JPS6314905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は混合作業を必要とする２種類以上の粉
末材料を撹拌混合する撹拌装置に係り、その目的
は混合材料を収容する撹拌ドラムの傾斜角度を大
きくして、粉末材料の収納量を撹拌ドラムにより
撹拌混合できる範囲まで増大させたり、混合を終
えた材料の排出を迅速に行うことにより、撹拌混
合作業の効率化をはかることにある。

近年、摩擦車を利用して撹拌ドラムを回転させ
ながらこれをクランク機構により一定の角度で揺
動させて混合を必要とする内容物の撹拌混合作業
を迅速に行うようにした撹拌装置が提案されてい
る。しかし、前記装置においては、クランク機構
によつて揺動される撹拌ドラムの傾斜角度を大き
くすると、撹拌ドラム内の内容物が、撹拌ドラム
の揺動毎に撹拌ドラム内を右へ、左へと移動する
毎に内容物の重量が撹拌ドラムの前部又は後部に
かかつて、撹拌ドラムが摩擦車から落下するおそ
れがあるので、撹拌ドラムを大きく傾斜させて揺
動させることができず、小さくする必要があつ
た。ところが、撹拌ドラムの揺動角度を小さくす
ると、内容物の収納、排出時、撹拌ドラムはその
投入口を斜め上方の位置に大きく傾けたり、ある
いは排出口を下の方に傾けることができないの
で、内容物を撹拌混合作業に適した量だけ収納す
ることができなかつたり、逆に排出に手間がかか
る等、撹拌混合作業を能率的に行い得ない欠点が
あつた。

このため、最近では、例えば、実開昭56−
102629号公報に示されているように、手動操作に
よつて撹拌ドラムの傾斜角度を運転時より大きく
するものが考案されており、その構造は、クラン
ク機構の駆動装置を載置した取付台を、回転螺軸
と螺合させて前記基台に前後動可能に取付け、一
方、摩擦車を介して撹拌ドラムを乗載して前記ク
ランク機構と連結された台板を揺動自在に支承す
る支柱には、ウオームを固着したハンドルを回転
自在に取付け、前記ウオームと噛合するウオーム
ホイールと、前記回転螺軸とを、それぞれプーリ
ーを介してベルト結合することにより構成されて
おり、前記ハンドルの操作により回転螺軸を回転
させ、これにより取付台を移動させて撹拌ドラム
の傾斜角度を調整できるようにしたものである。

しかし、前記構成の撹拌ドラムの傾斜調整装置
には次に示すような問題があつた。

撹拌ドラムが大形化するとその重量も増え、
これにより手動でハンドルを操作するには相当
の労力を要するため、撹拌ドラムの傾斜調整が
容易に行えない。

撹拌ドラムの傾斜調整装置は、ハンドルをは
じめ、ウオーム、ウオームホイール、プーリ
ー、ベルト、取付台の移動後これを固定する装
置等、多くの部品を必要とするため、構造が複
雑となり、組立に手間がかかるとともに、製作
コストが高くなる。

更に、ハンドルは撹拌装置から突出して設け
られているので、撹拌ドラムの運転中に作業者
の衣服がハンドルに引掛かつたりして作業者が
回転ドラム側に倒れたりすると、撹拌ドラム等
に接触して怪我をしたり、通行の妨げとなる。

