JPS6318177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオートサーチチユーニングの機能を有
する受信機において、変調方式の異なる信号例え
ばFMおよびAMの受信に際し受信する信号の信
号レベルに合わせてサーチ感度を任意に可変制御
し得る受信機のオートサーチ回路に関するもので
ある。

従来、オートサーチチユーニングの機能を有す
るFM／AM受信機において、オートサーチ回路
は受信する信号の正確な同調と良好な受信感度を
得るために、次のような手段によりオートスキヤ
ン作動を制御していた。すなわち、受信する信号
の正確な同調はFM中間周波数信号が検波される
と、検波された信号は一般にＳ字特性と呼ばれる
出力信号を得る。このＳ字特性の出力信号が“ゼ
ロ”レベルになるとき、受信する信号は正確に同
調したと判断し制御信号を得る。

一方、良好な受信感度を得るためには、受信す
る信号の入力レベルがある値以上になつている必
要がある。一般には、受信する信号の入力レベル
に略比例する出力を有するフイールドストレング
スあるいはミユーテイング制御用信号を用い、そ
の信号の値がある設定値以上にあるとき制御信号
を得る。このようにして得られた制御信号と
制御信号が同時に得られるとき、受信機は正確
な同調と良好な受信感度が得られたと判断し、オ
ートスキヤン作動を停止させるような回路構成を
なしていた。

しかし、上記フイールドストレングスあるいは
ミユーテイング制御用信号は、FM中間周波増幅
および検波回路が集積回路化（IC化）された部
品によりなされることから、出力されるフイール
ドストレングスあるいはミユーテイング制御用信
号のレベルは固定化され、しかも比較的低い値に
設定されていた。

すなわち、良好な受信感度を得られるように、
受信する信号の入力レベルが比較的高いレベル、
換言すれば、フイルドストレングス（AM・FM
の場合）あるいはミユーテイング（FMの場合）
の感度が低い状態に設定されているため、雑音や
妨害電波でもオートスキヤン作動をしてしまい、
時に夜間のAM放送においては、昼間は聞えない
遠くの放送の信号レベルが非常に高いレベルとな
るため、不要の信号が混入してしまうという問題
を有していた。

さらに、放送局数の多いアメリカ、ヨーロツパ
では１バンド内に数十局の放送があるため、オー
トサーチチユーニングといつてもカバーレンジの
下限から上限までサーチするのにかなりの手間を
要した。他方、フイールドストレングスあるいは
ミユーテイングの感度を高い状態に設定すると、
放送局から遠い所では弱電界のため、オートサー
チチユーニングの作動ができないという問題を有
していた。

本考案は、上述の問題を解決するためフイルド
ストレングスあるいはミユーテイング制御用信号
をサーチ感度設定手段にて所要の信号レベルに制
御することにより、例えばFM／AM受信機にお
いてオートサーチのための受信感度を任意に可変
することのできるオートサーチ回路を提供するも
のである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。第１図は本考案によるオートサーチ回路の構
成を示す。同図において２０はFM信号の受信部
に係り、１はFM信号のアンテナ端子で入力する
信号をチユーナ２に印加する。このチユーナ２は
サーチチユーニングの機能を有し、中間周波数信
号を出力する。この中間周波数信号は中間周波増
幅および検波回路３に供給され、出力端１１およ
び１２に検波信号を出力する。

この検波信号はＳ字特性を有する信号で、直流
増幅回路４および５に互に逆極性になるように印
加する。そして、上記直流増幅回路４および５の
出力端１３および１４からの出力は離調判別回路
６に印加され、受信する信号の同調あるいは離調
を判別し出力信号をオートスキヤン停止兼チユー
ニング判別回路７に供給する。

一方、上記中間周波増幅および検波回路３の一
端からのミユーテイング信号はサーチ感度制御回
路９に印加され、サーチ感度設定回路１７からの
設定出力（直流電圧）によつてオートスキヤンの
ための信号のレベルに制御されたのち、直流増幅
回路１０に印加される。この増幅された信号はイ
ンバータ１６にて極性変換され、上記オートスキ
ヤン停止兼チユーニング判別回路７に印加され
る。

このオートスキヤン停止兼チユーニング判別回
路７では、上記離調判別回路６およびインバータ
１６からの信号を判別し、同調がなされたと判別
したとき、同調表示回路８を作動させると共にオ
ートスキヤン停止信号を出力し、上記チユーナ２
に印加してオートスキヤンを停止させるように作
動する。

他方、３０はAM信号の受信部に係り、２１は
AM信号のアンテナ端子で入力する信号をチユー
ナ２２に印加する。このチユーナ２２は上記同様
にサーチチユーニングの機能を有し、中間周波数
信号を出力する。この中間周波数信号は中間周波
増幅および検波回路に供給され、この出力信号
（中間周波数信号）は受信する信号の帯域幅（チ
ヤンネルスペース）が9KHz以上の分解能を有す
る狭帯域フイルタおよび増幅回路２４に印加され
る。

