JPS63170076A - 剥離層用ド−プ組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はベースフィルム上に剥離層着色層及び接着剤層
が順次積層されてなるホットスタンピングホイルの製造
において、ベースフィルム上に塗工することにより剥離
層を形成するために使用されるドープ組成物に関する。

〔従来の技術〕

ホットスタンピングは、模様、文字などを印捺じたい材
料の上にスタンピングホイルと呼ばれる着色層、金属蒸
着箔なとの挿苗を重ね合わせ、熱と圧力を加えて、模様
、文字などを型押してスタンピングホイルのその部分を
打抜くと同時に融着させる転写マーキングの方法である
。スタンピングホイルにベースフィルム（支持フィルム
）が付着している場合は、転写後にベースフィルムを取
除く。ベースフィルムの剥離を容易にするため、スタン
ピングホイル中のベースフィルムと着色層との間には剥
離層が形成されるが、本発明の組成物はこの剥離層の形
成材料として用いられる。

スタンピングホイル用ベースフィルムとしては薄くても
強度のあるポリエステルフィルムが通常使用されるが、
ポリアミド、再生セルロースなども使用される。ホット
スタンピングホイルは、通常このベースフィルム上に剥
離層、着色層、接着剤層を順次積層した構造をもってい
る。

剥離がスムースに行われないと転写部分がスタンプに忠
実にならずに乱れたり、欠落が出来たりするという問題
がある。スタンピングホイルは使用まではロール巻きの
状態で保存するが、剥離層の離型性が強すぎたり、耐熱
性が低すぎたりすると保存期間中、特に夏期高温時に自
然剥離を生じたり、歪みを起したりすることがある。

スタンピングの熱および圧力を下の層に十分且つ忠実に
伝えるため剥離層はできるだけ薄く均一であることが望
まれるので、薄く且つ厚さが均一な層を形成することも
重要な課題となる。

従来、剥離層はワックス、ロジン、アクリル樹脂、シリ
コーン樹脂、繊維素誘導体などの材料から形成されてい
るが、未だに上記の要望を完全に充足するものは得られ
ていない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

発明者らは、繊維素誘導体のうち、酢酸セルロース、特
に置換度２，２〜２．６のいわゆる二酢酸セルロースが
適度の接着性と剥離性を兼備し且つ薄膜形成能があり、
スタンピングホイル剥離層形成樹脂として非常に優れて
いるが、スタンピングに高温を要する難点があることに
注目し、二酢酸セルロースに適量の可を剤を加えたもの
を剥離層とするとホットスタンピングの温度許容範囲も
広くなり、ホイル切れのよいものが得られるとの知見を
得、これに基づき本発明に到達した。

酢酸セルロースおよび可塑剤からなる樹脂組成物から剥
離層を形成するには、該組成物を有機溶剤に溶解し、ベ
ースフィルム上に塗工し乾燥する手法が採られるが、酢
酸セルロースの流延フィルムは一般にブラッシングし易
い性質があり、条件設定が一般に面倒である。若しブラ
ッシングを起した剥離層を使用し、これが転写層上に残
ると転写の外観を損う。

従って、本発明の目的は、ブラッシングを起し難く塗布
が容易で、薄く且つ均一な剥離層の形成が確実に行うこ
とができ、しかも、適度の接着性と剥離性を兼備してお
り、キットスタンピングの温度許容範囲が広いスタンピ
ングホイル剥離層を形成することができるスタンピング
ホイル剥離層用ドープ組成物を提供するにある。

（，３） 〔問題点を解決しようとするための手段〕上記目的は、
置換度２．２〜２．６の酢酸セルロース１００重量部及
び可塑剤５〜３０重量部からなる樹脂組成物５〜１５重
量％、低沸点有機溶媒６５〜８０重量％及び中高沸点有
機溶媒５〜３０重量％からなることを特徴とするスタン
ピングホイル剥離層用ドープ組成物によって達成される
。

本発明で使用する置換度２．２〜２．６の酢酸セルロー
スは通常二酢酸セルロースと呼ばれており、主として繊
維の製造原料として用いられている。

この置換度２．２〜２．６の酢酸セルロースは適度の接
着性と剥離性を兼備し且つ薄膜形成能に優れた剥離層を
与える。

可塑剤としては、二酢酸セルロース用可塑剤として知ら
れるものが用いられるが、特にジメチルフタレートおよ
びジエチルフタレートが好適である。二酢酸セルロース
に可塑剤を配合することにより剥離層の貯蔵時の密着性
、柔軟可撓性およびホットスタッピング時の塑性切断性
および剥離性が改良される。

可塑剤の配合量は、二酢酸セルロース１００重量部に対
し５〜３０重量部である。５重量部未満では上記の改良
が十分に達成されず、また、３０重量部を超えると保存
時にマイグレーションを生じる惧れがある。

二酢酸セルロースと可塑剤とからなる樹脂組成物に比較
的多量の低沸点有機溶媒と比較的少量の中高沸点有機溶
媒を配合して剥離層形成用ドープとする。

低沸点溶媒とは沸点が７０’Ｃ程度以下の溶媒を意味し
、その具体例としてはアセトン、アセトン／メタノール
、メチレンクロライドなどが挙げられる。しかしながら
、衛生性、腐蝕性の点でハロゲン含有溶媒は好ましくな
い。中・高沸点溶媒とは、沸点が７０℃程度より高い沸
点を有する溶媒を指し、その具体例としてはメチルエチ
ルケトン、セロソルブ、ジアセトンアルコールなどが挙
げられる。低沸点溶媒を主溶媒（ドープ重量に基づき６
５〜８０重量％）として、これに中高沸点溶媒をドープ
重量に基づき５〜３０重量％配合すると流延フィルムが
ブラッシングを起し難くなる利点がある。