本考案は前記の欠点を除去して、撹拌装置の運
転中は撹拌ドラムの揺動角度を小さくし、撹拌混
合を行う内容物の出し入れに際しては、撹拌ドラ
ムを運転時より大きく傾斜させて内容物を撹拌能
力の限度まで増したり、内容物の出し入れを迅速
容易に行うようにした操作が容易で、しかも、構
造を簡素化した撹拌ドラムの傾斜角調整装置を提
供するもので、以下本考案の実施例を図により説
明する。１はアングル形鋼を矩形状に枠組して形
成した台枠で、その左右両側の中央に突設した支
軸２を、基台３上に直立させた支柱４，４′の上
端に取付けた軸受５に挿通することにより、前記
台枠１は支柱４，４′上に回動自在に取付けられ
る。６は台枠１の四隅に取付けた軸受で、この軸
受６には回転軸７が台枠１の前後方向（第２図の
左右方向）に２本平行に挿通されており、この回
転軸７の両端にはそれぞれ台枠１と接触しない位
置で摩擦車８が装着され、又、前記回転軸７の中
央にはプーリー９がそれぞれ装着されている。１
０は台枠１の裏面中央に支持部材を介して取付け
られたギヤモータで、その回転軸に固着したプー
リー１１には、回転軸７のプーリー９との間でベ
ルト１２を巻掛けて、ギヤモータ１０の駆動力を
回転軸７に伝達して摩擦車８を回転させる。１３
は電動機１４と、この電動機１４によりベルト１
５を介して駆動する減速機１６と、この減速機１
６の駆動軸１７に固着したクランク１８と、この
クランク１８と台枠１の前端中央との間に枢着さ
れた連接棒１９とからなり、前記台枠１はこのク
ランク機構１３により支軸２を中心として前後に
約20゜の角度でシーソーの如く揺動する。２０は
前記クランク機構１３を載置した移動台で、この
移動台２０は、クランク機構１３の一部を構成す
る電動機１４と減速機１６とを取付けて、その両
端（第１図の左右方向）の下側に取付けられたス
ライド金具２１を介して、基台３上に前後に向け
て敷設した案内レール２２に、滑動可能に嵌合保
持されている。２３，２３′は案内レール２２の
間に、この案内レール２２と直交して基台３の前
後方向（第２図の左右方向）に所要の間隔（移動
台２０の移動範囲内）を保つて取付けられた案内
レール２２の補強を兼備した支持金具で、この支
持金具２３，２３′間には、軸受を介してスクリ
ユウ軸２４が回転自在に支承されている。そし
て、このスクリユー軸２４には第２図に示すよう
に、移動台２０の下面に止着された案内突起２５
が送りナツト２６を介して螺装されている。２７
は基台３の後部側（第２図の右方）に取付けられ
たスクリユー軸２４駆動用のブレーキ付ギヤモー
タで、このモータ２７とスクリユー軸２４とはユ
ニバーサルジヨイント等の自在継手２８によつて
駆動連結されている。２９は中空円筒状の撹拌ド
ラムで、その前部には図示しない小径な排出口を
開閉する蓋板３０が係止金具３１によつて取付け
られており、反対側には図示しない大径な投入口
を開閉する蓋体３２が係止金具３１′により止着
されている。又、この撹拌ドラム２９はその内部
に図示しない掻上板を、撹拌ドラム２９の長さ方
向に沿つて複数本配設して、摩擦車８上に回転可
能に乗載される。３３は撹拌ドラム２９の胴部中
央の外周に一定の間隔を保つて周設した１対の突
起、３４は突起３３間に位置する撹拌ドラム２９
の胴部と対応させて台枠１の両端に取付けた支持
台で、この支持台３４には突起３３間に遊嵌され
るローラー３５を上端に回転自在に取付けたアー
ム３６が取り外し自在に装着されている。３７は
アーム３６固定用のハンドル、３８，３８′はク
ランク機構１３が定位置および最大移動位置に達
したとき電動機２７の起動を停止させるマイクロ
スイツチで、スクリユー軸２４下方の基台３上に
設置されている。３９は案内突起２５に垂設した
マイクロスイツチ３８，３８′の操作片である。

次に、動作について説明する。先づ、撹拌ドラ
ム２９に内容物を投入する場合は、係止金具３
１′の固定を解き蓋体３２を撹拌ドラム２９から
外す、つづいて、電動機１４を起動してクランク
機構１３により台枠１を、支軸２を中心として反
時計方向に回動させて、撹拌ドラム２９を第３図
に１点鎖線で示すイの位置まで傾斜させる。この
結果、撹拌ドラム２９の図示しない投入口は第３
図の右斜め上方に位置する。この状態でつづいて
ブレーキ付ギヤモータ２７を起動させてスクリユ
ー軸２４を回転させると、このスクリユー軸２４
に送りナツト２６および案内突起２５を介して駆
動連結されている移動台２０は、スクリユー軸２
４に螺合している送りナツト２６により案内レー
ル２２に沿つて第３図の右方に移動（後退）して
クランク機構１３を同一方向に移動させる。そし
て、案内突起２５に垂設した操作片３９がマイク
ロスイツチ３８′と接触してこれを遮断すると、
ブレーキ付ギヤモータ２７は直ちに停止してクラ
ンク機構１３の移動を中止させる。このため、ク
ランク機構１３は第３図の実線位置から２点鎖線
で示す位置まで移動し、撹拌ドラム２９を第３図
の１点鎖線の位置から２点鎖線で示すロの位置ま
で傾斜（約45゜させる。この状態で図示しない搬
送シユート等から給送される内容物を撹拌ドラム
２９内に撹拌混合に適した量だけ収納して、投入
口に蓋体３２を取付ける。つづいて再びブレーキ
付ギヤモータ２７を前記とは逆方向に起動し、ス
クリユー軸２４の回転によりクランク機構１３は
移動台２０を介して第３図の実線位置（定位置）
の方向に移動し、操作片３９によりマイクロスイ
ツチ３８が遮断されると、ブレーキ付ギヤモータ
２７は停止しクランク機構１３は原位置に戻り、
撹拌ドラム２９は台枠１を介して第３図の１点鎖
線イで示す位置に復帰する。次にギヤモータ１０
および電動機１４を起動させると、撹拌ドラム２
９は摩擦車８により回転すると同時にクランク機
構１３にて第３図に１点鎖線で示す範囲の傾斜角
度（約20゜）にてシーソーの如く前後に揺動し、
内容物を図示しない掻上板により掻上げながら撹
拌すると共に、撹拌ドラム２９の前部から後部
へ、逆に後部から前部へと移動させて撹拌混合さ
せる。

