JPS6318833B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は放電管とこれと並列に接続されたグロ
ースタータとを外球内に収納したグロースタータ
内蔵放電ランプの製造方法に関する。 従来のこの種放電ランプとしては、たとえば低
ワツト（100W以下）の高圧ナトリウムランプが
あり、第１図に示すように、外球１内に、放電管
２とともに、それと並列に接続したグロースター
タ３を収納することにより、チヨーク４を介して
交流電源５に接続した場合に、グロースタータ３
の動作による電流の断続に応じてチヨーク４に発
生するパルス電圧を利用して、放電管２の放電を
開始させるようになつている。したがつて、この
ような高圧放電ランプは外部始動装置を必要とせ
ず、比較的安価な単一チヨーク形の安定器で点灯
できるという利点を有する。なお、第１図におい
て、６はバイメタルスイツチで、ランプの正常動
作中には放電管２の熱によつて開放し、グロース
タータ３への電圧印加を防止するためのものであ
る。 第２図は、これまでに報告されているような高
圧放電ランプの構成図である。同図において、放
電管２はステム管７に封着支持された２本の支持
導線８，９に接続されている。グロースタータ３
はこれらの支持導線８，９間に支持されるととも
にバイメタルスイツチ６を介して放電管２に並列
に接続されている。なお、ステム管７は口金１０
で覆われている破線の部分で外球１の開口部と封
着されている。１１は外球１の排気後、真空度を
維持するためのゲツタである。 グロースタータ３の動作開始電圧は、高圧放電
ランプの始動の信頼性を高める点から、定格電圧
の90％以下、すなわち定格電源電圧200Vに対し
ては180V以下になるように設計せねばならない。 しかしながら、第２図に示すような構成では、
グロースタータ３の動作開始電圧が、外球１への
組込み前と後で異なり、外球１に組込んだ後に
は、グロースタータ３の動作開始電圧が５〜10V
上昇することがしばしば経験されている。このよ
うなグロースタータ３の動作開始電圧の上昇は、
外球１とステム管７との封着時に、高温に熱せら
れた封着部分からの放射および対流によりグロー
スタータ３が加熱され、グロースタータ３のガラ
ス内壁から不純ガスが放出されるためによるもの
と考えられる。 本発明はこのような問題にかんがみてなされた
ものであり、以下これを図面とともに説明する。 本発明は開口を有する外球内に、放電管とこの
放電管と並列に接続されたグロースタータと遮熱
板とを収納して、前記遮熱板を前記外球の開口部
と前記グロースタータとの間に配置した状態で、
前記外球の開口部を加熱封着するグロースタータ
内蔵放電ランプの製造方法を特徴とするものであ
る。 第３図は本発明の方法によつて得られた高圧放
電ランプの一例を示すものであり、開口を有する
外球１内に、放電管２とこの放電管と並列に接続
されたグロースタータ３とステム管７に固定され
た円形の遮熱板１２とを収納して、この遮熱板を
外球１の開口部とグロースタータ３との間に配置
した状態で、外球１の開口部とステム管７とを溶
着することによつて、外球１の開口部を封着し、
口金付けを行なつて製作されたものである。前記
遮熱板１２としては金属材料、電気絶縁材料が用
いられる。 このような方法によつて製作された高圧放電ラ
ンプは、外球１の開口部の加熱封着工程におい
て、遮熱板１２によつてグロースタータ３の温度
上昇が抑制され、その結果グロースタータ３の動
作開始電圧の上昇が防止される。実験によれば、
前記加熱封着工程において、グロースタータ３の
温度が300℃以下に保たれればよいことが認めら
れた。本発明の方法によつて得られた高圧放電ラ
ンプのグロースタータの動作開始電圧と従来の方
法によつて得られた高圧放電ランプのそれとを比
較したところ、下表に示す結果が得られた。な
お、グロースタータは通常のとおり、製作完成
後、エージングを完了しているものを用いた。

【表】 上表から明らかなように、本発明の方法によつ
て得られた高圧放電ランプではグロースタータの
動作開始電圧の上昇が十分に抑制され得ることが
わかる。 第４図は本発明の方法によつて得られた高圧放
電ランプの他の例を示すものであり、この場合は
外球１の開口部とグロースタータ３との間に位置
する支持導線８，９の部分に円形の遮熱板１３を
設けた状態で、上記と同様の方法によつて製作さ
れたものである。この場合の遮熱板１３にはもち
ろん電気絶縁材料を用いる。 なお、外球の開口部の加熱封着時の熱による影
響を緩和する意味だけからは、グロースタータを
外球の封着部から遠ざけて、たとえば、外球の封
着部と反対側すなわち外球の頂部側に設置するこ
とも考えられるが、高圧放電ランプ全体の機械的
強度、耐振性を維持する点から、グロースタータ
を支持するための特別の構造を必要とし、構造が
複雑となるばかりでなく、グロースタータが利用
されるような低ワツト高圧放電ランプでは外球面
にグロースタータの影を作ることにより光学的特
性を損うことにもなり好ましくない。 以上説明したように、本発明によれば、外球の
開口部の加熱封着工程において、熱によるグロー
スタータの温度上昇を抑制して、グロースタータ
の動作開始電圧の上昇を防止することのできる放
電ランプの製造方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はグロースタータ内蔵高圧放電ランプの
点灯回路図、第２図は従来の方法によつて製作さ
れたグロースタータ内蔵高圧放電ランプの正面
図、第３図および第４図はそれぞれ本発明の方法
によつて製作されたグロースタータ内蔵高圧放電
ランプの正面図である。 １……外球、２……放電管、３……グロースタ
ータ、１２……遮熱板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 開口を有する外球内に、放電管とこの放電管
   と並列に接続されたグロースタータと遮熱板とを
   収納して、前記遮熱板を前記外球の開口部と前記
   グロースタータとの間に配置した状態で、前記外
   球の開口部を加熱封着することを特徴とするグロ
   ースタータ内蔵放電ランプの製造方法。