このとき、狭帯域フイルタおよび増幅回路２４
には上記サーチ感度設定回路１７からの設定出力
（直流電圧）がサーチ感度制御回路２６を介して
印加され、出力信号のゲイン（利得）が制御され
てサーチ電圧検出回路２５に印加される。このサ
ーチ電圧検出回路２５では上記出力信号に基づい
て局をサーチしたかどうかを判別し、所定レベル
以上の出力電圧が検出されたときには同調がなさ
れたものと判別してオートスキヤン停止信号を出
力し、上記チユーナ２１に印加してオートスキヤ
ンを停止させるように作動する。

次に、上記構成に基づく回路の動作を詳述す
る。先ず、FM信号の受信部２０の動作について
述べる。今、FM信号の受信に際しチユーナ２の
オートスキヤン機能が作動し、目的とする電波を
受信すると、該チユーナ２から出力される中間周
波数信号は中間周波増幅および検波回路３にて処
理され、端子１１および１２より第２図にて示す
ようなＳ字特性の検波信号が出力される。この検
波信号は直流増幅回路４および５に互に逆極性に
なるように印加され、増幅された信号を端子１３
および１４より第３図に示すような信号として出
力する。すなわち、直流増幅回路４および５に印
加するＳ字特性の検波信号は直流増幅され、第３
図にて示すように受信する信号の僅かな離調Δ
に対し大きな信号の変化をもたらし、受信する信
号の離調の判別をより正確になすためのものであ
る。

上記端子１３および１４は離調判別回路６に接
続され、端子１３および１４からの信号が“ゼ
ロ”レベルにあるとき、チユーナ２からの中間周
波数信号が中間周波増幅および検波回路３の設定
された中間周波数に完全に一致したことを意味
し、離調判別回路６は受信機が目的とする電波に
正確に同調したと判別し、オートスキヤン停止兼
チユーニング判別回路７に低いレベル（ゼロレベ
ルも含む）の信号を出力する。そして、もし上記
端子１３および１４に正、負いずれかの極性の信
号が存在するとき、受信する信号は離調状態にあ
ることを意味し、上記離調判別回路６はオートス
キヤン停止兼チユーニング判別回路７に高いレベ
ルの信号を出力する。

一方、上記中間周波増幅および検出回路３の一
端から出力され、サーチ感度制御回路９に供給さ
れるミユーテイング制御用信号は、受信する信号
のレベルの増加に伴い増加する特性を有する。上
記サーチ感度制御回路９は、このミユーテイング
制御用信号のレベルをサーチ感度設定回路１７か
らの設定電圧によつてオートスキヤンのための信
号のレベルに制御し、インバータ１６の動作開始
レベルを設定する。

このサーチ感度制御回路９における信号レベル
の制御操作については、受信機の使用する環境、
例えばアメリカ、ヨーロツパ等のように１バンド
内に非常に多くの放送局が存在する場合におい
て、所要の電波のみを受信するようにしたいとき
には、サーチ感度設定回路１７でボリユームまた
はスイツチ等の操作によつて所定の設定出力（直
流電圧）を得ることにより、該サーチ感度制御回
路９ではその設定電圧に応じてミユーテイング制
御用信号のレベルの減衰量を小さくし、受信する
信号のレベルの低い状態でインバータ１６を作動
するように制御する。

このように、インバータ１６はミユーテイング
制御用信号がサーチ感度制御回路９にて設定する
設定値を越えるレベルにあるとき作動し、上記オ
ートスキヤン停止兼チユーニング判別回路７に低
いレベル（ゼロレベルも含む）の信号を出力す
る。もしミユーテイング制御用信号のレベルが上
記設定値に達しないならば、インバータ１６は作
動せず高いレベルの信号を出力する。

そして、離調判別回路６およびインバータ１６
からの信号は、オートスキヤン停止兼チユーニン
グ判別回路７に印加する。このオートスキヤン停
止兼チユーニング判別回路７は論理回路を構成
し、上記離調判別回路６からの信号とインバータ
１６からの信号とが共に低いレベル（ゼロレベル
も含む）にあるときのみ、該オートスキヤン停止
兼チユーニング判別回路７は受信する信号を正確
に同調し、且つ良好な受信感度を得たと判別して
オートスキヤン停止信号を出力し、ライン１５に
てチユーナ２に印加しオートスキヤン作動を停止
させる。同時に、同調表示回路８に信号を出力
し、受信機が目的とする電波に正確に同調したこ
とを表示する。

