以外の電池の部分を含めた電池
の総重量に対するとり出し可能な電池の総エルギ
の比である。負荷がリチウム−アルミニウム合金
からなる電池では、イオウ利用値が90%の場合、
本発明の一具体例の電池の換算エネルギ密度は
214W・hr/Kgになり得、イオウ利用値が60%の
場合、その換算エネルギ密度は143W・hr/Kgに
なり得るだろう。 正極がFeSまたはFeS2からなる電池は本発明に
従う電池に概念的には最も密接に関係しているも
のであり、且つ自動車推進用として究極的に使用
されるものと真剣に考えられているものである
が、本発明の具体例により得られる電池の換算エ
ネルギ密度は前記FeS又はFeS2を正極として用い
る電池の換算エネルギ密度に対して同程度以上で
あるので、本発明の好ましい一具体例の最適化さ
れた電池が、電気自動車推進用として使用するの
に十分なエネルギ対重量比(重量に対するエネル
ギの比)を持得ることが分かる。 第三番目の要件である多数回の充放電を可能に
するには、充電及び放電の繰り返しサイクルの
間、イオウまたはセレンが分子ふるい中にしつか
りと捕捉されて保持されなければならず、正極が
機械的および化学的に安定で繰り返しサイクルの
間に機械的または化学的に崩壊乃至劣化しないも
のでなければならない。前記の表で示した実験結
果特に本発明の具体例の正極のうちゼオライト4
A・イオウ正極の実験結果によれば、この正極は
前記要件を満たし得ると考えられる。この正極を
組み込んだ試験用電池では、クーロン効率やイオ
ウの利用値が目立つた程低下することなく、100
回以上も充電と放電とが繰り返された。 理論に束縛されることを望むのではないが発明
者の信ずるところによれば、イオウまたはセレン
は、場合次第では、適当なゼオライトのような適
当な分子ふるい担体中に吸着されると、環状(ゼ
オライト4A−イオウ構造体におけるイオウのよ
うに)または鎖状の状態で脱水されたゼオライト
格子の凹み内に存在し得る。 実施された実験から、かなりの期間にわたつて
イオウまたはセレンの目立つた損失はないことが
分かるが、発明者の信ずるところによれば、これ
は、環状または鎖状構造が充電および放電サイク
ルの間そのまま保持されることを示す。さらに発
明者の信ずるところによれば、これは、使用中に
リチウムイオンが正極でイオウまたはセレンと反
応してリチウムの硫化物またはリチウムのセレン
化物を作り、ゼオライトの分子状凹みの内部で電
気化学的反応が起ることを示す。かくして、電解
質に溶解されるものとして知られているリチウム
の硫化物またはリチウムのセレン化物が使用中分
子状凹み内部にとどまると考えられる。 この理論的説明によればさらに次のことが指摘
できる。すなわち、使用中のいかなる体積変化も
ゼオライト格子に吸収され、正極そのものはほと
んど体積変化しないと考えられる。従つて、本発
明に従う正極で圧縮成形された形態のものは、従
来の普通の正極の場合に生じがちである機械的な
解体の虞れが特に少ない。 自動車用蓄電池に対する第四番目の要件につい
ていえば、イオウまたはセレンはゼオライトによ
り捕捉状態に保持されているので、偶発事故の際
にイオウがリチウムの負荷と接触して電池が爆発
したりする虞れは実質的に皆無である。このこと
はリチウム合金の負極が正極に事実上接触するよ
うな極端な場合においても実際上同様である。 自動車用蓄電池に関する第五番目および第六番
目の要件に関していえば、天然に産出するゼオラ
イトは安くしかも容易に入手でき、一方合成ゼオ
ライトも安くしかも容易に合成される。イオウは
容易にしかも安価に入手でき、一方セレンはイオ
ウに比べると入手は困難でしかも高価であるけれ
ども、それでもなおある用途には競争力のあるも
のとして使用し得る。 充電速度に関していえば、本発明の正極は大き
な潜在表面を有する三次元正極であり得、しかも
電流密度を大きくとれる電解質を採用し得るの
で、充電速度を十分大きくし得、商業ベースの蓄
電池となし得る。 一段型放電サイクルに関していえば、第4図か
ら明らかなように、放電サイクルのうち約80%の
間電圧は実質的に一定である。 貯蔵寿命に関していえば、この電池は比較的高
い動作温度で安定であるゆえに、貯蔵寿命は、と
りわけ自動車推進用及び非ピーク時のエネルギ貯
蔵のためには十分であると考えられる。この考え
を試験で確かめるために、セレンで処理されたゼ
オライト4Aからなる電池を十分に充電した状態
