JPS6318131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は二つの電線を接続するコネクターを
被うコネクターカバーに関するものである。

従来Ｃ型スリーブ等から成るコネクター１は、
第１図に示す如く、接続する一方の電線２の被覆
２ａを剥して芯線２ｂを露出せしめ、この芯線２
ｂをコネクター１のＣ型スリーブ３に挿入して圧
縮し、他方の端子４に他方の電線５を接続して、
上下がすぼんだ円筒状のコネクターカバー６の一
側に設けた切込み開口縁７をあけて上記接続箇所
に被せ、切込み開口縁を重合係止し、コネクター
カバー６の上端及び電線２の外周に絶縁テープ８
を巻いてコネクターカバー６を電線２に固定して
いた。しかしながらこの場合、絶縁テープ８と電
線２との間から、またつき合わせた切込み開口縁
７からコネクターカバー６内に雨水が浸入するこ
とがあり、コネクターカバー６内で芯線２ｂが露
出しているため、この芯線２ｂに雨水が付着し、
毛細管現象等により一方の電線２の芯線２ｂ内に
深く雨水が浸入して、該箇所から腐蝕し、接触不
良となるおそれがあつた。

この考案はこれらの電線接続箇所、特にコネク
ターカバー内で電線の芯線を露出して接続するコ
ネクターのカバーにおいて、コネクターカバーを
コネクターに装着する力によつて自動的にシール
材がカバー内に設けた小室に充填され、上記芯線
露出部分をシール材が被い、これによつて電線接
続箇所の絶縁とともに雨水の浸入を防止するコネ
クターカバーを提供することを目的としたもので
ある。

以下この考案の一実施例を第２図以下について
説明する。

９は上下端をすぼませて電線挿通孔１０，１１
を夫々設けた略円筒状のカバー本体、１２はこの
カバー本体９内一側に設けた小室で、この小室１
２は、収納するコネクター１の外周形状に相応す
る孔１３を有する隔壁１４によつてカバー本体９
内の他の中空部１５と隔離している。１６は上記
カバー本体９一側で、上端の電線挿通孔１０から
下端の電線挿通孔１１まで設けた切込みで、この
切込み１６により上記隔壁１４にも切込みが形成
されている。１６ａはこの切込み１６の両側各縁
から突出した重合片で、この重合片１６ａには適
宜の係止具１６ｂが設けられている。１７はこの
小室１２外の中空部１５内に設けたシール材収納
袋で、この収納袋１７はカバー本体９の内周に沿
つて設けられ、かつカバー本体９の中空部１５の
中心部付近までふくらんでいる。１８はこの収納
袋１７に入つたシール材、１９はこの収納袋１７
から突出したノズルで、このノズル１９は上記隔
壁１４を貫通してその先端を小室１２内に突出し
ている。このノズル１９先端には噴出口を被う栓
（図示せず）を有しており、この栓は極めて容易
に外れるものである。２０はカバー本体９の中空
部１５の内周同一円周上から中空部１５中心に向
けて突出せしめた、弾性を有する複数本の舌片、
２１はこれらの舌片２０の下方のカバー本体９内
周から上記舌片２０と同様に設けた舌片である。

この考案は以上の構造であり、第１図の従来例
に示す如く、二つの電線２，５をコネクター１に
よつて接続し、少なくとも一方の電線２の被覆２
ａを剥して芯線２ｂを露出してＣ型スリーブ３に
接続した電線接続箇所に、この考案のカバーを装
着するには、カバー本体１の切込み１６の両端縁
から突出する重合片１６ａをもつてカバー本体１
を開け、上記コネクター１の上下の電線２，５に
カバー本体９の電線挿通孔１０，１１を夫々当て
て上記コネクター１外周にこの考案を被せ、カバ
ー本体９の切込み１６をはさんだ両側を押して重
合片１６ａを重ね合わせて係止せしめる。する
と、カバー本体９内のシール材収納袋１７がカバ
ー本体９の内周とコネクター１外周との間で押さ
れ、該袋１７内のシール材１８の押圧によりノズ
ル１９先端の栓（図示せず）が外れ、噴出口より
シール材１８が小室１２内に充満する。そして小
室１２内に充填されたシール材１８は小室１２内
の空気にふれて硬化する。これにより電線２の露
出した芯線２ｂはシール材１８に被われ、カバー
本体１の上部の電線挿入孔１０や切込み１６から
雨水がカバー本体９内に浸入しても、電線２の芯
線２ｂには達することがない。しかもこの考案で
はカバー本体９を電線接続箇所に装着するだけで
シール材収納袋１７が押され、これにより中のシ
ール材１８がノズル１９から噴出し小室１２にシ
ール材１８が充満し、小室１２内で露出した芯線
２ｂの外周を被うため、極めて作業が簡単であ
る。また上記実施例ではカバー本体９の中空部１
５に舌片２０，２１を夫々突出せしめているた
め、カバー本体９をコネクター１の外周に装着し
た際、舌片２０，２１先端がコネクター１をカバ
ー本体９の中空部１５の中心に押し、これにより
シール材収納袋１７を確実にカバー本体９内周と
コネクター１外周との間で押圧し、シール材１８
を噴出させるものである。また小室１２を中空部
１５から隔離する隔壁１４の孔１３にはカバー本
体９が装着されると、コネクター１が挿通するた
め孔１３が塞がれ、小室１２は密閉される。なお
カバー本体９をコネクター１に装着させた後カバ
ー本体９の電線挿通孔１０付近及び電線２の外周
には絶縁テープ８を巻いても良いこと勿論であ
る。

以上の如くこの考案はカバー本体９をコネクタ
ー１等の電線接続箇所に装着するだけでカバー本
体９内で露出した芯線２ｂをシール材１８が被
い、電線２内への雨水の侵害を完全に防止するも
のである。従つてコネクター１等の電線接続箇所
にこの考案を従来と同様に装着するだけで電線へ
の雨水の浸入防止が行え極めて作業性が良い。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は従来の
コネクターカバーの使用例を示す断面図、第２図
はこの考案の縦断面図、第３図、第４図は夫々第
２図のＡ−Ａ線及びＢ−Ｂ線におけるこの考案の
横断面図、第５図はこの考案の使用状態を示す縦
断面図、第６図、第７図、第８図は夫々第５図の
Ｃ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線及びＥ−Ｅ線におけるこの考
案の使用状態を示す横断面図である。 なお図中１はコネクター、２，５は電線、２ｂ
は芯線、３はＣ型スリーブ、９はカバー本体、１
２は小室、１３は孔、１４は隔壁、１５は中空
部、１６は切込み、１７はシール材収納袋、１８
はシール材、１９はノズル、２０，２１は舌片で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二つの電線の少なくとも一方の電線の被覆を剥
   した芯線を露出せしめた状態で接続したコネクタ
   ー及びこれと近接した電線を被う中空状のコネク
   ターカバーにおいて、上記カバー本体内で露出し
   た芯線部分をカバー本体内の他の中空部から隔離
   する小室を設け、シール材を入れたシール材収納
   袋を設け、このシール材収納袋の噴出口を上記小
   室内に設け、このカバー本体を上記コネクターに
   被せる際、カバー本体内周とコネクター外周との
   間でシール材収納袋が押圧されて、上記小室内に
   シール材が噴出充満する構造としたことを特徴と
   する電線接続用コネクター。