JPS6315015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の目的） 本考案は、研磨布紙デイスク又はシートを可撓
性のある担体に貼付け巻取つてなる研磨布紙ロー
ルを収容するとともに、研磨布紙デイスク又はシ
ートを担体から連続して剥脱することのできる容
器に関するものである。

本考案の目的は、研磨布紙デイスク又はシート
を簡単かつ迅速に連続して剥脱できるようにし、
よつて研磨作業における段取り時間を短縮して能
率向上を図ることにある。

（従来技術） 従来、回転式研磨機或いは振動式研磨機の可動
部分に貼着して使用される研磨布紙デイスク（円
形）又はシート（矩形）は、裏面に塗布された感
圧性接着剤面を保護するために長尺な担体（剥離
紙）に貼付けてロール状に巻取つたものが知られ
ている。

この研磨布紙ロールは、デイスク又はシートを
使用するに先立つて担体から手指により１枚宛剥
脱しなければならなかつたので剥脱に時間が掛
り、研磨作業の段取りに多くの時間を要する欠点
があつた。また、デイスク又はシートを剥脱する
際に接着剤面に指が触れるために接着剤面が汚れ
て接着力の低下を招く欠点があつた。

（考案の構成） 本考案は、上述の欠点を解消するため、研磨布
紙ロールを収容する箱状の容器本体を形成し、そ
の容器本体の一側の側壁の口縁に折曲部を形成
し、その折曲部に沿つて容器本体の上面側に研磨
布紙ロールの巻終り端を引出すための引出し口を
開設したもので、以下実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図ないし第４図において、研磨布紙ロール
４は可撓性のある長尺な担体１の表面に研磨布紙
デイスク２（第１図に示す円形のもの）又は研磨
布紙シート２′（第２図に示す矩形のもの）が単
列又は複列となるように任意の間隔で剥脱可能に
貼付けられ、デイスク２又はシート２′を内側に
してボビン３に連続して巻取つたものである。

デイスク２又はシート２′は砥粒面と反対側、
即ち裏面に感圧性接着剤が塗布され、その接着剤
の接着力により担体１の表面に接着されている。
担体１は可撓性のある紙、合成樹脂フイルム、布
等の素材からなるもので、デイスク２又はシート
２′裏面の接着剤に対する離型効果を有する材料
が表面に塗布されてデイスク２又はシート２′の
剥脱を容易にしている。そして剥脱をさらに容易
にするために、担体１の“こわさ”をデイスク２
又はシート２′の“こわさ”よりも小さくしてい
る。この“こわさ”は、ガーレ式柔軟度試験機に
よつて測定される。前記担体１の“こわさ”をガ
ーレ式柔軟度試験機によつて測定すると、その値
は一般に200mg以下であり、デイスク２又はシー
ト２′の“こわさ”は200mgを超え3500mg以下であ
る。一方、担体１の表面からデイスク２又はシー
ト２′を剥脱するために要する力は、JIS−Z1523
の常態粘着力測定方法に規定されており、この測
定方法によつて測定される粘着力は一般に100
ｇ／10mm幅以下である。（JIS−Z1523に規定する
常態粘着力は、幅25mm又は25mm以下で長さ250mm
の研磨布紙をステンレス鋼板に圧着し、その研磨
布紙の一端をつかんで300±20mm／minの速度で
連続して剥がしたときの荷重を求め、これを10mm
幅当たりに換算したものである。） 次に上記研磨布紙ロール４を収容するための容
器本体５は、研磨布紙ロール４がその軸線の回り
に回転可能に収容されるだけの空間を有する箱状
をなすもので、研磨布紙ロール４を囲む側壁のう
ち研磨布紙ロール４の外周面に面する一側の側壁
１０を口縁から内側へ折曲することによつて折曲
部８を形成するとともに、その折曲部８の先端を
内側へさらに延長して傾斜した案内片１１を形成
する。案内片１１はその両側縁を研磨布紙ロール
４の端面側へ延長して研磨布紙ロール４を両側か
ら挟むように案内片１４を形成する。側壁１０に
向い合う側壁１２の口縁に連なる蓋６を側壁１０
に近接する方向へ延長し、その蓋６の先端部を下
側へ折返すように折曲して傾斜した折返し片１３
を形成する。側壁１０の折曲部８と蓋６の先端部
７とは所定の間隔で相対させることにより研磨布
紙ロール４の巻終り端が引出される引出し口９を
設ける。

前記研磨布紙ロール４はその軸線が側壁１０及
び側壁１２とに平行となるように容器本体５へ収
容し、蓋６を閉じた後引出し口９から巻終り端を
引出す。

（考案の作用） 研磨布紙ロール４からデイスク２又はシート
２′を１枚宛剥脱するには、担体１の裏面を折曲
部８に接圧させるとともに第４図に示すように下
方へ山形に引出すと、担体１は折曲部８との接触
面において圧力が加わつて小さな曲率半径で屈曲
される。デイスク２又はシート２′は担体１より
も“こわさ”が大きいから担体１のみが屈曲し、
デイスク２又はシート２′は屈曲しない。従つて
担体１を連続して引下げることによりデイスク２
又はシート２′の裏面から担体１が徐々に引剥が
される。このとき作業者はデイスク２又はシート
２′に手を触れる必要はない。デイスク２又はシ
ート２′が担体１から剥脱されるに従つてそのデ
イスク２又はシート２′は引出し口９から徐々に
突出し、担体１と完全に分離する。

（考案の効果） 本考案は、研磨布紙ロールを収容する容器本体
にその研磨布紙ロールの外周面に面して平行に引
出し口を設け、かつその引出し口から引出される
担体の裏面に接するように側壁の口縁に折曲部を
形成し、その折曲部に担体が接圧するように山形
状に引出し可能に設けたので、担体の端をつかん
で引張るだけでデイスク又はシートは簡単かつ迅
速に、しかも何枚でも連続して剥脱することがで
き、研磨作業の段取り時間を大幅に短縮できる大
きな効果がある。よつて研磨作業の能率向上につ
ながる。また作業者はデイスク又はシートの接着
剤面に触れることがないから接着剤面の汚れがな
く、接着力は低下しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は研磨布紙デイスクを担体に貼付けた平
面図、第２図は研磨布紙シートを担体に貼付けた
平面図、第３図は本考案実施例の斜視断面図、第
４図は同じく側面断面図である。 主要部分の符号の説明、１……担体、２……研
磨布紙デイスク、２′……研磨布紙シート、４…
…研磨布紙ロール、５……容器本体、８……折曲
部、９……引出し口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の研磨布紙デイスク又はシートを可撓性の
   ある担体に貼付け、その担体をデイスク又はシー
   トとともに巻取つてなる研磨布紙ロールを収容す
   る箱状の容器本体において、その容器本体５から
   引出される研磨布紙ロール４の巻終り端の取出し
   側の側壁１０を口縁より内側へ折曲して折曲部８
   を形成し、容器本体５の上面側に研磨布紙ロール
   ４の巻終り端の引出し口９を前記折曲部８に沿つ
   て設けたことを特徴とする引出し口を備えた研磨
   布紙ロール収容容器。