で通常の動作温度に250時間放置したが、容量の
目立つた損失は観測されなかつた。 送配電網における非ピーク時のエネルギ貯蔵機
構の場合、重量に関する要件は無視され得る。し
たがつて、そのようなエネルギ貯蔵機構のための
の要件は、一般に、クーロン効率の高いこと、充
電速度の高いこと、多数回充放電を行ない得るこ
と、維持費が低いこと、及び偶発事故の際に安全
であることである。前記の表に示した予備的な実
験結果から考えて、本発明に従つて最適化された
正極を組み込んだ本発明に従う最適化された電池
は、電気自動車推進のためにも、非ピーク時のエ
ネルギ貯蔵のためにも適用できるエネルギ貯蔵機
構であると考えられる。更に、適当な分子ふる
い、例えば特にゼオライトは高温(多くの場合約
600℃を越える)で安定であり、良好な出力対重
量比を与えるのに十分に軽いという特徴がある。 以上の如く図面乃至実験に基づいて説明した本
発明の具体例の正極乃至電池には次のような長所
がある。比較的容易に入手し得るイオウ元素また
はセレン元素が適当な分子ふるい中に効果的に組
み込まれ、そして所要の動作温度での使用中分子
ふるい内に捕捉状態に効果的に保持されるような
正極及び電池が提供される。さらに、使用中に正
極材料としてのイオウ又はセレンからなる陰性元
素が蒸発するという問題が解決され、比較的高い
効率と安定性とを備えた電池が提供される。 本発明の高温化学電池用正極では、イオウ又は
セレンからなり電気化学的に活性な正極材料(す
なわち正極活物質)が、分子ふるいである脱水ゼ
オライトの細孔内に吸着されている故に、細孔径
(細孔の開口部乃至通路の径)がせいぜい10A程
度である脱水ゼオライトの細孔内に、正極活物質
が単原子乃至単分子の状態で存在する。 そして、該脱水ゼオライトを含む正極材料支持
体が電子伝導性で且つイオン伝導性である故に、 ゼオライトの細孔内に単原子状乃至単分子状で
存在している正極材料の各(イオウ又はセレン)
原子が、ゼオライトの細孔壁から直接的に電子を
受け取る電極反応に関与し得、且つ陽イオンが、
細孔の開口部から細孔通路に沿つて動かなくて
も、脱水ゼオライト中を通つて細孔内の電極反応
生成部に直接達し得、イオン化した正極材料原子
のところでの電気的中性条件を達成して閉電流路
を形成し、継続的正極反応を支持し得る。 すなわち、本発明の高温化学電池用正極では、 電解質に接した表面でのみ電極反応が生じ得る
固体粒子状の正極活物質を有する正極の場合と異
なり、 電子伝導性の故に実質的に電流取出端子として
働き、且つイオン伝導性の故に実質的に電極間の
電解質として働くゼオライト中に、正極活物質が
単原子状乃至単分子状で三次元的に分散せしめら
れていることになり、 正極活物質の各原子が常に実質的に同等の可能
性で継続的電極反応に関与し得る。 また、本発明の高温化学電池用正極では、支持
体のゼオライトのイオン伝導性のために陽イオン
が、溶融電解質及びゼオライト結晶中を通つて任
意の経路でゼオライトの細孔中に達し得る故、 支持体のゼオライトの細孔中での正極反応のた
めに生じたイオウイオンが細孔外に流出する前に
細孔内を電気的に中性化するように閉電流路を形
成し得る。従つて、イオウイオンが細孔外に流出
する虞れが低減され得る。 尚、仮に支持体の分子ふるいがイオン伝導性を
有しない場合、溶融電解質の陽イオンが細孔の通
路に沿つて負のイオウイオンを中和させる必要が
あり、該陽イオンの補給が十分に行なわれないと
イオウイオンが細孔外に流出する虞れが生じる。 しかも、本発明の正極では、 前記の如く各原子が常に実質的に同等の可能性
で継続的電極反応に関与し得るように単原子状乃
至単分子状で三次元的に分散せしめられている故
に、 正極活物質としてFeSxの如き遷移金属硫化物
の固体(粒子)が用いられる場合、すなわち固体
の内部に位置するイオウ原子が正極反応に関与す
るためには、そのまわりのイオウ原子が正極反応
によつてイオン化して除去され且つイオウ除去後
の遷移金属原子のスキマをとおつて陽イオンが前
記内部に位置する前記イオウ原子の近傍に達する
かイオン化したイオウが実質的に電解質中に移動
する必要がある場合と比較して、電池の放電動作
の初めから終りまで正極反応が同程度の可能性で
生起し易く、放電特性の変化が比較的小さく抑え
られ得るのみならず、正極活物質の利用効率が比
較的高められ易い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による一具体例の正極を組み込