内容物の撹拌混合作業が終了して、撹拌ドラム
２９から内容物を排出する場合、撹拌ドラム２９
を、その蓋板３０側が下向きとなるように傾斜さ
せてから内容物の投入時と同様に、ブレーキ付ギ
ヤモータ２７を起動してクランク機構１３を後退
させることにより、撹拌ドラム２９を第３図に２
点鎖線ロで示す位置まで傾斜させる。つづいて、
蓋板３０を外して図示しない排出口から撹拌混合
を終えた内容物を排出させる。この際、ギヤモー
タ１０を起動して撹拌ドラム２９を回転させなが
ら排出させるようにすると、排出作業は能率的と
なる。

又、本案は撹拌ドラム２９の胴部に周設した突
起３３間には、支持台３４に取り外し自在に取付
けられているアーム３６先端のローラー３５が遊
嵌されているため、撹拌ドラム２９は、運転時の
揺動運動あるいは内容物の投入・排出時において
大きく傾斜させても、前記ローラー３５によつて
胴部両側が挟持されているので、摩擦車８から滑
落するということはない。しかも、前記ローラー
３５はアーム３６の固定を解くことにより支持台
３４からアーム３６と共に台枠１から取外すこと
ができるので、撹拌ドラム２９の摩擦車８からの
上げ降ろしが容易に行うことが可能となる。

本考案は以上説明したように構成されているの
で、次のような効果を有する。

撹拌ドラムを揺動させるクランク機構は、こ
れを載置した移動台を電動駆動するスクリユー
軸によつて自動的に基台上を移動させるだけで
よいので、撹拌ドラムの傾斜角度調整や、運転
に支障のない状態に復帰させる作業が、労力を
要することなく、迅速容易に、かつ、安全に行
うことができる。

又、クランク機構を移動させる構造は、スク
リユー軸を電動機に駆動結合するだけでよいた
め、少ない部品点数ですみ経済的であるととも
に、組立が容易となる。

スクリユー軸は電動機を起動させない限り回
転せず、しかも、送りナツトとスクリユー軸の
螺合により、撹拌ドラムが大きな角度で傾斜し
ていても、材料の投入による撹拌ドラムの重量
変化によつて傾斜角度が変るようなことが全く
ないので、材料の投入作業を安全に行うことが
でき、かつ、スクリユー軸が不用意に回転する
のを阻止する固定手段を必要としない。

移動台は案内突起に設けた操作片がマイクロ
スイツチを遮断することによつて必ず定位置に
停止させる構造となつており、移動台が必要以
上に移動することにより、クランク機構を破損
したりする事故を確実に防ぐことができる。

更に、スクリユー軸は、従来のようにハンド
ルを支柱に取付けたり、ベルトを介して回転螺
軸を回転する構造と全く異なり、基台上に設置
した電動機によつて同一線上の位置（水平状
態）で駆動連結してあるので、基台上の狭隘な
空間を有効利用して移動台を移動させる部材の
設置が容易となり、撹拌装置の大形化が阻止で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の傾斜角調整装置を備えた撹拌
装置の正面図、第２図は要部を縦断して示す撹拌
装置の側面図、第３図は本案装置の動作状態を説
明する説明図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支軸２に枢支されてクランク機構１３と揺動可
   能に連結された台枠１に、電動機１０と駆動結合
   した摩擦車８を回転自在に取付け、この摩擦車８
   上に撹拌ドラム２９を乗載し、この撹拌ドラム２
   ９を回転・揺動させて内容物の撹拌混合を行うよ
   うにした撹拌装置において、基台３上には撹拌ド
   ラム２９の長さ方向と平行に案内レール２２を敷
   設し、この案内レール２２上には、スライド金具
   ２１を介して移動台２０を滑動自在に嵌合して撹
   拌ドラム２９を揺動させるクランク機構１３を載
   置し、前記移動台２０の裏面には送りナツト２６
   を嵌着した案内突起２５を垂設し、この案内突起
   ２５の送りナツト２６には、基台３に移動台２０
   の移動範囲に応じて取付けた支持金具２３，２
   ３′間に回転可能に支承されるスクリユー軸２４
   を螺合し、このスクリユー軸２４は、基台３上の
   後部に設置したブレーキ付ギヤモータ２７と同一
   線上の位置で自在継手２８を介して回転可能に連
   結し、更に、前記支持金具２３，２３′に近接し
   て案内突起２６の移動範囲を規制するマイクロス
   イツチ３８，３８′を基台３上に取付けるととも
   に、前記案内突起２５にマイクロスイツチ３８，
   ３８′を遮断する操作片３９を垂設し、前記スク
   リユー軸２４を電動駆動させて案内突起２６の操
   作片３９によりマイクロスイツチ３８′を遮断し
   たとき、移動台２０を定位置から最大限後退させ
   て撹拌ドラム２９を運転時より大きく傾斜させる
   ようにしたことを特徴とする撹拌装置における撹
   拌ドラムの傾斜角調整装置。