JPS631777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、粒体肥料、牧草、麦類等の種子等の
粉粒体を散布するのに用いられる粉粒体散布装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来周知の、ホツパの粉粒体繰出口に、水平方
向に回転して粉粒体を放射方向に散布する飛散羽
根を有する回転盤を設けた、ブロードキヤスタの
ような粉粒体散布装置においては、粒体肥料や牧
草、麦類などの種子を全面散布するのに用いら
れ、ホツパから繰出される粉粒体に回転盤により
ほぼ水平放射方向に放出力を与え、この散布装置
を乗用トラクタの後部に装着してトラクタの後方
全面に粉粒体を散布するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが、この従来の散布装置においては、回
転盤が単純な一個の構成であつて、水平方向に回
転して粉粒体を放射方向に放出し、単純な山形
（円形）状に散布する散布パターンを有するのみ
で、有効散布幅が狭く、均一で、能率的な散布作
業が実施できない問題があり、特に粉粒体の性状
に応じて散布状態を調節することはできないな
ど、種々の問題があつた。

〔問題点を解決するための手段、作用〕

本考案は、上記の事情にかんがみなされたもの
で、ホツパの粉粒体繰出口に、水平方向に回転し
て粉粒体を散布する飛散羽根を有する回転盤を設
けた粉粒体散布装置において、前記回転盤を、径
の異なる複数段のものを同軸に軸支して構成し、
各回転盤には、ホツパの底部からそれぞれ別の吐
出口を介して連通させると共に、各回転盤の径に
応じて長さが異り、放射方向の取付角度を調節可
能とした飛散羽根を設けてなることによつて、作
業目的に応じて、また散布しようとする粉粒体の
性状に応じて、回転盤の径が異なることによる平
面上の各点の周速の違いで飛散距離が変わる。

また、調節可能な飛散羽根によつて飛散する方
向を変えることが可能となる。この２つの要因
（周速と方方向）の組合せをもつてすれば複数段
の回転盤を用いて各種の合成された散布パターン
を得ることができる。このことにより散布パター
ンを変えて散布することができ、しかも均一な散
布が行え、帯状散布なども可能である。

〔実施例〕

以下、図示した実施例を参照して本考案を説明
する。

第１図において、符号１はブロードキヤスタ
で、 このブロードキヤスタ１は、その機体フレーム
６に、散布すべき肥料、牧草種子、麦類等の粉粒
体を収容するホツパ２を支持し、ホツパ２の下側
に放出部３を設けている。また、機体フレーム６
の前部は、図示しないトラクタに装着され、回転
動力を受けるようになつている。

前記放出部３は、第２図に詳細に示すように、
その中央部を機体フレーム６に回動可能に軸支さ
れた上側回転盤４と、上側回転盤４と同軸に軸支
され、上側回転盤４より径の大きい下側回転盤５
とからなり、両回転盤４，５は共に水平方向に回
転する円形をなし、かつ所定の間隙を有して段差
が設けられている。下側回転盤５の下面には、ト
ラクタから伝達される動力により回転する駆動輪
１５の外周面が接していて、この駆動輪１５の回
転により下側回転盤５および上側回転盤４が所定
の方向に回転するようになつている。

前記ホツパ２の底部には、第３図ないし第６図
に示すように、２つの吐出口１３，１４が設けら
れ、吐出口１３は前記下側回転盤５の上面と連通
し、また、吐出口１４は前記上側回転盤４の上面
と連通しており、両吐出口１３，１４には開閉板
１６，１７が開閉調節可能に設けられている。

また、前記上側および下側の回転盤４，５の上
面には、側面視がＬ形をしたそれぞれの回転盤の
径に応じて長さの異る飛散羽根７，８が、回転盤
に対し放射方向に３個ずつほぼ所定の間隔で配設
され、取付ボルト９，１０によつて固定されると
共に、その外周部には周方向に複数の調節孔１
１，１２が穿設されており、これら調節孔１１，
１２を選択して固定することにより、飛散羽根
７，８の回転盤４，５に対する取付角度が調節可
能となつている。

このような構成のブロードキヤスタを用いて肥
料、石灰、牧草の種子、麦類の種子等の粉粒体を
散布するときには、まずブロードキヤスタ１の機
体フレーム６をトラクタにセツトし、ホツパ２に
粉粒体を収容する。この散布すべき粉粒体の性
状、作業目的に応じて飛散羽根７，８の取付角度
を取付けボルト９，１０により調節しておく。そ
して、トラクタの走行と共に駆動輪１５が回転し
て上側および下側回転盤４，５が回転すること
で、ホツパ２の吐出口１３，１４から吐出される
粉粒体が一旦回転盤４，５上に落下して、飛散羽
根７，８によつて放射方向に放出され圃場に散布
される。

このとき、吐出口１３，１４の開閉板１６，１
７による開閉調節はもとより、前述の飛散羽根
７，８の角度調節によつて、粉粒体はトラクタ後
方に向け均一な散布、あるいは列状に植付けられ
た作物の根元に帯状に散布したり、さらに、散布
距離等の散布パターンが、粉粒体の性状、作業目
的に応じて適切に調節することができる。

なお、上記実施例においては、回転盤を上下２
段に構成したものを示したが、これを３段、ある
いはそれ以上にしてもよく、また、飛散羽根の形
状、個数等を適宜変えてもよいものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案の粉粒体散布装置に
よれば、回転盤を径が異なり、かつ各別にホツパ
と連通させた上下数段のもので構成し、各回転盤
上に放射方向の取付角度調節可能な長さの異る飛
散羽根を設けたから、散布しようとする粉粒体の
性状、作業目的に応じて各種の散布パターンで散
布することができ、均一な散布、帯状の散布、散
布距離等が適切に選択できて、能率的でかつ無駄
のない散布作業が実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すブロードキヤ
スタ全体の側面図、第２図は回転盤および飛散羽
根の平面図、第３図はホツパの繰出し部分の断面
図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断面図、第５図は
第３図のＢ−Ｂ線断面図、第６図は第３図のＣ矢
視図である。 １…ブロードキヤスタ、２…ホツパ、３…放出
部、４…上側回転盤、５…下側回転盤、６…機体
フレーム、７，８…飛散羽根、９，１０…取付ボ
ルト、１１，１２…調節孔、１３，１４…吐出
口、１５…駆動輪、１６，１７…開閉板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ホツパの粉粒体繰出口に、水平方向に回転して
   粉粒体を散布する飛散羽根を有する回転盤を設け
   た粉粒体散布装置において、 前記回転盤を、径の異なる複数段のものを同軸
   に軸支して構成し、各回転盤には、ホツパの底部
   からそれぞれ別の吐出口を介して連通させると共
   に、各回転盤の径に応じて長さが異り、放射方向
   の取付角度を調節可能とした飛散羽根を設けてな
   ることを特徴とする粉粒体散布装置。