んだ本発明による一具体例の電池の断面説明図、
第2図は実験用として構成された本発明による別
の具体例の断面説明図、第3図は第2図に示す実
験用電池の電流密度と電圧との関係を示すグラ
フ、第4図は第2図の実験用電池の典型的な充放
電曲線である。 12,48……正極、14,52……混合物、
16,50……正極ホルダ、30,64……負
極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高温化学電池用正極であつて、 電池の動作温度よりも融点が低いイオウ又はセ
    レンからなる電気化学的に活性な正極材料と、 電池の放電動作の間この正極材料を捕捉状態で
    内部に保持するに十分に小さい多数の細孔を有す
    る脱水ゼオライト結晶からなる分子ふるいを含み
    電子伝導性で且つイオン伝導性の電気化学的に不
    活性な支持体とからなり、 前記の活性な正極材料の実質的にすべてが前記
    細孔内に吸着されており、 この電気化学的に活性な正極材料は、前記分子
    ふるいの陽イオンが電池反応に実質的に関与せ
    ず、電池から取り出される実質的に全てのエネル
    ギが前記細孔内に保持されたこの電気化学的に活
    性な正極材料によつて与えられるような物質であ
    る高温化学電池用正極。 2 前記分子ふるいは、吸着正極材料に関して1
    グラム原子あたり約−20kcalよりも小さい吸着熱
    を有するように構成されている特許請求の範囲第
    1項に記載の正極。 3 前記分子ふるいは、8員分子形の吸着正極材
    料に関して1モルあたり約−160kcalより小さい
    吸着熱を有するように構成されている特許請求の
    範囲第1項に記載の正極。 4 前記分子ふるいは、8員分子形の吸着正極材
    料に関して1モルあたり−200kcalより小さい吸
    着熱を有するように構成されている特許請求の範
    囲第1項に記載の正極。 5 脱水ゼオライト結晶が、エリオナイトの結晶
    とホージヤサイトの結晶とからなるグループから
    選択された天然産ゼオライト結晶の形である特許
    請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載の
    正極。 6 脱水ゼオライト結晶がゼオライト3A、ゼオ
    ライト4A及びゼオライト13Xからなる合成ゼ
    オライト結晶のグループから選択されたものであ
    る特許請求の範囲第1項から第4項のいずれかに
    記載の正極。 7 前記支持体は、前記分子ふるいに加えて電子
    伝導性材料を有している特許請求の範囲第1項か
    ら第6項のいずれかに記載の正極。 8 前記電子伝導性材料が分子ふるいの粉末と混
    合されているグラフアイト粉末の形態である特許
    請求の範囲第7項に記載の正極。 9 前記支持体が粉末の成形体からなる特許請求
    の範囲第1項から第8項のいずれかに記載の正
    極。 10 前記支持体が前記成形体を収容する多孔性
    の正極ホルダを有している特許請求の範囲第9項
    に記載の正極。 11 前記支持体が分子ふるいの粉末とこの粉末
    を収容している多孔性の正極ホルダとからなる特
    許請求の範囲第1項から第8項のいずれかに記載
    の正極。 12 前記正極材料には、該正極材料が細孔内に
    安定に保持されるように作用する陰性元素からな
    る少量の安定剤が添加されている特許請求の範囲
    第1項から第11項のいずれかに記載の正極。 13 前記正極材料がイオウからなり、前記安定
    剤がセレン、ヒ素、リンまたはアンチモンからな
    る特許請求の範囲第12項に記載の正極。 14 前記正極材料がセレンからなり、前記安定
    剤がヒ素、リンまたはアンチモンからなる特許請
    求の範囲第12項に記載の正極。 15 正極と、アルカリ金属又はアルカリ金属合
    金からなる負荷と、正極および負極の間に設けら
    れた溶融電解質とからなる高温用化学電池であつ
    て、 前記正極は、電池の動作温度よりも融点が低い
    イオウ又はセレンからなる電気化学的に活性な正
    極材料と、 電池の放電動作の間この正極材料を捕捉状態で