次いで、AM信号の受信部３０の動作について
述べる。AM信号の受信に際してもチユーナ２１
のオートスキヤン機能が作動し、目的とする電波
を受信すると、該チユーナ２１から出力される中
間周波数信号は中間周波増幅および検波回路２３
にて処理され、その出力はミユーテイング制御用
信号として狭帯域フイルタおよび増幅回路２４に
印加される。この狭帯域フイルタでは希望の局の
みが選択されたのち、さらに増幅回路においてサ
ーチ感度制御回路２６からの設定電圧によつて出
力信号のゲイン（利得）が制御され、サーチ電圧
検出回路２５に印加される。

このサーチ感度制御回路２６における信号レベ
ルの制御操作については、受信機の使用する環
境、例えば夜間帯における不要の放送が混入する
場合において、目的の電波のみを良好に受信する
ようにしたいときには、サーチ感度設定回路１７
でのボリユームまたはスイツチ等の操作によつて
所定の設定出力（直流電圧）を得ることにより、
該サーチ感度制御回路２６を介してその設定電圧
に応じて狭帯域フイルタおよび増幅回路２４では
中間周波数信号のレベルの減衰量を大きくし、す
なわち出力信号のゲイン（利得）をオートスキヤ
ンのための信号レベルに制御する。

この結果、サーチ電圧検出回路２５では上記出
力信号に基づき、所定レベル以上の出力電圧が検
出されたと判別したときには、目的の電波に対す
る同調がなされたと判別してオートスキヤン停止
信号を出力し、ライン２７にてチユーナ２１に印
加しオートスキヤン作動を停止させる。

尚、上記実施例においてオートスキヤンのため
のデイジタル信号処理関係については、本考案の
要旨に直接関係がないので具体的な説明は省略す
る。

以上の如く、本考案によるオートサーチ回路は
オートサーチ感度可変手段の採用により、FM／
AM受信機に限ることなく、オートスキヤン作動
のための信号レベルを弱電界から強電界まで任意
に選択できるようにしたものであり、従つて特に
夜間帯のAM放送の受信に際しては不要な遠方の
局を受信することなく、所要の局のみをスムーズ
にサーチすることができる。また、１バンド内に
多数の放送が混在している場合でも、オートサー
チ感度の制御を行えば所定レベル以上の放送のみ
を受信することができるので、オートスキヤンを
効果的に行うことができる。

上記オートサーチ感度可変のための具体的な手
段としては、可変抵抗器を用いたリニアなもので
もよいし、LOW，MID，HiまたはLocal，DX等
の３段乃至２段の切換スイツチを用いてもよい。
また、オートスキヤンのための可変はFM，AM
を同時に行えるようにしてもよいし、または別々
に操作できるようにしてもよい。

さらに、良好な受信感度のレベル設定のための
信号源として、上記説明ではミユーテイング制御
用信号を用いたが、受信する信号のレベルに略比
例する出力を有する信号源、例えばフイールドス
トレングス信号あるいはそれに類する信号を用い
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による受信機のオートサーチ回
路の一実施例のブロツク図、第２図は同上回路に
おけるＳ字特性図、第３図は同上回路における直
流増幅器の飽和曲線図である。 図面中、２，２１はチユーナ、３，２３は中間
周波増幅および検波回路、４，５，１０は直流増
幅回路、６は離調判別回路、７はオートスキヤン
停止兼チユーニング判別回路、９，２６はサーチ
感度制御回路、１６はインバータ、１７はサーチ
感度設定回路、２４は狭帯域フイルタおよび増幅
回路、２５はサーチ電圧検出回路である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 オートサーチチユーニングの機能を有する受信
   機において、 一方の変調信号系の受信を対象とし受信する信
   号の信号レベルを検出する第１の検出回路と、 第１検出回路からの出力信号のレベルを制御し直
   流増幅をなすサーチ感度制御回路と、 サーチ感度制御回路からの出力信号にてサーチチ
   ユーニングの作動を停止させるオートスキヤン停
   止兼チユーニング判別回路と、 上記サーチ感度制御回路に対し受信する信号の信
   号レベルを設定させるサーチ感度設定回路と、 を備えると共に、 他方の変調信号系の受信を対象とし受信する信
   号の信号レベルを検出する第２の検出回路と、 第２検出回路からの出力信号中より所要の信号の
   みを選択通過させる帯域フイルタと、 帯域フイルタからの出力信号の利得を制御するサ
   ーチ感度制御回路と、 上記利得制御された出力信号にてサーチチユーニ
   ングの作動を停止させるサーチ電圧検出回路と、
   上記サーチ感度制御回路に対し受信する信号の信
   号レベルを設定させ上記一方の変調信号系と共用
   してなるサーチ感度設定回路と、 を具備してなることを特徴とする受信機のオート
   サーチ回路。