ドープ中の樹脂組成物の濃度は５〜１５重量％とする。

ドープ特性としては、粘度が重要であり、一般に粘度は
低いことが望ましい。樹脂組成物のドープ中濃度が５〜
１５重量％であると一般に２〜８ボイズという低い粘度
を与える。なお、上記溶媒のうちアルコールはそれ自体
酢酸セルロースの溶媒ではないが、アセトンとの混合溶
媒とすると、アセトン単独の低沸点溶媒組成と比較して
粘度が低下する利点がある。

〔発明の効果〕

本発明のドープからは、ベースフィルム上に極めて薄い
剥離層を形成させることができ、０．１μｍ〜０．５μ
ｍ程度の層とすることができる。ベースフィルム上に流
延し、乾燥する条件の設定は容易であって、ブラッシン
グを起しに＜＜、透明なコーティング層が容易に得られ
る。本発明のドープを用いたホットスタンピングホイル
において、通常剥離はヘースフィルムとの界面で起こり
、離型層はそのま＼着色層の上に残るが、剥離層が極め
て薄く且つ透明であるため、外見上美麗であって且つ着
色層の保護層としても機能する。

本発明のドープを用いて得られる剥離層は薄く且つ厚み
が均一であるため、着色剤層に金属蒸着膜層を設ける場
合にも適している。例えば、黄色顔料とアルミ蒸着膜を
重ねることにより金色の押捺かえられる。

ホットスタンピングは、本や手帳の表紙、ラベル、ネー
ムプレート、包装材、銘板などの装飾用途に用いられ、
下地の材質、目的、スタンプのデザインなどによりスタ
ンピングの温度、圧力が異る場合があるが、本発明のド
ープから得られる剥離層は、それらの条件変動があって
もホイル切れが良く、スタンプに忠実な転写が得られる
。また、スタンピングホイル原板の保存性、作業性など
も良好なものが得られる。

従来、剥離層用のコーティング組成物は、ホントスタン
ピング加工業者において、ワックス等の原料から調合し
使用している例が多いが装置と手間がかかり、且つ良好
な剥離層が得難いものであったが、本発明のドープ組成
物を用いることにより加工業者の手間を省き、且つ良好
なホットスタンピング効果が保証される。

〔実施例〕

以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこ
れにより限定されるものではない。

実施例１ 酢酸セルロース（置換度２．４；ダイセル化学工業製）
フレーク及びジエチルフタレート（大穴化学製）を常温
で溶剤に溶解し、ドープを作製した。

ドープ組成及び粘度は下記の通りである。

酢酸セルロース　　　　　１０重量部 ジエチルフタレート　　　　２　〃 アセトン　　　　　　　　７７〃 ジアセトンアルコール　　１１〃 上記ドープを厚さ１２μｍのポリエステルフィルム上に
流延、乾燥して厚さ０．３μｍの剥離層を　　−形成し
た。上記剥離層の上に下記組成の着色剤を塗工し、乾燥
して厚さ１．５μｍの着色層を形成した。

上記着色層の上に金属アルミニウムを厚さ５００人に蒸
着し、さらにその上に次の組成の接着剤溶液（固型分１
５重量％）を塗工し、乾燥し、厚み１．５μｍの接着剤
層を形成した。

ロジンエステル　　　　　　　９　〃 トルエン　　　　　　　　　８７〃 以上の手法により作成されたスタンピングホイルを、擬
革手帳表紙上に箔押機で５　ｋｇ／　ｃＪ、　１１０℃
にてホットスタンプしたところ、ホイル離れ、ホイル切
れは良好であり、転写層は美麗な金色を呈し、刻印の型
に忠実な転写が得られた。

本スタンピングホイルは、巻きとり、保存が可能であり
、未使用のま＼１年間倉庫に保存しても着色層と着色層
間にマイグレーションが認められなかった。

実施例２ 酢酸セルロース（置換度２．５；ダイセル化学工業製）
フレーク及びジメチルフタレート（大穴化学製）を常温
で溶剤に溶解し、ドープを作製した。

ドープ組成及び粘度は下記の通りである。

酢酸セルロース　　　　８．５重量部 ジメチルフタレート　　　１．５〃 アセトン　　　　　　　７０〃 メチルエチルケトン　　１５〃 メチルアルコール　　　５　　〃 （固型分ｌＯ■重％） 粘　度　　　　　　　　３．２ポイズ（２５°Ｃ）上記
ドープを用い、実施例１と同様の方法でスタンピングホ
イルを作製した。

このものを革製表装本の背に５ｋｇ／ａ（，１２０℃で
ホットスタンプした。美麗、忠実な転写が得られた。

比較例 実施例１に使用したものと同じポリエステルフィルム上
に下記組成の溶液を塗布乾燥して厚さ０．４μｍの剥離
層を形成させた他は、実施例１と同様に着色剤層、金属
蒸着し接着剤層を積層してスタンピングホイルを作成し
た。

パラフィンワックス （融点８０〜１２０℃）　　　　１０重量部トルエン　
　　　　　　４５〃 １００〃 粘　度　　　　　　　２．５ボイズ 実施例１と同様の方法で擬革手帳表紙上にホットスタン
プした。その結は、ホイル切れが悪く、刻印の型をはみ
出して金色が転写される部分があった。

また、ホイルを巻き取って保存中、夏期にワックスの着
色層へのマイグレーションが認められた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 置換度２．２〜２．６の酢酸セルロース１００重量部及
   び可塑剤５〜３０重量部からなる樹脂組成物５〜１５重
   量％、低沸点有機溶媒６５〜８０重量％及び中高沸点有
   機溶媒５〜３０重量％からなることを特徴とするスタン
   ピングホイル剥離層用ドープ組成物。