    内部に保持するに十分に小さい多数の細孔を有す
    る脱水ゼオライト結晶からなる分子ふるいを含み
    電子伝導性で且つイオン伝導性の電気化学的に不
    活性な支持体とからなり、 前記の活性な正極材料の実質的にすべてが前記
    細孔内に吸着されており、 この電気化学的に活性な正極材料は、前記分子
    ふるいの陽イオンが電池反応に実質的に関与せ
    ず、電池から取り出される実質的に全てのエネル
    ギが前記細孔内に保持されたこの電気化学的に活
    性な正極材料によつて与えられるような物質であ
    る高温用化学電池。 16 前記分子ふるいは、吸着正極材料に関して
    1グラム原子あたり約−20kcalよりも小さい吸着
    熱を有するように構成されている特許請求の範囲
    第15項に記載電池。 17 前記分子ふるいは、8員分子形の吸着正極
    材料に関して1モルあたり約−160kcalより小さ
    い吸着熱を有するように構成されている特許請求
    の範囲第15項に記載の電池。 18 前記分子ふるいは、8員分子形の吸着正極
    材料に関して1モルあたり−200kcalより小さい
    吸着熱を有するように構成されている特許請求の
    範囲第15項に記載の電池。 19 脱水ゼオライト結晶が、エリオナイトの結
    晶とホージヤサイトの結晶とからなるグループか
    ら選択された天然産のゼオライト結晶の形である
    特許請求の範囲第15項から第18項のいずれか
    に記載の電池。 20 脱水ゼオライト結晶が、ゼオライト3A、
    ゼオライト4A及びゼオライト13Xからなる合
    成ゼオライト結晶のグループから選択されたもの
    である特許請求の範囲第15項から第18項のい
    ずれかに記載の電池。 21 前記支持体は前記分子ふるいに加えて電子
    伝導性材料を有している特許請求の範囲第15項
    から第20項のいずれかに記載の電池。 22 前記電子伝導性材料が分子ふるいの粉末と
    混合されているグラフアイト粉末の形態である特
    許請求の範囲第21項に記載の電池。 23 前記支持体が粉末の成形体からなる特許請
    求の範囲第15項から第22項のいずれかに記載
    の電池。 24 前記支持体が前記成形体を収容する多孔性
    の正極ホルダを有している特許請求の範囲第23
    項に記載の電池。 25 前記支持体が分子ふるいの粉末とこの粉末
    を収容している多孔性の正極ホルダとからなる特
    許請求の範囲第15項から第22項のいずれかに
    記載の電池。 26 前記正極材料には、該正極材料が細孔内に
    安定に保持されるように作用する陰性元素からな
    る少量の安定剤が添加されている特許請求の範囲
    第15項から第25項のいずれかに記載の電池。 27 前記正極材料がイオウからなり、前記安定
    剤がセレン、ヒ素、リンまたはアンチモンからな
    る特許請求の範囲第26項に記載の電池。 28 前記正極材料がセレンからなり、前記安定
    剤がヒ素、リンまたはアンチモンからなる特許請
    求の範囲第26項に記載の電池。 29 前記アルカリ金属合金がリチウム−シリコ
    ン合金またはリチウム−アルミニウム合金からな
    る特許請求の範囲第15項から第28項のいずれ
    かに記載の電池。 30 前記電解質が少なくとも一つのアルカリ金
    属のハロゲン化物からなる特許請求の範囲第15
    項から第29項のいずれかに記載の電池。 31 前記電解質がヨウ化カリウム及びヨウ化リ
    チウムの共融混合物、又は塩化カリウム及び塩化
    リチムの共融混合物からなる特許請求の範囲第3
    0項に記載の電池。 32 電解質中には脱水ゼオライト結晶が含まれ
    ており、電解質は、動作時に溶融状態になる電解
    質の分子ふるいとして働くこのゼオライト結晶中
    に浸み込んでいる特許請求の範囲第30項又は第
    31項に記載の電池。 33 負極と正極との間に、脱水ゼオライト結晶
    の層からなり、電池の不純物を取り除く機能を有
    する電極セパレータが設けられている特許請求の
    範囲第15項から第32項のいずれかに記載の電
    池。
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